読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
それまでの名声を捨てて、ついに山村こと楊建明の元へ向かったフミ。馬賊となった彼女は建明のかつての女と比べられながらも、彼女らしい強さを持って仲間と認められていった。しかし曠野は多数の思惑と罠と野望が行き交う戦場と化して……。
読んだのは単行本。芙蓉ことフミの千里を駆ける物語。
実に大河だなあというお話で、女性が凄まじい勢いで歴史の中を駆け抜けていく感じ、実に須賀しのぶさんらしい作品だと思いました。炎林との関係とか、大河小説ならではだよなあ! とわくわくして読み終わりました。
歴史が大きく動いている時期のお話なので、話の大半が戦況の説明だったり、フミに対する仕打ちというか彼女に襲いかかってくる展開が、酷い……きつい……辛い……(でも面白い)というのが楽しかったです。歴史って男性のもののように感じられるときがあるんですが、フミはそうした裏側を駆け抜けた人だったなと思う。
仕事一筋だった私が結婚したのは元FBI捜査官。「日本一腕のいい錠前屋を探せ」「デパートでも居酒屋でも、トイレに入る前はFBI式にドア点検せよ」「仕事靴はハイヒールのみ。スカートをはいて自転車に乗るな」。それは彼のトンデモ指令に奔走する、ジェットコースター人生の始まりだった。愛と成長とドタバタの日々を描く国際結婚エッセイ。(裏表紙より)
国際結婚の難しさと、結婚した相手と自分の文化や価値観の違いがわかるなあと思いました。危機管理もすごいですが、プロファイリングがすごい! 人を見る目ってこういうことなのかあと勉強になりました。旦那さんの変わった(って言ってもきちんと裏付けがある)言動がクローズアップされているけれど、自分と家族の身を守るための適切な行動だったというのが後にわかるのが切ない。そういう時代だったし、いまはこんな時代になってしまった。
2012年の文庫版刊行に合わせてのあとがきで、ダーリンとの別れが語られていて、なんだかもう泣き笑いになってしまった。そうかあ、最期までダーリンはダーリンだったんだなあ。
古い時代から続く王と魔法の力、そしてクリスタルが存在するルシス王国と、機械文明の発達により急速に巨大化していたニフルハイム帝国は、長きにわたって戦争を続けていた。移民によって成り立つ王の従兵たち「王の剣」もまた、あちこちの先頭に駆り出されており、ニックス・ウリックも例外ではなかった。だがついに和平が成り立つというその日、帝国はルシスの懐に入り襲いかかろうとしていた。ニックスたちは王都を守るため、行動を開始するが……。
ゲームの「ファイナルファンタジーXV」では語られていない「その頃王都では……」のお話。
ものすごい大変だったんじゃないかよ!
ノクトたちがのんびりロードムービーやってる一方で、王都陥落というすごい展開を迎えるわけですが、この状態でルーナがオルティシエに来ていたとか、凄すぎて。もうちょっとノクトとルーナが交流しても良かったんじゃないか……などと本編のだめだめさ加減が浮き彫りになる映画ですが、しかし映画は映画でルーナを唯一のヒロインに仕立て上げてしまっているのでそれはそれでちょっと物申したい笑
映画は移民たちの悲哀の話。故郷を失った人たちがたくさん出てきて、力を求めて奔走する。ニックスも同じように力を求めるわけだけれど、ルーナの神凪らしい発言に感化される。王と認められたわけではないけれど心が揺るぎなくなったのかな。新参者の王に優しい歴代の王たちはちょっと笑ってしまいましたが笑 血族はかわいいんだろうか。多分ここが指輪に認められるには強い心が必要であるという伏線なんでしょうね。
とてつもなく美しい3Dで作り上げられた作品で、バトルシーンがはちゃめちゃにかっこよかったです。でかい敵が出てくるの、たぎるなあ!
無謀にも海を泳いで本土から南十字島に渡ってきた少年ツナシ・タクト。力尽きたところをアゲマキ・ワコに助けられ、彼女の婚約者である島主的立場にある少年シンドウ・スガタと親しくなる。「青春を謳歌する」と高らかに叫ぶ少し風変わりでアツい彼は、島の秘密である「ゼロ時間」「サイバディ」などと関わる力を秘めていることが明らかになり、銀河美少年としてタウバーンに乗り込んで戦うことになったが……。
劇場版は視聴済み。放送当時わりとちゃんと見ていたんだなあと思った再視聴でした。
いま見ると「少年時代の終わり」とか「ペルソナ」「表と裏」や「フェーズ」など深読みできるところがいっぱいあるんだなあということに気付かされました。ごく一部の大人とほとんどが高校生で構成されている綺羅星十字団とか、外界から侵略者的にやってきたタクトの存在など、絶妙な配置だと思うんですが、でもこれ夕方5時とか6時に見る世代にはなかなか理解するのは難しかったんじゃなかろうか。単なる三角関係のロボットもののように見えてしまうような。
勢いとノリで押し切るタクトがかっこよく、中二感溢れる設定や台詞を楽しみました。面白かったです。
岩手、宮城、新潟、長野、鳥取、高知、福岡。場所は違えど、そこには豊かな自然、ご近所さんとの絆、ゆったり流れる時間がある。地域に寄り添い生きる移住女子たちの「今」を紹介!(カバー折り返しより)
移住した女性たちの体験談をまとめたもの。移住に成功した人たちばかりなので、とても楽しそうに生活しているなあと思いました。移住する人ってみんなどこかしら意識の高い人たちなんだな……ということを読んでいて感じました。同時に、数人の方が語っていた東日本大震災がきっかけになって、という言葉に、あの震災は多くの人たちにいろんな影響を及ぼしたんだと思う。
成功談がこれで読めるので、失敗談を読みたいなという気分になりました。移住先で、余所者がー余所者がーと言われていたのは一昔前の話とありましたが(この本は2017年1月発行)、本当にそうなのかな。気になります。
小学校入学を三日後に控えたその日、母が亡くなった。父親は新しい恋人の元へ身を寄せ、残された自分は父親から与えられる食費を手に、ゲームを買い漁った。親の束縛がない日々でやり込んだゲームの数々に「育てられた」のだと思う。著者の過去を交えてファミコンソフトを語る一冊。
冒頭からだいぶと重い少年時代を過ごした、ということが書かれているんですが、随所に闇が。しかし父親に見捨てられたっていうのは心の傷以外にはならないよなあ。収集癖が思い出に固執しているんだろうっていう自己分析も、すごく胸が痛い。
プレイした思い出とともにファミコンソフトを語る一冊で、「スペランカー」「高橋名人の冒険島」「マニアックマンション」など有名どころも押さえつつ、あんまりよく知らないなっていうソフトも挙げているのかな? あまり詳しくないのですが、私はこのタイトル聞いたことないなって作品もありました。
フジタさんの経歴が、芸人をやって、辞めた後タクシードライバーなどをやって、また芸人として活動中だそうで。ファミコン芸人として活躍っていうところになんとなく時代を感じるなあ。こういうのを一芸に秀でるっていうのかな。
その学校に入学するのは、異世界へ行った、不思議の国のアリスのような子どもばかり。つまり“向こう”に帰りたいと切望する彼らに、現実と折り合うすべを教える学校なのだ。新しい生徒のナンシーもそんなひとり。ところが死者の世界に行った彼女に触発されたかのように、不気味な事件が……。ヒューゴー賞など3賞受賞、アリスたちの“その後”を描いたファンタジー3部作開幕。(裏表紙より)
異世界より帰還した子どもたちが集められた学校がある。子どもたちはみんな、「ナンセンス」「ロジック」などに大別される異世界で、この世と異なる時間を過ごし、戻ってきた。そうしてこの学校はみんな「その"故郷"へ帰りたい」と願っている。
異世界から帰還した子どもたちは果たして現実に適合できるのかという問題に取り組んだ作品で、事件も起こりますが子どもたちの性質がすごく独特で面白いなあと思いました。ナンセンスの世界に行って適応してしまった子は、この世では独特の言い回しを使う「変わった子」になってしまうし、邪悪な性質を含む世界に行った子は見えないところに凄まじい悪性を持っている様子だったりと、「生きて帰りし」のその後が覗ける。
三部作とのことなのでこれから続きが出るのかな。第二部は前日譚らしいので機会があったら読んでみよう。
エイを釣ったので発酵させたり、ホタルイカを獲りに行ったり、野草を摘んで料理してみたり。とにかく捕まえて食べる、を繰り返した記録。
「ホンオフェ」「ホタルイカ」「アナジャコ」「マテガイ」「ギンポ」「ヒラツメガニ」「タコ」「野草」「ザザムシ」「スッポン」を食べています。
日本国内で捕まえたものを食べるので、食べているものは想像しうる範囲のもの(だと思う)のですが、捕まえてそれを食べるという行為は面白いなあと気付かされる本でした。
見た目がグロいな……と思わせるものもありますが、こういうものを食べてきた人たちがいるので、面白いなあと思います。かといって食べたいかと言われると、あんまり、としか答えられないのですが。
両親を失い、親王家の姫としての身分を捨てた綺姫が買った一枚の薄様——それは不思議な出会いの始まりだった(深山くのえ「冬の蝶」)、彼女いない歴=年齢!! 恋愛オンチの女子高生・比奈と魔界の王子様の結婚式!?(片瀬由良「愛玩王子〜My Dear〜」)、必ず彼女を守る——陰謀うずまく後宮で、太子が愛する宮女・水蓮のためにした決意とは?(葵木あんね「青宮の華燭」)豪華執筆陣によるトキメキ花嫁ストーリー!! ラブ満載の一冊です!(裏表紙より)
少女向けの短編が読みたくなったので。
平安を舞台にした不思議な薄様(紙)でやりとりする男女の切ない物語「冬の蝶」、『愛玩王子』の番外編、そして中華後宮もので能書家の宮女がヒロインの「青宮の華燭」。三つが収録されています。
「冬の蝶」が非常に上品な話で、メールなんてない時代だからこそ、メールのようにやりとりできる(相手の持つ紙の片割れに、自分が書いた言葉が記される不思議な紙を用いる)というのがとても面白くて、最後のオチも綺の幸福を予期させるものでとてもよかった。
『愛玩王子』は未読なので、ちょっとノリがついていけなかったかな……。
「青宮の華燭」は婚約するも二回も破談になった、能書家のヒロインが主人公なんですが、国が干ばつに見舞われているという状況がこういう展開になるとは思わなくて面白かったです。太子である遼月も変化があったことが書かれていてとても好感の持てるヒーローでした。