読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
カジノでついに百万ドルチップを手に入れ、シェルの過去を手に入れたバロットたち。それをつなぎ合わせて現れてきたのは、シェルが消し去った過去だった。オクトーバー社はボイルドを雇い、シェルの抹殺を決める。シェルを守らなければならなくなったバロットは、ボイルドと最後の対決に臨む。
カジノでのアシュレイとのやりとり、めっちゃたぎったー!! かっこいい。自分と運と勝負してきた人たちの潔さが本当にかっこいい。
明らかになった真実はつらくて、痛かった。
小説版では、最後のあたりはもう痛くてつらくて読み進めるのが大変で、読み終わった後の空虚感がしんどかったのですが、映画版はもう少し軽い。なぜかというと、きっと映像で見ているから。はっきりくっきり描かれたこの世界の光と影のおかげで、朝焼けの空が優しくて、バロットとウフコックのやりとりが静かなのに優しかったからだと思う。
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15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。娘を喪った母親は彼女たちに言った──あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結末は!?
〈特別収録〉黒沢清監督インタビュー。(裏表紙より)
小学四年生のエミリちゃんが、ある夏の日に性的暴行を受けた上で殺害された。その時近くにいた四人の少女たちは、数年後、エミリの母親、麻子にある呪いをかけられる。その時から続いてきた、罪の連鎖。
四人の少女(女性)が、当時のことを回想しながら、その語りの原因にもなった自分の事件について語る短編が四つ、そして彼女たちに呪いをかけた麻子の独白、合わせて五つの連作です。一本目の「フランス人形」からひいっ! って感じの話が始まったので、どうなるかと思ったら、全部が「ああああ」って頭をかかえる内容で。終章まで読むとちょっとほっとできたものの、でもなあ、と頭を抱えて転がってしまう。
「わたしが納得できる償いをしなさい」の意味が分かった時には胸を突かれた感じがしました。そうかあ。そうだよなあ……。
かなり心理的な部分が大きい話だったので、ぜひ映像になったものも見てみたいと思いました。
「みんながこれをやらないから、私に仕事が来る」
声優界に並び称される者のない唯一無二の存在、大塚明夫。その類い希なる演技力と個性ある声は、性別と世代を超えて愛され続けている。バトーへの共感、ライダーとの共鳴、黒ひげに思う血脈、そしてソリッド・スネークに込めた魂——誰よりも仕事を愛する男が、「声優だけはやめておけ」と発信し続けるのはなぜなのか? 「戦友」山寺宏一氏をはじめ、最前線で共闘する「一流」たちの流儀とは? 稀代の名声優がおくる、声優志望者と、全ての職業人に向けた仕事・人生・演技論であり、生存戦略指南書。これは大塚明夫ファンが読む本ではない。読んだ人が、大塚明夫ファンとなる一冊である。(カバー折り返しより)
「声優だけはやめておけ。なぜなら……」というお話。五つの章に分かれていて「「声優になりたい奴はバカである」「「演じ続ける」しか私に生きる道はなかった」「「声づくり」なんぞに励むボンクラどもへ」「「惚れられる役者」だけが知っている世界」「「ゴールよりも先に君が知るべきもの」というタイトルになっています。
読み終わった感想は、「私は社会人に向いていないんだなあ」ということです。いや、自分の状況をいろいろ考えてみている最中なのですが、この本の中には「一度社会に出て、それで向いてないと思ったら」ということが書いてあるんです。なんか、書かないと自分が死ぬ気がするな、ということを最近思っていて。
という自分の話はどうでもよくて、声優・俳優としての世界のいろんな厳しさを、ストレートだけれど攻撃力をなるべく抑えた文体でつづっているので、かなり読みやすくて興味深かった。ほうほう、こういう手段で仕事を取るということもあるのか、みたいなことを感じたりもしておもしろかったです。
少女娼婦ルーン・バロットは、オクトーバー社に所属するショーギャンブラー、シェルによって、車ごと爆破される。シェルの操作を行っているドクター・イースターとネズミ型万能兵器ウフコックによって救出されたバロットは、スクランブル09法の適用者となり、一命を取り止める。操作に協力することになったバロットは、電子干渉能力を持って、シェルの犯罪を追うが……。
早川書房から出ている『マルドゥック・スクランブル』の映画版。三部作の一作目です。ボイルドとの最初の対決まで。小説から読める情報をそのまま描いている感じがしたので、作品としてはちょっと淡白な気もしました。非常に映像が綺麗なんですけれども、色が多すぎて見づらい!笑 しかし、暗いシーンでもきらきらして見えるってすごいなあ。
結成11年。お笑いコンビ・イエローハーツの甲本と田中は、甲本の思いつきで交換日記を始めることになる。最初はいやだと言っていた田中だったが、次第にやり取りは白熱し、やがて、大きなチャンスが訪れて……。2011年版の舞台。
売れないお笑いコンビが交換日記を始めた。お笑い芸人として芸能界で戦っていく人たちは、こんな風に思っているのかもしれないなあ、などと想像しながら見ていました。年齢とか、後輩とか、事務所とか。実力とか才能とか運とか。そういうものの縛りって呪いみたいだよなあと思ったりもする。なんというか、息苦しい。
つらい。やめたい、でも……と思う気持ちもよく分かったりして、感想にならない感想ばかり出てくるんですが、面白かったです。ラストがすごくよくって、最後ににこっと笑ってしまった。
孤島にとり残された三組のカップルと不思議な超能力をもつ四歳の女児との共同生活。生き抜くために幾多の試練を乗りこえて、真の友情と連帯を学びとった若者たちの青春賦。(帯より)
佐々木丸美作品は、男女のちがいとか人間同士のちょっとした感情の感覚や、神秘に関するうんちくが面白いのですが、話は相変わらず投げっぱなしなのがなんとも。もうちょっとすっきりはっきり終わってほしいなあ!
それぞれ先輩と付き合っている三人の女子。口が強い浩子。わがままな直満子。そして語り手である、少しひねた性格の賢い桐子。六人はとある孤島へキャンプしに行くものの、異変を感じて自主的に避難。異変を感じ取りながら避難せずに戻るという不思議な男性から、四歳の女児を預けられる。孤島を津波が襲った後、六人がラジオから拾ったのは、避難船が難破したという知らせ。かくして六人と少女の生活がはじまる。
サバイバルっぽさというより、人間の生活とは、みたいな部分が大きく感じられたように思います。星を読み、火を大切に扱い、家を建て。その中で、菫と名付けた少女の不思議な力は、多分、古代の巫女的なものの象徴なのだろうなどと思いました。
ちょっと調べてみたら、『風花の里』とつながりありなのか。ちょっと読み返さなければ。
サバンナを駆ける兄と妹。馬に乗っていく兄妹。険しい山道をいく少女たち。二人の弟に寄せ集めで作った車椅子を押してもらっていく少年。彼らはそれぞれに「学びたい」という気持ちを持って学校に向かう。
子どもたちの通学に焦点を当てたドキュメンタリー。ケニア、アルゼンチン、モロッコ、インド、四つの国に住む子たち。みんな、学校にいくために、険しい道を通学している。
こういうのを見ると、いかに自分が狭い視野しか持っていないのかがよく分かる。モロッコの風景を見ながら、こんなところに住む子どもたちも学校に通うんだという当たり前のことに、急にはっとさせられてしまった。
ケニアの兄妹の、兄のジャクソンのインタビューが収録されていたのですが、彼の内側にはたくさん語りたい言葉があるんだなあと感じました。自分の気持ちを伝えたいというのをひしひしと感じた。
そして、彼らを学校に行かせることを賛成している家族。どんなに危険な道のりであっても「無事に行って帰って来れますように」と祈ってくれる親の存在が、じんとしました。
失恋した日、ネットゲームの世界にトリップしたOLの愛歩。キャラクター「ポチ」となってしまった彼女だが、同じ状況に陥ったプレイヤーたちのおかげで、無事、元の世界に戻ってくることができた。その後、愛歩はパソコン越しに楽しい冒険を再開する。でも彼らと会えないのはちょっぴり寂しい。すると、オフ会をしようとのお誘いが! 人生初のオフ会にドキドキしながら待ち合わせ場所に向かうと、そこには彼女を振った彼の姿があって——?
舞台はゲーム世界から現実へ!
泣き虫なポチの大奮闘がはじまる!(カバー折り返しより)
トリップ先から無事に生還、みんなともゲーム越しに再会できた。次はオフ会だ!
あんまり深く考えない愛歩のおかげで、あのトリップは「わけのわからない偶然」ということで片付けられてしまった様子(他の五人はえんえん議論していただろうし、納得していないところもありそうですが)。
オフ会楽しそうでよかった。しかし、夕星の態度にうーんとなってしまった。いくら告白が日常茶飯事で、その日絶不調だろうと、駅前で見ず知らずの女性に告白されるというシチュエーションは滅多にないように思うので、ちゃんと覚えておいてほしかったというか……。
しかし、とってもかわいらしい、ほんわかと元気なお話で、楽しかったです。他のメンバーも本当にいい人たちでよかったー!