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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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クリムトの名画「黄金のアデーレ」。第二次世界大戦の最中ナチスに略奪され、その後、オーストリア政府のものとして国の美術館に飾られてきたそれを、「それは私の伯母のもの。私に返して欲しい」と国を相手取って訴えたマリア。その親戚で駆け出し弁護士のランディは、自分の出世のためにその仕事を引き受けるが、その絵に対するマリアの思い、そして当時の人々の思いに触れていく。そして、出された判決は。

観てからだいぶと経つのですが、とてもいい映画でした。
まず、アデーレ役の女優さんが絵にそっくりで、ほんと綺麗なんですよ! ミステリアスな、物憂げな美人で。
戦争が始まり、ユダヤ人狩りが始まった、その息詰まるトーンや褪せていく街の色、家族との永遠の別れ、そこに置いていかざるをえなかった人々の気持ちというのが、話が進むにつれてどんどん増してくる。そして、ラストのダンス。その映像に「辿り着く」「取り戻す」という気持ちがぶわっと沸き起こって、涙が滲んでしまった……。
派手な映像もないし、暗いトーンのシーンが続くこともありますが、本当にいい映画でした。
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ひとしずくの星 (富士見L文庫)
 周期的に発生する天災『星の災禍』により、故郷と家族を失った少年・ラッカウス。今は聖都で神官としての教育を受ける彼だが、その心中には常に疑問があった。
「『星の災禍』とは何なのか」
 次の犠牲者が出る前に答えを知りたい。衝動的に禁忌の森へと忍び込んだ彼は、無垢なる少女シースティと出会う。彼女に惹かれ、人目を盗んで森に通うラッカウスは知らなかった。彼女が、触れてはいけない世界の秘密に繋がっているということを…。
「シースティ。君を悲しませたりしない。この先ずっと」

美しくて寂しくて、とても透き通った物語で、あとからじわっと沁みるようにして切なさを覚えて、それを大事に抱えて生きていたいような、ささやかなお話だったように思います。
巫女ヴィリヤの力の恩恵を受けて、小さな奇跡の力を用いる神官。星が降ることによって人が死に絶える『星の災禍』を生き残った者は、必ず強い力を持つため、神官となるべく修行を積む。そして、神官は、多くが孤児や、家族に見向きされない長男以外の子どもが多い。そんな、『星の災禍』を生き残った少年ラッカウスが、禁じられた森の塔に住む、感情や言葉を知らない少女が星を受け止めるのを目撃したことから、世界の秘密につながっていく。
ラッカウスと、シースティと名付けた少女の交流が、暖かいのに悲しい予感しかしないのがなあ……。一緒にどこかに逃げよう、という夢を、必死にあがいて抱えたラスト周辺も、その後の彼の選択も、悲しいけれど綺麗で。
この物語に登場するいろんな人が、それぞれの意味でひとりぼっちだというのが分かる瞬間に、ぶわっとこみ上げるものがありました。素敵な物語でした。
「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)
アニメや漫画にひんぱんに登場する「世界征服」。だが、いったい「世界征服」とは何か。あなたが支配者になったらどのタイプになる? このさい徹底的に考えてみよう!(裏表紙より)

アニメ、漫画、特撮などの「世界征服」を目的とする悪役を引っ張ってきつつ、世界征服の目的とは、世界征服を果たすためのプロセスなどを説明しています。これ、文章軽いし簡単だし面白い! 魅力的な悪役を作るのって難しいんですよねえ……。
しかも、結論が世界征服とは結局どういうことか、というまとまりもよかったように思ったので、非常に面白かったです。現状とは反する新しい幸福と平和を宣言すること、かあ。
図書室で暮らしたい
好きなものが多すぎて、ごめんなさい!
作家になる前から、作家になってから、夢中で追いかけてきた小説、漫画、アニメ、音楽、映画、美味しいもの……etc.
すべてが詰まった、読むと元気になれるエッセイ集!
特別収録! 短編 おじいちゃんと、おひさまのかおり(帯より)

『ネオカル日和』よりちょっと経って、『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』が直木賞をとって、作品も『島はぼくらと』などが出て時間が経っています。子育ての話や、家族の話が多い印象でした。
私、『ゼロ、ハチ〜』のときにサイン会に行ったことがあるんですけど、そのとき、前に並んでいた男の子が「握手してくれませんか」って聞いていたんですよね。「もちろんです」って辻村さんは答えてて、それを聞いた私も握手してほしいと思って。私の順番が来て、私も声をからからにしながら「握手してもらっていいですか」と聞いたんです。そしたら、にこっと笑って「もちろんです!」と言ってもらえて。そしてぎゅっと私の手を握って「がんばってください」って言ってもらえたっていう幸せな思い出があります。
緊張して、泣きそうに、震えている私が、もしかしたら必死の物語にしがみついて生きている女の子に見えたかもしれなくて、多分、辻村さんはそういう人の味方になりたいんだな、と感じました。エッセイを読むと、ますますその思いが強くなりました。
BLコミック 恋する言葉。Perfect Bible
BLコミックを名言と紹介するガイドブック。結構偏ってるなーという印象ですが、読んでいてとても興味深かったです。
ハーレクインと並んで、BLは、決め台詞のストックをしたい時に浴びるように読むといい感じだと思っているんですが、そういう、キメキメなセリフのオンパレードで、面白かった。読んでみたいものが結構あったので、機会があったらと思っています。
猫と海鞘(ほや) (文春文庫)
犬だって夢を見る、猫だって冷蔵庫に入りたい、ベルトだって空を飛ぶ……どうしてこんなにケッサクな出来事ばかり起こってしまうのか。髪を切っては少年アシベと呼ばれ、ダンベルに励み、シュノーケリングに挑戦し、雀鬼への道をひた走る著者が、日常生活のくさぐさを軽妙な筆で綴った、おもしろさ抜群のエッセイ集。(裏表紙より)

犬のことだったり猫のことだったり、NHKの集金のことだったり、これぞエッセイっていう日常のことを書いているものを、久しぶりに読んだ気がしました。面白かった。
一番なんか怖かったのが、ビデオマニアの話。実際に見たら気持ち悪いだろうなあ、そういう撮影……。いったいどういう関係だったのか気になる。
若年認知症―本人・家族が紡ぐ7つの物語
2006年4月の刊行。若年認知症がまだほとんど知られていない状況で、本人と家族に話を聞いたものを掲載したり、若年認知症について書いていたり、家族会や施設などの紹介があったり。
今ではメディアで若年認知症について以前よりも知られるようになったと思いますが、家族に認知症の人がいると、本当に辛いんだな……と。若いだけに力が強くて暴力を振るってしまう、というのが一番怖いし危険なんだと思いました。
脳機能が低下している人を見ると、切なくなります。知っている人にその症状が現れている人がいるんですが、以前と比べてしまって、どうしても悲しくなるしどうしてって思っちゃう。まだうまく距離を作れないし割り切れてないんだなあ。
この本が出てから十年経つので、今ではどうかというのを知りたい。
初恋
1968年12月10日、三億円事件の真相は、府中の雨に消えた。
孤独な少女の初めての恋は、昭和史最大の謎を闇へ葬った。(帯より)

両親の離婚により、やがて天涯孤独となったみすずは、親戚の家をたらい回しにされる日々だった。引き取られた先にで疎まれてきたみすずは、新宿のジャズ喫茶《B》に流れ着き、そこで仲間を得る。やがてその内の一人、岸から、お前しかできないと、あることに協力するよう依頼され……。
私だけがその秘密を知っている、というセンチメンタルに満ち満ちているのかと思いきや、前半は淡々と、孤独な少女がいずれ置いていく子どもの部分(初恋)に重大な秘密を抱え、そのことが重大だったとばかりに大事なことはほとんど語らず、後半はあっという間に時間が過ぎ去ってしまう構成。長々と書かれた《B》でのことや岸とのことだけが必要だったとばかりに、三億円事件はただのおまけみたいな印象でした。
不思議な印象の話だったなあ。
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!〈特別収録〉中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。(裏表紙より)

初めて読む湊かなえ作品。中でも『告白』は衝撃的だというように聞いていて、最近テレビの「ボクらの時代」に出演されていたので、読んでみようかなーと手に取りました。
面白かったです。うわあああああってなる連続で、最後まですごかった。
一人の死をきっかけに、全員が疑心暗鬼になっていく話かと思ったら、そうではなく、語り手を変え、同じ事件のことを話しつつも、自分の話もするという。自分ことだから、自分が信じていること、正しいと思っていることだけを、自分を弁護しながら話す。それがすごく気持ち悪い(褒めてます)。
ラストに絶句でした。「後悔した」とは絶対に言わない森口先生が怖かった。完全に復讐者の姿になっている気がした。
面白かったです。
本の森の狩人 (岩波新書)
書物が溢れんばかりに出版されている現在、本当に面白い作品とはどのようなものか。狩人となった筒井康隆が、本の森に分け入り獲物を渉猟して歩く。実験小説あり、古典あり、SFあり、ミステリーあり…。作家の鋭い眼力に照らしだされた豊饒な作品群を、多彩な人物を登場させ、様ざまの文体を駆使して描く書評は文学の新たな悦楽である。(カバー折り返しより)

筒井康隆は「富豪刑事」と「パプリカ」しか読んだことがない……ので、書評の語る人が作品登場人物でもいまいちピンと来ず、書評なのだろうか……? という内容でもあったので、筒井康隆の本ではあるけれど、読書案内にはならない本だと思いました。自分ではちょっと読まない方法で読んでる感じだなーと思いながら読んでました。「これ面白い!」じゃなくて、なんだか別の視点から紹介しているような……。
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Author:月子
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