読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」「ペルソナ」などのテレビゲームから、ウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズなどのテレビヒーローもの、「ガンダム」「エヴァンゲリオン」「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」「美少女戦士セーラームーン」「プリキュア」「ムーミン」「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」などのアニメ、「ベルサイユのばら」「綿の国星」「ホットロード」「ドラゴンボール」「ONE PIECE」などのマンガ、そして著者が専門の児童文学まで、あらゆるジャンルの「子どもの物語」を串刺しにして読み解く試み。そこから見えてきた、「子どもの物語」の大きな変化とは?(カバー折り返しより)
ゲーム、テレビヒーロー、アニメ、少女アニメ、少年マンガ、少女漫画、児童文学、から、その時代と子どもたちを照らし合わせつつ、どういう形で子どもに向けて作品を作っていたのか、ということに筆を割かれていたと思います。何故、少女向けと呼ばれるものが一歩出遅れたのか、という話もあり、興味深く読みました。
何故大人にならなければならないのかという理由が提示されないまま、学校へ行き、勉強し、学んできたけれども、今の社会は、子どもは大人になるべきだという一本の道筋だけではなくなってきているはずだ、とまとめています。子ども像、とは変化していくもので、才能あふれる子どもたちがどんどん前に出てくるように私は感じているから、マスメディアの力も相まって、様々な形の子どもと大人が現れると思います。
しかし面白かったなこの本。ゲームにも触れてあるのがすごい。面白かった。
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佐々木マキのナンセンス・ワールドにようこそ!
佐々木マキという作家は、きわめて多彩な表情を持っています。その名前は聞く人によってさまざまに異なったイメージを呼び起こすことでしょう。たとえば、子どもの頃に読んだ忘れられない絵本の作者。あるいは1960年代末に「ガロ」でセンセーションを起こした前衛マンガ家。はたまた村上春樹の初期小説の装画なども手掛けるイラストレーター……。本書は、多様な分野で活躍する佐々木マキの仕事を一望する、画期的な入門書です。また、未発表のイラストや資料も多数収録した、貴重な作品集でもあります。(帯より)
絵本の『やっぱりおおかみ』がすごく好きで、でもその他のものがとても意味がわからん! と思っていた作家さんだったので、ちょっとどういう作品を描いているのか知りたくで読みました。村上春樹の初期作品の装画をやってたの知らなかった!
ユーモラスなのにどこか恐くて、理解できなさそうだなと思っていたんですが、ちょっと分かったようなそうでないような気がします。絵本作品になるとぐっと近付いた気がします。でも、分かろうと思って読み取ろうとするのではなく、感じ取ってなんとなくこういうものなのだなと思うことが大事だというのが分かって、そういう楽しみ方もあるのだなと納得しました。そうすると、私はやっぱり、佐々木マキさんの作品が恐いよ!
気がつくと白い部屋にいた。白い部屋——病院。何であたし、こんな所にいるんだろう。何であたし……え? あたし、自分が誰だか判んない。記憶喪失? そんな……。おまけに、病院に来た刑事は、さらに凄いことを言うのよ。あたしのこと、殺人犯だって! 殺人の疑いをはらすべく過去を探しに出たあたし、誰かにおそわれる。何で? あたしが何したっていうの。それにあたし、誰なのよ!(カバー折り返しより)
「あたしの中の……」「ずれ」「大きな壁の中と外」「チューリップさん物語」の四作品が収録。一人称の話って得意でなかったはずなんですが、新井素子作品ならするすると読めるし楽しい。
どの話も、短いのに起伏があって、オチがあって、すごくいい。好きなのは「大きな壁の中と外」です。これ、閉鎖学園みたいな感じでもっと読みたいなあ(というか書いてみたい……)遠い過去の人々の思惑で、未来の青少年たちが戦う話って本当に好きで、新井素子はそれほど読んでいないのに、ここに自分の好きなもののルーツがある。不思議だなあ。
理解不能の授業! つぶれるバイト先! 眼科医との攻防! 100キロ超えのハイキング! 500キロ超えのサイクリング! 初めてのピンク映画館! 変人との遭遇! 迫り来る就活! 華やかな看板の裏で繰り広げられた東奔西走の日々。
こないだまで大学生作家だった朝井リョウの別に知らなくてもいい真実(帯より)
桐島しか読んだことがなく、情熱大陸で特集されていたのを見ただけなのですが、予想以上にダンスィな大学時代だったので、外で読むのが大変でした。なんど噴き出しそうになってにやついたか。
「(にこ)」の破壊力にやられ、リア充、なう、などの昨今の言葉が並び、おなか緩い系だったり、馬鹿なことばかりしている朝井さんに、思った以上に親しみを持ってしまってちょっと好きになりました。ばっかだなあ……(褒め言葉)
三浦しをんさんや、イケてない系が好きな方は多分笑ってもらえると思うので、おすすめです。
「ぼくはあなただけを守る魔物なんですから」神魔を使役し《名もなき悪魔》の名を書に記す朔使。人と獣の姿を持つ美しき神魔アガルと契約したレジナは、朔使となる試験を兼ねた調査のため、雪に閉ざされた小国ユピルスに向かうことに…。悪魔の調査のはずが、宮廷を探索中についた嘘から、王女の身代わりをすることになってしまい——!? 一途な魔物とその主となった乙女&未来の幻魔王が織りなす、悪魔召喚ラブファンタジー第二弾!(裏表紙より)
『花術師』や花神遊戯伝の一巻はすごく読みづらくて、このシリーズも一巻は少々読みづらかったのですが、読み慣れてきたのか二巻はより面白く読みました。アガルの純粋な台詞が転がるわこれ!
神魔は、悪魔は、恋なんてしないの? というのが今回のポイントなのですが、どんどんお互いを好きになっていく二人がかわいい! ヴィネトもいい感じにサポートしてくれるし、この三人組かわいいなーとにこにこしてしまいます。しかしどんどん逆ハー要素が濃くなってきた……? まだまだ離しが始まったばかりという感じなので、もっと大きく動く話が読んでみたいと思いつつ、今回のオチは「尚更したくなったら、どうしよう……」でした。最後にはああああん!!! と叫んで転がりました。ごちそうさまでした。
わたしの名は桃子。あさみ、和馬、利明に送られて帰る途中、公園にUFOが落ちるのを目撃した。UFOは宇宙船だった。中からは誰も出てこない。翌日、美姫、誠も加わって調査にのりだした。宇宙船からは宇宙人が出てきて、六人を船内へ招いた。宇宙人たちは戦争の最中、敗れて地球へ避難したのだという。が、宇宙人たちを驚かせたのは、あさみが精神感応を持ってることだった……。(カバー折り返しより)
私が読んだのは集英社文庫コバルトシリーズの版。久しぶりに新井素子作品を読んだら、面白くたまらなくてびっくりした。
神様らしきものが生命の争いを何らかの形で見守っているらしい宇宙。とある宇宙人たちが地球を戦場にしているらしいと知った桃子たちは、宇宙船を乗っ取り、自分たちで戦うことにした。ESPの持ち主や、何らかの才能に秀でた六人は、実は……という。わー少女小説でSFだー! と嬉々としてしまった。
みんなでわーっと騒いで、でもちょっと寂しい気持ちが漂っていたりして、面白かった。
とある事情で鎌倉に移り住み、友人の比奈と雑貨店トオチカを営む、西風里葎子。比奈にちょっかいをかけるフリーのバイヤー敷地千正を苦手としている。ここは私の防衛陣地。店名に由来となったトーチカという言葉をかけて、自身を守っている里葎子だったけれど……。
面白かった! ずるくて優しい男が好きな人は、ぜったい好きだと思うんだよなー。
崎谷さんはBL作家さんで、これは普通のノマカプ恋愛小説ですが、優しくて、突っ張ってて、しんみり悲しくて、じわっと温かい、いい恋愛小説だったと思います。読む前はもしかしたらライトすぎるかもなーと思っていたんですが、文章も雰囲気もとても好みでした。
人と距離を作ってしまう里葎子の、子どもじみた防御姿勢とか、それを好意という名目でずかずか入り込んでくる千正のもどかしさとか、見ていてはらはらどきどき。大人の女性として、自分の気持ちの在処をきちんと確認している里葎子への好感度が高くなってしまい、過去のトラウマのせいで動けなくなった時に、そこで! 折れるんだよ! と何度叫んだことか。
また、ヒーローである敷地千正という男が、強引なくせに大事なところですごくすごく優しくて、ずるいなーと思いました。お姫様のように大事にしてくれる、というのを優しく甘く書いているところが好きで好きでたまらなくて。
また、ブックデザインがとてもいいです。なんたって、佐原ミズさん装画で、名久井直子さん装丁だもんずるいずるい素敵! 箔の使い方とか、白くて甘い表紙とか、素敵すぎて!
面白かったです。おすすめです。
19世紀・イギリス。有名執事の娘シャロンは、新人メイドとして貴族のお屋敷に勤めることになった。勤め先は、カルヴァート家の別邸——ベリーカルテット。ところがシャロンが屋敷に到着すると、滞在していた女性が遺書をのこして亡くなっていた!? カルヴァート家次男で美貌の作家・ロイと、新人メイド・シャロンの推理が冴え渡る! 謎が謎を呼ぶヴィクトリアン・メイド・ミステリー!(裏表紙より)
19世紀イギリスのメイドと坊々作家のミステリー。これはいいなあ! ホームズとかクリスティみたいな雰囲気がある気がする。あっさりめなんだけれど、ちゃんと謎解き。ミステリーにしては心理的な要因があると思うのですが、軽く読めて面白かったです。あとがきに一作目とあるので、多分続きが出るのだろう。シャノンがちょっと淡々としすぎていますが、その彼女がすごいという父親はどんなのか知りたいです。