忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[372]  [373]  [374]  [375]  [376]  [377]  [378]  [379]  [380]  [381]  [382
KON’S TONE?「千年女優」への道
今 敏氏の公式サイト「KON'S TONE」に掲載された文章をまとめたもの。
「千年女優」の制作についてから、「パーフェクト・ブルー」の詳細な制作日誌が綴られている。このパーフェクト・ブルー戦記が凄まじくて、腹が立ったり憔悴したりほっとしたり……。こんな環境で作ったとは思えない、すごいサイコホラーだったけどなあ! 私はあの作品の現実と虚構が混じって害をなしてくるところとか、オタク的ともいえる執着を見ていて面白かったので、まさかこんな現場だったとは……と思った。スタッフの皆さんおつかれさまでした……。
今 敏さんが昨年急逝されたので、これを読んで寂しい思いもしたけれど、また今さんの映画を見よう、と思う。
PR
本日は大安なり
十一月二十二日、日曜日、大安。老舗ホテル・アールマティで行われるその日の結婚式は四つ。双子の姉妹、わがままな新婦、結婚を取りやめたい男、そして新婦を毒殺しようとしている(?)新郎。その日、双子は罠を仕掛け、トラブル続きでウェディングプランナーまでが走り回り、男は放火を画策し、新婦の甥の少年は新郎の密会を知り思い悩む。「何事においても全て良く、成功しないことはないとされる大安吉日」の物語。

おめでたい話ばかりではなくて、ちょっと毒がある感じでした。辻村作品の中ではエンタメ方向に針を振っている感があるなと思う。
お話は、四つのカップルの結婚式が行われるその日の一連の騒動について。雑誌で双子姉妹の話を読んだ覚えがあるので、こういう風にまとまったか、と面白かった。双子の屈折と依存というのが好きなので、読んでいてにやっとしてしまった。
すべてのことがうまくいったわけではなかったけれど、結局はみんな落ち着くべきところに落ち着いたのでほっとしました。気になっていたプランナーの山井さんのその後があって嬉しかった。辻村作品リンクがあったのも嬉しかったな! でもどシリアスな方向にいかなくてよかった(つまりそういう話からのリンク……)
パリ仕込みお料理ノート (文春文庫 (307‐1))
30年前シャンソン歌手としてデビューしたパリで“食いしん坊”に開眼した著者が、日本料理はむろん世界の歌の友人たちから仕込んだ素敵な料理とその調理のコツを、こっそりあなたにお伝えする“料理+シャンソン”エッセイ集。読んだら、きっと食べたくなり、作ってみたくなる、とってもおいしくてちょっぴりシミジミする本です。(裏表紙より)

1983年の本。読んでいたら作りたくなったので、ヴィシソワーズスープを作りました。
料理のおいしそうな描写が、今読んでも全然色あせていなくて、食事前だったのでお腹を鳴らしながら読んだ。石井さんの言葉選びが好きだ。文章の書ける人は、本当に品のいい文章を書かれる。
料理もいいのですが、石井さんの日常が垣間見えるのがとてもいい。外国人の友人たち、仕事のこと……。料理というものを通して、それを食べている人が見えるというのはいいな。本当に食べ物を大事にしていらっしゃるんだろう。
花咲く丘の小さな貴婦人 それは青いすみれの季節 (花咲く丘の小さな貴婦人シリーズ) (コバルト文庫)
恋の季節、ヴァレンタイン。ジェラルドの伯父の家へ遊びに行ったエリカは、ジェラルドの従妹レベッカに出逢う。レベッカの書いたヴァレンタイン・カードを、彼女の母親に頼まれて手渡したエリカに、ジェラルドは激怒して。こじれてしまった二人の仲は、エリカの誕生日パーティである局面を迎えるのだが…。エリカとジェラルドの関係が急速に展開する。不器用な二人のロマンスの行方は…!?(カバー折り返しより)

シリーズ第三巻。ジェラルドとエリカの関係に変化が……という巻でもあり、二人がこれからのことに対して決意する巻でもある。ロジャーの気持ちも分かって、むずむずにやにやする。リトル・レディシリーズの少年少女たちは、なんだか純粋で素朴でかわいらしいなあ。
今回のマザーグースはヴァレンタインの歌。この歌が今回もうまく利いていて、にやにやしてしまった。薔薇を持ってきたジェラルドにじたばたする。なんだかんだ言って、彼はとても紳士なのだよな。
グランドマスター! 名もなき勇者の物語 (コバルト文庫)
ハルセイデスとシーカに合流したカイたちだったが、シーカの変貌に戸惑っていた。火に焼かれてもヤケドせず、水にもおぼれず、食事をしなくても生きていけるが、自我が消失している——そんな存在となったシーカを守り、隠れて暮らしていた小屋を、闇の勢力が襲った! ハルセイデスも奮闘するが、多勢を前に剣は折れ、シーカともはぐれてしまい!? 〈黎明の使者団〉の旅、ここに終結!(裏表紙より)

シリーズ完結!
神の器として光の神と闇の神、両方を受け入れる存在として完成してしまったシーカ。闇の勢力にさらわれたシーカは、闇の神の器となって世界を滅ぼしてしまうのか、というのが今回。
吹っ切れたハルさんのかっこよさがたまらないです。仲間たちがようやく集うところ、大人たちが戦っているらしいところも、集結に向けてのわくわくさせて、「ああ、終わっちゃうんだ……」という気持ちで読みました。
すべての結末は明らかにはされませんが、数々の要素から想像できる。でも、できればシーカとハルセイデスのその後が見たかったー! ノールソールが見届け役になったのは、なんだか不思議な感じだなと思ったのですが、彼は『一般人代表』を繰り返し強調されているので、おそらく、この先の未来に生きる普通の人々が語る伝説の、その最初を見たのがノールソールなのかななどと思いました。
グランドマスターというのは結局誰だったのか……と考えると感慨深いです。一巻を読んだときは想像していなかったものなあ!
それにしても渋いハルセイデスを見たかったです。
シリーズ、おつかれさまでした! 樹川さんの次回作を楽しみに待ちたいです。
グランドマスター! 黎明の繭 (コバルト文庫)
教皇庁と闇の勢力から姿を隠し、ハルセイデスとシーカは穏やかな生活を送っていた。だが、シーカは神の器として目覚め始め、自我の喪失が進んでいた。一方、アスティルは闇の力を操る謎の男と対峙し、闇の勢力の力と信仰をかいま見ていた。散り散りになった〈黎明の使者団〉団員たちも次第に事情を知り、シラス、カイ、ノールソールはハルセイデスのもとへと駆けつけるが!? 緊迫の急展開!(裏表紙より)

クライマックス直前巻。ここにしてシーカの過去が出てくるのに込み上げるものが……。シーカがハルセイデスをどんな風に思って接しているのかが分かって愛おしいんだけど切ない! ハルとシーカの穏やかな暮らしに、とてもにやにやしてしまうけれど、切ない気持ちも感じる。
他の団員の行方も出てきてほっとしました。シラスがお気に入りなので、彼はやっぱりハルを追ってきたのか、と思うと嬉しいな。
まだまだ残っている感のある秘密。どう決着をつけるんだろう。
華麗なる香主、愛の誤算 (プラチナ文庫)
捜査中に貞操の危機に陥り、香港マフィアの香主・黎に助けられた偽造通貨Gメンの一樹。優しく淫らに唇を奪われ、艶やかな存在感を放つ黎に魅了された。だが、彼が持つ札束に疑念を抱いた一樹はそれを押し殺して捜査に当たり——「飼い慣らして、身も心も俺のものにしたい」拉致され、残酷なまでの悦楽に堕とされた。それでも、孤独を吐露した黎が見せた安らいだ顔、愛おしむような眼差しに心が騒ぐ。職務と黎への想いの狭間で惑う一樹は、つらい決断を迫られ…! 裏切りに揺れる恋。(裏表紙より)

表紙がホログラムPP加工ですごい。まばゆい。
今回のお仕事は、攻が香港マフィア、受が財務省の偽造通貨Gメン。潜入捜査をしていたら怪しい男を発見、ついていってしまったことから……というお話。相手のことは元から気になっていたけれど、無理矢理貞操を奪われて結局好きだと自覚しました、という話で、これまで読んできた中で、行為シーンが一番すごかった。どうぐ……。
本人が気付いていないだけで、受の一樹はあっちこっちから矢印が放たれているように感じたんですが、黎一筋でかわいいです。黎の揺れ動く気持ちも、彼の視点がないのに感じられて、地の文が好みでした。
アダルトチルドレンと少女漫画―人並みにやってこれた女の子達へ
アダルトチルドレンと少女漫画。現実とフィクションに見る二つの関係。陸奥A子や西原理恵子、萩尾望都、三原順の『はみだしっ子』がよく登場する。
とことん男性社会に対する女性というものについて論じていました。意識していないけれど男性社会だよなあ、とこれを呼んで気付く。そもそも最初の造り(身体的に)からしてそうならざるを得ないのかあ、とか。
母親というものの描き方の変化というのも面白い。アダルトチルドレンという存在について述べるには両親という存在は不可欠なんだろうけれど、ここにも男性と女性(父親と母親)という話が出てくる。やっぱり男性側を批判している。そうしないといけない状況があるわけだけれど、私自身、特に男性に対して不快な経験をしたことがないから、「ああ、そういえばそうだ」という感覚で読んでしまう。多分社会に出るようになったら、もっと色々感じられるんだろうなあ。
少女漫画の「親友」関係というものも興味深いな。親密性競争という言葉は初めて聞いた。女子にはありがちだと思うので、これについて論じた本を読んでみたい。
『スラムダンク』についても述べてあるところがあって、実は未読なんですが、こういうところがあるから女性にも支持されるのかな、と面白く思いました。
「ポーの一族」の秘密
『ポーの一族』の謎を解明する一冊。新書サイズで普通くらいの厚みがあるのに、筆者がいないというのは変な感じだ。
キャラクターの性格分析があったのが面白いなあ。なかなか女性キャラクターに対する目がシビアじゃないか、と思う。
作品について、一見矛盾がなさそうで結構ある、というようなことを指摘しまくっていたので、この名前のない書き手さんは本当は『ポーの一族』が嫌いなんじゃないのか、と疑っています……。
ちょっと首を傾げてしまったのは、バンパネラって霧に変じられるんだっけ、ということだ。『ふしぎの国の『ポーの一族』』でも書いてあったような気がするところで、そうだっけと首をひねったのです。本物のヴァンパイアはそうでも、彼らが霧に変じたシーンなんてなかったと思うんですが……後で確認しておこう。
しかし書いてあることは自分の中の疑問点を明らかにして払拭してくれる感じだったり、もう一度考えさせてくれたりする内容で、面白い読み物でした。
プシュケの涙 (メディアワークス文庫)
 夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。彼女はなぜそんなことをしたのか? その謎を探るため、二人の少年が動き始めた。一人は、飛び降りるまさにその瞬間を目撃した榎戸川。うまくいかないことばかりで鬱々としている受験生。もう一人は“変人”由良。何を考えているかよく分からない……。そんな二人が導き出した真実は、残酷なまでに切なく、身を滅ぼすほどに愛しい。(裏表紙より)

いたいいたいいたい。刺さって痛い。辛い。悲しい。切ない。苦しい。ある夏の、青少年たちの残酷さと現実による悲劇。
うまく回らない人生のある部分にいるのが高校生だと思うのですが、まさにその受験生という榎戸川。読んでいくうちにもうこれは関係者だなと思わずにはいられないほど不安定に感じられて、彼の優柔不断さや、それを優しさと勘違いしているところが、もうこれでもかと刺さってくる。榎戸川や旭の存在は愚かしくて、それゆえに怒りにも似た愛おしさが、彼ら高校生に感じられてしまう。
第2部の話は、結末が分かっているから辛い。誰からも相手をされない、陰口を叩かれる、一人の世界にいて誰とも関われないでいる、吉野彼方という人物にも人生があって、困難と喜びに満ちた青春があって、考えていないわけじゃない、一人だけでいたわけじゃない、というのが、もうこれでもかと胸を締め付けてくる。どうしてみんな、そんな当たり前のことに気付かないのだろう、と私たちの現実に照らし合わせて思う。こういう気持ちを忘れていたなあ。
おすすめされた本でした。面白かったです、ありがとうございました。シリーズのほかも読みたいと思います。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
02 2026/03 04
S M T W T F S
1 2 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]