読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
ミツミという名の小さなあやかしと出会った夏目は、強力なあやかしである岩鉄を起こす役目を手伝うことに。(「石起こし」)
わずかながらにあやかしを見ることのできる田沼はよくその気配に当てられて寝込んでいる。ある日父の客を迎えたが、それから毎日同じ時間にやってきては少し話して帰っていく。田沼の様子が気になった夏目は友人を助けようとして。
(「怪しき来訪者」)
原作は読了済み、のはず。全巻買っているんだけれども、夏目はどこかで聞いたような、自分が経験したような、不思議な印象の話も多くて時々あれっとなるんですよね。
原作に描かれる夏目のはかなげで幸薄そうな雰囲気が好きなので、アニメだとだいぶと生きる力が強そうに見えて若干解釈違いなんですけれども笑 あやかしたちの不気味さが和らいだ絵はこの世界のいろんな恐ろしいものと向き合わなければならない人たちを、ちょっとだけ生きやすくするのかなあ、なんて思いながらほんわか見ていました。
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酔っ払いに絡まれる美貌の外国人・リチャード氏を助けた正義。彼が国内外に顧客をもつ敏腕宝石商と知り、誰にも言えない曰くつきのピンク・サファイアの鑑定を依頼する。祖母が死ぬまで守っていたその宝石が秘めた切ない“謎”がリチャード氏により解かれるとき、正義の心に甦るのは……? 美しく輝く宝石に宿る人の心の謎を鮮やかに解き明かすジュエル・ミステリー!!(Amazonより)
ごく普通の大学生・正義が助けたのは絶世の美貌の宝石商リチャード。彼の信頼を何故か得てしまった正義はアルバイトをすることになったが、店にやってくるお客と宝石には様々な事情があって……。
謎解き、というより宝石と人のお話という印象。石がどのようにして人の手にあるのか。それを求める心や、大事に仕舞い込む理由など、宝石って人生なんだなと思わせるエピソードばかりでとても面白かった。
宝石に対する疑問を正義がリチャードや谷本さんにぶつけて、それぞれの答えをもらうところも違いがあって面白いと思いました。「それ」を好きな理由、自分にとっての価値がこんなにも明らかなのが宝石の面白さとわかりやすさだなあ。
実質的に王家の女主人の座を手中に収めたベルタ。王妃としての初仕事で「遷都」という国家の一大事業に携わることになる。
公私ともに変わっていく、国王ハロルドとの関係性に戸惑う日々を送る中、ある日ベルタに南部からの密使が届く。王妃であると同時に、南部最大領主の娘であるという立場に翻弄されながらも、ベルタはハロルドとともに遷都先の二つの候補地へ視察に赴くことに。——「私たちの都に、この先ずっと、不断の富をもたらすために」
激動のヒストリカル・ロマン、待望の続刊!(裏表紙より)
南部の有力者の娘ベルタが第二妃として嫁ぎ、紆余曲折を経て「王妃」の称号を得てその立ち居振る舞いを求められるようになる第2巻。
この作品の面白さは、本質的には愛されたい、愛したい人であるベルタが、その生まれ育ちから為政者の言動を小気味よく発するところだと思うんですが、対比的に恋愛面のぎこちなさが切なくてもどかしくて、とてもいい。ハロルドも含めベルタも「政治バカ」なところがあるので、ちょっとずつちょっとずつ距離を縮めるところが微笑ましい。
1巻では若干ギスギス感のあった二人も、やっと落ち着くべきところに落ち着くかな? という終わりだったので、二人がもう少し仲良くなったところが見たいなー。3巻を読むか。
「フィニスさま。共に行きます。あなたを、絶対にひとりにしない」
公爵令嬢のセレーナは、現在『二度目』の人生を爆走中。
最推しの婚約者・フィニスとともに、何者かに暗殺された一度目の人生。その記憶を保ったままリスタートした『二度目』では、守られるだけのお姫様の立場を捨て、男装して帝国最強の黒狼騎士団に入り、団長であるフィニスを守り抜く――そう決めたのに。フィニスへの恋心を自覚し、さらに自分ではない婚約者の存在を知り、セレーナの心は揺れる。
そんな折、フィニスが現婚約者・フローリンデへの贈り物を選ぶのに付き添い、トラバントと三人で北部の商業都市を訪れたセレーナ。そこで遭遇したフローリンデは、前世でセレーナが知っていたキャラとは激変していて――?
トラバントの抱える秘密、束の間の休日デート……そして、舞台を帝都に移しての「婚約破棄大作戦」へ――!?
婚約者の地位も、恋も捨てた先にあったのは、あなたと手を握りあえる『今』。
両片想い×死に戻りラブコメファンタジー、絢爛&波乱の第2巻!(裏表紙より)
死に戻って二度目の人生を生きることとなった公爵令嬢セレーナ。愛したフィニスの婚約者ではなく、剣を手に戦う盟約者になったけれど、今世の彼は前世での友人であったフローリンデと婚約していることを知り、心は大きく揺れる。そして裏切り者の存在と国王暗殺、その実行犯と黒幕の影がちらつく……という、波乱の第2巻。
今回も全力で生きているセレーナが楽しくて楽しくて、たくさん笑って、胸が締め付けられました。「推し」に生きるセレーナの心に刻まれた傷って、めちゃくちゃ、それこそ地の底まで続くような深いものなんだと思うんだよなあ……。しかし「はーーーー!? くしゃみかわいいか!?」はくそほど笑いました!!!
フィニスの心情も明らかになりつつあり、読んでいる側としては頭に「※付き合ってません」が浮かんでいて……。もー早く結婚しろ!! そして幸せになれ!!
番外編が更新中ですが、早く三巻と番外編集を出していただきたい! 大団円が楽しみで仕方がありません!
「ヲタクに恋は難しい OAD」
成海と宏嵩の会社の先輩、樺倉と小柳はよく言い争っているが実は恋人同士。二人は同じ高校に通っていた先輩と後輩で長い付き合いだ。仕事終わりに二人で舞台を見に行くという小柳に遭遇した成海たちは、樺倉を待つ間、二人の馴れ初めを聞く。
素直になれないケンカップル、樺倉さんと花ちゃんの高校時代の話。
ツンツンツンデレな花ちゃんをありがとう! ちょろいように見えてかっこいいときはかっこいい樺倉先輩をありがとう!
こうして見てみると、周りは絶対あの二人はいつ付き合うんだと思っていたと思うんですよね……。どこから見てもお互いに矢印を出し合っているむずきゅんな先輩と後輩。さぞ周囲はじれじれしたことだろうなあ。そして本人たちも相手の気持ちを察していたよね……できる人たちだからね……素直じゃないだけで……。
成海と宏嵩の会社の先輩、樺倉と小柳はよく言い争っているが実は恋人同士。二人は同じ高校に通っていた先輩と後輩で長い付き合いだ。仕事終わりに二人で舞台を見に行くという小柳に遭遇した成海たちは、樺倉を待つ間、二人の馴れ初めを聞く。
素直になれないケンカップル、樺倉さんと花ちゃんの高校時代の話。
ツンツンツンデレな花ちゃんをありがとう! ちょろいように見えてかっこいいときはかっこいい樺倉先輩をありがとう!
こうして見てみると、周りは絶対あの二人はいつ付き合うんだと思っていたと思うんですよね……。どこから見てもお互いに矢印を出し合っているむずきゅんな先輩と後輩。さぞ周囲はじれじれしたことだろうなあ。そして本人たちも相手の気持ちを察していたよね……できる人たちだからね……素直じゃないだけで……。
ロンドンの裏側に存在する魔女や魔法使いたちの世界、リバース・ロンドン。異形の存在ドラゴンを保護管理するウイング・バインドに所属する魔女であるニニーとのえるとして日々表と裏を行き来している。だがある日裏ロンドンにドラゴンが出現し、邪竜指定とされる『童話竜』と遭遇することとなり……。
現代×ロンドン×魔女という、久保帯人先生が描くならかっこよくないわけがない……という組み合わせの作品。原作は未読。
「好き」「かっこいい」を詰め込んだ設定の数々でめちゃくちゃ楽しい。元アイドルの口の悪い魔女? 見た目日本人のイギリス人のちょっと変わった性格の美少女魔女? ドラゴン? 童話竜と書いてメルヒェンズと読む? 大好きですありがとう!!!!!!!
魔法を使う際の呪文、「BLEACH」の鬼道が好きならときめく。言葉の並びがかっこいいぃいいい。こうした呪文から、動きなり風景なりアニメとして可愛らしくもかっこよく、もっとこの世界の物語を知りたいと思わせるものが随所に散りばめられていて、今後の展開に期待したい……とっても……。
「魔法使いの嫁 星待つひと」
この世ならざるものたちを惹きつけるがゆえに自らをオークションにかけたチセ。それを買ったのは魔法使いのエリアス。花嫁とすると言われつつも、魔法使いの師と弟子、あるいは家族として少しずつ距離を縮める二人……ある日チセのもとに届いた一冊の本は彼女の悲しい過去と優しい記憶に結びついていて……。
アニメ本放送に先んじた、コミックスの特典として製作されたOADの前中後編。エリアスと出会う前、母親と死に別れ、様々な家族のもとを転々としていたチセが出会ったある魔法使いと不思議な図書館の話。
まほよめはわりとむごい形で誰かの望みが断たれるエピソードが多いので構えていたんですが、辛かった、ですよね……わかってましたけど、わかっていたけれど辛かった! チセの境遇が辛いだけに! 何故こんな幼子に託すのかと!
本の持ち主であった真弓さんが抱きしめてくれたのが一番の救いでした。できれば私も抱きしめてあげたい……。そして理一のくれたかすかな光がチセをここまで導いてくれたことに感謝しました。その後の展開を考えると手放しによかったと言ってあげられなくはあるんですが……目とか腕とか……。
しかし本編よりもエリアスのチセに対する執着が強くて可愛かったな! 異種間結婚ありがとう!
この世ならざるものたちを惹きつけるがゆえに自らをオークションにかけたチセ。それを買ったのは魔法使いのエリアス。花嫁とすると言われつつも、魔法使いの師と弟子、あるいは家族として少しずつ距離を縮める二人……ある日チセのもとに届いた一冊の本は彼女の悲しい過去と優しい記憶に結びついていて……。
アニメ本放送に先んじた、コミックスの特典として製作されたOADの前中後編。エリアスと出会う前、母親と死に別れ、様々な家族のもとを転々としていたチセが出会ったある魔法使いと不思議な図書館の話。
まほよめはわりとむごい形で誰かの望みが断たれるエピソードが多いので構えていたんですが、辛かった、ですよね……わかってましたけど、わかっていたけれど辛かった! チセの境遇が辛いだけに! 何故こんな幼子に託すのかと!
本の持ち主であった真弓さんが抱きしめてくれたのが一番の救いでした。できれば私も抱きしめてあげたい……。そして理一のくれたかすかな光がチセをここまで導いてくれたことに感謝しました。その後の展開を考えると手放しによかったと言ってあげられなくはあるんですが……目とか腕とか……。
しかし本編よりもエリアスのチセに対する執着が強くて可愛かったな! 異種間結婚ありがとう!
「恋するパイロット」
香港の航空会社に勤めるパイロットやキャビンアテンダント。世界各地を飛び回る彼らの恋模様は……。
香港のテレビドラマが元になった映画作品。
ドラマの話が元になっているせいか、人物の背景などがほとんどわからず、レトロだけれどおしゃれな映像作品みたいな印象でした。しかし調べてみるとなかなか込み入った話だなあ。お仕事ものになるとこうなるよな、というのと、職場で揉めるな……という気持ちが湧き起こる。
香港の航空会社に勤めるパイロットやキャビンアテンダント。世界各地を飛び回る彼らの恋模様は……。
香港のテレビドラマが元になった映画作品。
ドラマの話が元になっているせいか、人物の背景などがほとんどわからず、レトロだけれどおしゃれな映像作品みたいな印象でした。しかし調べてみるとなかなか込み入った話だなあ。お仕事ものになるとこうなるよな、というのと、職場で揉めるな……という気持ちが湧き起こる。
1986年、ドイツ。日本人の脳外科医ドクター・テンマは、天才的な技術に加え、院長の娘エヴァとの婚約も決まり、未来を約束されたも同然だった。しかし本人は真面目で正義感が強く、患者たちに慕われる性格で、出世のために他人を蹴落とすことに忌避感を覚えていた。そのため院長命令を無視し、重要人物の手術よりも緊急性の高い少年の処置に当たったことでテンマの人生は転落を始める。同時にテンマを蹴落としたライバルたちが次々に惨殺されるという事件が起こるが、それはここから始まる怪物との長い戦いの始まりでもあった。
めちゃくちゃ暗いし長いし面白かった! この時代のドイツ周辺の状況、思想、文化、そういったものを綿密に調べた上で描かれたんだろうなあ。面白くないはずがなかった。
ある医者が事件に巻き込まれるだけの話かと思いきや、謎の連続殺人事件と、犯人と思しき少年の謎、人体実験と、ミステリーとサスペンスが盛り沢山で、次々に登場する人々と情報が少しずつ関わりをもって最後の局面で集結していく様は見事としか言いようがない。ストーリーが進むごとにぞくぞくして見るのを止められなくて大変でした。
生き残れるか、逃れることができるのかというはらはらもよかったですが、脱落していく人たちの悲哀もまたいいんだよなあ。グリマーのこと、好きになっていたから切なかった……。マルティンも、エヴァに振り回されていたのに好意を抱いていた話、よかったなあ。
全体的にはルンゲ警部な! あの人が「すまなかった」と言ったシーン、万感の思いがありました。ここにたどりつけたんだ、と思って。
多くの人の人生が狂わされたけれども、それぞれに決めた道を進んで、人生を終えることを願わずにはいられない。面白かった。
父親が亡くなり、子どもたちのために母親は忙しく働き、ユリシーズは弟と手伝いにきている叔母と暮らしている。ユリシーズはある日母親のヒール靴を履いているところを弟に見つかり、叔母にきつく叱責されて家を飛び出した。夜の街をさまようユリシーズは土曜の夜の教会で開かれるLGBTQの人々の集まりにたどり着く。安らぎを感じる一方、家庭の窮屈さは増していき……。
深い夜に隠れざるを得ないマイノリティの人たちが集まる様子が、とても寂しい。土曜の夜だけ自由になれるって。間違っている、という言葉が適切かはわからないけれど、違う、と思う。自分が自分らしくあるためにこの世界は不自由すぎる。
多忙な母親はユリシーズの状況に気付かず、家の切り盛りを任されている叔母はユリシーズのあり方を理解できず否定する。弟は年齢のせいか環境のせいかユリシーズの嫌悪を示す。学校でのいじめシーンもきつい。苦しい。
そんななか、教会で新しい友人たちと過ごすシーンの、寂しくはあるけれどほっとした安らぎが癒やしでした。現実には貧困や売春、人種の問題もあって、居場所を得るにはここまでしなくちゃならないのかと、やるせない気持ちにもなって。
そして歌がなあ! すごくいいんだよー。ミュージカル風に歌い始めるシーン、誰も彼も美しい歌声で感情を高らかに歌い上げていてはっとさせられた。
なんだかとても雰囲気が好きな作品でした。