読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「地竜の加護商会へようこそ!」先祖代々雑貨屋を営む家の娘、ジネット。しっかり者の看板娘として近所でも評判だが、嫁ぎ先が目下の悩みの種であった。 そんなある日、兄がどこかもわからないシャルパンティエ領で出店ができる営業許可証を貰ってくる。ジネットは、自分のお店を持ちたいという夢を胸に旅立ちを決意する。その道中、彼女は騎士ユリウスと運命の出会いを果たす。その彼こそが、辺境の地シャルパンティエの領主だった。ランプにポーション、堅焼きパン! 笑顔であなたを待ってます! 異世界の雑貨屋さん、ただいま開店準備中!! 第1回アリアンローズ新人賞「最優秀賞」受賞作品、登場!(Amazonより)
両親を失った大家族の兄妹の上の方の娘、ジネット。結婚する兄やまだ幼い弟妹たちのためにとうとう家を出ることを決意。巡り巡って手元にやってきた、どこともわからないシャルパンティエ領の営業許可証を手に、かの地を目指す。けれど店を始める前に領主代理になってしまうなど、道のりは長いけれど多くの出会いがあって……。
領地経営を開拓から始めます、というシミュレーションゲームの冒頭をじっくり書いたような一巻。道を通したり、ダンジョンがあるという新しい街に必要な店や品物を考えたりなど、タイトルから想像される「お店屋さん」みたいな可愛らしい話じゃなかったのですが「店をやる」ことは「街がある」「人が集まる」ことが前提であると教えるような話で、とても興味深かったです。
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上位指揮官機〈無慈悲な女王〉。それは対レギオン戦争で守勢に立つ人類に与えられた“銀の弾丸”。『第86独立機動打撃群』の活躍で〈彼女〉の確保に成功した連邦・連合王国は、轡を並べる第三国「ヴァルト盟約同盟」にて、その解析と「尋問」を開始する。
一方、大戦果を上げた者たちにも報奨が授与された。特別休暇。鉄と血にまみれた日々を、僅かひととき遥か遠くに置き、シンとレーナはじめ皆はそれぞれに羽を伸ばす。が、同時に《その二人以外のほぼ全員》はある思いを共にしていた。
それは。
“お前らいい加減、さっさとくっつけよ”
もう一つの戦線がついに動く(!?)Ep.7!(カバーより)
人とは、生きるとはを問いながら戦ってきた彼らに訪れたひとときの休暇。そして進展するシンとレーナ。ここまで読んでよかった! 続きが気になりすぎる! な第7巻です。
〈無慈悲な女王〉を尋問するシーンはありますが、基本的にお遊び巻。エイティシックスも王族も、上官も部下もあまり関係なく、温泉に浸かり、買い物に出掛け、ダンスパーティーで踊るという、読者にもご褒美シーンがいっぱい。
本当にシンとレーナにはにやにやしかしない。お互いに「好きと言わなければ」といっぱいいっぱいになっているところも、周りにそれを見守られていることも、ダンスシーンやその後の色々も、本当によかった! よかったんだけど! やっぱりそうなるかー!!! お腹抱えて笑っちゃった。
告白の行方のためにも次を楽しみに読みます。

「ルイス・ダウエルが亡くなった」──騎士・サディアスが告げたのは、モニカの師であり王国で最も有名な魔法使いの訃報だった。恩人であり、父親のような存在でもあった師匠の死を受け入れる時間さえないまま、モニカは遺品整理に駆り出される。物であふれたルイスの部屋の片づけをサディアスも手伝ってくれるのだが、落ちていた紙に足を滑らせた彼は小瓶に入った正体不明の魔法薬を頭からかぶってしまう。こんな事態、魔法使いとして最大のミス! しかし彼の濃紺の瞳に見つめられ、不覚にもドキドキしてしまうモニカ。もしかして、そういう系の薬じゃ──そう思ったとき「なんだか無性にあなたを殺してしまいたくなる」──な、なんで……!?(Amazonより)
有名な魔法使いの末の弟子のモニカ。優秀な兄弟子たちと比べられて出来損ないと言われながら、魔法薬の扱いは他の魔法使い以上の腕前。しかしその師が亡くなり、気持ちの整理がつかないまま遺品整理を行うことに。その付き添いとして騎士ルイスと関わるようになるが、彼が謎の魔法薬をかぶってしまう……主人公とヒーローの関係性はタイトルがすべてを言い表していますね。
ヤンデレや激重感情要素は弱めで、擬似家族や擬似兄妹の描写が印象的。遺品整理のあたりのリアルさがね……残された人はとにかく動くしかないという。言葉にはしないけれどみんなモニカのことを大事に思っているし、みんな家族なんだなあと感じるところがとてもよかったです。サディアスは妹大事なおにいちゃんたちにいっぱい突かれればいいと思うよ!

誇り高く戦い、そして死ぬ。
それが我らのさだめ。生への執着など、とうの昔に、はるか彼方に置いてきた。
……そう思っていた。そう信じていた。
だが戦場へ臨み、潰され、壊され、朽ちることを良しとする〈シリン〉達の姿は、「エイティシックス」である彼らの目指す生き方が、只の狂気であると蔑む。
生きる意味とは何か。苦悩するシン。
シンを理解しようと心を砕くレーナ。
だがその想いは不格好にすれ違ったまま――連合王国の命運をかけた「竜牙大山攻略作戦」の火蓋が、無情にも切って落とされる……!
『連合王国編』完結のEp.6!
戦わねば、生き残れない。
だが戦えば生きられるわけでは、ない。(カバーより)
戦いを経て、ようやく新しい世界に一歩踏み出した、そんな第6巻。
ぐっときたのはグレーテがレーナにかける言葉。青少年に戦争をさせているいまの状況がおかしい、という普通の大人らしい言葉。けれど彼らを頼らざるを得ないんだよな……切ない……苦しい……と思って。けれど常識が残っている人って脱落しそうでこわい。生きて。
レーナとシンも自分たちの進む方向を決めたようで何より。「わかりあえない、それでも」と思いながら、一緒に生きていこうと努力するのが人間だと思うんだ。

探しに来なさい――。
シンが聴いた〈レギオン〉開発者・ゼレーネと思しき呼び声。レーナたち『第86機動打撃群』は、その姿……白い斥候型が目撃されたという「ロア=グレキア連合王国」へと向かう。……だが。
それは生への侮辱か、死への冒涜か。
「連合王国」で行われている対〈レギオン〉戦略は、あの〈エイティシックス〉たちですら戦慄を覚えるほどの、常軌を逸したものであった。
極寒の森に潜む敵が。そして隣り合う「死、そのもの」が彼らを翻弄する――。
《連合王国編》突入のシリーズ第5巻!
雪山に潜む怪物たちが、
彼らに、笑みとともに問いかける。(カバーより)
戦場に在ることを選んだシンたちエイティシックスたちと、ともに戦うことを選んだレーナ。近付いたはずなのにうまく思いを伝えられずすれ違う。しかし人でありながら人でないものたち〈シリン〉とそれを駆るヴィーカとの出会いで、人とは何か、を考えるようになる。
なかなか縮められない距離がリアル。再会やその後のじれじれもだもだがよかっただけに、すれ違う二人に胃が痛い。がんばれ……がんばれ……。
またヴィーカとレルヒェもだいぶこじれた関係だなあ……。ヴィーカがヴィーカだからいまもこうして一緒にいられるのかもしれないけれど。

ついに運命の再会を果たしたシンとレーナ。どことなくいい雰囲気を醸し出す二人に、フレデリカとクレナは戦慄し、そして気を揉むライデンらの苦労は留まることを知らない。
しかしそんな束の間の休息を破り、レーナを作戦司令とする新部隊に初任務が下った。共和国85区内北部、旧地下鉄ターミナル。地下深くに築かれたレギオンの拠点が、その口をあけて彼らを待つ。
そこに見えるのは闇。
レギオンの、共和国の、そして彼の国が虐げた者たちの、闇。
シンとレーナ——二人が出会った後、初めての共闘を描く『Ep.4』!
“地の底からの呼び声が、
彼らに新たな試練を告げる。”(カバーより)
連邦と共和国の共闘が始まる。
指揮官として着任したレーナとその部下となったシンたち、再会後のぎこちなさにもだもだ。作戦のプレッシャーが息苦しく、明らかになったレギオンたちの挙動の一部が重くもあり、この巻の後半がしんどすぎたから次の巻のじれもだ期待!
この世界の歪さ、それをそれとして受け入れて何を変えようとも思わなくなったシンと、そうであってほしくないと思うレーナのすれ違いが苦しいな……。どっちの言うこともわかるけれど、世界はそんなに甘くはないし、けれど世界がそういうものだと思いながら戦ってほしくないし……。

十三歳の誕生日、赤奏国の皇帝に後宮入りを願い出た莉杏。
ところが謁見の間にいたのは、《正規の手段》で帝位を簒奪し、新たな皇帝となった暁月だった!
莉杏は「ちょうどいい」と皇后にされるが、一緒に寝始めても湯たんぽ代わりのまるで子供扱い。
それでも莉杏が眠れるようにと、暁月は毎夜問題を出してくれて!?
夜毎に夫婦の絆が深まる恋物語!(Amazonより)
後宮入りするために育てられた莉杏。現皇帝の妃の一人になるはずが、政変により新皇帝となった暁月の皇后となる。立場も年齢もそこにいたということからも「ちょうどいい」だけの皇后になった莉杏だが、実直ながら上手く世渡りをしてきた祖父と賢明な祖母の教えを受けて非常に素直、聡明さの片鱗を見せる彼女の魅力に、暁月も周囲もやがて気付き、という、少女の花開く未来を期待してしまうシリーズ第1巻。
莉杏も暁月も周りもみんなちょっとずつ普通じゃなくて、それが人間らしいすれ違いを生むという面白さ。帝位簒奪をしたならみんな万能なんじゃないかと思ったらそんなことはないというのがいい。それを莉杏の子どもらしく素直な視線で見る楽しさと切なさがありました。

第六軍将軍である下級貴族のレオは、史上最悪の暴君と名高い王の命令で妻を迎えることになる。
花嫁のリーフェは没落王朝の血を引き、化け物のように醜いらしく、いろいろ良くない噂がある人物。
ところが、結婚当日に顔を合わせた彼女は儚げな美貌の女性で、家の束縛から解放されたことを喜ぶ可愛らしい人だった。
望まず夫婦になった二人は次第に心を通わせていくが――。
末端将軍といわくつき花嫁の政略結婚ラブファンタジー。(裏表紙より)
暴君の治世下で下級貴族ながら将軍になったレオ。他の軍から仕事を押しつけられ見下される第六軍は曲者揃いだがなんとかうまくやっていた……が、続く王の命令は前王朝の血を引く花嫁を迎えろというもの。王命に逆らうことができずに迎えた花嫁は噂に反して美しく、食べ物や服、この世界の様々な自由を味わうことを喜ぶ不思議な少女だった。
とても可愛らしいラブロマンス。苦労人の将軍と自由を知る花嫁という、幸せにならないと許さないぞという二人。
もういちいちリーフェが可愛い。ごはんに目を輝かせたり、毎日帰ってきたレオに今日あった出来事を話したくてうずうずしていたり、楽しい! って気持ちが見えるようでにこにこしてしまう。
ヴィムお兄様がとってもいい性格をしていて好き。アルデルトのエピソードはやっぱりねという王道ですが、きたきたきたー! と大いに盛り上がりました。
しかし番外編のアルデルトの似顔絵のエピソードは笑った。可愛い。幸せになってほしい。
ほっこりと温かい気持ちになれる作品でした。楽しかったです。

高校時代の初恋の相手・小夜子のルームメイトが、突然自宅に訪ねてきた。
音信不通になった小夜子を一緒に探して欲しいと言われ、倉坂尚人は彼女の故郷、北海道・稲守村に向かう。
しかし彼女はとある儀式の巫女に選ばれすぐには会えないと言う。
しばらく村に滞在することになった尚人達は、神社を徘徊する異様な人影と遭遇。
更に人間業とは思えぬほど破壊された死体が次々と発見され……。
大どんでん返しの最恐ホラー、誕生!(Amazonより)
過去に別れた恋人のルームメイトから、彼女が帰ってこない、行き先はわかっているから一緒に探してほしいと言われた尚人。まだ彼女への気持ちのある尚人は、じきに大祭が行われるという稲守村に向かう。夜を徘徊する化物、人の手ではないもので殺害された死体に遭遇した尚人だが、すべての原因はその「ナキメサマの儀式」にあるという。
よくわからないものに襲われるのではなく、経緯がわかるパートがあるおかげで実体を伴っている感じがすごくよかったな。
「さらっと書いているけどこの描写おかしいよね……」というのに気付けたらだいたい落ちがわかるという。語り手こそ一番ヤバいやつというホラーは面白い。やばいやつにはやばいやつをぶつけるという力技。身勝手な人間のせいで呪いを振りまくオチも含めて、わかりやすくて面白かったです。

転生者のアルメは婚約破棄をきっかけに前世の記憶を活かして氷魔法を駆使し、アイス屋さんを開店する。そんなアルメの前にファルクと名乗る不思議な常連客が現われて、アルメは親しくなっていくのだが……!?(Amazonより)
祖母の気遣いで婚約したものの不仲だった婚約者の浮気によって関係が破綻したアルメ。こうなったら好きな仕事をして生きていこうと、氷魔法を使ったアイス店を開くことにする。開店間近のある日、ずいぶん暑そうにしている男性に親切にしたことから、ファルクと名乗る彼が常連になるけれど、実は彼には秘密があって……。
なんだかどこかで見た冒頭だなあ(婚約者の横暴、浮気、姿格好や言動への強要、浮気相手は下級貴族で野心家、友人のアドバイスで垢抜けた格好に)ですが、その後の展開はほとんど一冊でまとまっています。ちょっと浮気相手が不穏だけど。
お互いに大事なものがあって、相手を思うあまり喧嘩するところ、その後の仲直りが、なんだかいいなあと思いました。そうして言い合える関係の健全さが眩しい。二人の仲が長く続く予感があるし、幸せになるんだろうという予感があって。