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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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 敵〈レギオン〉の電磁加速砲による数百キロ彼方からの攻撃は、シンのいたギアーデ連邦軍の前線に壊滅的被害を与え、レーナが残るサンマグノリア共和国の最終防衛線を吹き飛ばした。
 進退極まったギアーデ連邦軍は、1つの結論を出す。それはシンたち「エイティシックス」の面々を《槍の穂先》として、電磁加速砲搭載型〈レギオン〉の懐に——敵陣のド真ん中に突撃させるという、もはや作戦とは言えぬ作戦だった。
 だがその渦中にあって、シンは深い苦しみの中にあった。「兄」を倒し、共和国からも解放されたはず。それなのに。
 待望のEp.3《ギアーデ連邦編》後編。
 なぜ戦う、“死神”は。
 何のために。誰のために。(カバー折り返しより)

感無量の第三巻、そしてようやくすべてが始まるエピソードですね。
アニメを見てから、大事に読もうと積んでいたものを読み始めたわけですが、ああもうやっぱり涙なしでは読みきれなかった! 胸がいっぱいになる。
そしてこれを読み、アニメに舞い戻ってみてみると、原作はよりシンの気持ちを描写していて、アニメはよりそれらをドラマティックに描いているんだなあということ。アニメ最終2話分のエピソード、原作にはない展開があって、キャラクターの感情の掘り下げと感動的な再会を演出していてとても良いアニメだったのだなあとしみじみしました。
しかし原作を読んでいると印象が変わる人たちがちらほらいるなあ……。エルンストはだいぶ怖い人なんでは。あと連邦の大人組はより大人感があるというか、子どもたちのことを頼りにしなくてはならない板挟みに苦しんだり割り切ってしまっていたりとか。
とにかく四巻からもシンとレーナたちに会えるのが楽しみだ。大事に読もう。
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 共和国の指揮官・レーナとの非業の別れの後、隣国ギアーデ連邦へとたどり着いたシンたち〈エイティシックス〉の面々は、ギアーデ連邦軍に保護され、一時の平穏を得る。
 だが──彼らは戦場に戻ることを選んだ。連邦軍に志願し、再び地獄の最前線へと立った彼らは、シンの“能力”によって予見された〈レギオン〉の大攻勢に向けて戦い続ける。そしてその傍らには、彼らよりさらに若い、年端もいかぬ少女であり、新たな仲間である「フレデリカ・ローゼンフォルト」の姿もあった。
 彼らはなぜ戦うのか。そして迫りくる〈レギオン〉の脅威を退ける術とは──?
 第23回電撃大賞《大賞》受賞作第2弾! シンとレーナの別れから、奇跡の邂逅へと至るまでの物語を描く、〈ギアーデ連邦編〉前編!
“死神は、居るべき場所へと呼ばれる”(カバー折り返しより)

共和国での最後の戦いを終えたシンたち。シンは兄のレイの最後の思いに助けられ、レギオンの支配域を突破し、共和国以外の人類が生存するギアーデ連邦へとたどり着く。
再びの戦い、そして運命との再会を目指す第二巻ですね。アニメを見たので展開はわかっているのですが手に汗握る。折々にシンがレーナのことを思い出している描写ににやにやしちゃう。もう二度と会うことはないって思ってるんだろうけど、もしかしたら、なんて思っちゃってませんか?(にやにや)
結構しっかり指揮官やってるっぽいシンにときめき。そしてファイドとの再会にエイティシックス時代の平常感みたいなものを見せたところにときめき。これからもっとこのきゅんっていう感覚が増えるんだと思うと続きを読むのが楽しみすぎる。戦いは激しさを増すけれどどうか幸せになってくれ。
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 サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。
 そう――表向きは。
 本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。
 死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官”となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!
 第23回電撃小説大賞《大賞》の栄冠に輝いた傑作、堂々発進!(カバー折り返しより)

アニメ視聴後、あまりにもあまりに面白すぎて原作を買ったわけですが、読み始めると続きが読みたくなって身悶えするのがわかりきっていたのでだいぶ長いこと積んでしまっていたやつ。ようやく一巻を読んで、最後のあのシーンにうるっとする。いやまだ泣くのは早い。まだそのときじゃないぞ私。続刊でちゃんとその道に到るんだから!
人間が人間とそれ以外を区別してしまった共和国。前世代のそれを引き継いだ状態で出会ってしまった少年少女たちが、自分たちのできることや誇りを胸に戦う。「いま」彼らがいる世界でその道は決して交差しない。それがわかっているけれど、でも、と祈る気持ちがラストシーンにつながるのは感動的で、続きを読まなければという気にさせられる。世界の終わり、国家の終焉、いつ終わるともしれない戦いは待っているけれど、きっとみんなで行けるところまで行くよね。
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いくら食べてもおなかがすいて、直ぐに倒れてしまう18歳の大島小鳥。原因不明のまま、病欠つづきでついに高校を留年してしまった。行き倒れていたところ、美貌の料理人・坂頼兼に助けられ「僕と結婚しませんか」と提案され——? 形ばかりの奇妙な同居生活、居心地が良くなるにつれ膨らむのは「彼はなぜ私を助けたか」という疑念。もしかして私のこと、“生贄”にしようとしてる? 舞台は鎌倉、怪異が彩る年の差契約結婚譚。(裏表紙より)

食べてもお腹が空く謎めいた体質のせいで普通とは程遠い18歳の小鳥は、ある日行き倒れたところを助けてくれた青年のおにぎりによってわずかばかり症状が和らいだことに気付く。実はこれは小鳥の体質とこの世ならざる「夜ノ人」と呼ばれるもののせいで……という、人とこの世ならざるものと御饌が絡む、ご当地もの。舞台は鎌倉です。
結婚したもののお互いに恋愛には遠い感じ? 彼が自分のことを好きだったらいいなあなんてほのかな気持ちがありそうな小鳥ですが、頼兼はどうかなあという感じですね。少なくとも家族として守ろうとしている感じがわかるのがじれったくてもどかしい! ちょっと距離が縮まってはいるものの、もうちょっと、もうちょっと何か……!
しかし結婚の際の誓約書をたくさん書いたっていう描写はだいぶ面白かったな。かわいらしかった。
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「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。さまざまな手段で人気と知名度を上げるが、ある出来事がグループの存続を危うくする。恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル……“アイドル”を取り巻く様々な言葉や現象から、現代を生きる人々の心の形を描き表した長編小説。解説・つんく♂(裏表紙より)

歌うこと踊ることが好きだった愛子は、成長してアイドルになった。メンバーの卒業、少女たちの身体の成長、周囲の目を含めて変化に翻弄される愛子。現代社会と当事者の視点から読む、アイドルを描いた作品。
続けてだいたい成熟した仲のいいアイドルグループが登場する作品を読んだり見たりしていたので、それから一歩引いたような「これってどうなんだろう」「これは本当に正しいのか?」と思考する作品で面白く読みました。
かなり刺さったのは愛子が碧に対して「前髪が動かない」と言ったあのシーン。そう、アイドルの前髪はすごい。子どもの頃から前髪がうねうねして固めたところで結局だめになる人間としては、愛子の台詞がすごくリアルでよかった。
それから、アニメ好きのメンバーの一人が炎上したあのエピソード。無料だから、配信サイトで見られるから、とお手軽になりすぎてしまった中で、自分の好きなものがわからなくなっている。その空気はこの作品が刊行された2015年から時間が流れたいまでもあると思う。むしろ、だからこそ「推し活」がもてはやされるみたいにして「好きなものがある」と主張しなければ息苦しい時代になったんじゃないか、なんてことを考えた。
でもきっと朝井さんが書きたかったように、そうした空気はいつか変わるし、何が正しいかなんて価値観は時代とともに変化するから、と励まされた気がします。彼女たちが時を経て武道館に立ったラストは希望そのものだった。
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王の専属騎士集めも折り返しとなり、未来の女王に欠かせない“夫”を探すことに決めたレティーツィア。目を付けたのは“勇敢なる大艦隊”総司令官に就任したばかりのナパニア国第六王子・ソレス。彼に会うため騎士達とナパニアの客船に乗り込んだレティだが、そこには奔放な王子との【劇的な出逢い】が待っていて……!? 人懐っこい王子サマにあのレティが振り回される(!?)最強女王伝説第9弾!(裏表紙より)

ぼちぼち読んでいたらもう9巻なのか! 騎士も集まり、だいぶ女王様らしくなってきたレティが、王としての減点を恐れず自分のため、そしていつかの国のために無茶を押し通そうとするところがめちゃくちゃよかった。王になることを知っていても完璧であろうとする彼女の強さがここにきて真価を発揮し始めたのかも、という印象でした。
ソレス王子が若くして亡くなるのは、もう絶対身分を捨てるための方便だよなあというのがわかったのですが、それはやっぱりおこぼれ姫。女王としてしっかり人たらしで人材確保。
そういった部分も楽しくはあるのですが、レティとデュークの気持ちもちょっと進展が? 互いの立場と義務とどう折り合いをつけるのか気になるなあ!
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死んでしまいたいと思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。(「健やかな論理」)尊敬する上司のSM動画が流出した。本当の痛みの在り処が写されているような気がした。(「そんなの痛いに決まってる」)生まれたときに引かされる籤は、どんな枝にも結べない。(「籤」)等鬱屈を抱え生きぬく人々の姿を活写した、心が疼く全六編。(Amazonより)

離婚し、アプリで知り合った恋人がいて、孫の話題ができずに気を遣う母親と会い、事務員として漫然と勤める佑季子の心を慰めるのは、事故や自殺のニュースで目にした死亡者のSNSアカウントなどの痕跡を突き止めること。「健やかな論理」
かつて二人一組の漫画家であった豊川。だが行き詰まりを感じたある日相方から逃げるように妊娠した恋人と結婚し、保険会社に勤めるようになる。だが妻とのすれ違い、仕事での転機を迎えた現在、その胸にあるものは……「流転」
派遣切りにあったその日後輩への引き継ぎを終える依里子は思い出す。自分もかつて同じように契約を切られた先輩から引き継ぎを受けたあの日のこと。あの日先輩である佳恵の思いがけない姿。「七分二十四秒めへ」
パートに出て働く由布子。どこにでもいるありふれた家庭、いつもすぐやってくる明日のことを考える毎日。正しさはいつも、蔓延る不正や強権という風に負ける。「風が吹いたとて」
夫婦共働きの小杉は、しかし妻の方が収入が上だと知って以来、夫婦の関係を持てなくなってしまった。子どももおらず、仕事も上手くいかない。セフレを相手に日帰り旅行する彼の胸に去来するのは、かつての上司の醜聞。「そんなの痛いに決まってる」
劇場スタッフのみのりは現在妊娠六ヶ月。だがある理由で夫は姿を消し、頼るべき母親はすでに亡く、仕事では不出来な新人に手を焼いている。休日ながら出勤したその日大きな地震が発生し……「籤」
どれもだいたい後味が悪い!!! と胃の中がぐるぐるしてしまう短編集。けれどここに描かれている心の闇は、きっとみんな何かしらの心当たりがあるんじゃないかなと思う。アカウントの特定とかね……慣れているとできちゃうからね……。
なんだかきつくて泣けてしまったのが「七分二十四秒めへ」。文句らしい文句を言うのは引き継ぎを受ける明日美なんですが、依里子や佳恵が馬鹿馬鹿しい動画を見て勤めている間はどうしても食べることのできなかったラーメンをすするのが……。どうかしてる、差別だ、不平等だと叫ぶこともできないで、動画配信者が騒いでいるのを眺めながら一緒になっている気持ちでラーメンを食べているの、本当に切なくってだめだった。
その中で最後の「籤」は、はずれ籤をひかされているような描写をしながらも、賢く強く地に足をつけて生きていた人間の尊厳みたいなものがある気がしてとてもよかったです。当たりくじを引いたところで努力を怠り慢心すればはずれくじよりももっとひどい。身が引き締まった。
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 山の男マクシミリニャン・フリバエとの出会いがきっかけとなり、蜜薬師アニャと夫婦になった養蜂家のイヴァン。山奥での生活はハプニングがいっぱいで驚くことばかりだけれど、それ以上に幸せを感じる毎日だ。新たな同居人もやって来て、ますます賑やかになったフリバエ家。イヴァンの山暮らしは三年目を迎え、アイスワイン作りや棉糸作りにも挑戦して忙しく過ごしていたが、今度は麓の村で期間限定の蜂蜜カフェを開くことになり!?
 苦労人な養蜂家と蜜薬師の新妻が幸せいっぱいに送る新婚物語、待望の番外編登場!(カバー折り返しより)

変わらず家族と山の暮らしのお話。とにかく作るし、試してみるし、と自然相手の生活は大変で、だから家族の結びつきが強くなっていくんだなあと思わせる。
上下巻ではお茶目なところばかりで大変素敵だったマクシミリニャンの過去がちらりとわかったのが面白かったな。きっとものすごく眼光の鋭い、怖い人物だったろうに。そうなると彼らと家族になった先代さんがどんな人だったのかすごく気になる。きっと素晴らしい人だったんだろうなあ。
最後に蜂蜜酒で乾杯、というのがとても締め括りとしてよかった。人生を振り返り、これからに思いを馳せるときに、誰かが作ったお酒があるというのがロマンです。
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 イヴァンとアニャ、ふたりの結婚を賭けて蒔かれた蕎麦の種は見事に芽吹き、アニャはようやく結婚を受け入れた。家族となったアニャとマクシミリニャンに、山暮らしの知恵や山の養蜂技術を教えてもらいながら、イヴァンの山暮らしはますます充実していく。そんなある日、山の麓にある村マーウリッツァに向かったイヴァンとアニャは、お世話になっている草木染め職人の老婦人、ツヴェートが倒れているのを発見して…!?
苦労人な養蜂家と蜜薬師の新妻が幸せいっぱいに送る新婚物語、完結巻!(カバー折り返しより)

働き者同士の夫婦と家族のお話の下巻。山暮らしの大変さ、熊に襲われたりするところなど、日々の描き方がなんだか『大草原の小さな家』を思わせる。
イヴァンには幸せになってほしいので家族とはしっかり距離を置いて付き合ってほしいんだけれど、できればちゃんと実家のみんなが改心したところが見たかったな。大騒動の後、男性陣が女性陣にイヴァンがどれだけ働いていたかしっかり叱ってもらうとか。
そういえばやけに現代的な単語が出るので、これはどのくらいの時代が舞台なのかと首を傾げていたんですが、豪華客船が沈んだらしいという記述をタイタニック号だと思うのなら、舞台は意外と近現代なんですね。きっと彼らの暮らしはあっという間に変わってしまうんだろうな……。
そう思うと、イヴァンの妻や家族に対する考え方は素晴らしいし、アニャがそういうイヴァンと巡り合えたことはとても素敵なことだと思うな。
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オクルス湖のほとりで暮らすイェゼロ家は、養蜂業を営む大家族。だが、イェゼロ家の男どもは皆ぐうたらしていて働かず、十四番目の子として生まれた末っ子のイヴァンだけが、幼い頃から十三人の兄に代わって必死に一家を支えてきた。
家族にこき使われるイヴァンだが、偶然出会った山の男・マクシミリニャンから「一人娘のアニャを嫁にもらってほしい」と懇願され、岩山を登った先にある、人里離れたマクシミリニャンの家へと向かうことに。そこで初対面した花嫁のアニャは、蜂蜜を使って人々を癒すという“蜜薬師”だった!?
苦労人な養蜂家と蜜薬師の新妻が、大自然の中で送る賑やかな新婚生活。美味しいものたっぷり&幸せ満載な、癒しの山暮らし物語!!(カバー折り返しより)

養蜂家のイヴァンの家族は、まるで蜂のよう。女王である母を頂点に、兄嫁や姪たちがせっせと働き、兄や甥たち男性陣はみんな仕事などしなくていいと怠けてばかり。唯一イヴァンだけが働き者だが、双子の兄サシャと彼の妻ロマナの諍いに巻き込まれたことで、自らの人生を見つめ直す。
「働いて当たり前」「頑張って当たり前」という状況にすっかり慣れてしまっていた若者が、それ以上に頑張り屋で働き者、けれど頼ることもしっかりできる素敵な女性と家族になるお話。読んでいて、イヴァン、イヴァン……! とあまりの仕事ぶりに涙が出そうになる。そう、頑張って仕事をして当たり前、っていうのは健全なようでいてそうじゃない場合があるんだよなあ……。
お互いに相手に好意を抱いているのに蕎麦の芽に思いを託すのがいじらしい。
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Author:月子
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