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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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王の専属騎士集めも折り返しとなり、未来の女王に欠かせない“夫”を探すことに決めたレティーツィア。目を付けたのは“勇敢なる大艦隊”総司令官に就任したばかりのナパニア国第六王子・ソレス。彼に会うため騎士達とナパニアの客船に乗り込んだレティだが、そこには奔放な王子との【劇的な出逢い】が待っていて……!? 人懐っこい王子サマにあのレティが振り回される(!?)最強女王伝説第9弾!(裏表紙より)

ぼちぼち読んでいたらもう9巻なのか! 騎士も集まり、だいぶ女王様らしくなってきたレティが、王としての減点を恐れず自分のため、そしていつかの国のために無茶を押し通そうとするところがめちゃくちゃよかった。王になることを知っていても完璧であろうとする彼女の強さがここにきて真価を発揮し始めたのかも、という印象でした。
ソレス王子が若くして亡くなるのは、もう絶対身分を捨てるための方便だよなあというのがわかったのですが、それはやっぱりおこぼれ姫。女王としてしっかり人たらしで人材確保。
そういった部分も楽しくはあるのですが、レティとデュークの気持ちもちょっと進展が? 互いの立場と義務とどう折り合いをつけるのか気になるなあ!
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死んでしまいたいと思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。(「健やかな論理」)尊敬する上司のSM動画が流出した。本当の痛みの在り処が写されているような気がした。(「そんなの痛いに決まってる」)生まれたときに引かされる籤は、どんな枝にも結べない。(「籤」)等鬱屈を抱え生きぬく人々の姿を活写した、心が疼く全六編。(Amazonより)

離婚し、アプリで知り合った恋人がいて、孫の話題ができずに気を遣う母親と会い、事務員として漫然と勤める佑季子の心を慰めるのは、事故や自殺のニュースで目にした死亡者のSNSアカウントなどの痕跡を突き止めること。「健やかな論理」
かつて二人一組の漫画家であった豊川。だが行き詰まりを感じたある日相方から逃げるように妊娠した恋人と結婚し、保険会社に勤めるようになる。だが妻とのすれ違い、仕事での転機を迎えた現在、その胸にあるものは……「流転」
派遣切りにあったその日後輩への引き継ぎを終える依里子は思い出す。自分もかつて同じように契約を切られた先輩から引き継ぎを受けたあの日のこと。あの日先輩である佳恵の思いがけない姿。「七分二十四秒めへ」
パートに出て働く由布子。どこにでもいるありふれた家庭、いつもすぐやってくる明日のことを考える毎日。正しさはいつも、蔓延る不正や強権という風に負ける。「風が吹いたとて」
夫婦共働きの小杉は、しかし妻の方が収入が上だと知って以来、夫婦の関係を持てなくなってしまった。子どももおらず、仕事も上手くいかない。セフレを相手に日帰り旅行する彼の胸に去来するのは、かつての上司の醜聞。「そんなの痛いに決まってる」
劇場スタッフのみのりは現在妊娠六ヶ月。だがある理由で夫は姿を消し、頼るべき母親はすでに亡く、仕事では不出来な新人に手を焼いている。休日ながら出勤したその日大きな地震が発生し……「籤」
どれもだいたい後味が悪い!!! と胃の中がぐるぐるしてしまう短編集。けれどここに描かれている心の闇は、きっとみんな何かしらの心当たりがあるんじゃないかなと思う。アカウントの特定とかね……慣れているとできちゃうからね……。
なんだかきつくて泣けてしまったのが「七分二十四秒めへ」。文句らしい文句を言うのは引き継ぎを受ける明日美なんですが、依里子や佳恵が馬鹿馬鹿しい動画を見て勤めている間はどうしても食べることのできなかったラーメンをすするのが……。どうかしてる、差別だ、不平等だと叫ぶこともできないで、動画配信者が騒いでいるのを眺めながら一緒になっている気持ちでラーメンを食べているの、本当に切なくってだめだった。
その中で最後の「籤」は、はずれ籤をひかされているような描写をしながらも、賢く強く地に足をつけて生きていた人間の尊厳みたいなものがある気がしてとてもよかったです。当たりくじを引いたところで努力を怠り慢心すればはずれくじよりももっとひどい。身が引き締まった。
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 山の男マクシミリニャン・フリバエとの出会いがきっかけとなり、蜜薬師アニャと夫婦になった養蜂家のイヴァン。山奥での生活はハプニングがいっぱいで驚くことばかりだけれど、それ以上に幸せを感じる毎日だ。新たな同居人もやって来て、ますます賑やかになったフリバエ家。イヴァンの山暮らしは三年目を迎え、アイスワイン作りや棉糸作りにも挑戦して忙しく過ごしていたが、今度は麓の村で期間限定の蜂蜜カフェを開くことになり!?
 苦労人な養蜂家と蜜薬師の新妻が幸せいっぱいに送る新婚物語、待望の番外編登場!(カバー折り返しより)

変わらず家族と山の暮らしのお話。とにかく作るし、試してみるし、と自然相手の生活は大変で、だから家族の結びつきが強くなっていくんだなあと思わせる。
上下巻ではお茶目なところばかりで大変素敵だったマクシミリニャンの過去がちらりとわかったのが面白かったな。きっとものすごく眼光の鋭い、怖い人物だったろうに。そうなると彼らと家族になった先代さんがどんな人だったのかすごく気になる。きっと素晴らしい人だったんだろうなあ。
最後に蜂蜜酒で乾杯、というのがとても締め括りとしてよかった。人生を振り返り、これからに思いを馳せるときに、誰かが作ったお酒があるというのがロマンです。
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 イヴァンとアニャ、ふたりの結婚を賭けて蒔かれた蕎麦の種は見事に芽吹き、アニャはようやく結婚を受け入れた。家族となったアニャとマクシミリニャンに、山暮らしの知恵や山の養蜂技術を教えてもらいながら、イヴァンの山暮らしはますます充実していく。そんなある日、山の麓にある村マーウリッツァに向かったイヴァンとアニャは、お世話になっている草木染め職人の老婦人、ツヴェートが倒れているのを発見して…!?
苦労人な養蜂家と蜜薬師の新妻が幸せいっぱいに送る新婚物語、完結巻!(カバー折り返しより)

働き者同士の夫婦と家族のお話の下巻。山暮らしの大変さ、熊に襲われたりするところなど、日々の描き方がなんだか『大草原の小さな家』を思わせる。
イヴァンには幸せになってほしいので家族とはしっかり距離を置いて付き合ってほしいんだけれど、できればちゃんと実家のみんなが改心したところが見たかったな。大騒動の後、男性陣が女性陣にイヴァンがどれだけ働いていたかしっかり叱ってもらうとか。
そういえばやけに現代的な単語が出るので、これはどのくらいの時代が舞台なのかと首を傾げていたんですが、豪華客船が沈んだらしいという記述をタイタニック号だと思うのなら、舞台は意外と近現代なんですね。きっと彼らの暮らしはあっという間に変わってしまうんだろうな……。
そう思うと、イヴァンの妻や家族に対する考え方は素晴らしいし、アニャがそういうイヴァンと巡り合えたことはとても素敵なことだと思うな。
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オクルス湖のほとりで暮らすイェゼロ家は、養蜂業を営む大家族。だが、イェゼロ家の男どもは皆ぐうたらしていて働かず、十四番目の子として生まれた末っ子のイヴァンだけが、幼い頃から十三人の兄に代わって必死に一家を支えてきた。
家族にこき使われるイヴァンだが、偶然出会った山の男・マクシミリニャンから「一人娘のアニャを嫁にもらってほしい」と懇願され、岩山を登った先にある、人里離れたマクシミリニャンの家へと向かうことに。そこで初対面した花嫁のアニャは、蜂蜜を使って人々を癒すという“蜜薬師”だった!?
苦労人な養蜂家と蜜薬師の新妻が、大自然の中で送る賑やかな新婚生活。美味しいものたっぷり&幸せ満載な、癒しの山暮らし物語!!(カバー折り返しより)

養蜂家のイヴァンの家族は、まるで蜂のよう。女王である母を頂点に、兄嫁や姪たちがせっせと働き、兄や甥たち男性陣はみんな仕事などしなくていいと怠けてばかり。唯一イヴァンだけが働き者だが、双子の兄サシャと彼の妻ロマナの諍いに巻き込まれたことで、自らの人生を見つめ直す。
「働いて当たり前」「頑張って当たり前」という状況にすっかり慣れてしまっていた若者が、それ以上に頑張り屋で働き者、けれど頼ることもしっかりできる素敵な女性と家族になるお話。読んでいて、イヴァン、イヴァン……! とあまりの仕事ぶりに涙が出そうになる。そう、頑張って仕事をして当たり前、っていうのは健全なようでいてそうじゃない場合があるんだよなあ……。
お互いに相手に好意を抱いているのに蕎麦の芽に思いを託すのがいじらしい。
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従兄弟同士の直樹と隆は、17歳の誕生日を迎えようとしていた。例年通り、木蓮や馬酔木、海棠や空木に埋もれた桃源郷のような花の里の隆の家を訪れた直樹と典子兄妹。だが、心優しい隆の目は昏く、母親の美紀子に冷淡な態度をとっていた。「あの女が、迎えに来る」と、毎夜、中庭を訪れる異端のものの気配に苛立つ隆。隆の目の中に恐れていた兆しを見つけて絶望する美紀子に異変が。運命の悲劇の幕が開く。ホラー&ミステリー。(裏表紙より)

旧版を読んだはずなんですが、直樹と隆がギスギスしていた部分の印象が強くて最後どうなったのか覚えておらず。新装版を再読して、大人になったいまだからやはりめちゃくちゃ面白いな……と唸りました。
毎年春と夏、従兄弟の家を訪ねる直樹と妹の典子。その年、直樹と従兄弟の隆は十七になる。だが十七歳の誕生日が近付くある日、隆がまるで人が変わったようになり、そして悲劇が……。
この、毎夜訪れるものと呪い、意識が塗り替えられていく描写が怖い。原因を突き止める過程はあっさりですが、その前の「どうか助かってくれ!」という息の詰まる展開がホラーとしてめちゃくちゃ面白かった。雨が降る、花が降る最後も物語の結末として悲しく美しい。
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村を襲うも人は殺さない飛竜の真意とは。老人の巻きこまれた妖精猫の裁判の行方は。鋭い吠え声が響く村で娘達を食らう獣の正体とは――。独自の生態と超自然の力を持つ生き物、幻獣。謎多き存在である彼らと人の衝突が増えたため、国家は幻獣を調査し、時には駆除をする専門家を定めた。そのひとりである調査員のフェリは「人と幻獣の共存」を胸に、世界で唯一の幻獣書を完成させるため旅を続けている。これは、人と幻獣の関わりが生む、残酷で優しい幻想幻獣譚。(Amazonより)

人とも動物とも異なる、しかし独自の生態と力を有する存在、幻獣。力を持ち、災厄を呼び、ときには大いなる祝福を与えるかれらの生態を調査する専門家がいる。そのうち調査員と呼ばれる旅人の少女フェリと、何故か彼女に付き従うホムンクルスの蝙蝠と、兎頭の何かの物語。
人の身勝手と悪い心、臆病さ、無力さからくる言動と、幻獣の在り方がなかなか上手く噛み合わず、悲しい話が多いのですが、幻獣がらみの事件を解決する短編連作なので読みやすくて面白かった。
合間合間に挟まる、魔王と思しきものと少女の物語は、多分彼と彼女のことなんだろうと思って読んでいくと、最後の最後に種明かしが。思わずえええ!? と叫んでしまった。そういうのあり!? フェリ自身もいつか追われることにならないかなあ……なんて不安に駆られてしまったけれど、まあそうなったらクーシュナとトローが連れていくんだろう。それくらいの結びつきが感じられる、異形の物語でした。
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異教徒に攫われた過去を持つ王女リヴェラは、幼い頃から不吉だと忌み嫌われ居ない者のように扱われていた。だが大国のアスガルドの皇帝グエンは彼女の前に跪いて求婚し強引に花嫁とする。戦に優れ死神と畏怖されるグエンは意外に快活な性格でリヴェラには優しかった。「もっとかわいい声で啼け。俺の淫らな花嫁」宴の席、各地にある寺院、あるいはサウナの中、あらゆる場所で抱かれ乱れさせられ、喜びを覚えるリヴェラは!?(Amazonより)

幼少期に異教の儀式の生贄としてさらわれたことで「傷物」として扱われる姫君が、大国の皇帝の花嫁となる物語。原始的宗教の儀式なので衆人環視の前で……というのが面白そうだったので読みました。一回きりかと思いきや何度も、なのでちょっと笑ってしまった。もうちょっと抵抗しような!
甘々溺愛からの、自国の身近な人間の裏切り、ヒーローの救出と王道展開。しかし前半の、時系列が細切れに前後するのはだいぶ読みづらかった。このパート、さっきの話の後? それよりもっと前? みたいな。中盤からはそういうこともなくなって安心しました。
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「私は、私を殺した犯人を知りたい」死の間際、薄れゆく意識の中で女王オフィーリアはそう願う。すると、王冠の持ち主にだけ与えられる“古の約束”により、妖精王リアは十日間だけオフィーリアを生き返らせてくれた。「一度は死んだ身よ。ならば今度こそやりたいことを全てやってやるわ」オフィーリアを使って権力を握ろうとした夫、周囲に流されがちで頼りない弟、恋心を寄せてくる近衛騎士……数え上げればキリがない犯人候補たち。女王を殺したのは誰なのか!? 生前の雪辱を晴らす強烈な平手打ちが炸裂する王宮ミステリー開幕!!(裏表紙より)

美しい女王として、周囲のために優しく慎ましく微笑んでいた女王オフィーリア。だが殺されたことで周囲の本音を聞くことになりついに怒りが爆発。私は私がやりたいことをやると、自分を殺した犯人を探す一方、自分が死んだ後の準備も始める。いつしかそれはお飾りの女王ではなく、本物の為政者としての存在感につながる。
平手打ちに罵倒語と、これまでできなかったことをやるオフィーリアが楽しい。やっていることはめちゃくちゃ怖い女王様で、やりすぎると粛清されそうな気もするんですが、舐めた態度をとるやつらが多くて「いいぞいいぞやっちゃってー!!」と思ってしまう私もいる笑
自分を殺した犯人にもですが、気持ち悪い執着を見せる相手にしっかり「気持ち悪い」と言い切ったところがスカッとしました。言わないとわかんないんだよなあ、思い込みの強いやつって!
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ネットにアップした奈緒の歌は、たちまちミリオン再生を記録した。敏腕マネージャー矢作女史の後押しもあり、有名ボカロPの仲間入りをした慶太郎。そして彼とリンクするように、電話の向こうの奈緒もメジャーデビューへと近づいていた。そんなある日、慶太郎は二万人が集まるボカロPの祭典に招待される。奈緒が夢にまでみた大舞台で、慶太郎は一世一代の賭けに出ることにするが――。ミライショウセツ大賞優秀賞。失われた恋と歌の奇跡の物語、完結!(Amazonより)

奈緒との不思議なつながりと秘密を抱いたまま、音楽活動を続ける慶太郎。いつか来る終わりのときに覚悟を決める前に、現実が次々に襲いかかってくる。
中心的な人物の死という大きな事件が、慶太郎を含む大勢に様々な影響を及ぼしていることが浮き彫りになった下巻だなあという印象でした。しかし北沢さんの病みっぷりと慶太郎の感情の薄さがどうにも消化不良で……。薬盛られるって性別関係なくめっちゃ怖いぞ。この二人の関係が綺麗に終われなかったのがかなりもやもやしました。
最後の最後に奈緒が出てきてくれるのは想像していたけれど、ちゃんとお別れが言えて、大事な言葉は言わなくても伝わっていることがわかってよかったな。慶太郎が器用だということはわかったけれど彼がどんな音楽をやりたいかはまだ未知数。でもやっとまっさらなスタートを切れるんだなあ。
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Author:月子
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