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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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「RDGシリーズ」で人気の著者が、自身の“ファンタジーのDNA”を育んだ名作を紹介。『赤毛のアン』の日常と『枕草子』の宮廷生活の描き方に共通するものとは。古代中国を思わせる小野不由美の「十二国記」に西洋の児童文学を想起するのはなぜか。実は青春恋愛譚として読める佐藤さとるの『だれも知らない小さな国』。デビュー作『空色勾玉』のエピソードなど、読書の幸福が溢れるブックガイドとしても読める名エッセイ集。(裏表紙より)

単行本『ファンタジーのDNA』の文庫化にあたり、改題、加筆修正が行われたもの。改題前の本を読んだはずなんですが、全然覚えてなくて、楽しく読みました。
主に子どもの頃に読んだ作品の思い出と、いま読んだときの感想、他の作品との対比など、研究者は向いていないというようなことを仰っていながら、視点がとても研究者だと思うんですよねえ。研究するには愛が深くて距離が取れないんだろうなとも思いますけれど……笑。
しかし荻原さんの子ども時代の描写が好きだな。こう、突き放した感が。自分の幼さや未熟さを認めつつも……みたいなところ。もっと読んでみたいけれどそういうのを書かれる方でもない気がするし、と思いながら興味深く読みました。
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知人が購入を検討している都内の中古一軒家。
開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、
間取り図に「謎の空間」が存在していた。

知り合いの設計士にその間取り図を見せると、
この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が
存在すると言う。

間取りの謎をたどった先に見たものとは......。

不可解な間取りの真相は!? 
突如消えた「元住人」は一体何者!? 

本書で全ての謎が解き明かされる!(Amazonより)

謎の物件を取材するていで語られる、謎の物件と因習を描くホラー作品。
変な間取りだなあというところから安全なのか知り合いを頼って調査を始めるも、奇妙な情報が集まってくる。この辺り、知識ありすぎない? とか、偶然にしても人が集まってくるなあとかあるんですが、この世界のどこかにこういうことがあってもおかしくないよなあという感覚があって面白かった。
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オフィス街に程近い商店街の一角、犬の看板が目印の雑居ビルの地下一階にその店はある。
猫の絵が描かれた扉の食堂「洋食のねこや」。
創業五十年、オフィス街のサラリーマンの胃袋を満たし続けてきた。
洋食屋といいながら、洋食以外のメニューも豊富なことが特徴といえば特徴なごく普通の食堂だ。
しかし、「ある世界」の人たちにとっては、特別でオンリーワンな一軒に変わる。
「ねこや」には一つの秘密がある。
毎週土曜日の店休日、「ねこや」は“特別な客"で溢れ返るのだ。
チリンチリンと鈴の音を響かせやってくる、生まれも、育ちも、種族すらもばらばらの客たちが求めるのは、世にも珍しい不思議で美味しい料理。
いや、オフィス街の人なら見慣れた、食べ慣れた料理だ。
しかし、「土曜日の客たち」=「ある世界の人たち」にとっては見たことも聞いたこともない料理ばかり。
特別な絶品料理を出す、「ねこや」は、「ある世界」の人たちからこう呼ばれている。
―――――「異世界食堂」。
そして今週もまた、チリンチリンと鈴の音が響く。(Amazonより)

先代から続く洋食屋「ねこや」。通常は定休日であるこの店は実はその日特別営業を行っている。入り口が異世界の各地に出現し、現代日本の味の虜になった人々がそれぞれの種族や身分や立場に関係なく美食を味わう食堂になるのだった。
エルフ、ドワーフ、魔族などがいて、魔法が存在し、西洋風の国もあれば東洋の国もあるという異世界。彼らにとっては食堂こそ異世界。だいたいが最初に食べたものの虜になってそのあだ名で呼ばれるというのがいかにも「通」っぽくて楽しい。
またこれ、揚げ物だったりソースの味だったり甘い物だったりと、それを「美味しい!」と思う人たちの視点で描写されるので空腹時に読むのがつらい!笑 楽しかった。
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お姉様が……恋!? 大好きな姉が恋に落ちたと知ったイーリスは、その相手が誰なのか気になって仕方ない。でも、これまでも姉の婚約をことごとくダメにしてきた前科があるために、母親の画策によってその相手が誰なのか知ることができずにいた。どうにかして姉の想い人が「名門男子校・カールソン学園に通う金髪の青年」であるらしいと知ったイーリスは弟のフリをして学園に潜入し、その人物が「女好き」と噂されるエドガーだと突き止める。彼が姉の婚約相手に相応しいか見極めるためにひっそりと観察を始めたイーリスはしかし、なぜか彼に興味を持たれてしまって!? 彼の素顔を知るにつれ、イーリスも複雑な想いを抱くようになっていき……?(Amazonより)

シスコン妹なイーリスは、恋に落ちた姉の婚約者を見極めるべく、双子の弟に成り済まして学園へ潜入する。目標と思しき先輩エドガーを発見して観察し始めるも、向こうもこちらに気付いてしまい……という、いつバレる? 向こうはいつわかる? というどきどきな男装ものです。
ちょっと考えなしなところもあるけれど行動的で一生懸命で、曲がったことはしないイーリスの明るさが楽しかった! 猫が登場するシーンでふふっとなってしまった。
それだけにリネーアの相手が誰かわかった後の自分の恋の話の部分も読みたかった! 夢中文庫さんはちょっとページ数が少ないですよね……残念……。
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 竜殺しの英雄、シギベルト率いるノーヴェルラント帝国軍。伝説の島「エデン」の攻略に挑んだ彼らは、島を護る竜の返り討ちに遭い、幾度も殲滅された。
 エデンの海岸に取り残され、偶然か必然か――生きのびたシギベルトの娘ブリュンヒルド。竜は幼い彼女を救い、娘のように育てた。一人と一匹は、愛し愛された。
 しかし十三年後、シギベルトの放つ大砲は遂に竜の命を奪い、英雄の娘ブリュンヒルドをも、帝国に「奪還」した。
『他人を憎んではならないよ』
 復讐に燃えるブリュンヒルドの胸に去来するのは、正しさと赦しを望んだ竜の教え。従うべくは、愛した人の言葉か、滾り続ける愛そのものか――。
 第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、ここに開幕!(カバー折り返しより)

短い文章で、熱と憎悪と愛を語る。「竜殺し」であるジークフリートの逸話等々を下敷きにした作品で、登場人物はブリュンヒルド、シギベルト、シグルズという、名前からして各々宿命を負っている。しびれる。
ブリュンヒルドが愛と憎しみを放棄するのか、騙していることをどう思っているのかなど、読者としてどっちだろうと考えるはらはら感が読みたくもあったのですが、愛を貫き悪を強いて闇を進むヒロインとしてはこれ以上なくひどい少女であったと思います。どこまでも彼女は竜の娘であって、真に人間を理解しなかったのかもしれないなあ、なんて。
ノーヴェルラントがいかにして帝国にまでのし上がったのか、前日譚と思しき新刊が出るようなので楽しみにしています。
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妖精が見え画家でもある伯爵令嬢のフィオナは、無類の筋肉好きでちょっと変わった審美眼の持ち主。そんな彼女のまさに「理想の姿」を体現した青年ディオンにフィオナは出逢うのだが、彼の正体は実はパラルビオン国王で・・・・・・!? 互いに惹かれあい、王国の強い運命に導かれた2人は紆余曲折の末婚約する。しかし、大きな試練が待ち受けていて・・・!? 波瀾万丈! ファンタジーラブロマン第2弾!(Amazonより)

電子オリジナル。ケルト、ブリテンなど妖精の国や逸話を思わせる国を舞台に、その国では少し変わった美的感覚の持ち主であるフィオナと、容姿から忌み嫌われていた国王ディオンの恋と、妖精たちとの事件を描くファンタジー。第二巻です。
お互いに思い合う二人のいちゃいちゃ度がとてもいい……。またフィオナが前向きで、こうやって少し俯いてしまうヒーローを真っ直ぐな言葉で顔を上げさせるところ、めちゃくちゃ好きですね!
ディオンもフィオナに対して、早く正式に結婚して夫婦になりたいと思って葛藤しているところがとてもいいです。そうだよねえ、悶々しちゃうよねえ(にやにや)。
大事な決着は次巻に続く! なので次を読まなければ……。
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武官となるのを拒んで家を出た弥吹が出会ったのは、ある目的のためにふたりだけで旅をしている「月守」の少年たち。彼らは「かぐや姫」の伝説に深く関係していた。興味をひかれた弥吹は、彼らと行動をともにするうちに、次第にかぐや姫にまつわる壮絶な運命の渦へと巻き込まれていく。ふたりはいったい何者なのか? 五つの宝とは? 「竹取物語」を大胆かつ自由に解釈した、瑞々しく清々しい和製ファンタジーを文庫化!(裏表紙より)

将軍の子に生まれ、武官として教育を受けた都人の弥吹だが、戦うことを苦手として跡取りにも関わらず家を飛び出した。追いかけてきた薬師の娘、朝香に助けられつつしばらく放浪するが、日銭を稼ぐために思いついて「語り売り」をやったところ、これが好評となる。そこへ彼の語る物語のひとつ、「かぐや姫」にまつわる少年たちがやってきて。
「かぐや姫」をモチーフにした和風ファンタジー。爽やかで健やかな物語で心が洗われました。
姫の求婚に登場する宝は月神がもたらした秘宝で、かぐや姫はある宝を持つために隠れ里に住む。姫を守るのは月守と呼ばれる里人たち。少年たちは故郷を焼かれ、二度とこのような悲しいことが起こらないよう、秘宝を取り戻して封印するという役目を負っている。
これだけでもわくわくするんですが、語り手はあくまで別の人。弥吹にその役目があり、彼にも彼の物語があるというのがすごくいい。
少年たちの出自や秘密もよかったし、最終的にかぐや姫が唯一の人を得る展開には胸がきゅんきゅんしました。いまの世に伝わる物語を紐解くなら、二人はきっと宝を返したんだろうな。
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白髪に赤い瞳の容姿から鬼子と呼ばれ、親に捨てられた過去を持つ李珠華は、街のまじない屋でまじない師見習いとして働いている。ある日、今をときめく皇帝・劉白焔が店にやってきた。珠華の腕を見込んだ白焔は、後宮で起こっている怪異事件の解決と自身にかけられた呪いを解くこと、そのために後宮に入ってほしいと彼女に依頼する。珠華は偽の妃として後宮入りを果たすが、他の妃たちの嫉妬と嫌悪の視線が突き刺さり……。まじない師が怪異の謎を解き明かす、宮廷ロマン譚!(裏表紙より)

中華風後宮ものと思いきや、独自の成り立ちがある設定なのでだいぶライトなお話。
謎の呪いで女性に近付くとじんましんが出てしまい、妃たちにも触れることができない皇帝が、自身の体質と後宮の異変を解決してくれるよう主人公に依頼したことで、一時的に後宮入り。
後宮はあまり機能しておらず、妃嬪などの身分さはあまりなく、民草やまじない師見習いの主人公が絵姿で皇帝を知っていて、距離を置かずにちゃんと口が聞けるという。後宮ものをそれなりに読んでいると、こういう軽さは目新しい気がしました。
しかし見た目のせいで思いきり、それもかなり直接的に嫌がらせを受けるので皇帝の影響力は弱いらしい。呪いへの対処法も、主人公が作ったものが理由でも別に彼女を妃にしなくてもいいのでは……と思うなど、全体的にお話があっさりしすぎていて物足りなかったです。
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小犬の姿をした八百万の神・モノクロと暮らす大学生の美綾。読んだばかりの『将門記』の話をモノクロにしていると「その時代を見たくはないか」。気がつくと美綾の意識は10世紀へ飛び、そこに若き武者、将門が現れる!彼の護衛を務めるユカラの体に閉じこめられた美綾は、彼女の将門への想いを知る。やがて“えやみ”と呼ばれる邪悪な呪術が絡んだ争いが起き、ユカラは「山の民」である狼たちと共に将門を守るため戦へ向かう……。(裏表紙より)

パピヨン姿の神様と暮らす大学生の美綾。日本民俗学研究会がちょっとずつ面白くなってきたこともあって『将門記』を読み、興味が出たと告げたことがきっかけで、当時の様子を覗き見ることに……。
現代の話がほとんど関係なくなっている第三巻。内容はほとんど、平将門となる人物の若かりし頃を、蝦夷一族の少女ユカラとともに旅をしながら覗き見る話。
視点が現代人の美綾なんですが、ユカラが主人公の単独の話でも面白く読めたんじゃないかなあ。最後が悲しいのも含めて……。
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町外れの森に住む魔女エリシア。ある日、彼女が家に帰ると、薄汚れた服を身につけた人間の幼子が食料棚を漁っていた。手には、朝食用にとっておいたミルクパン。
 腹はたつが、殺すのもめんどくさい。だが、高値で少女を売ろうにも、教養を身につけさせねばならない。そのため仕方なく少女と暮らしはじめたエリシアだったが――。
 これは、嫌われ者の魔女と孤独な少女の愛と絆の物語。(Amazonより)

孤独な魔女と一人ぼっちの少女が家族になるお話。
魔女エリシアの悲惨な過去も含めて、壊れてしまいそうな幸せを大事に大事にするような物語で、とても心が温かくなりました。彼女の境遇も力も、その結果も悲しくて惨いんですが、それでも歯を食いしばって、周りに攻撃的にならなければ上手に生きていけなかったんですよね。
そんなエリシアの心を溶かすのは、世間知らずだけれど純粋な少女カナリア。もちろん別離が控えているわけですが、カナリアを迎えにきたことできっとエリシアは過去をやっと振り切れたんだろうなあ。
幸せなエピローグもとてもよかった。ここが人も魔女も魔法使いも愛した世界であるといい。
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