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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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 高校生の美原アンが夏休みにホームステイすることになったのは、札幌の郊外に佇む私立図書館、通称「図書屋敷」。不愛想な館主・セージに告げられたルールを破り、アンは真夜中の図書館に迷い込んでしまう。そこは荒廃した裏の世界——“物語の幻影”が彷徨する「図書迷宮」だった!迷宮の司書を務めることになったアンは「図書館の本を多くの人間に読ませ、迷宮を復興する」よう命じられて……!?
 美しい自然に囲まれた古屋敷で、自信のない少女の“物語”が色づき始める。(裏表紙より)

すごくジブリみたいな作品だった。
ほわわんと頼りない父親によって北海道に送り出されたアン。滞在することになったその家は図書屋敷と呼ばれる、和洋折衷の古い館。けれどそこで眠るともう一つの場所、図書迷宮に迷い込む。口の悪い猫を案内人に、不思議な住人?との交流もありつつ、司書見習いとなったアンだけれど、その心には深い傷があって……という。
主人公の心の傷がちょっと捻ってあってほほうと唸りましたし、それが最終的に大きな障害になって、その真っ黒い海とラベル(レッテルともいうか)と戦う、という。アン自身はごくごく普通の読者であり、キーパーソンである伊勢もみじは作家なんですが、二人ともその暗黒や痛みに深く傷付けられて乗り越えようとするのが象徴的で、とてもファンタジックで、残酷な現実をすぐ側に置いた話だった。
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「一度、一緒に王都へ行かないか」
王城の侍女見習いから竜が集まる辺境伯領の侍女になったメリッサ。彼女は辺境伯領では、元竜騎士隊長の辺境伯ヒューバードの婚約者として扱われるようになったものの、国には認められていなかった。そこで、彼と正式に婚約するため、王都へ旅立つことに。両親へ挨拶をすませ、国に婚約を認めてもらうだけの帰郷。それだけのはずが、思わぬ事態に巻き込まれて——。どんなことが起こっても、ずっとヒューバード様と竜達と一緒に過ごすために、頑張らせていただきます!
堅物騎士と竜好き侍女のラブファンタジー第3弾!!(裏表紙より)

当人同士は両思いなれど、重要な存在である竜が集まる辺境伯であるヒューバートと青の竜の養い親のメリッサの結婚は、一つの国事。そんなわけで国の承認を得よう、メリッサの里帰りにもなる、と王都行きが決まったものの、子ども同然の青がそう簡単に納得するはずはない。
青の幼竜らしい駄々っ子感と聞き分けの良さ、その後の展開に至るまで、可愛いなあ、そうだよなあ子どもだし竜だし思いがけないことをするよなあ、と思った第3巻。
竜と辺境伯家、隣り合う他国やその他の竜への認識など、人と竜の付き合い方が描かれていたような印象。恋愛方面の進展はさほどないものの、やっぱり「お嬢さんをください」的なやつはにやにやしちゃうし、強力な後ろ盾の養子になる展開もやっぱり好きですね!
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ジェノビア帝国の将軍グレンは、罠にはまり敵国の地下牢に囚われていた。痛めつけられた彼の手当てに現れたのは、下働きの女ルネ。自らを犠牲にして献身的に尽くす彼女の真意がわからないまま、協力を得て脱獄に成功する。死を覚悟した目のルネを帝国に連れ帰ったグレンは、所有欲と愛情の区別がつかないなか少しずつ「恋人」としての扱い方を覚えていく。ルネは彼を全身で受け入れ、幸福感に包まれるが、彼女の秘された素性が波乱を呼び………。(裏表紙より)

スラム育ちで、皇帝になる男に見出され、衣食住を手にいられるからと戦働きで勲功を上げていたグレン。敵国に囚われた彼を助けたのは何を考えているかわからないルネ。脱獄後、残された彼女は殺される、ならば連れて帰ろう。でも逃げるようなら殺す。いびつながらなんだか切なくなるロマンスでした。
愛を知らないグレンと、空っぽのルネ。「逃げたら殺す」「わかった」と平然とやりとりする様子がとても寂しくて、どうか一緒にいてほしいと願わずにはいられなかった。不良少年と優等生少女が二人で必死に生き延びようとしている感じというか。
そのせいか大人の事情、皇帝たちの不穏さがすごく嫌な感じ。何も知らない子どもをいいように使っているような気がするのに、グレンとルネの幸せを考えるとこの状況でいいんだろうなあとも思えて。愛と殺意が同時に存在するグレンのぎこちなさがとてもよかった。
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「もう、あきらめたりしない」
緑の髪に青の瞳――地味な容姿の自分は決してかわいくなれないと思っていたルチア。しかし幼少期のある出会いをきっかけに、彼女は誰に何と言われようと、大好きな服を着る、気に入った髪飾りをつける、自分が好きなものを好きであり続けると、そう決心する。
成長し、いつか自身の工房を持つことを夢見て日々服を作り続けるルチア。そんな彼女は、友人のダリヤに頼まれて作ったとある靴下がきっかけで、新設される服飾魔導工房の工房長に任命されてしまう。
大抜擢ゆえのやっかみやトラブルも、夢の実現のためならなんのその! ルチアは仕事のかたわら、服飾ギルドを訪れる人々のお悩みも彼女らしく解決していって――。
『魔導具師ダリヤ』シリーズの人気キャラであるルチアを描いた新シリーズ!
いつか素敵な服で王都を埋め尽くす! 服飾師ルチアの幸服計画がここからはじまる!(Amazonより)

魔導具師ダリヤのスピンオフ。友人の服飾師ルチアのお仕事ものサクセスストーリー。
ただこの時点でダリヤ1巻よりちょっと話が進んでいるみたい? 靴下と中敷きの話が進んでいる最中の様子が出てきます。
ダリヤ1巻はずっと食べているのですが、ルチア1巻はずっと服を作っています。この街で生きている人たちの服にまつわる悩み事や困りごとを解決する要素もあるので、ダリヤとはまた違った面白さがありました。特に仲間がいるっていいなっていう。
さらに面白かったのは友人知人から見たダリヤは巻き込まれ体質というか事件体質らしいということ。婚約破棄もその後の商会立ち上げもなるべくしてなったわけね、と面白かった。
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東日本大震災を経て、刻々と変貌していく《東京》を舞台にした戯曲『エピタフ東京』を書きあぐねている“筆者K”は、吸血鬼だと名乗る吉屋と出会う。彼は「東京の秘密を探るためのポイントは、死者です」と囁きかけるのだが……。スピンオフ小説「悪い春」を特別収録。(裏表紙より)

どこまでも曖昧で、街や人間のぼやけた感じがそこはかとなく怖い、小説? エッセイ? 語り手はいるものの、誰でもない感じで、そこに入り込むことを許されない感じが読んでいてすごくもどかしかった。何喋ってるのか全然わからないよ! みたいな。
最終的にそういう話を差し込んでくるの!? というのが面白かった。東京が墓碑になる日というのはきっとそういうときなんだろうなあ、みたいな。
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「もう、うつむくのはやめよう」
転生者である魔導具師のダリヤ・ロセッティは、決められた結婚相手からの手酷い婚約破棄をきっかけに、自分の好きなように生きていこうと決意する。
行きたいところに行き、食べたいものを食べ、何より大好きな“魔導具”を作りたいように作っていたら、なぜだか周囲が楽しいことで満たされていく。
「これも、君が作ったの!?」「この際だから商会、立ち上げない?」
ダリヤの作った便利な魔導具が異世界の人々を幸せにしていくにつれ、作れるものも作りたいものも、どんどん増えていって――。
魔導具師ダリヤの、自由気ままなものづくりストーリーが今日ここからはじまる!(Amazonより)

アニメを見たのでこの度一巻を読みました。なんだか最近ずっとこんな感じだな。
1巻は婚約破棄とヴォルフとの出会い。婚約破棄した後はずっとヴォルフと出掛けて、魔導具と魔剣の話をしつつ、飲み食いをしている……。本当にずっと喋っては食べている……笑
有力貴族の末っ子ヴォルフ、家族周りがちょっとめんどくさそうで、異世界におけるバリキャリ化しそうなダリヤ自身は恋はもういいやとなっているわけですが、果たして恋愛関係は進展するのか。
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三田村慎平は転職先の児童養護施設で働き始めて早々、壁にぶつかる。生活態度も成績も良好、職員との関係もいい“問題のない子供”として知られる16歳の谷村奏子が、なぜか慎平にだけ心を固く閉ざしてしまったのだ。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日がやってくる。先輩職員らに囲まれて成長する日々を優しい目線で描くドラマティック長篇。(hontoより)

テレビ番組の影響で児童養護施設の職員となった元営業職の三田村。深刻な状況から保護されたり、親に育児の能力がなかったりと、いろいろな事情の子どもたちが共同生活を送る施設には当事者しか知り得ない状況や思いがある。もちろんそれは職員にも。
こうやって「こういうことがある」ということを知る人が少しでも増えたら、社会はほんの少しずつよくなるかもしれない、と感じられる話だった。執筆のきっかけも有川さんの読者である養護施設で暮らす子が手紙を出したというのもすごくわかる内容。私はこういう状況を全然知らないでここまできたんだなあ……と反省じゃないけれど、ちょっと落ち込んで、気持ちを引き締めました。
タイトルは「明日の子供たち」ですが、大人たちそれぞれにもぐっと引き込まれて、三田村、和泉、猪俣のそれぞれが少しだけ報われる展開に涙がこみ上げてしまった。人と人がぶつからざるを得ない仕事はしんどいけれど、こういう世界であってほしいと心から思う。
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「四人ゲーム」。まっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームだ。とうぜん四人では成立しないはずのゲームを始めたところ、忽然と五人目が出現した! でもみんな最初からいたとしか思えない顔ぶればかり。――行者に祟られ座敷童子に守られているという古い豪壮な屋敷に、後継者選びのため親族一同が呼び集められたのだが、後継ぎの資格をもつ者の食事にのみ毒が入れられる事件や、さまざまな怪異が続出。謎を解くべく急遽、少年探偵団が結成された。もちろんメンバーの中には座敷童子も紛れこんでいるのだが…。(外箱より)

刊行当時読んだ覚えがあるけれど、記録をつける前だったはず。
家の後継者問題で資格のある家族が集められたある日、子どもたちがいつの間にか一人増えていた。座敷童ならぬ「お蔵様」のはずだが、いったい誰なのか、子どもたちも大人たちもわからない。そのうち後継の資格を持つ人間の食事に毒が入れられるという事件が起きる。
呪われているという家を誰が継ぐのか、大人たちの話し合いは絶対に駆け引きだらけでどろどろしていると思うのですが、子どもたちの話なのでそうした嫌な部分は少なく、誰が「お蔵様」なのか、誰が毒を入れたり人を傷つけようとしているのか、という謎解きがメイン。
最終的に、自宅とは別の、広い親戚の家で、たまにしか会わないだろう親族の大人や子どもたちと非日常を過ごす楽しさと物寂しさに落ち着くという、ノスタルジーが感じられる一冊でとてもよかった。
また書籍デザインがよくってなあ。子どもの頃の夏休みに本を読み耽っている気分になりました。
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「犬をかいたい」幼い頃の夢を30代で叶えてから十数年。子犬の育児に悪戦苦闘。湘南への移住と犬との暮らしで変わった人生。犬が教えてくれたこと。幸せな別れと次への一歩……。覚悟さえあれば手に入る“イヌ充ライフ”をユーモアたっぷりに描いた「独身・家持ち・40代」少女漫画家の赤裸々エッセイ。<文庫書下ろし>(Amazonより)

漫画家で少女小説家の折原みとさんが、幼少期のペット遍歴から、いつか犬を飼おうと決めて、実際に飼うことになったり、住む場所を変えたりしたという犬と私についての記録。
子どもの頃の生き物に対する知識と行動、ええ……? そんなことする……? みたいなこともしていてだいぶびっくりする。生き物に対して大胆過ぎないか。
図太くて元気いっぱいのリキと暮らして、暮らしの全部が犬を中心に回り始めるのは大変だけど楽しそう。生活範囲がまったく変わるんだなあ。そうやっていろいろ見えるものや気付けるものも増えるのが暮らしの面白いところ。
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君の役に立ちたい。好きな人の役に立ちたいんだ――。入院した店主・道信に代わり、休業中の店舗で子ども食堂を続ける隆二の前に現れたのは、家出中と宣う大企業の跡取り息子の春川。その妙な迫力に押し切られ、中卒の隆二と御曹司の同居が始まってしまう。子ども食堂を手伝わせてみたり、お取り寄せの相伴にあずかったり、誰かが身近にいる安心感を知らず覚え始める隆二。しかし隆二は春川にも言えない事情を抱え、心を抑え込んでいて…。(裏表紙より)

ネグレクトを受け、中学卒業後に働くようになり、ブラック企業で搾取され、逃げ出して……という隆二。子ども食堂を続けるためがむしゃらに働く隆二のもとに、大企業の跡取り息子である春川が家出をしたので助けてほしいと言ってくる。
生まれ育った環境がまったく違う二人、悩みも全然違って、だから寄り添っていけるのだとしみじみ感じられたお話。同時に貧困家庭の問題や行政を頼ることや支援の存在を知らない社会問題、子ども食堂にやってくる子どもたちにどこまで関わっていいのかという問題もちらちらと描かれている。こういうことがあるんだよ、と知れることが大事なんだよなあと読みながら考えていました。読書のいいところってこういうところだ。
二人の恋の進展はもだもだじれじれで、隆二の環境が過酷すぎたので、途中本当に幸せになってくれーと叫んでいました。幸せになってくれそうで本当に嬉しかった。よかった。
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Author:月子
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