読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
祖母と叔父とともに暮らすちえ子は両親を知らない。牧場で暮らした童女時代。S市の女学校で過ごす少女時代。幼馴染みの死や、父への疑い、女学校で出会ったお姉様の存在を経て、ちえ子は本当の母に出会う。
初めて読んだ吉屋信子作品。とてもロマンチックでした。流れるような文体は口に出して読んでみたいくらいだし、お話は定型的に感じられてもとても少女的。ちえ子にはかなりの苦労があったはずなのに、まるで誰かに語って聞かせるような心優しい語り口に、ほっと綻んでしまう。女性がたおやかで清らかなんですよね。母と呼べと言われた人には多く筆を割かず、あくまで女性たちは清らかに描くという感じ。
これをリアルタイムで読めていた女の子たちはどんな気持ちだったのかなと心を馳せてしまう。
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