読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
世界征服まであと一歩だった魔王サタンは、勇者に敗れ、異世界『日本』の東京・笹塚にたどり着く。
そんな魔王が日本でできること。それはもちろん“世界征服”!! ——ではなく、駅前のファーストフード店でアルバイトをしながら生活費を稼ぐ、いわゆるフリーター生活だった!
その頃、魔王を追って時空を越えた勇者エミリアもまた、テレホンアポインターとして日本経済と戦っていた。そんな二人が東京で再会することになり——!?
六畳一間のアパートを仮の魔王城に、今日も額に汗して働くフリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー。第17回電撃小説大賞〈銀賞〉受賞作登場!(裏表紙より)
勇者に敗れた魔王が、現代東京にやってきて残り少ない魔力を駆使しつつなんとか戸籍を手に入れた。日々を生きるために選んだのはアルバイト。ファストフード店で優秀な接客をするできる魔王、もとい真奥とその部下芦屋、そして勇者こと恵美の、どたばたファンタジーコメディ。
コメディなんですがやっていることはごく普通の日常、かつ地下通路崩落とか首都高落下とか凄まじい異変が起こる状況。その中で東京に馴染んでいて、状況がよく見えている真奥の泰然としたかっこよさがきらめく。全然魔王らしくないけれどすごく有能ないい人だなあ彼。マグロナルドで世界征服してほしい。
今井健人は息を呑む。入学式を終えて教室に入った健人が教室で見つけたのは、小学校で少しの間だけクラスメイトだった、そして健人がいじめてしまっていた少女、明日葉待夢だった。
忘れられない苦い思い出に直面する健人だが、当時からちょっと不思議な――だから浮いてしまっていた待夢と、改めて仲良くなっていく健人。だが、彼女に対する罪悪感は募っていく。
謝るということは、自分が昔いじめていたと知られてしまうこと。その気持ちを抱えたまま、待夢と過ごす日々は甘くて、でもほろ苦くて――。ピュアストーリー、開幕!(裏表紙より)
小学生の頃彼女をいじめていた健人。だが彼女は健人のことを覚えていなかった。彼女をいじめる原因になったのは、突然幼児返りしたり、かと思えば大人びたりする不思議な言動のせいだったのだが、再び彼女と親しくなっていくうちに、健人は彼女の中で何が起こっていたのかを知る。
ピュアラブストーリー、という感じのさっくり読めるかわいらしいお話でした。時間にまつわる不思議がからめられていて少しだけファンタジー。いじわるな人が出てこないので、バカップルなふたりを堪能しました。ちゃんと謝れてよかったねえ。
男に生まれたのに、聖レーミッシュ帝国の皇女として育てられたアレク。なんとか姫君生活を返上したあと、なぜか皇帝を務める羽目になっていた。それを企てたジークは藤花選帝侯兼帝国副宰相の座に就き、変わったようで変わらず帝都の日常は続いている。ところがある日「僕達の結婚式は来月の一日でいいかい?」などと、ジークが突然ニコニコと官僚達が居並ぶ執務室に爆弾発言を落としたことから……? アレク、ジークそれぞれの恋バナを収録、人気シリーズ番外篇!!(裏表紙より)
アレクの元にギィ・アドルフの妹、マリー・エレーヌがやってきた「初恋到来?」。突然ジークがアレクの腹心の侍女で今は秘書官をしているマーリに結婚式の日取りを訪ねた「花嫁合格!」。弟の結婚の知らせを聞いたノエルとギィの小さな話「恋愛結婚ノススメ」。最後のお話にふさわしい、みんなが未来と幸せに向かって進む一冊でした。
アレクの結婚が描かれるとは思わず、とても楽しく読みました。アレクはめちゃくちゃいい子だなあ。自然と惹かれてしまいますよね。みんなどこかしらぶっ壊れた感覚の人たちなので、微笑ましい恋の話でした。
「花嫁合格!」はこれまでずっと笑顔でのらくらと好きなことをしていたジークの恋の話。めちゃめちゃ打ちのめされるのかと思いきや、マーリが物分り良すぎたおかげで結構すぐに立ち直って笑いました。でもやっぱりジークも親世代での出来事にかなり深く傷ついていたんだなあ……と思うと、これから幸せになってほしいなと思うのでした。
シリーズ楽しかったです。ありがとうございました!
女に生まれたのに、聖レーミッシュ帝国の第一皇子レオンハルトとして育てられた聖祓魔師ノエル。その育ちゆえか、最愛の人である副祓魔師ギィ・アドルフとの結婚を明後日に控えても、恋する乙女は悩みに悩んでいた。そこへ「あたくしのギィの花嫁にはさせなくってよ!」と現れたフレンキシェ国の王女エレオノール。元婚約者の王女に微妙な態度を示すギィ・アドルフを見て、ノエルはつい「婚約は解消致しますわ!」と言ってしまい……? 人気シリーズ、待望の外伝!!(裏表紙より)
アレクが皇帝となったあと、ノエルとギィ・アドルフの結婚式が間近に迫っていた。けれど母親に対する心の傷が癒えないノエルは、ギィの家族との距離の取り方を知らず、さらにいつもの癇癪を爆発させてしまう。
ここまで読んでいるとだいぶとノエルの性格もわかってきてるので「ああー……」って思うんですけど、これまですれ違っていたギィもだいぶうまく取り扱えるようになってきていた様子なのが微笑ましかったです。変わっていないようで、いい方向に変わっているふたりがいいなあ。
心配していた初夜もちゃんと終えられたようでよかったです。幸せになれ。
男に生まれたのに、聖レーミッシュ帝国の皇女として育てられたアレク。悪魔を祓う聖祓魔師ノエルに協力し、現在は藤花選帝侯国に滞在中だ。そこへ帝都よりとんでもない知らせがもたらされた。隣国ルスラントからの侵攻、選帝侯達の裏切り——しかもそれらを立案したのは猫バカの宰相!?「俺は偽者の皇女だけど、逃げるのはやだ」。そう戦いを決意した〈麗しの薔薇姫〉だったが、ルスラント皇帝が正式に求婚してきて……? 王宮ファンタジック・ロマン、堂々の完結!!(裏表紙より)
本編完結。拮抗したまま皇帝を選ばずに終わるはずの選帝侯会議で、まさかの事態が。信頼していた人の裏切りにあったアレクとジークたちは果たして。
大団円的ハッピーエンドでたいへん楽しかったです。民衆とともに立ち上がる皇女って図がたいへんかっこよかった! その後綺麗に全部片付けて、みんな新しいところで生きていけるのもよかった。
調べてみると外伝があるんですね。ギィとノエルの結婚式は外伝なのか。それはぜひとも読まなければ。
男に生まれたのに、聖レーミッシュ帝国の皇女として育てられた〈麗しの薔薇姫〉アレク。舞踏会兼見合いの本日、着飾らされていた彼の許を訪れたのは、婚約したばかりの異母姉だった。聖祓魔師としてひそかに帝都を訪れた彼女は言う。「藤花選帝侯国に悪魔が出た」と。多忙の第二皇子には事実を隠し、祓魔のためその地に向かったアレク達一行。しかし、藤花選帝侯国都の大司教らはなぜかアレク達に非協力的で……? 王宮ファンタジック・ロマン第四巻!!(裏表紙より)
藤花選帝侯国での悪魔事件に関わる中編と、ギィとノエルの挿話めいた短編、それからまだユーディット皇后が生きていた頃の子どものアレクとジークの短編。アレクが元に戻れるのかという本編は最後の布石という印象を受けたお話でしたが、にやにやしたのはギィとノエルの不器用すぎるやりとりでした。手を握ったり隣に座るだけでこんなにぎゃーぎゃーなってたらその先どうするつもりなんだろう(にやにや)
男に生まれたのに、聖レーミッシュ帝国の皇女として育てられた〈麗しの薔薇姫〉アレク。たまに皇宮を脱け出すアレクは、帝都の下町で祖父の仕事を手伝っていた。そこで出会ったのは迷子の聖職者。彼こそが異母姉の恋する本物の副祓魔師だった! 皇宮に戻ったアレクが来臨の目的を探ると、なんと彼はジークとノエルの結婚話をとりまとめに来たことが判明。しかもその提案を受けたジークは、彼にはアレクとの結婚を勧め……? 王宮ファンタジック・ロマン第三巻!!(裏表紙より)
前巻より引き続き、師兄とノエルのお話。師兄ギィ・アドルフは、話してみるとどうもノエルのことを好いているらしい。けれど頑なに「聖祓魔師猊下とは結婚しない」という。その理由とは……というわけで、ああーそりゃ結婚しないって言うわーノエルダメだわーって思う内容で笑 アレクの明るさとうまくやっているジーク、押せ押せゴーゴーなノエルのせいで忘れがちだけれど、三兄弟の親周辺の事情ってだいぶと闇だったんだわと思い出す巻でもありました。ノエルの恐怖はきっと根深いよね……。
そんな後に親世代の過去編である「昔々、皇宮で」が収録されていて。思わず一巻を読み返しましたが、ああーここがもう一人の妾妃が絡んでえらいこっちゃなのかあと天を仰ぎたくなりました。この話だけみると実に美しい話なんですけれど……うん。
あとがきを読むとノエルとギィの結婚式があるようなので楽しみだ。
男に生まれたのに、聖レーミッシュ帝国の皇女として育てられた〈麗しの薔薇姫〉アレク。「俺の青春を返せー!!」と叫べども、皇女生活は絶賛続行中だ。そんなアレクが、今回出かけたのは桜花選帝侯国。妨害工作や誘拐未遂など、物騒な事件が次々起こるさなか、その地で出会ったのは聖都から来た副祓魔師、すなわち異母姉が恋してやまない師兄だった。しかも彼女が片思いするその男から、アレクは結婚を申し込まれてしまい……? 王宮ファンタジック・ロマン第二巻!!(裏表紙より)
いつか男の姿に戻れる日を目指すアレクのお話。今回はノエルの恋のお話に決着がつくらしかったのですが、全然そんな気配がないよ……?笑 という巻でした。
一巻から思ってたけど、この国の政治周りの話がだいぶと入り組んでて大変だなあ。アレクが男に戻れる日はまだまだ遠そうだ。
コレット・ダウリングの『シンデレラ・コンプレックス』が刊行され、話題をよんだのは一九八二年。すでに二十年以上になるが、その間、「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセス・ストーリーは、ますます大量に生産され、消費されている。大量に消費されるからその影響力も絶大である。本書では、ディズニーのアニメを題材に、昔話にはどんな意味が隠されているかを読み解く。いつの間にか思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から、男も女も自由になり、真の男女共同参画社会を目ざす。(裏表紙より)
2003年6月発行の本。本当にジェンダー学の入門書という感じで、学生たちがジェンダーについて考えるときの入り口になるような本だと思いました。読みやすい。
ディズニーの「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」についてどのようなジェンダーが見られるかというのを解説……するよりも学生たちがどのような見方をしたかというアンケートが中心。アンケートを元に解説を少し加えているという印象。ディズニーは現在の作品を見るとジェンダー観の変遷がわかるので、この本を読み終わった後現在のものについても読みたいなあと思いました。