読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

雪媛が貴妃として皇宮に入ってから半年、皇帝・碧成は体調を崩しがちになっていた。実は雪媛が碧成を殺そうと毒を盛っているのだが、碧成は飲むと一時的に体調が上向くことから雪媛が煎じる薬を飲み続け、神女としての名声は高まるばかり。一方、碧成の娘を産み、後宮を掌握していた寵姫・芙蓉の影響力は健在だった。芙蓉のもとには、雪媛を忌々しく思う者達が集まり…?(Amazonより)
誰の話が始まったんだろうと思ったら、そういうことか……という、中華風後宮もの。
巻き戻り要素は少なめで、皇后と寵妃と雪媛の立ち位置の再確認と、今後のための地固めの第2巻という印象。でもまさか記憶喪失になるとは思わなかった。
自らの望むものを手に入れるために動きながら、彼女の慈悲の心が失われていないのが良いと思うと同時にすごく不安だ。そのせいで取り返しのつかないことになりそうなんだよなあ……というのを青嘉も感じているんだろうなあ……。
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転生者のアルメは婚約破棄をきっかけに前世の記憶を活かして氷魔法を駆使し、アイス屋さんを開店する。そんなアルメの前にファルクと名乗る不思議な常連客が現われて、アルメは親しくなっていくのだが……!?(Amazonより)
祖母の気遣いで婚約したものの不仲だった婚約者の浮気によって関係が破綻したアルメ。こうなったら好きな仕事をして生きていこうと、氷魔法を使ったアイス店を開くことにする。開店間近のある日、ずいぶん暑そうにしている男性に親切にしたことから、ファルクと名乗る彼が常連になるけれど、実は彼には秘密があって……。
なんだかどこかで見た冒頭だなあ(婚約者の横暴、浮気、姿格好や言動への強要、浮気相手は下級貴族で野心家、友人のアドバイスで垢抜けた格好に)ですが、その後の展開はほとんど一冊でまとまっています。ちょっと浮気相手が不穏だけど。
お互いに大事なものがあって、相手を思うあまり喧嘩するところ、その後の仲直りが、なんだかいいなあと思いました。そうして言い合える関係の健全さが眩しい。二人の仲が長く続く予感があるし、幸せになるんだろうという予感があって。

高校生の美原アンが夏休みにホームステイすることになったのは、札幌の郊外に佇む私立図書館、通称「図書屋敷」。不愛想な館主・セージに告げられたルールを破り、アンは真夜中の図書館に迷い込んでしまう。そこは荒廃した裏の世界——“物語の幻影”が彷徨する「図書迷宮」だった!迷宮の司書を務めることになったアンは「図書館の本を多くの人間に読ませ、迷宮を復興する」よう命じられて……!?
美しい自然に囲まれた古屋敷で、自信のない少女の“物語”が色づき始める。(裏表紙より)
すごくジブリみたいな作品だった。
ほわわんと頼りない父親によって北海道に送り出されたアン。滞在することになったその家は図書屋敷と呼ばれる、和洋折衷の古い館。けれどそこで眠るともう一つの場所、図書迷宮に迷い込む。口の悪い猫を案内人に、不思議な住人?との交流もありつつ、司書見習いとなったアンだけれど、その心には深い傷があって……という。
主人公の心の傷がちょっと捻ってあってほほうと唸りましたし、それが最終的に大きな障害になって、その真っ黒い海とラベル(レッテルともいうか)と戦う、という。アン自身はごくごく普通の読者であり、キーパーソンである伊勢もみじは作家なんですが、二人ともその暗黒や痛みに深く傷付けられて乗り越えようとするのが象徴的で、とてもファンタジックで、残酷な現実をすぐ側に置いた話だった。

交換条件は、神様の玩具になること。
神様に妹を助けてもらうかわりに、楠木ひなみは異世界へと渡る。その世界で神様のために“ポイント”を集めることがひなみに課せられた役割だった。戦闘が苦手なひなみだが、“薬術師”の適性があった。その力と神様の加護で回復薬を作り、ポイントを集めていく――。「小説家になろう」発大人気異世界ファンタジー。(Amazonより)
異世界の神様に妹の病気を完治させてもらう代わりに、その異なる世界に渡って「神様の玩具」になることを承知したひなみ。神様のおかげで役立つスキルや家や衣服を用意してもらいながら、ポイントを集めていたひなみだが……という、ゲーム要素が強い異世界もの。神様のおかげで無自覚チートな主人公のアトリエゲーという感じなので、児童書っぽい雰囲気でしょうか。
しかし二年間引きこもりはちょっとどうかと。働いて働いて、な現実だっただろうけれどだいぶ社会性が低いような。苦労してる感じがしないので、とにかく可愛いお話でした。これ、結局魔王を倒したり神様を助けたりするのかしら。

触れたものを死なせてしまう魔女の呪いを受けた貴族の・坊ちゃん。彼を支えるメイドのアリス。家族とも誰とも深く関わらずにいた坊ちゃんは、美しく妖艶なアリスに翻弄されながらも思いを通わせて暮らしていた。好きな人に触れたい、その思いで坊ちゃんは呪いを解く手がかりを求めていたが……。
ちょっと幼い坊ちゃんと、やたら距離が近くてセクシーなアリス。話が進むと可愛い二人だと思うんですが、逆セクハラは本当によくないよ、好き合ってるからいいけど、と思ってました。触れられない、触れたら殺してしまうかもしれないと思う坊ちゃんの気持ちを考えるとさ……。
いちゃいちゃどたばたいちゃいちゃするだけの話だと思ったら、もしかしなくてもだいぶ設定が深いな……? 家族仲のこともあるのでどう決着がつくのか気になる。

ムルナイト帝国の名家の娘テラコマリは、過去のいじめが原因で引きこもっている吸血鬼。しかし皇帝の命により帝国軍将軍・七紅天に無理やり就任させられた上に、職務がまっとうできない場合は死亡、将軍の地位に満たないと判断された場合も殺されると告げられ、仕方なしにメイドのヴィルヘイズに助けられながら将軍職を務めることになる。最弱だとバレてはいけない。必死になるコマリには実は秘密があり……。
ファンタジー百合もの……? 最弱だけど実はかなり強い美少女主人公に、ずれているけれど忠実で献身的なメイド、ストーカー気質ながら裏切り者の部下、そして敵は主人公をかつていじめていた美少女、と可愛くてだいぶ振り切れた女性キャラクターたちが多め。
最初はいかに最弱の引きこもりだったことを誤魔化すかという展開ですが、覚醒してからはいつそれが発動するのか、そのためにどんな困難と遭遇するのかというドキドキ感が楽しかった。独特の設定である「魔核」と呼ばれるもののおかげで特定の状況下でなければ蘇生するというのが面白かった。だから戦争もそういう認識だというのがきつい展開を運んでくるんだろうなってね……。

マジック好きの高校生・黒羽快斗はある日死んだ父親が隠していた秘密を知る。なんと父は世界的な大泥棒・怪盗キッドだったという。現在怪盗キッドとして暗躍していた父の付き人の寺井黄之助から、父は事故死ではなく殺害されたのだと知り、快斗は犯人を探すために怪盗キッドを継ぐことを決意する。
怪盗もののお約束のストーリーが楽しい! 疑われてそれをいかに誤魔化すかとか、目的の品に関わりのある高貴な人と親しくなったりとか。楽しいのはここで魔女だの警視総監の息子だのが登場して絡んでくるところ。探偵と魔女! それは面白い。
キッド関連は今回初めてちゃんと触れたので、思ったよりもコナンと関係しているらしいのが気になりすぎる。

さあ、最後の大勝負といこうぜ。――運命様、上等だ!
強い決意を固めて、屋敷の始まりの日へと舞い戻ったスバル。ループの記憶を総動員し、最高の選択を行うことで惨劇の回避を狙うスバルだったが、絶対に失敗できないという恐怖心はスバルの心を蝕んでゆき……。(Amazonより)
ラム、レムの姉妹と、呪いにまつわるループ回。
2024年12月現在アニメで見ているところが水門都市の話なので、この頃のスバルのまだ普通の人っぽさに胸がぎゅっとする。この巻の後半もそうだけれど、君はだんだん遠いところに行ってしまうなあ……。
スバルのいいところは人間らしい弱さだと思うんですけど、異世界は強くないと生き残れないという当たり前のことが重くのしかかってくる作品だと思います。生き物として弱ければ当たり前に淘汰されるんだよなあ。「やり直し」がどれだけきつくて重いものか、やり直しの難しさを感じるからこの作品が好きなんですよね。
2024年に読んだ本(今年発刊のみにあらず)の中で、個人的にヒットしたものを適当にあげる、一年の総まとめの記事です。
読了したのは211冊。
たくさん読めるって言ったのはどこのどいつだ?
蔵書を整理する関係で再読が多かったのが今年の特徴でしょうか。しかも中途半端に買っているコミック(しかも長い)ばかりだったせいで最後まで読みたい病に罹っていてどうしてくれよう。
田中メカ『朝まで待てません!』

完結おめでとうございました!
田中メカさんの作品は大団円で、その後のエピローグも幸せで大好きだ。
迂闊『のみじょし』

お酒大好き! な仲良し三人組の飲みとご飯の四コマ。
夜中に読むと大変なことになってしまうくらい、何か食べたくなる作品。
ヤマシタトモコ『ほんとうのことは誰にも言いたくない』

これまでの作品について語るインタビュー本。ものすごく読み応えがありました。
「わかりあえない。それでも」という思いを私も持っていきたいと感じた一冊。
おまけで映画。
「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」

あの頃の私が昇天した映画でした。
「映画プリキュアオールスターズF」

「美少女戦士セーラームーン」の第五部を思わせる作品を私が好きにならないはずがなかった。
「トゥルーマン・ショー」

箱庭世界のグロテスクさがあるのに美しい。
「ホリデイ」

最高のハッピーで楽しかった。
「ヒア アフター」

運命の巡り合わせがしみじみと染みる。
読了したのは211冊。
たくさん読めるって言ったのはどこのどいつだ?
蔵書を整理する関係で再読が多かったのが今年の特徴でしょうか。しかも中途半端に買っているコミック(しかも長い)ばかりだったせいで最後まで読みたい病に罹っていてどうしてくれよう。
田中メカ『朝まで待てません!』

完結おめでとうございました!
田中メカさんの作品は大団円で、その後のエピローグも幸せで大好きだ。
迂闊『のみじょし』

お酒大好き! な仲良し三人組の飲みとご飯の四コマ。
夜中に読むと大変なことになってしまうくらい、何か食べたくなる作品。
ヤマシタトモコ『ほんとうのことは誰にも言いたくない』

これまでの作品について語るインタビュー本。ものすごく読み応えがありました。
「わかりあえない。それでも」という思いを私も持っていきたいと感じた一冊。
おまけで映画。
「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」

あの頃の私が昇天した映画でした。
「映画プリキュアオールスターズF」

「美少女戦士セーラームーン」の第五部を思わせる作品を私が好きにならないはずがなかった。
「トゥルーマン・ショー」

箱庭世界のグロテスクさがあるのに美しい。
「ホリデイ」

最高のハッピーで楽しかった。
「ヒア アフター」

運命の巡り合わせがしみじみと染みる。

日々、お役目を真面目にこなしている聖女ルーナ。彼女の日常は、一度も失敗したことがない国を守る結界が張れなかったことで一変した。婚約者の第一王子に、偽聖女だと咎められ、婚約破棄を突き付けられたうえに、魔物がひしめく魔の森へと飛ばされてしまったのだ! 当然のように魔物に襲われ、死を覚悟したその瞬間、第二王子ラゼットに救われて――。王宮で散々な扱いを受けたときも、命の危機にも駆けつけてくれるあなたがいるから、くじけないでいられる。
明かせなかった恋心が花開く追放聖女のラブファンタジー。(裏表紙より)
平民ながら聖女の証が出現したせいで聖女になったルーナ。聖女だからと公爵家の養子となり、第一王子と婚約しているものの、婚約者からは疎んじられ、彼と恋仲の義妹には悪評を吹聴され、身を守るために訂正することもできず虐げられるままになっている。けれどその能力は間違いなく本物だった。
阿呆の第一王子と自己評価高すぎの馬鹿令嬢に何もかも奪われた、ように見えながら、何一つ損なわれなかった自分自身と、それを助けてくれる第二王子とその仲間たちとともに聖女の仕事でやり返す。
ルーナとラゼット、とても可愛らしい。白と黒かあ、お似合いだなあ。市井出身だからか根っこがたくましいルーナ、悪し様に言われて俯くしかないラゼットを庇うところが、幼なじみの男の子を庇う気の強い女の子という関係性っぽくて微笑ましかった。でも大事なところではちゃんと有能かつ強いラゼットがいいんだよねえ。
今回も敵役が大変な阿呆で面白かった。その自信はどこから……? という無能さよ。しかし一番許せないのは状況を把握できていなかった王家と養家の公爵家だよな。ルーナが死んだら国防に影響が出ていたかもしれないのに。