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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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火花
お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!(帯より)

身近な人の感想を聞くと「よくわからん」「すごく面白かった」という二つに分かれるので不思議に思っていたんですが、私はすごく面白かったと思った方です。たぶん、芸とは、創るとは、才能とはということを書いているからなのではないか、と勝手に思う。
読み終わったあと思ったのは「才能の話だな」ということと「生きやすさと生きづらさの話だな」ということでした。才能と生きやすさと生きづらさの話はすごく密接に結びついていると思っていて、才能について考えるだいたいの人は生きづらいんですよ……ということを思いました。
私自身は深くのめり込んだわけではないのですが、この作品を読んで「私のことが書いてある」と思う人は多いんじゃないかな、と思いました。面白かったです。
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明日がある児童養護施設の子どもたち
『明日がある 虐待を受けた子どもたち』と同じく、朝日新聞の連載に、大幅加筆、書き下ろしたもの。児童擁護施設に暮らす八人の子どもたちの言動と、その状況が記されています。虐待を〜よりは、簡単な記録という印象でしたが、それは多分虐待が暴力で、強い言葉であり行動であるせいだろうと思います。けれど、児童養護に暮らしているということはそういう状況であったわけで、当事者たちは問題を抱えているということは変わりがない。
愛するってどういうことだろう、と読みながら思いました。
不妊治療を受けたものの子どもを授からなかった夫婦が、養子縁組をして双子ともう一人の三人の男の子の親になる。それまでとそれからの手記。
内容によって話を分けているせいか、時系列が前後して読みづらかったですけれども、どのようにして養子縁組をしたか、その時の気持ちは、ということが綴られていて、興味深く読みました。周囲にはどのように対応したか、子どもたちにはどう告知したか、周りから養子と知られた子どもたちにはどう言ったか、など、自分が当事者だったらどういう気持ちになるだろうか、と考える内容がいっぱいありました。
明日がある―虐待を受けた子どもたち
虐待を受けて育った五人の子どもたちの証言をまとめた一冊。2001年2月に朝日新聞で連載されたものをもとに書き下ろされたもの。どういう風に育ったのか、親の反応や理不尽な言動や、虐待が読んでいて本当にやるせなくて、どんなに痛かっただろう、いまもそれが痛むだろう、と思う。しかも、こうした子どもたちはいまも存在し続けていて、助けを待っている。虐待だけでなく、貧困の問題もどんどん表面化してきている。どうやったら生きることが楽になるんだろう。当たり前の生活が続けられるようになるんだろう。最近ずっと、それを考えている。
ルポ 保健室 子どもの貧困・虐待・性のリアル (朝日新書)
「私には保健室がある」
虐待の家で育った少女が、笑顔を取り戻した──。
貧困や虐待、いじめなどのさまざまな問題を抱えた子どもたちが、最後の拠り所として集まってくる学校の保健室。そのドアの内側で、子どもたちが発する心の悲鳴を聴き取り、彼らの支えとなるべく奮闘する養護教諭たち。「駆け込み寺」「オアシス」と称されてきたその場所で、いま大きな変化が起きていることを誰も知らない……。現代の子どもたちが強いられた困難の本質を探るルポルタージュ。(カバー折り返しより)

非常に興味深く読みました。
しょっぱなから、いまの子どもたちの中には「マスク依存」の子がいる、というそんなの初めて聞いたという話題が出ます。風邪の予防ではなく、ただマスクをする。マスクをもらいに保健室にくる子がいると。そしてそういう子は、自尊感情が低かったり、何か問題を抱えている子が多いらしい。
そうした日常的なことから、保健室登校の話や、虐待のこと、そして学校外にある「保健室」の話などが収録されており、一口に「保健室」というけれども、そこが子どもの避難所や変化の気づきの場でもあることが分かります。保健室を通して、子どもが抱えている問題をみる一冊。
母は娘の人生を支配する―なぜ「母殺し」は難しいのか (NHKブックス)
反発から深い理解へ
娘を過剰な期待で縛る母、彼氏や進路の選択に介入する母...娘は母を恨みつつ、なぜその呪縛から逃れられないのか?
本書では、臨床ケース・事件報道・少女漫画などを素材に、ひきこもり、摂食障害患者らの性差の分析を通して、女性特有の身体感覚や母性の脅迫を精神分析的に考察し、母という存在が娘の身体に深く浸透しているがゆえに「母殺し」が困難であることを検証する。
「自覚なき支配」への気づきと「自立」の重要性を説き、開かれた関係性に解決への希望を見出す、待望の母娘論!(カバー折り返しより)

2008年発行の本。まだ「毒親」が浸透していない頃でしょうか。母が重い、ということを考える本で、実際例よりもいろいろ引用してきて論じている感じがしました。専門書という感じ。
オタク・腐女子論は、この本から八年経ってるし、セクシャルマイノリティの考え方もまあまあ広まってきていることもあるからか、読んでいて「んー?」と思うところがいっぱいあったんですが、引用されていたよしながふみさんの対談部分がすごく興味深かった。
男の人の抑圧ポイントは「一人前になりなさい。女の人を養って家族を養っていけるちゃんと立派な」人間になることだけれども、女の人はひとりひとり辛い部分が違って抑圧ポイントが多様であり共感しあえない、ということが書いてある。女の人は「一人前になりなさい=いい母になりなさい」っていうだけじゃないのか、と改めて思ったというか。
自殺って言えなかった。
あしなが育英会で奨学金をもらっている遺児、その中でも自殺のケースである子どもたちが作った文集が元になっています。お恥ずかしながら、この本を読むまで、あしなが育英会の支援対象が自死遺児も含まれていることを知りませんでした。
自死遺児自身の作文もあれば、遺族の作文も収録されています。
親を自殺で亡くした、ということを説明できない。その状況を想像すると胸が苦しくなる。何か悪いことをしたように感じるんじゃないか。偏見の目で見られるんじゃないか。そういう、言えない気持ちを読みながら想像しました。
ランチのアッコちゃん (双葉文庫)
地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。大人気の"ビタミン小説"をぜひご賞味ください。(裏表紙より)

地味で暗めな性格の派遣社員の女性が、バリキャリで活動的でちょっと怖い”アッコさん”とランチ交換したことから始まる、お昼ご飯小説。ご飯が美味しい! いいことが続く! 仕事も順調になった! という表題作なんですが……続く「夜食のアッコちゃん」で倒産したんかーい! という笑
三智子もアッコさんも、タイプは違うけれどそれぞれたくましくて、元気が出ました。
「夜の大捜査先生」と「ゆとりのビアガーデン」もいい話だった。面白かった!
ペンギンと暮らす (幻冬舎文庫)
夫の帰りを待ちながら作る〆鰺。風邪で寝込んだときに、友人が届けてくれた菜の花ご飯。元気を出したい人の為に、身体と心がポカポカになる野菜のポタージュ……。大切なお客さまの為ならば、八百屋を6軒はしごすることも厭わない。そんな著者の美味しくて愛おしい、もてなしの毎日。ベストセラー『食堂かたつむり』の著者が綴る日記エッセイ。(裏表紙より)

小川糸さん、実は作品は未読なんですが、このエッセイを読んで、そういう経歴の人なんだ!(結婚とかほかの活動とか)っていうのを思いました。
エッセイは一つ一つが短くて、かわいらしくて優しい言葉で溢れている。何がおいしいとか、誰と会ったとか、季節のこと、日常の小さな話題を小さく書いている。押し付けがましくもえらそうでもない、本当に日記という感じ。読んでてなんだかほっとしました。
RADWINPSの話が出ていて、「君の名は。」のヒットによるいろいろを、喜んでいたりするのかな、と思ったり。
退出ゲーム (角川文庫)
「わたしはこんな三角関係をぜったいに認めない」——穂村チカ、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみのホルン奏者。音楽教師・草壁先生の指導のもと、吹奏楽の“甲子園”普門館を夢見る2人に、難題がふりかかる。化学部から盗まれた劇薬の行方、六面全部が白いルービックキューブの謎、演劇部との即興劇対決……。2人の推理が冴える、青春ミステリの決定版、“ハルチカ”シリーズ第1弾!(裏表紙より)

映画化話題に、というわけではないのですが、ふと読んでいなかったことを思い出して読みました。短い話が4つ。弱小吹奏楽部に在籍しながら、学校内で起こる小さな(大きな?)事件解決のために、チカが走り、ハルタが推理する。この、チカとハルタが仲がいいのか悪いのか、ライバルにしてもなんというか楽しい感じが好きです。どっちも相手にされないんだろーなーとわかる感じが……笑
謎を抱えた人たちは、重いものを持っているんだな、ということをふと感じた一冊でもありました。
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Author:月子
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