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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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十一月の扉 (新潮文庫)
中学二年の爽子は、偶然みつけた素敵な洋館「十一月荘」で、転校前の数週間を家族と離れて過ごすことになる。「十一月荘」の個性あふれる住人たちとの豊かな日常の中で、爽子は毎日の出来事を自分の物語に変えて綴り始めた。のんびりしているようで、密度の濃い時間。「十一月にはきっといいことがある」——不安な心を物語で鎮めながら、爽子はこれから生きて行く世界に明るい希望を感じ始めていた。(裏表紙より)

再読。最初に読んだ時、あまりの素敵さにいつか絶対もう一度読みたいと思っていたのですが、今年ようやく読めました。読み始めたのは十一月だったのですが、読み終わる頃には十二月になっていました。
学生は喫茶店に入ってはいけないというようなことがあったので、書かれている年代は昭和くらいだと思うのですが、爽子の瑞々しい感覚がまったく古臭くなくて、読んでいると、以前よりずっと綺麗に、すうっと馴染んで、こういう目を持った登場人物に会えることをずっと望んでいたように思いました。母親との小さなすれ違いを感じていたり、友達に対して後ろめたいと感じることがあったり、年頃の少女たちを一歩引いたところで見ていることなど、本当に、たまらなく愛おしいと思う。少女というものを、この作品では瑞々しい、しなやかな植物のように描いているよなあと思ったのでした。文学少女というところにきゅんきゅんきていただけかもしれないけれど。
登場人物は、ほとんど女性ばかり出てきます。様々な人々のおしゃべりや、関わり合いが心地よくて、以前より、ずっとずっと大好きな一冊になりました。
オススメです。
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現代漫画博物館
1945年から2005年の漫画を紹介。カラーでいくつか雑誌の表紙があり、漫画紹介は一ページを抜粋して物語の紹介を添えてあります。赤本と呼ばれる漫画の始まりから、2005年時点までの連載中の漫画もあり。漫画を幅広く探すという意味では、とても便利な本でした。読みたいものがたくさん出来た。知っている漫画の紹介があると、それをどう紹介しているか、評価されているかを知ることができて面白いです。
少年漫画、少女漫画というくくりが、最近はなくなってきつつあるのだなとなんとなく読みながら思いました。
トーマの心臓 Lost heart for Thoma (ダヴィンチブックス)
冬の朝、陸橋から落ちてトーマは死んだ。同じ学校に通うユーリに遺書と考えられる手紙を残して。しかし時期外れの転校生エーリクが現れる。彼は死んだはずのトーマにそっくりだった。オスカーは、ユーリとエーリクの間に入り、変化を見守ることになるが。

萩尾望都『トーマの心臓』を核に、森博嗣の『トーマの心臓』に仕立てたという感じでした。『トーマの心臓』と銘打っていても、この作品の舞台は日本で、彼らはどうやら理系の大学生っぽい。名前は大体の人が渾名。双方がどのように関係しているのかと考えるのが面白い。
原作の知識がないと、ユーリとエーリクの関係性やユーリ自身の昇華は見られないのではないかな。原作では重要な役回りをしていたオスカーの目から見たユーリたちというのは、何故だかとても静かな、祈りのような、心や精神といったものに満ちている。そしてこの作品も、原作も、影響し合ってとても濃い深みを作っているように思います。
マンガ名作講義
朝日新聞1996年4月6日〜1997年3月29日付「マンガ名作講義」を中心に構成した、名作マンガの作品紹介集。名作をリンクさせた相関図、巻末に2000作の名作索引を収録。
萩尾望都について調べなくてはならなかったので読む。萩尾望都作品は、『ポーの一族』『半神』『トーマの心臓』が紹介されています。
知っているものは少なかったですが、たくさん読んでみたいと思うものがありました。
面白かったのは名作を繋げていくリンク集で、これは2005年当時連載中の作品まで掲載されていて興味深いです。特に『ハチミツとクローバー』のその紹介には「まだタイトルの謎は明らかにされていない」とあって、今読むとなんだかとても感慨深くなりました。
少女まんがの系譜
少女まんがの前史から始まり、わたなべまさこに始まった少女のためのストーリーまんがから、昭和の終わりまでの少女まんがの歴史を見る一冊。
その年に発表された、話題になった、作家の略歴と作品について軽く触れられています。また2004年までの年表もあり、2000年代は評価が難しいと思うので軽い感じではありますが、その年の話題作のようなものの連載年月号が書かれています。里中満智子、一条ゆかり、内田善美、くらもちふさこについてはエッセイのようなものがあります。
恩田陸『土曜日は灰色の馬』で少女マンガについて触れられていたのを読んでいたこともあって、そこから更に詳細な情報を得たという感じでした。
筆者の二上さんが、結構思いつくままに書いていらっしゃるような感じで、ある漫画家について触れる文章があったかと思うと、その後にその作家のデビューの年の話をされていたりと、結構あちこち飛びます。
けれども、興味深い一冊でした。年表がすごく便利そう。
緋色の囁き (講談社文庫)
「私は魔女なの」謎の言葉を残したまま一人の女生徒が寮の「開かずの間」で焼死した。その夜から次々と起こる級友たちの惨殺事件に名門女学園は恐怖と狂乱に包まれる。創立者の血をひく転校生冴子は心の奥底から湧き起こってくる“囁き”に自分が殺人鬼ではないかと恐怖におののく。「囁き」シリーズ登場!!(裏表紙より)

いい全寮制学園もので、毒で、少女で、ミステリでした。繰り返し強調される血の色と謎の暗示がとてもよかった! 厳しすぎる校則や、学園の生徒たち、転校生、少女たちはこうでなくては、と思わせる、陰鬱で耽美なお話だったと思います。
主人公冴子には秘密があるんだろうと最初から分かっているのですが、冴子の恐怖心を追体験するような気がしていました。最後の真相に辿り着き、冴子が前を向き始めるところは、謎が解き明かされた爽快感もあって、清々しい風が吹いているような印象でした。
これ、ものすごく好きです。毒のある少女たちや、ともすれば狂気的なところも。恐ろしい儀式などもあって。冴子がミステリアスな美少女なのに自分で気付いていないというところが、なんだかもだもだしました。シリーズらしいので他も読んでみたいです。
パートタイム・ナニー〈2〉 (新書館ウィングス文庫)
——剛くん、結婚して。
サダコのような黒ずくめの女・サキに、突然結婚を迫られた剛。面白がるバブーのせいで彼女とデートする羽目になる剛だが、そのサキに何故かバブーがプロポーズ!? ——「花嫁グレイ篇」とバブーの成人試験の合否をかけた、剛vsバブーの日本全国鬼ごっこを描いた「王様ゲーム篇」+書き下ろしを収録。

最強のトラブルメーカーお坊ちゃま、バーソロミュー(通称バブー)と、現役男子高校生にして時給五千円の雇われ乳母、剛が繰り広げる荒唐無稽コメディ第二弾、さらにパワーアップして登場!!(裏表紙より)

2巻も面白かった。バブーがさりげなく紳士なのもギャップでかっこよかったし、剛が更に男前乳母になってるのも楽しかった。変な人ばっかり出てくるけれど、違和感もなくて楽しくて面白いなあ。日本事情なる外国と日本の価値観などの違いについて学んでいる身にとっては、桜前線についてとか和式トイレについてなどのバブーの反応が面白かった。
「王様ゲーム篇」を読んでいて、妹は「一人です」にばふぉっと噴いたら、側にいた家族にどしたんと聞かれた。
パートタイム・ナニー (ウィングス文庫)
時給五千円につられ、外国人家庭の乳母のバイトに応募した剛。だが、肝心の坊ちゃま——バーソロミュー・ウェリントン、通称バブーは一つ年上の18歳。知能も運動能力も高いが、“悪魔の尻尾付き”と称される、超トラブルメーカーだった!!歴代乳母が手を焼いた坊ちゃまを腕力でねじふせるため、若くて腕っ節の強い剛が選ばれたのだ。その日から、平穏で堅実だった剛の毎日は激変し……!?

荒唐無稽な設定を、問答無用の説得力で描き切る!!
読み出したら止まらない☆ 嬉野君、衝撃のデビュー作!!(裏表紙より)

面白かった! すごく楽しかった。わくわくした。きゃっきゃした。天才で天災を呼ぶ坊ちゃまと腕っ節の強い男子高校生のお話。色々ものすごい設定で、とても面白かった! 『コックローチの霊が取り憑いている』でもうのめり込んでいたような。
小さな家庭に新しい家族が増えたような、あったかい雰囲気も素敵でした。ご近所での宴会でも温かい気持ちになる。剛自身にも変化があったようで、いいお話だなあとも思いました。
スミスと末太郎の病院でのシーンは、ジジ好きにはたまらない。
花咲く丘の小さな貴婦人 寄宿学校と迷子の羊 (花咲く丘の小さな貴婦人シリーズ) (コバルト文庫)
両親をなくしたエリカは、唯一の身寄りの祖母に会うため父の故郷イギリスへやってきた。だが日本人を母に持ち地主階級(ジェントリ)の自覚なく育ったエリカは、孫と認められず祖母に会わせてもらえない。途方にくれた彼女は、祖母の知り合いが校長をつとめる寄宿制の女子校を訪れ、貴婦人(レディ)となるための教育を受けることになる。決意を新たにするエリカだったが、そこは男子校が隣接する少し変わった学校で!?(カバー折り返しより)

面白かったー! 主人公エリカの真っすぐなところはとても好感を持てる。物怖じしないところがかわいい。頑張る女の子がきらきらしてる。新しい女性像が生まれつつある時代の、眩しいところを見た気がしました。寄宿学校の色々や、家柄、女の子の仲良しや、男の子たちのプライドなんかも、すごくきゅんきゅんでした。
結末にはもう、家柄の良い家の当主に認められる、というところの美味しいところがぎゅっぎゅっと詰まっていて、とてもいいお話を読んだと思いました。
おすすめされた本だったのでした。面白かったです! 続きも揃えるぞー!
死神姫の再婚 -飛べない翼の聖女- (B’s‐LOG文庫)
春の訪れを喜ぶ祭りとともにアリシアの誕生日が盛大に祝われる中、ジスカルドの使者からもたらされた報せにより、カシュヴァーンたち一行はラグラドールへ向かうことに。バルロイやレネの歓迎を受けて暴君夫が様々な探りを入れる裏で、初めて目にする海に大興奮のアリシア。しかし、突然の襲撃によりルアークが負傷、<翼の祈り>の本拠地へとさらわれてしまう……!! そこで、ついに“聖女アーシェル”と対面するが——!? たったひとりの、特別な王子様の元へ帰りたい! 夫婦の愛に、「波乱」含みの第8弾!!(裏表紙より)

カシュヴァーン乙女化に噴く。この夫婦、ばかっぷるすぎる!(ごろごろ) 合間に挟まるせくしーなエピソードに、一体いつになったら夫婦になるんですかとカーシュを問いつめたい。困らせたい。一巻から思うと、カシュヴァーンはすっかり丸くなりました。アリシアのおかげだというのがまたときめきポイントです。でも登場人物がめちゃくちゃ増えて大変そうだなあ……。
海へ落下→泳ぐ→助けられる→寒い暖めなくては……! のコンボににやにや。その後のエピローグのやりとりもにやにや。
一方で情勢はとても不安定で、一体どういう決着がつくのか分からなくてどきどきします。まだまだ謎は多いので、続きも楽しみ。
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Author:月子
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