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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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プリンセスハーツ―麗しの仮面夫婦の巻 (ルルル文庫)
18歳で父を倒しアジェンセン公国の大公となったルシードは、かつて人質として子供時代を過ごしたパルメニア王国から、愛する美しい王女メリルローズを妃に迎えた。ところが、パルメニアがよこしたのは彼女そっくりの身代わりの少女ジルだった! しかし、ある事情からルシードはジルを大公妃とするのだが!? 華やかなロ・アンジェリー城を舞台に、恋と野望の王宮ロマンのはじまりはじまり!(裏表紙より)

面白かったー! ジルかわいいよー! 仮面夫婦で冷め切って殺伐としていて、すれ違いっぷりが一冊丸々すごいんですが、最後の最後で微かにデレる。この「微かに」が非常にたまらなくて、続きが読みたくなる!
主人公側が完全に善の役割でない(主にジルが)というのがいいなあ。ちゃんと善なんだけれど、はっきり善とは言えない感じ。ルシードは政略とは無縁っぽいのでそれに反発して。でもそれよりももっと強大な悪が存在していて、どう立ち向かっていくかというのが気になる。
まだまだ秘められたものがたっぷり込められていそうなので、続きも読もう。
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思考の整理学 (ちくま文庫)
アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?
自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。
考えることの楽しさを満喫させてくれる本。
文庫本のあとがきに代わる巻末エッセイ“「思われる」と「考える」”を新たに収録。(裏表紙より)

妹から借りた本。なるほどーとうなるところがたくさんあった。現代の教育がどういう思考の考え方をさせるようにしているかというのに触れられていて、面白い。それをグライダー人間と表している。合わせてコンピューターに関しても触れていて、人間の思考力、想像力について考えさせようとしている、と感じました。
かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
かのこちゃんは小学一年生の元気な女の子。マドレーヌは外国語を話す優雅な猫。その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。(裏表紙より)

素敵だった。小学一年生の女の子の世界と、猫の世界、二つの世界が穏やかな不思議と喜びに溢れている感じがすごく心地よかった。マドレーヌ夫人と玄三郎の形が、とてもいいなあと思う。かのこちゃんはかのこちゃんで、小学一年生ってこんなだった! という表現がたくさんでてきて、すごく懐かしくて楽しかった。茶柱の話は噴いた。そうなんだよ、小学一年ってこんなだよ!
かのこちゃんはやっぱりあの二人の子どもなんだろうな!
フリーター、家を買う。
入社した会社を三ヶ月で辞め、フリーター生活を贈る武誠治は、母・寿美子の鬱病によって生活が一変する。自分のことしか考えていない父親や、母の看病をしながらの就職活動。目標は、家を買うこと。

面白かった! 最初もうどうしようもなく暗くて辛くて、でもいつか救われるはず! と読み進めていたけれど、そういう状況でもすごく面白くて、就職してからはもっと面白くて。面接についてちょっと書かれていたり、働くこと、がすごく大切なことなんだなあと感じました。こういう風に働きたいなあと羨望してしまう。
嬉しかったのが、誠治が面接を蹴ってしまい、のところ。認めてくれる人はいるんだ、と思うと、すごく嬉しくなった。
いつものベタ甘は特になくて、でも多く好意の形が描かれているなあと思います。それでもちょっとだけ見えた恋愛成分は、かわいくてとてもよかった!
花降る千年王国―ゲルマーニア伝奇 (角川ビーンズ文庫)
美しい花嫁衣装に包まれた白い肩を落として、リンゼは悟った。
(……歓迎されて、ない——……)
黒髪のリンゼは強豪部族『柳の籠を燃やすフランク』族長の姪。人質同然に北の弱小部族『深き断層の谷のフランク』へ輿入れしたが、周囲の反応は冷たかった。そんな中、夫ヘルマンの優しさに触れ、リンゼは彼への恋心を自覚する。けれど婚礼の夜、「おまえを抱くことはできない」と言われてしまい——!?(裏表紙より)

榛名さんにしてはかわいらしい印象の強い物語でした。あんまりひどいことが起こらないよ!
政略結婚に差し出されたリンゼは、明るく前向きな可愛らしい女の子で、彼女を見ていると楽しい気持ちになりました。対する夫ヘルマンは、優しいんだけれど、見ていてちょっと物足りなくもあるけれど、リンゼが一生懸命『好き』という気持ちを抱いているので、どうなるのかなとはらはら。そんな彼を護衛するルクレティウスに、私は段々心惹かれていったり……。
冒頭のシーンにどうつながるんだろうとどきどきしました。かと思うと、ヘルマンとルークの状況がめまぐるしく変わったり、政略や部族というものを描いているけれど、この一冊では物足りないと思うくらい、めいっぱい冒険の話でした。面白かった!
大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉 (福音館文庫)
 ウィスコンシン州の「大きな森」の丸太小屋に、ローラと、とうさん、かあさん、姉のメアリイ、妹のキャリーが住んでいます。物語は、冬がくるまえの食料作りからはじまり、ローラ五歳から六歳までの、一年間の森での生活が、好奇心いっぱいのローラの目を通して生き生きとものがたれます。(裏表紙より)

必要にかられて読む。大きな起伏がないけれど、静かに幸せ、な気持ちになる。家族の絆や、食料を作るところや、とうさんの語る物語、ヴァイオリンの調べ、温かい家庭がじっくり描かれているなあと思います。家族以外の人がなかなか出てこないせいもあるだろうけれど、だからこその交流がすごく丁寧に描かれている。
本当に食料がおいしそう! 食用肉の話や、塩漬け、燻製。カエデ糖。シロップ。トウモロコシ。全然、凝ったものは食べていないはずなのに、じっくり時間をかけたり、蓄えていたり、育てたりしているものを食べるというのが、すごく羨ましい。
時間切れになりました。
がっつり休みになると全然読まなくなるという……。

***

夏が来ます。
積ん読を崩す旅に出よう!
と、自分の未読本を長期休暇に崩すようになってしばらく経ちましたが、今年もがっつり崩します。今夏は、再読も入れてみたいなと思い、リストを作成しました。
今年は取りあえず、読み切ってしまおうという意図のもと、ファンタジーや、軽めの読み物に比重が置かれている感じです。

綾辻行人「緋色の囁き」
冲方丁「天地明察」
菅浩江「鬼女の都」
田中芳樹「風よ、万里を翔けよ」
辻村深月「V.T.R.」「光待つ場所へ」
寺山修司「書を捨てよ、町へ出よう」
光丘真理「コスモス―二番目に好きなもの」「コスモス 七番目に出会った人」

新井円侍「シュガーダーク 埋められた闇と少女」
茅田砂胡「デルフィニア戦記外伝-大鷲の誓い」
河上朔「wonder wonderful 君がくれた世界」
紅玉いづき「ミミズクと夜の王」
冴木忍「夢幻万華鏡」
志村一矢「月と貴女に花束を」
時海結以「業多姫 壱之帖――風待月」「業多姫〈2之帖〉愛逢月」「業多姫〈3之帖〉恋染月」「業多姫〈4之帖〉-雪帰月」「業多姫〈5之帖〉春惜月」「業多姫 いろどりつづり」「業多姫〈6之帖〉夢見月」
華宮らら「ルチア-クラシカルロマン」
榛名しおり「ブロア物語―黄金の海の守護天使」「花降る千年王国―ゲルマーニア伝奇」
吉田縁「暁を抱く聖女(ラ・ピュセル) 」

シルヴィア・ウォー「さよなら、星のむこうへ」
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「わたしが幽霊だったとき」
ロイス・マクマスター ビジョルド「スピリット・リング」
パトリシア A.マキリップ「妖女サイベルの呼び声」

以上三十冊。読み切ったら適宜追加。
ブロア物語―黄金の海の守護天使 (講談社X文庫―ホワイトハート)
 強国に挾まれ悩むブロア領主アスラン、政略結婚から逃げ出すその妹レイチェル、領主に恋するがゆえに別の男に体を許してしまう待女ジェシカ、騎士になれない体に苦悩する若きフランス王フィリップ、身分を捨て自由に生きる吟遊詩人ブラン。
 強い者が正義であった時代、若者たちは、運命に逆らい、本当の愛を模索していた。
 十二世紀のフランス、豊かなブロアの大地に、熱い青春の伝説が語り継がれる。(カバー折り返しより)

面白かった! 同じ作者さんの『マリア』に比べてロマンス分よりも、もっとこう、生きる喜びを探しているような物語でした。多いに悩み、苦しみ、見つけ出す、そういう力強さが、純粋な少女レイチェルや王であるフィリップ、対極にあるどの人物にも見受けられた気がして、とても清々しかった。
レイチェルは姫育ちなので、戦がどうとか政治がどうとか考えていないし、天使として愛されていると描写されています。そこに引っかかりを覚えるかもしれないし、愛されてるなあと思う人もいるかもしれない。私は半々でした。レイチェルのずれた言動にはらはらもしたし、けれどそれが無邪気でかわいらしいなあとも思う。それでも、アーロウの奇跡は素晴らしいと思いました。愛とか恋とかではなく、生きることを選び取ったように感じたからかもしれません。
レイチェルをさらったリチャードが彼女に何をしたのか、さらっと一行で書かれていますが、はっきり書ききったこともすごいなあと思いました。
面白かった!
書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)
あなたの人生は退屈ですか? どこか遠くに行きたいと思いますか? あなたに必要なのは見栄えのよい仕事でも、自慢できる彼や彼女でも、おしゃれな服でもない。必要なものは想像力! 家出の方法、ハイティーン詩集、競馬、ヤクザになる方法、自殺学入門……。時代と共に駆け抜けた、天才アジテーターによる100%クールな挑発の書。(裏表紙より)

読み始めは「ん?」と思ったのに、中盤になるとぐいぐい読まされていました。しかし中盤を過ぎるとなんだか洗脳されているような気分でちょっと休み休みして。濃かった……。
初版が昭和50年。時代を感じると私のような小娘は思い、完璧に同意するわけではないけれど、何故か覗き込んでしまった新しい世界に、魅力を感じています。色々衝撃的な世界だ……。
初めはその世界の有様など、中盤過ぎてから段々競馬とお馬さんの話になりますが、また戻ってきて若者に語りかけるような内容になります。印象的だったのがストリッパーの話(p91)、「二人の女」(p122)、「馬の性生活白書」(p195)。第三章ハイティーン詩集も当然すごかった。
こういう世界の話を、一度でいいから書いてみたい。
「エンピツじゃ人は斬れないが、ことばじゃ、人は斬れる」(p181)
業多姫 壱之帖――風待月   富士見ミステリー文庫 46-1
「どこに行っても忘れない。あなたの思い出を胸に生きていく」
 頭上を飛び交う矢。燃え上がる炎。そして少女は、握りしめた少年の手を離した——。
 異能の力を持つ故に《業多姫》と呼ばれる少女・鳴。如月のある日に最愛の母を殺され、それと同時に鳴自身にも迫る刺客の魔の手。追っ手から逃れながら母の死の謎を解こうと奔走する鳴は、颯音と名乗る不思議な存在感を漂わせた少年と出逢う。
 戦の行方を左右する業多姫の存在を巡り交錯する様々な思い。
 戦乱の世を舞台に描く、第二回ヤングミステリー大賞準入選作。惹かれ合う二つの魂が、歴史を、運命を変えていく——。(裏表紙より)

和風、歴史、ファンタジー、ミステリーの要素がたっぷり詰まってました。ライトノベルかと思ったらミステリーの比重が大きくて、それが更にライトノベルの要素と絡み合って、すごく面白かった!
鳴の天真爛漫さと業の深さ、にはちょっと納得がいきかねたのですが、魅力ある女の子というのは十分伝わってきたので満足! 颯音も刺客にしてはちょっと揺らぎすぎな気もするけれど、鳴に惹かれているのが分かってかわいかった! この二人それぞれの一人称で話が進むというのも、結構意表をつかれました。またそれが、好意を感じているのに踏み切れないというのが分かってかわいいのです。お互いが孤独で、でもようやく見つけた人。信じることを止めないで前を向き続けること。たくさん眩しかったお話でした。
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Author:月子
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