読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
木かげから飛び出した茂は、声のした方に向けて懐中電灯をすばやく点滅させる。その瞬間、闇にひそんでいた風魔忍者は目がくらみ、屋根からころがり落ちた。だが、そこには茂がばらまいておいたカンシャク玉が……。茂は古道具屋で買った奇妙な機械(タイム・マシン)をいじっているうちに突然、江戸時代の寒村へ来ていた。そこで、人々を苦しめる風魔忍者団を目撃した彼は正義感に燃えて彼等と対決! 現代と過去の対比をたくみにとり入れた光瀬龍の傑作ジュニアSF。(Amazonより)
何も考えずに読み始めて児童書、ジュヴナイルSFなのか、と気付く。
これは子どもの頃に読んだらわくわくしそうだなあ。タイムマシン、江戸時代、忍者、現代のものを持ち込んで友達みんなで無双……。ヒロインの最後も含めてこの作品の魅力だと思います。色々と細かい部分は気にしない方が楽しいやつですね。
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特別知能犯捜査係に配属された元機動隊の刑事・上下中。そんな彼の相棒となった泉州院雅は、頭脳明晰ながら人の感情が理解できぬ毒舌家で……。そんな凸凹コンビが立ち向かうは、恋心を弄ぶ卑劣な結婚詐欺事件!!(Amazonより)
元機動隊所属の刑事と、長官の身内で頭脳明晰、顔立ちも整っているけれど世間一般の感覚を持たない先輩刑事、凸凹な二人が初めて組んで捜査に乗り出すのは結婚詐欺事件。
上下刑事が泉州院に対して、教えてやろうとか先輩なのになんて思わないのがとてもいいと思いながら読んでいました。ものすごく柔軟に「そういう人なんだ」と受け入れて上手に付き合っているのに、本人にまったくその自覚がないのがいい感じ。泉州院もそう思っているだろうに表現の方法が健康を心配することになっているっぽいのがおかしい。
結婚詐欺の犯人周りの話、犯人となりすましている人物との関係が、私はあまり考えたことのなかったものだったので、おっ、と思って面白かった。そうだよなあ、似てるもんだよなあと思って。
金剛郭の崩壊、倒幕から約半年が経ち、日ノ本はいくつかの勢力に分かれ、各地で生き残った人々がカバネと戦いながらなんとか生活を続けていた。そして甲鉄城は、北陸の海門駅にいた。カバネが多数巣食う海門を攻略すべく連合軍に加わるが、カバネの動きに、カバネリの生駒は奇妙なものを覚え……。
美馬の反乱を乗り越えていまなお進み続ける甲鉄城。大小の犠牲を払いながらたどり着いた北陸の地で、統率されたカバネの軍団と戦う。カバネリという存在になった生駒が、人かカバネか、と苦悩して、自分はカバネリだと吠えた生駒とは真逆に、激しい怒りや悲しみを暴走させていく敵大将の景之たち。人を人たらしめるものは何か。狭間のものである生駒と無名のコミカルであったりちょっとエロチックな描写だったりでも描かれているのが興味深くて面白いと思います。
それはそれとして最後のダンス、いる?笑 いや楽しいし綺麗だからいいんだけど!
男にだまされふられる度に住む場所を変え、いまは娘のキクりんと小さな漁港に住む肉子ちゃん。太っていて不細工、空気の読めないながら、明るく素直な肉子ちゃんは、焼肉屋の店主に気に入られ、店員として雇われて漁船の家に住むようになり、いまではキクりんも11歳になった。キクりんこと喜久子は学校での出来事や不安定な暮らしに悩む思春期を迎えていて……。
大雑把で世間知らず、太っていて決して美人ではない母と、色白ですらっとしていて、けれど他の女子のように可愛らしく振る舞う性格ではない少女らしい潔癖さを持つ娘。微妙な年頃の喜久子は、同性のクラスメートたちのカーストだったり不安定な暮らしだったり、漠然と不安を感じている。けれど心とは関係なく毎日は続くし、様々な変化も起こって、翻弄されてしまう。
母娘の関係や、思春期の少女の気持ちだったり、すごく丁寧に描かれた作品ですごくよかった。喜久子の気持ちがすごくよくわかってなあ……。それにしてもクラスメート女子の人間関係をこうやってちゃんと理解しているの、すごく頭がいいな。自分に対しても理解が深くて、自分が一番マリアちゃんに怒っている、と気付くところ、すごくぎゅっとなった。
似てない親子に関してはさほど気にしていなかったんですが、そういうことだったのかという描写が挟まるところも、肉子ちゃんの魅力や、母娘の確かな絆を感じられる展開だと思いました。
「私は、アルベルトに流される女の子にもバイオリニストにもなりたくない」——第三楽団員選抜で、アルベルトはミレアを選ばない。しかし天才指揮者リアムが、ミレアをコンマス指名した。最終選考はアルベルトとリアム、二人の指揮者の楽団が同じ曲を演奏し、観客投票するというもの。リアムの誘いを受けたミレアは、アルベルトにある勝負を持ちかけて!? 二人は“本当の恋人”になれるのか、想いを奏でるラブ・ストーリー!(裏表紙より)
思い込んだら一直線、一途すぎて予想外な天才バイオリニストのミレアと、そんな彼女を影に日向に守ってきた天才指揮者アルベルト、個性豊かな演奏家たちをはじめとした登場人物たちの、近代風世界の楽しいラブストーリー。
いま読んでみると本当に、アルベルトは苦労してるな……とかわいそうになってくる笑 惚れたら負け、という言葉が浮かぶわ……。
しかし音楽のために感情を利用されるミレアも可哀想な巻だった。幼いと表されてしまう彼女の真っ直ぐで純粋な気持ちを、癖の強い音楽家たちを束ねる大人がよろしくない意図で転がすなんて容易いわけで。怖い、と思っているミレアが本当に可哀想だったし、リアムにすごく嫌な気持ちになってしまった。怖がらせたらアウトなんだよな。
それでもなんだかんだでミレアもアルベルトもやっとまとまるかな(もう二転三転するだろうけど)と感じられるラストはにやにやして楽しかったです。そうやって家族も巻き込んだらそれはもう幸せになるしかないんだわ。
幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん"の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだ空前絶後のノンストップ・ホラー!!(Amazonより)
先に映画を見た人です。やっぱり原作と映画では話の流れが違うんですね。
映画は映画でお祭り感(と言っていいのか)があって楽しかったですが、こちらはこちらで、どうしようもない人間や家族の因果を感じられて面白かった。特に比嘉姉妹のちょっと複雑な、でも確実に相手のことを大事に思っている不器用さが際立っていて、この話の中でだいぶほっとさせられる。
「ぼぎわん」の因縁がとてもホラーでよかった。人間とはそういうものなんだっていう。ぼぎわんそのものが何かはわからなくていいと思うんですけど、それを利用して恐れ、あるいは敬いながら共存してきた歴史があると思えるのが、和製ホラーのいいところだと感じました。
イングラシア王国の教師生活も残りわずかとなったリムルは、ある日自由組合のグランドマスター・ユウキからコリウス王国を探ってほしいという依頼を受ける。現在かの国では王位継承争いが発生しているという。冒険者として乗り込むことになったリムルだが、そこで遭遇したのは王位継承にとどまらない魔王も絡む騒動で……。
教師時代っていつの話だっけ? と遡る必要がある、すっかり長期シリーズになった転スラ。ここでバレンタインが出たのか、とアニメ第3期を見ていたので、おー、と思う。
魔王になる前なのでリムルの動き方がだいぶ軽め。いまは人を使う方が多いもんなあ、と大怪盗を名乗るところを見ながら思う。
三兄妹のすれ違いや、ゼノビア王女の洞察力と茶目っ気が王道ながら楽しくてよかったな。
内向的な性格でいじめのせいで卑屈になってしまった羽花はレモン色の髪の三浦界に憧れている。ふとしたことで界と関わることになった羽花は、少し強引ながら優しい彼に背中を押され、たくさん友人を得て楽しい学校生活を送れるようになるが、次第に界への気持ちも大きくしていく。
いじめられっ子のヒロインと、派手で塩で人気者のヒーローの青春ラブストーリー。
ヒーローを魅力的にしようとしすぎて違和感のある言動をさせるの、ちょっとやめた方がいいと思うな……。寒い、と思ってしまうあたり、嫌な大人になってしまった。
そんな感じなので、もうずっとお互いのこと好きじゃん、という展開が続いて、予想通り付き合うことになるけれどすれ違い、けれどお互いの気持ちを確認しての安定のハッピーエンド。
ただ映画なのでだいぶ駆け足で、他のいいエピソードをかなり省いているんじゃないかなあという感じがする。友達みんなで遊ぶエピソードの楽しさをもっと見せてほしかった。
48精油がキャラになってアロマ界にアイドルデビュー? 精油アイドル「ARM48」は香りなど8つのグループに分かれて活動開始! 数ある精油の中から厳選した48の精油の特徴や使い方をキャラとマンガでやさしく紹介します。メンバーには、アロマテラピー検定の1級と2級で出題される30精油も含まれています。精油の紹介のほかにも、アロマの歴史やセルフケアのしかた、注意点など、アロマの基本ももちろん紹介! アロマテラピーは理科っぽくて意外と難しいかも、という方にもどんどん読み進められるいちばんやさしいアロマテラピーについての解説書です。(Amazonより)
アイドルグループになぞらえて、アロマの香りの種類をざっくり解説する一冊。カラー刷りで、イラストも可愛らしく、入門としてはばっちりかと思います。アロマテラピーの方法や技術的なものはあまり多くはないので、香りについて知りたい人向けでしょうか。
こうして読んでいると実際に香りたいなあと思う。スパイシーな香り、自分の好みとは結構外れるのでできるならいっぱい試してみたいんですよねえ。
「舞妓さんちのまかないさん」(Netflix)
青森県から舞妓になるためにやってきたキヨとすみれ。逸材と評されるすみれに対して、ぼうっとしたキヨは舞妓候補の仕込みさんを諦めるように言われ、故郷に返されそうになる。かけがえのない幼馴染と一緒にいたい。そんなとき舞妓や仕込みたちの食事を作るまかないの仕事を引き継ぐことになり……。
舞妓の世界を覗き見る作品。実写ドラマです。
こういう、特別な世界でも、人が生きるためには食事が必要で、食べることってすごく大事なんだなと感じる。全国各地からやってきている女の子たちにはそれぞれ特別な味がある。ご飯食べで食べるフォアグラや白子に対して、パンの耳の揚げたやつの素朴さよ。
いやでもあっさり、才能がないから故郷に帰りなさいって言われるものなんだな……。時間をかけて仕込む手間暇が惜しいってことか。努力でどうにもならないものがあると、他人の目で判断される世界はきついし、それを乗り越えて有名になっていくおねえさん方がプライドの高い、厳しい人たちになるのもわかる気がする。
青森県から舞妓になるためにやってきたキヨとすみれ。逸材と評されるすみれに対して、ぼうっとしたキヨは舞妓候補の仕込みさんを諦めるように言われ、故郷に返されそうになる。かけがえのない幼馴染と一緒にいたい。そんなとき舞妓や仕込みたちの食事を作るまかないの仕事を引き継ぐことになり……。
舞妓の世界を覗き見る作品。実写ドラマです。
こういう、特別な世界でも、人が生きるためには食事が必要で、食べることってすごく大事なんだなと感じる。全国各地からやってきている女の子たちにはそれぞれ特別な味がある。ご飯食べで食べるフォアグラや白子に対して、パンの耳の揚げたやつの素朴さよ。
いやでもあっさり、才能がないから故郷に帰りなさいって言われるものなんだな……。時間をかけて仕込む手間暇が惜しいってことか。努力でどうにもならないものがあると、他人の目で判断される世界はきついし、それを乗り越えて有名になっていくおねえさん方がプライドの高い、厳しい人たちになるのもわかる気がする。