読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「独りにしないで。お願い帰ってきて」
世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。
『春』の少女神雛菊には生涯の忠誠を誓う剣士が居た。名を「さくら」。職位は代行者護衛官。愛する主を拐かした者へ、悲劇を傍観していた者へ、自分達を傷つけた全ての者に復讐すべく刀を抜く。主を守って死ぬと決めた。だからもう迷わない。師と仰いだ男への恋慕は捨てた。これより先は、覚悟ある者だけが進める戦場なり。いざや、春の舞を踊ろうぞ。
暁佳奈が贈る、春を世に顕現する役割を持つ少女神の物語。堂々完結。(カバーより)
拍手! 少女と春と神様の物語、素晴らしかった。
傷付いて壊れて、それでも立ち上がらなければならない痛みと苦しみとこの世界の残酷さに、それでも、と戦う雛菊やさくらが眩しい。そんな彼女たちを見つめる狼星と凍蝶な……。それぞれの大きすぎる感情に悶えてしまう。
愛しているけれど大嫌い、嫌いだけれど大好きという夏の双子も好きですが、秋主従の可愛らしさはなんなんだ。これ、後々竜胆が撫子の本気に陥落させられる流れじゃないか。美味しすぎる。
本当に良い物語だった。続く季節の物語も本当に楽しみだ。
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「春は――無事、此処に、います」
世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。
いま一人の少女神が胸に使命感を抱き、立ち上がろうとしている。四季の神より賜った季節は『春』。母より授かりし名は「雛菊」。十年前消えたこの国の春だ。雛菊は苦難を乗り越え現人神として復帰した。我が身を拐かし長きに亘り屈辱を与えた者達と戦うべく従者の少女と共に歩き出す。彼女の心の奥底には、神話の如く、冬への恋慕が存在していた。
暁佳奈が贈る、季節を世に顕現する役割を持つ現人神達の物語。此処に開幕。(カバーより)
四季を巡らせる力を宿し、しかるべきときに各地を巡って季節をもたらす「四季の代行者」。それぞれに権能を有する存在はそれを持たない人々に利用され、ときに狙われている。今代春の代行者である雛菊もまたその被害者だった。
過去に起こった誘拐事件と、被害者である春の代行者たちを巡る、春の物語。
すごいなあすごいなあ! この世界観がすごい。この登場人物の関係性がすごい。がっしり胸を掴まれて、ぐんぐん引き込まれてしまった。
世界でたったふたりぼっちになってしまったような少女たちがどこへ行くのか、楽しみに読みます。

帝都で、皇子たちが《悪しきもの》の災厄により次々に落命したという。末の皇子、志貴を除いて……。しかも終也の友人・恭司は、事件への関与を疑われ逃亡しているといい——!? その報せを受けた真緒と終也は、恭司が逃れた可能性の高い禁足地・天涯島へと急ぐ。そこで待っていたのは、国の存亡にも通じる哀しい真実と夫婦の絆を試すかのような厳しい現実で……。
和風花嫁物語、緊迫のクライマックス!(裏表紙より)
成長が楽しみって言ったけどもさあ! なラストを迎えた第四巻。いやもう、守るべきものができたヒロインの強さよ……。
何故帝が神有を厭うのか? という謎の真相がきつい。人の世界の醜悪さと、誰かを思う清らかさと、もつれにもつれた関係。どうしてこうなってしまったんだろうと途方に暮れてしまう。それが結局子どもたちというか次の世代に及んでしまうのがなんとも。
健やかな強さを見せるようになった真緒が何を成し遂げるのか、次巻が楽しみです。

真緒は終也と共に、二上の領地《白牢》を訪れる。二番様を有す二上家の当主から十織へ、病床の妻のために死装束を織ってほしいと依頼があったのだ。妻を想っての依頼だが、当の本人はこれを頑なに拒否している様子……。真緒は夫婦が互いに納得できる方法を、懸命に探っていく。他方、白牢には《悪しきもの》による傷を癒すため逗留している先客がいて——!?
「どんな未来でも、真緒は僕の隣にいます」(裏表紙より)
二人にとって夫婦とは? を考える第三巻。
真緒がこの世のことも人のことも神様たちのこともよく知らないので、開かれた世界を真っ直ぐに見つめて自分なりに受け止め、考え、自分のものにしていくところがとても清らかで眩しい。
神有の人たちも、神に近いからその性質が強く出て怖いところを見せながら、愛した存在に対して不器用ながら情を尽くすところが、悲しくも愛おしい。
それだけに、人と人の関わりのどろどろしたところが多い世界だ……というのがわかってきて、なんというか、人の世界だなあ! と。
真緒がだいぶしっかりしてきて「真緒さん」という感じになってきたので、彼女の成長も楽しみです。

《神迎》のため帝都に向かう終也と共に、真緒は初めての遠出をすることになった。帝都行の鉄道の中、真緒はひどく懐かしいような不思議な夢を見て——!?「お前の目は特別だから、きっと冬の天の川も見えるだろう」「ともに還ろう、——」隻眼の青年との出会いから明かされる真緒、出生の真実とは……! それでも旦那様の隣に……和風花嫁ファンタジー、待望の第二巻。
帝都で、仲睦まじい二人を引き離す出来事が……!?(裏表紙より)
先祖返りに愛された機織りの和風マリッジロマンスファンタジー第2巻。
神の気質が強く出ている終也が、それを大いに発揮して真緒を自分のものにしたという、とても神様らしい事実が判明した1巻でしたが、第2巻では切られた縁が誰のものであったかがわかるお話。
真緒のルーツもわかりますが、なんというか、なるべくしてなったというか、たとえ縁を切って新たな縁を結んだのだとしてもそうあるべき結婚だったのかもしれない、なんてことをふんわりと感じさせるなあと思いました。変わりゆく時代の中心に二人がいるのか、それともひっそりと影のようにそれを見守るのか、これからどういう選択をしていくんだろう。

幽閉され、一途に機織をして生きてきた少女がある時、縁を結び縁を切る神=十番様を所有する神在の一族、十織家の当主・終也に見初められ、真緒の名をもらい、運命は動き出す。「迎えに来ました——僕と結婚してくださいますか?」虐げられ続けた日々から救い出された真緒は、十織家でも機織りの才を生かし過ごすうちに、終也の背負ったある秘密を知ることになり……?
街一番の機織り上手を、領主の花嫁とする——(裏表紙より)
神々とその血を引く者たちがいまなお生きる、過渡期の和風世界を舞台にしたファンタジー。「街一番の機織り上手を花嫁とする」のがとてもシンデレラ。
機織りの腕だけを求められて叔母や祖父母から幽閉され、外を知らない真緒なので、はっきりとした年齢もわからず、言動もとても幼い。けれど聡明で、自分の考えを率直に口に出すこともできる性格のおかげで、物語はさくさくと進む。普通ならものすごく重くなりそうな終也の正体も、真緒だからこうなったんだろうなあと思わせるものでよかったな。
そして真緒に美しいものだけを見せたいと考え行動する終也の、彼の本質が垣間見えるところにぞくぞくしました。なんだかんだ言ってもやっぱり先祖返りだし神様の一部なんだな……とその恐ろしさにぞくぞくにやにやしてしまった。

“ダンチュー先駆者”の一人である著者は、「料理とは愛情ではない。技術である」と言い放つ。なるほど、日常の家庭料理にいちいち愛情に介入されては、美味いものも不味くなり、迂闊に食べちゃいられない。まずいものはまずいと言いたかった諸君、まず、その前に自らも台所に立ってみることをおすすめする。超初心者のための男厨料理入門、超指南書。(Amazonより)
家事は女の仕事という考えがまだ残る頃に、男性ながら厨房に立つ著者のエッセイ。男性だから、という理由で料理をすることがないけれど、基本的に器用で要領がいい人が、料理をすることや献立をだいぶ理屈っぽく解説しているもの。
基本の味付けってだしに当たるものを変えればすべての料理に流用できる、と思っているので、それを文章化するとこうなるんだなという内容。ただ、出版年月日が1999年10月のものだからか、だいぶ大雑把だと感じる部分も多くて、自分一人で食べるならいいけれどその料理を家族や人に出さないでね……と思ったりもしました。

高校時代に野外活動を楽しんだ彼女たちも、いまは社会人。名古屋の小さな出版社で働くリン、東京のアウトドアショップに勤めるなでしこ、小学校教師になったあおい、横浜のトリミングサロンで働く恵那、そして地元の観光推進機構に転職した千明……それぞれの場所で日々を送っていたある日、閉鎖された広大な施設の再開発計画をきっかけに、かつての仲間たちでキャンプ場を作ることになって……。
アニメの続きのつもりで何気なく見始めたので、みんなが社会人になっていてめちゃくちゃびっくりした。そうやって大人になってどう好きだったキャンプと関わるか、という答えがキャンプ場作りになるって最高だよなあ。
高校生だった頃の緩やかな感じは薄れているものの、みんなが集まるとあの頃の空気感になるのがわかるところが、積み重ねてきたものを感じさせていい。キャンプファイヤーみたいに燃え盛るんじゃなくて、ソロキャンの小さなランプの光のように、それぞれの心に「キャンプ」への気持ちがあるという、作品らしい部分が感じられるよい映画版だったと思いました。

鷹央先生、
これまで本当に……。
天久鷹央のもとで内科医として「診断学」を学ぶ小鳥遊優に、派遣元の純正医大医局から突然の通達が……。
驚愕し、激怒する鷹央だったが、通達の理由を調べたところ、
とある総合病院を舞台に起きた「密室殺人」の存在が明らかになる。タイムリミットはあとわずか。
果たして、天才医師は「密室で溺死した男」の謎を解明できるのか。
書き下ろし掌編「小鳥遊先生、さようなら」収録。(Amazonより)
今度は小鳥遊が呼び戻されることに、という第三巻。鴻ノ池をはじめ、他の登場人物たちが言うように、小鳥遊も鷹央もそれぞれ成長しているんだなあとしみじみと思った。一緒にいる人からいい影響を受けられるのは素晴らしいことだ。
「拒絶する肌」はわりと早い段階でもしかして……と想像できるだけに、こういう症状が出る人は本当に大変だな……と思いました。こういう可能性があると知っておくのが大事だな。

病棟に現れた「天使」
謎めく事件の真相は?
書き下ろし掌編を追加した完全版‼
小児科病棟で相次いで起こった急変。同じ病室の男子三名が、原因不明の嘔吐、喘息発作、不整脈を起こした。さらに、この病棟で「天使を見た」と語る小学生まで現れ……。魅力的な「謎」があるにも拘らず、事件解決に動かない天久鷹央。なぜ? そして事件に秘められた「病」とは? 現役医師が描く医療ミステリー、シリーズ屈指の感動作! 書き下ろし掌編「ソフトボールと真鶴」収録。(Amazonより)
涙なくしては読めないエピソードが収録された第2巻。
医師としては超人的なのに、情緒や空気を読むことに関しては人並み以下の鷹央が、医師としては失格だと言われても仕方がないくらい患者の死に怯え、必死に寄り添おうとするところがな……。傍若無人だけれど人の心がないわけじゃないのが、彼女の魅力なんだろうと思う。