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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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タロットカードが導く真実、あばかれる過去――。三年前に起こった王子殺害事件。高名な占い師だったレティシアの娘ティアリスは、その犯人探しを頼まれた。依頼主は王立憲兵隊付属特別室の室長、クランツ。妙にティアリスを気に入ったらしい彼と、その部下であるルディアスとともに、容疑者をひとりずつ当たっていく日々。だが、疑うべき人物は最も近いところにいて……!? 誰が犯人でもおかしくない、この殺人事件の意外な真相とは――!?(Amazonより)

占い師が名物、ともされる国で、占い師の能力をほとんど持たないティアリスは、三年前に起こった王子の死の真相を調べるように命じられる。
という導入から、どうしてこうも血なまぐさい話になるのか(褒めています)。民族的な話から、王侯貴族の恋愛事情から、こうなったら嫌だなという要素を抽出する小野上先生さすがだな……と『少女文学』を読んでからすごく感じるようになりました。
占い師ですがティアリスは地道に聞き込みをしたり、人と話しているときの仕草などで相手の心理をつかもうとしたりと、探偵の真似事をするんですが、結局どこに落ち着くのかわからなくてだいぶとはらはらしました。ティアリス自身の秘密はこうなんだろうと思った通りだったんですが、レティシアのことや、レティシアとオルテンシアの関係は予想外だった……さすがだぜ……。
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医師の父親亡きあと、医院を守っている珠里。医学の知識はあっても女性は医師免許がとれず、診療することができない。そんな珠里のもとに皇帝の使者が現れ、むりやり後宮に連れていかれてしまう。体調不良の皇太后が男性医師に体を見せることを拒否しているため、女性の珠里に白羽の矢が立ったらしい。皇太后に同情した珠里は病の原因を見つけようと奔走するが…!? 中華後宮ミステリー!!
癒しの手を持つ少女が、後宮の謎に挑む!!(裏表紙より)

男性社会の国で、女性は医師になれない国。しかし変わり者の父の指導で立派な技術を持つ珠里の噂を聞いて、後宮から迎えがやってきた。
中華風後宮ものの要素はあるにはあるんですが、どちらかというと、人の心や病気、それに対峙する人、医師を志す人たちの矜持なんかがあって、とても小田さんらしい作品でした。ヒロインがずれているところも、この年頃の少女として間違えてしまったり失敗してしまったりするところも、リアリティがあってすごく身近に感じました。恥ずかしい、っていうそれは、多分これから立派な人になるために必要な失敗だったと思うなあ。
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忘れたい記憶を消してくれる都市伝説の怪人、記憶屋。大学生の遼一は単なる噂だと思っていたが、ある日突然大切な人の記憶が消えてしまい、記憶屋の正体を探り始める……。切ない青春ノスタルジックホラー!

「記憶屋」の都市伝説がある街。恋した人の記憶が失われ、幼馴染も過去同じ目にあったことに気付いた遼一は、噂を辿って記憶屋を探ろうとする。
こういうのは一番そうであってほしくない人が犯人なわけで。
記憶屋の正体を探るんだけれども、記憶を消したいというほどの思いをした人たち個々のエピソードが面白かったなあ。本人はものすごく思いつめているのはわかるんだけれど、記憶屋がいなければ安易に忘れるなんて選択をしないような、いつか乗り越えなければならない傷ついた/傷つけられた記憶ばかりで、色々考えさせられてしまった。
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「これからお母さんと一緒にたくさん冒険しましょうね」「あり得ないだろ…」念願のゲーム世界に転送された高校生、大好真人だが、なぜか真人を溺愛する母親の真々子も付いてきて!? ギルドでは「彼女になるかも知れない子たちなんだから」と真人の選んだ仲間をお母さん面接したり、暗い洞窟で光ったり、膝枕でモンスターを眠らせたり、全体攻撃で二回攻撃の聖剣で無双したりと息子の真人を呆れさせる大活躍!? 賢者なのに残念な美少女ワイズと、旅商人で癒し役のポータも加わり、救うのは世界の危機ではなく親子の絆。第29回ファンタジア大賞〈大賞〉受賞の新感覚母親同伴冒険コメディ!(裏表紙より)

ネットゲームの世界に転送された息子と母。ネトゲのお約束を踏襲しつつ、母の振る舞いに大いにツッコミを入れるコメディ作品なんですが、ヒロインがお母さんなの尖りすぎィ! 「お母さん」というキャラクター性を生かしたまくっているがためにテンプレな言動があれすぎて、若干鬱陶しい笑 こんな母親いないよ! と叫ぶところまでがセットでしょうか。さくさくっと読めて楽しかった。
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フェミニストの上野千鶴子さんに、毒親漫画を描いた田房永子さんがフェミニズムについての疑問や質問に答えてもらう。ただの一問一答じゃなくて「何故そう思ったの?」とか「それはどうしてだと思う?」など上野さんが質問を重ねてくれるから、より深く考えたり、問題や肝心なところを見つけたり、という内容になっていて、非常に興味深く面白く読みました。
こう、なかなかしっくり来る答えが出ないとか、違和感のあるもの、どれが正解なんだろうと首をひねっていることなど、結構わかった気がする。その発言の裏にはこういう歴史があって、とか、こういう社会構造で、というのがすごくわかりやすかった。フェミニストと名乗ることの違和感や、現代における運動や活動家の話も身近だったし、一つ答えが見つけられたような気がしました。
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オメガ性を持つ〝神子〟が住まう神殿で、第二性別を持たないセレンは下働きとしてひっそりと働いていた。王家のアルファたちが神子を迎えに来る日――。生まれながらの罪のせいで俯いてばかりのセレンに、「顔を上げろ」と言い放ったのは孤高の第一王子・レイだった。「この俺が気に入ってやったんだ。喜んで抱かれておけ」。王になりたくないと異端の振る舞いをするレイのため、献身的に身体を差しだすセレンだったが…。健気な蕾が清廉に花ひらく、砂漠の寵愛オメガバース(裏表紙より)

オメガバースものを初めて読むなり。なかなか難解なイメージだったんですが、こういう設定だとわかりやすくて面白いなあ。オメガとアルファという性別に神秘性があるのにはロマンを感じます。
虐げられていた「罪の子」が、第一王子に見初められて……というロマンスなんだろうなと思っていたんですが、それ以上に入り組んだ設定が面白かった。レイの粗暴な振る舞いに意味があってその原因がなんたるかはすぐ察せられるんですが、主犯と思しき人物以外に怪しい動きをしている人や、伏線らしきものがありながらも後半にならないと明らかにならない謎があって。ああーここで繋がるのかー! とオメガバースで、オメガ性が神子として選ばれるという世界観の面白みを感じました。
あと表紙の衣装や、挿絵のモザイク模様の細かさがすごい。綺麗。
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「助けてやれず、済まない……」
男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い獣を捕らえた。地の底で手にした沙包の鈴が助けになるとは。天の加護がその命を繋いだ歳月、泰麒は数奇な運命を生き、李斎もまた、汚名を着せられ追われた。それでも驍宗の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎を玉座から追い落とすため。——戴国の命運は、終焉か開幕か!(裏表紙より)

戴国の長きに渡る冬がようやく終わった。
終わった……終わったんだ……ここからまた始められるんだ……読めて本当によかった。誰かがやったことがこの未来に繋がったんだと思うと、人の行いって本当に大きなものなんだな。後半もうずっと泣いて読んでいました。また改まった暦の名前がな!
泰麒たちが本当に成し遂げられたんだということがいまだ信じられないので、是非ともその後の話を読ませてほしい。読み終わったのにもう続きが読みたい。短編出る? 出るよね?
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新王践祚——角なき麒麟の決断は。
李斎は、荒民らが怪我人を匿った里に辿り着く。だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。驍宗の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。そして、李斎の許を離れた泰麒は、妖魔によって病んだ傀儡が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選に迫る。もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。(裏表紙より)

う、おおおおおおお……!!!!! と身体の奥から滾る第三巻。そうきたか! ここにきて色々な欠片が合わさり始めた感、興奮する。何より無辜の民の小さな祈りが、一つの命をここまで繋いだということが、もう、もう言葉にならない……。
そして泰麒の特殊性がこういう形で顕れるのか。これをどうとっていいのか、うまく飲み込めない……。ただ彼が『魔性の子』で描かれたすべてを負ってきたという気迫が伝わって、忘れられていないことに胸が震えました。
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民には、早く希望を見せてやりたい。
国の安寧を誰よりも願った驍宗の行方を追う泰麒は、ついに白圭宮へと至る。それは王の座を奪い取った阿選に会うためだった。しかし権力を恣にしたはずの仮王には政を治める気配がない。一方、李斎は、驍宗が襲われたはずの山を目指すも、かつて玉泉として栄えた地は荒廃していた。人々が凍てつく前に、王を捜し、国を救わなければ。——だが。(裏表紙より)

読むのを再開したらやばい面白いとなって止まらなかった。
泰麒が凄まじく賢く立ち回っているけれど、内心ではどう思っているんだろうな。驍宗のためだと思えているのかな。それとも……と作中の人たちの気持ちに沿ってしまってはらはらしている。しかも最後があれって、当時のリアルタイム勢のみなさまお疲れ様ですという気持ち。
全4巻の2巻目というだけあって、最後に至るまでの伏線を張っているという印象の巻。最後は話が一気に進んでいくと信じている。
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女優・芦田愛菜が自らが読んだ好きな本について語り、感想や、山中伸弥さんや辻村深月さんとの対談をまとめたもの。
わかりやすい文章で書かれたこの本、本好きの十代に読んでもらいたいなあ。十代らしい感想はすごく身近に感じられるし、めちゃくちゃ本を読んでしっかり物事を考えて生きている芦田愛菜さんのすごさを思い知らされます。本の読み方は感想は人それぞれだけれど、少なくとも彼女と同じ年頃の私はここまで考えて本を読んでいなかった
辻村深月さんを「神様」と呼ぶのがすごくむずがゆくて、わかるーと思いました。そう、私にとってもその人は神様なんだよ。あなたと同じくらいの歳に出会ったんだよと言いたい。
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Author:月子
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