読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
黒十字騎士団団長ヴィンセント王子との婚約を国王にも認められた田舎貴族の娘フィーリア。彼女はある日、隣国の王子の結婚式にヴィンセントと共に出席することになってしまった。その国には、かつてヴィンセントが縁談を断って怒らせた王女がいるだけではなく、皇太后が彼の婚約者に相応しいと考えている娘がいるようで——。ただでさえ初めての公式行事で私は不安なのに、この訪問、問題だらけすぎじゃない!?
苦難はまだまだ終わらない。一途すぎる王子の大迷惑な溺愛ラブコメディ第5弾!!(裏表紙より)
皇太后と国王にも認められ、晴れてヴィンセントの婚約者として胸を張れるフィーリアは、いつものように不意打ちみたいにして隣国への外交に連れて行かれてしまう。ヴィンセントが相変わらずツンツンツンツンって感じなんですが、最後にはちょっと優しくなって、よかったなあという気持ち。いや本当に。必ず助けてくれるという安心感は必要だけれど、言葉が通じないとか報われない感じが続くと、さすがに見ていてフィーリアがかわいそうなので……。
次の事件がどうなるのか、楽しみなような不安なような。
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初の学院祭の準備に華やぐ学院で、ティエサは皆と共に、学院祭でラララ叢書を布教すべく「ラララの会」を発足させた。そんななか、キアスを好きだと気付いたティエサは、恥ずかしさのあまりキアスを避け続け、一方キアスもティエサを思い切り意識する日々を送っていた。二人の恋はちょっぴり進展しそうな気配だが、ある事件をきっかけに、学院内に広まった「王女グリセルダの呪い」という謎めいた噂に巻き込まれ……!?(裏表紙より)
学院祭と、新しい友人と、彼女たちの知らないところで蠢く大人たちの陰謀の伏線の巻。
一見賑やかな学園ものっぽいけど、さらっと書かれる世界観や社会状況、歴史といった根底にあるものが、この青少年たちの未来を運命付けてしまっているのだと思うと、なんかもう、負けるな頑張れー!! って気持ちになる。アマリアとシアーハの運命が悲しいんだよ……みんなで大人たちの企みを打ち砕いてくれ……!
沖縄で、風俗業界で働く女性たちがいる。未成年の女性たちが多いと聞いた著者は、彼女たちがどのようか家庭で生まれ育ち、どのように生きてきたか聞き取りを始めた。2012年から2016年の出来事だ。
想像以上に、きっつい……。十代前半から、同じ年頃の子どもたちは「子ども」として守られているのに、ここに登場する彼女たちはみんな、無理やり社会の放り出されて自分の力で生きていくしかなかった。考える間もなかったんじゃないかな。自分の本当に気持ちを告げられる相手もいないまま、毎日を生きてきた。たくましい。けれど、そうなってしまったのは大人の責任というか、守りきれなかった私たちが悪いんだ、という気持ちになってしまって、辛い。
生きていられてよかったね、と言ってあげられるように。いま幸せになっていてほしい。
幼い頃から食べることが好きだった。母手作りの素朴な家庭料理を、家族で囲んだ温かな食卓——。大人になった今は一人で作って一人で食べて「私は天才かっ」と一人で叫ぶ。季節外れのローストチキン。深夜に食したホヤ。カビの生えたパンだってちょいちょいっと削れば、あらおいしい。少し孤独。けれど食欲全開、今日も幸せ。雑誌「クロワッサン」の連載をまとめた極上の食エッセイ。(裏表紙より)
いくつか食エッセイを読んできて、阿川さんのエッセイは育ちの良さが滲んでるなあと思う。私にはちょっと違う世界の感じがする。家族の思い出とか、現在の交友関係とか。
でもそんな感じなのに、冷蔵庫の管理があんまりちゃんとできていないところ、親近感があるというかアンバランスで面白いなあ。いや、お嬢様ってことで釣り合いが取れてるのかな。
あなたの料理が美味しいから、これ作って、って言ってもらえると嬉しいのわかるわかる。
口癖は「お腹へった」。昼ごはんを食べながら夕食のメニューを考えるほどの食いしん坊。激しく〆切中なのに編集者の目を盗んでディナーの予約を入れ、差し入れをモグモグ。冷蔵庫が空になるまで料理をし、おいしいものを存分に食べるため絶食ダイエットに挑戦……。どうにも止まらない自らの「喰い意地」を描いたエッセイ集。(裏表紙より)
食べ物系のエッセイって、自分のいまの感覚と、食べ物に対するセンスが合致しないと読むのが楽しくないと思うときがあるんですが、これはめちゃくちゃ食べ物に対するセンスが合致して、ずっとお腹が空いていました。
食い意地もそうなんだけれど、その向こうに見える家庭の様子が面白い。砂糖がないとか、お弁当の話とか。
甘いものはそんなに食べないと書かれていないけれど、なんだかとってもスナック菓子やジャンクフードが食べたくなってしまった。修羅場脳かな……。
「騎士王、貴女こそが皇帝に相応しい」——己の秘密を知る“誰か”の存在により、キルフ帝国後継者争いに巻き込まれたレティーツィア。そこへ、ずっと行方不明だったキルフ帝国第四王子・アルトールが姿を現した! なんと彼は『神殺しの魔法陣』を使ってレティを拘束。目の前で主君を奪われたデュークは、アストリッドと共にレティを助け出そうとするが……!? 最強女王伝説、強敵現る第7弾!(裏表紙より)
キルフ帝国の章(と呼んでいいのか)、めちゃくちゃ面白かったなあ。王となる女性が二人、それぞれの決意を胸に、お互いに王の道を歩む、その入り口を見た気がして感動的だった。またアナスタシアという名が感慨深い……。インペリアル・エッグが出てくるからね……。
黒幕はファンタジー要素として騎士王がらみのことで、まだまだ秘密がありそうだし、レティの『愛人王』の異名の謎もまだまだわからないし、続きが楽しみだ。
次期女王レティーツィアと、ノーザルツ公国君主の元に届けられた、キルフ帝国・建国祭の招待状。差出人のサインに不気味なものを感じつつもキルフ帝国へと向かったレティは、そこで皇帝に関するとんでもない噂を耳にする。その真相を確かめようと、レティは己の騎士とノーザルツ公、さらにはイルストラ国の王子も巻き込み、ある企画を立てるが……!? 最強女王伝説、自身の役目に気づく第6弾!(裏表紙より)
もう六巻なのか、と思ったんですが、それを上回る意外な五人目の騎士の叙任の驚き! 準レギュラーだと思ってたけど、そうきたか! 否応無しに巻き込まれたなあという感がしなくもないんですが、レティと気が合ってそうなので仲良く(?)やってくれると嬉しい。
キルフ帝国の騒動は次巻へ続く。怪しい人たちが複数いるので、誰が黒幕なのかなあと考えています。騎士王関連の、ファンタジー要素が絡むのかな。
「あの日みた花の名前を僕達はまだ知らない。」
「心が叫びたがってるんだ。」
ひきこもりだったじんたんと、
幼少期のトラウマで声が出なくなった成瀬順。
二人を主人公にした二本のアニメは、
日本中の心を揺さぶり、舞台となった秩父は
全国からファンが訪れるアニメの聖地となった。
実は、そのアニメの脚本を書いた岡田麿里自身が
小学校で学校に行けなくなっていたのです。
これは、母親と二人きりの長い長い時間をすごし
そして「お話」に出会い、
やがて秩父から「外の世界」に出て行った岡田の初めての自伝。(カバー折り返しより)
自分に重ねるところが多くて辛かった……。一度拗れたり傷付いたりした心は、大人になっても表に出て来ては上手く生きられないという思いを強くしていくよなあ……と思ったりした。
学校に行けないことと、周囲がどう思っているか想像するところ、将来への不安といった、思うだけで息苦しい生活がわかってしまうところが、我ながら悲しいような、笑いたいような。大人になってからそのときの親や周囲の気持ちがわかったり想像できたりするのもあるあるだ。
「書くこと」があって本当によかった、と読後に思いました。
王の専属騎士3人目の騎士が決まり、“おこぼれ姫”との評価も変わりつつある次期女王レティーツィア。そんな彼女の元に、東の凌皇国より皇女シェランが訪ねてくる。ただの諸国見聞とは思えないほど豪華な衣装をまとい、護衛はたったの1人だけ——彼女の様子を怪しむレティだったが、どうやらシェランの目的は“次期国王の花嫁”になることで……!? 最強女王誕生秘話(?)も明かされる第5弾!!(裏表紙より)
最強女王誕生秘話なんてものじゃなかった。決意させられざるをえない事件だった。いったいレティはいままでどんな悲しみや痛みを乗り越えてきたんだろうなあ……。
今回は、ソルヴェールの情報が一年遅れで届くような東の国(でも大国)の下の方の皇女が訪ねてくるという話。女性の気配が薄い作品なので友人枠かそれとも、と思っていたらそれともの方でした。おおー意外な味方だ!
最後は次の巻に続くような書き方になっているんですが、事件を持ち込んでくるノーザルツ公、なんか準レギュラー枠みたいで面白いなあ。この人、味方にならないかな。