読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

「騎士王、貴女こそが皇帝に相応しい」——己の秘密を知る“誰か”の存在により、キルフ帝国後継者争いに巻き込まれたレティーツィア。そこへ、ずっと行方不明だったキルフ帝国第四王子・アルトールが姿を現した! なんと彼は『神殺しの魔法陣』を使ってレティを拘束。目の前で主君を奪われたデュークは、アストリッドと共にレティを助け出そうとするが……!? 最強女王伝説、強敵現る第7弾!(裏表紙より)
キルフ帝国の章(と呼んでいいのか)、めちゃくちゃ面白かったなあ。王となる女性が二人、それぞれの決意を胸に、お互いに王の道を歩む、その入り口を見た気がして感動的だった。またアナスタシアという名が感慨深い……。インペリアル・エッグが出てくるからね……。
黒幕はファンタジー要素として騎士王がらみのことで、まだまだ秘密がありそうだし、レティの『愛人王』の異名の謎もまだまだわからないし、続きが楽しみだ。
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次期女王レティーツィアと、ノーザルツ公国君主の元に届けられた、キルフ帝国・建国祭の招待状。差出人のサインに不気味なものを感じつつもキルフ帝国へと向かったレティは、そこで皇帝に関するとんでもない噂を耳にする。その真相を確かめようと、レティは己の騎士とノーザルツ公、さらにはイルストラ国の王子も巻き込み、ある企画を立てるが……!? 最強女王伝説、自身の役目に気づく第6弾!(裏表紙より)
もう六巻なのか、と思ったんですが、それを上回る意外な五人目の騎士の叙任の驚き! 準レギュラーだと思ってたけど、そうきたか! 否応無しに巻き込まれたなあという感がしなくもないんですが、レティと気が合ってそうなので仲良く(?)やってくれると嬉しい。
キルフ帝国の騒動は次巻へ続く。怪しい人たちが複数いるので、誰が黒幕なのかなあと考えています。騎士王関連の、ファンタジー要素が絡むのかな。

「あの日みた花の名前を僕達はまだ知らない。」
「心が叫びたがってるんだ。」
ひきこもりだったじんたんと、
幼少期のトラウマで声が出なくなった成瀬順。
二人を主人公にした二本のアニメは、
日本中の心を揺さぶり、舞台となった秩父は
全国からファンが訪れるアニメの聖地となった。
実は、そのアニメの脚本を書いた岡田麿里自身が
小学校で学校に行けなくなっていたのです。
これは、母親と二人きりの長い長い時間をすごし
そして「お話」に出会い、
やがて秩父から「外の世界」に出て行った岡田の初めての自伝。(カバー折り返しより)
自分に重ねるところが多くて辛かった……。一度拗れたり傷付いたりした心は、大人になっても表に出て来ては上手く生きられないという思いを強くしていくよなあ……と思ったりした。
学校に行けないことと、周囲がどう思っているか想像するところ、将来への不安といった、思うだけで息苦しい生活がわかってしまうところが、我ながら悲しいような、笑いたいような。大人になってからそのときの親や周囲の気持ちがわかったり想像できたりするのもあるあるだ。
「書くこと」があって本当によかった、と読後に思いました。

王の専属騎士3人目の騎士が決まり、“おこぼれ姫”との評価も変わりつつある次期女王レティーツィア。そんな彼女の元に、東の凌皇国より皇女シェランが訪ねてくる。ただの諸国見聞とは思えないほど豪華な衣装をまとい、護衛はたったの1人だけ——彼女の様子を怪しむレティだったが、どうやらシェランの目的は“次期国王の花嫁”になることで……!? 最強女王誕生秘話(?)も明かされる第5弾!!(裏表紙より)
最強女王誕生秘話なんてものじゃなかった。決意させられざるをえない事件だった。いったいレティはいままでどんな悲しみや痛みを乗り越えてきたんだろうなあ……。
今回は、ソルヴェールの情報が一年遅れで届くような東の国(でも大国)の下の方の皇女が訪ねてくるという話。女性の気配が薄い作品なので友人枠かそれとも、と思っていたらそれともの方でした。おおー意外な味方だ!
最後は次の巻に続くような書き方になっているんですが、事件を持ち込んでくるノーザルツ公、なんか準レギュラー枠みたいで面白いなあ。この人、味方にならないかな。

三カ国で領土争いをしているグラン山が燃えた——。次期女王たる自分にしかできないことをするため、レティは騎士のアストリッドを連れて王城へ戻る。ところが、大規模な支援をもぎ取ったレティに魔の手が!! グラン山に戻る道中、罠にかけられたレティは、アストリッドとともに渓谷に転落。グラン山で指揮官を任されていたデュークはその報を聞き……!? 最強女王伝説、奇跡を願う第4弾!(裏表紙より)
クレイグを二人目の騎士に迎えたところで、発生した山火事に対応すべくノーザルツ公とともに駆けつけたレティ。今回は三人目を迎えるまでのお話なんですが、一方で自分の気持ちに冷静なデュークとの関係も進展しつつあるみたいで。
レティが女王にふさわしい振る舞いをしながらも、主人公としてなくして欲しくないものをちゃんと持ったまま、あるいは騎士たちがそれを守ろうとしてくれながらお話が進んでいくの、胸が熱い。どんどん仲間が増えて欲しい。

暗殺者の卵だったティエサが、華やかな学生生活にやっと慣れた頃、学院は冬休みに。ティエサは、ツンツン王子のキアスや友人たちと休暇を過ごすため温泉地へ向かう。そこで遭遇したキアスの幼なじみで、超個性的な双子姉弟の別荘に滞在することになるが、姉のキアスに対する親密な態度がティエサは気になり、キアスはティエサに急接近する弟にイライラしっぱなし! 気持ちがすれ違うふたりは……!? そしてそこに恐ろしい事件が——。恋の鞘当てにご用心!(裏表紙より)
冬休み。学院から離れて、友人たちと雪深い温泉地を訪れたティエサたち。しかし未だ不安定なこの国では、旧時代の人や物が未だうごめいていて。
変わりゆく世界にどのように適応して進んでいくか、それでもどうしても捨てられないものの存在とか、変化する国で生きるってこういう難しさがあるよなあと思いながら、手を取り合っていようとするティエサたちがすごく眩しい。

前世は人並みでしたが(自称)、ひきこもり令嬢の元気を取り戻してみせます!
コスメ会社に勤める英梨は、転生してエリーとして公爵令嬢・アリアンヌの侍女に任命される。彼女に対面しその姿に驚愕。肌はただれ全身喪服姿のひきこもり令嬢だったのだ。肌荒れの原因を探ると化粧品に殺虫剤が仕込まれていると判明!? 前世の知識をフル活用して、ご主人様を美しく&渦巻く陰謀を明らかにしてみせます!(裏表紙より)
侍女のエリーには不思議な記憶がある。「石鹸は泡立つもの」「髪を洗う専用のシャンプーがある」など。だが誰に尋ねてもそんなものは知らない、存在しないという。そんなある日、自分がこことは違う別の世界の人間、コスメ大好き会社員だったことを思い出した。
諸々すごく都合がいい……淡々と話が進むのでさらっと読めるのですが、設定や関係性の変化をもっと深く読みたかったなあ、と思いました。

驚くべき創作意欲に一生を捧げた稀有な作家、栗本薫/中島梓。彼女の担当編集者であり夫であり、いちばんそばにいた最大の理解者である今岡清が、作家の知られざる素顔を交えながら、その挑むような生き方、苦悩そして想い出をゆるやかに綴る貴重なエッセイ集。(カバー折り返しより)
中島梓さんの夫である今岡さんが、中島さんとの思い出や亡くなる前後のことを回想しながら、妻の葛藤を紐解く。
なんというか、こういう夫婦の形もあるんだなあという感じだった。伝説的作家がどんな苦悩と葛藤と痛みを抱えて生きてきたのかっていう壮絶さを感じて、それを間近で見ていた人はこうならざるをえなかったのかもしれない、みたいな。心をすり減らして生きるってこういう人のことを言うのかもしれない。