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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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男と女の台所
朝日新聞デジタルの連載を書籍化したもの。19の家庭の台所と暮らしている人を取材したのをまとめ、それぞれの暮らしや家族、家庭を見つめる。

とても面白かった。その家庭で作られるもの、食べる人たちの関係性。家族ができることと終わっていくこと。そうしたものが台所という風景を通して浮かび上がってくる。
人の暮らしぶりって本当にそれぞれで、ここに登場する人たちそれぞれが、自分の暮らしがあって他人の暮らしがある、そしてそれはそれぞれ違うものなのだということをわかっている感じがいい。読んでいて静かな気持ちになって、なんだかほっとした。
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壊滅騎士団と捕らわれの乙女4 (一迅社文庫アイリス)
黒十字騎士団団長ヴィンセント王子と婚約した田舎貴族の娘フィーリア。彼のために王宮内で花嫁修業をしていたある日、国王に「結婚を認めた覚えはない。認めて欲しければ皇太后に結婚許可をもらって来い」と突然言われてしまって——。意気込んで受けて立ったのは私だけど、結婚を認めてもらうための課題が暗殺なんておかしすぎるでしょう! それにヴィンセントの様子もちょっと変じゃない!?
婚約期間は試練の連続? 一途すぎる王子の大迷惑な溺愛ラブコメディ第4弾!(裏表紙より)

花嫁修行中のフィーリアは国王に「皇太后に認められれば結婚を許してやらんこともない」と言われて、皇太后に会いに行く。あのヴィンセントの祖母、あの国王の母なのだから、とんでもない人物だと覚悟していったら、想像通りの人でした……というコメディ成分強目のラブコメです。相変わらず変な方向に振り切れている人たちばかりでお腹痛い。
新キャラが登場して、三角関係か……と思ったけれど、ヴィンセントがちゃんとフィーリアを大切にすれば騒ぎが起こらないと思うので、ヴィンセントは本当にしっかり言葉を尽くしてフィーリアを捕まえておけよな……今後を見守りたいと思います。
F‐エフ‐ 黎明の乙女と終焉の騎士 (角川ビーンズ文庫)
春休みに突如異世界に召喚された、三島響。〈フォーチュン〉と名乗る存在は、響を後継者候補に選んだと言い放ち、荒廃した世界エヴリールへとばす。神々の加護を受けた響は、そこで騎士・リュイを助ける。彼は、幽鬼が跋扈する世界で、ただ一人の生き残りだった。「あなたを必ず守る。俺は変わらぬ忠誠を捧げよう」運命に選ばれし、世界を救う二人——孤高の異世界トリップ・ファンタジー! 大人気WEBサイト公開作、書籍化!!(裏表紙より)

人々がレイムと呼ばれる幽鬼と化した終焉の世界で、神々の祝福を受けた少女が出会った騎士とともに世界を救うファンタジー、でいいのかな。糸森さんらしいヒロインとヒーローのちょっと歪にも思える執着の関係性ですが、世界にたった一人かもしれないという孤独の中で人と出会ったら、その人と一緒にいたいと思ってしまうよなあ。
もふもふ要素のエルがたいへんいい子ですね。
ここから物語は始まるよ! という導入で物語は大きく動かず終わってしまった。響は世界を救えるのかなあ。
これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 2 (集英社オレンジ文庫)
経理部の森若沙名子、27歳。多くの領収書を処理する沙名子には、社内の色々な人間関係が見えてくる。周囲に与えた分以上のことは期待せず、されず、精神的にも経済的にもイーブンでいることを大切にする沙名子は、他人の面倒ごとにはかかわりたくないのだけど、時には巻き込まれることも。ブランド服、コーヒーメーカー、長期出張……それは本当に必要なものですか?
使える経費の多い社員は、たまに足を踏み外しかける。(裏表紙より)

お金の流れから人の動きが見えてくる。森若さんの立ち位置や生活、仕事ぶり、そこから見える人間関係がすごく癖になって、続きがすごく読みたくなるんですよね。どの人間もみんな「ちょっとずるをしよう」という邪な心があって、すごくリアルに感じられて。こういう人、普通にいるんですよねえ。
太陽くんがだいぶと安らぎになっているようで、ちょっと嬉しかったり。誰に対しても適切な距離と自分の生活を脅かされない範囲で付き合うのは、心地よくていいと思うんですけれども、太陽くんのように森若さんはこういう人だってわかってちゃんと森若さんの心地いいやり方で付き合ってくれるの、すごくいい人だと思うんです。得難い人だわー。
さいごの色街 飛田 (新潮文庫)
「おにいちゃん、遊んでいってや」客引きのおばちゃんの手招きで、男が一人、また一人と店に上がる。大阪に今なお存在する「色街」飛田。経営者、働く女たち、客、警察、ヤクザらの生の声に耳を傾け、「中」へと入り込んだ著者が見たものは、人間の性むき出しの街で懸命に生きる人々の姿だった。十二年にわたる取材により、一筋縄ではいかないこの街を活写したルポルタージュの傑作。(裏表紙より)

こういう世界があるということを一つの形にした本だなあと思いました。
善悪とか有無とかいう判断の前に、飛田という場所があってそこに独特の価値観を抱いて生きる人たちがいる。求める人がいるから存在する場所なんだろうけれど、まったく別の世界の出来事のようでもあり、少し怖い。
うーん、感想を書くのが難しい。これが世に出た(世に残る)ことはきっと意味があるのだろうし、多分そういう世界があることを知っておかなくちゃいけないと思うけれど、触れるな、知るな、立ち入るなという場所があることが、心にしこりとなって残る。
遙かなる虹の大地―架橋技師伝 (C・NOVELSファンタジア)
架橋技師(ポンティフェックス)——〈歌〉で彼方と此方を繋ぐ者——は、いくさの最前線に立ち、自軍を敵地に誘導する橋を架ける。伝説の六色技師だった師に憧れ、人々を幸せにするため架橋技師になったフレイ。だが戦場で「白い悪魔」と罵られ、架橋の技は不幸をも招くという現実に打ちのめされる。心の整理もつかないままに相棒のアリューシャ、守護騎士レオと次なる戦地に赴くが……。
第5回C★NOVELS大賞受賞作(裏表紙より)

橋が持つ役割が詰まっているファンタジー。ここから物語が始まるという感じの顔見せやプロローグ的な一冊でした。
あわいのもの、とか、別の世界のもの、を呼び寄せるのが架橋技師という設定がすごくロマンで! フレイやエーレンフリート、アウグストやドレーゼも、考えの違う者同士を繋ぐ橋がかかってるよなあとか、本当にとことん「橋」が鍵になっている。
フレイとレオの関係がなんだかすごくいい。お互いに無理をしていない感じで、相棒なんだけれど負い目がないというか。信頼しきっているので敵に囚われていても安心感があってなんだか嬉しかったです。
([お]4-4)ゼラニウムの庭 (ポプラ文庫)
おそらく、信じてはもらえまい。でもたしかに彼女はそこにいる——文筆家を目指するみ子は、祖母から一族の秘密を聞かされ、それを書き記すように告げられる。秘密とは、一人の女性のことだった。嘉栄という名のその人は、世間からひた隠しに隠されていた。(裏表紙より)

祖母・豊世から、家族から隠された女性・嘉栄の話を聞いたるみ子。祖母と双子として生まれてきたはずの嘉栄は、しかし緩やかにしか歳をとらない不思議な体質だった。表沙汰にはできないと隠されて育てられ、ある時には外国に、ある時には家の蔵に閉じ込められた嘉栄は、豊世、その娘・静子、そしてるみ子に大小の影響を及ぼしている……という不思議なお話。るみ子が聞き取った話も交えて自分語りのようにして進行していきます。
ほぼ何も起こらないんですが、嘉栄の不気味さ、侵し難い何かがぐうっと迫るようでした。この一族の磁場でありながら、埒外のところにある存在で、どうしても理解できないし需要もできないけれど、確かに血が繋がっているのだ、という……。
掴み所はなかったのですが、なんだか最後の最後にぞくっとしてしまった。
約束 (角川文庫)
親友を突然うしなった男の子、リストラに晒され、息子に侮蔑されながらも日常に踏みとどまり続ける父、不登校を続ける少年が出会った廃品回収車の老人、女手一つで仕事を抱えながら育てた息子を襲った思いがけない病——苦しみから立ちあがり、もういちど人生を歩きだす人々の姿を鮮やかに切り取った短篇集。たくさん泣いたあとは、あなたの心にも、明日を生きるちいさな勇気が戻っているはず。
解説:北上次郎(裏表紙より)

事件、事故、病気、離婚などなど、何かの理由で立ち止まっている人たちが、再び歩き出す話を集めた短編集。その人たちの身に起こったことは本当に、日常的に誰にでも起こりうることばかりで、当たり前のことが書いてあるんだけれどきちんと書くというのは大事だよなと思わされる作品集です。
短編なのでみんなちゃんとある程度救われるし、その先のことを読みたいと思わせるものも多いですが、人生って人それぞれで、ドラマティックなんだと思いました。
美丘 (角川文庫)
美丘、きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた……平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブ・ストーリー。(裏表紙より)

強烈な女の子、それが美丘。短い輝きを残していなくなってしまった彼女、というラブストーリー。
刹那的で切なくて、燃えるように熱い。人との関係って時間じゃないよなと感じさせる、濃厚な一年間。太一も美丘も幼かったけれど、いましかないと思って生きるのは多分この年齢の特権だと思うんですよね。大人になると磨耗してしまう心の、まだ柔らかで鋭い部分で、友人や恋人との関係を味わっていた気がする。
とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫)
サイオン島には「魔犬」がいる——。ヴィクトリア海海戦より半年後、帝政天ツ上軍の撃墜王・千々石は、神聖レヴァーム皇国軍の飛空士たちにそう呼ばれ恐れられていた。しかし、物量に劣る天ツ上の兵士たちは、レヴァーム軍の果てしない攻撃を前に次々と命を散らしてゆく。そして、ついに東進を開始したバルドー機動艦隊。迎え撃つべく、空母「雲鶴」に再び乗り込んだ千々石を待ち構えていたのは、最新鋭科学兵器に守られた海の要塞と、あの男の技だった……! 魔犬と海猫——ふたりの天才は決着を求め、天空を翔る! 「夜想曲」完結!!(裏表紙より)

国家の思惑で美姫とともに海を渡る青年がいて、仲間たちとともに飛空士となって戦い大事なものを見つけた少年がいて。けれど戦争をしているという現実の中には、千々石のようにひたすらに戦う人がいて。
戻れないところへ、空へ空へ空へ、ひたすらに空に愛されることを願うようにして戦った千々石が、もっと別の形で救われたらよかったのにと思わずにはいられなかった。
いい話って簡単に言っちゃいけないと思うんですけれど、きっとこのお話はどこかで起こりうるものなんだろうな、というのを感じました。
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Author:月子
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