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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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黒猫菓子店初恋日和 (ルルル文庫)
元婚約者にだまされ仕事も家も失った菓子職人のマリエル。助けてくれたのは謎めく青年ジルだった。家事をひきうける条件で小屋暮らしのジルと同居生活を始めたマリエルだが、女嫌いなジルはぶっきらぼうで素っ気ない態度ばかり。ある日、菓子職人復帰のチャンスを掴むため、「若き経済王」と呼ばれる青年実業家の屋敷へ向かうことになったマリエル。ところが彼は、なぜかジルにそっくり!! しかも甘い言葉で接近してきて!? 極上スイーツ・ロマンス!(裏表紙より)

男に騙され何もかも奪われてしまったお人好しの菓子職人の少女と、人間不信と女性嫌いをこじらせた実業家の、べたべたロマンス。あまーい! と叫びました。
実業家のジルベールは、人間嫌いの挙句、隠遁者のジルとして粗末な小屋で暮らしている。孤児の双子を養育しているそこへ、マリエルを助けたことによって疑似家族的に暮らし始めた。このジル=ジルベールの、いつ気付く、どこで気付く? というもだもだが!
マリエルは抜けているようにみえて自分の気持ちをはっきりわかっている子なので、ジルベールにふらつくことなくジルが好きだと思っているところが、非常に好感度高かったなあ。
ちょこちょこ登場する双子の、全部わかってる言動にまたにやにやさせられて、楽しい作品でした。
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これは経費で落ちません!  ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)
森若沙名子、27歳、彼氏なし。入社以来、経理一筋。きっちりとした労働と、適正な給料。過剰なものも足りないものもない、完璧な生活をおくっている、はずだった。最近、そんな気配のなかった同期に恋人ができて、少し迷いが生じている。ある日、営業部のエース・山田太陽が持ちこんだ領収書には「4800円、たこ焼き代」。経理からは社内の人間模様が見えてくる?
だいたいの社員は、入社するとすこしずつずるくなる。(裏表紙より)

「これは経費で落ちません」とざくざく切って捨てる話かと思いきや、意外と経費として計上していた。しかしその裏には人間の小狡い思惑や、小額の横領なんかがある。お金の流れを握る人は影の実力者になるよなあ、というのをしみじみ感じる話でした。
沙名子の性格や暮らしぶりが、ああーわかるーと思う。私はまったく正反対な性格だと思うんですが、数字が合わないと気持ち悪い(そして多いとさらに気持ち悪い)とか、職場においては適切な距離を保ちたいとかプライベートは喋りたくないとか、こまごました「社会人としての立ち位置」がすごーくよくわかるんですよね……。しかしそういう世界で淡々と生きる沙名子は本当に強いなあ。私には無理。数字もお金も触るの怖い。
ちらっと出てくる鏡美月さんが主人公のお話が先行してあるのかな? 会社の偉い人とお付き合いしているようなので、そちらのお話もすごく気になる。
会社における人間のずるさや、男女問わずちょっと変だと感じる性格の描き方などがリアルで、胸が痛かったですがとても面白かったです。
大泉エッセイ 僕が綴った16年 (角川文庫)
大泉洋が大学在学中の1997年から雑誌連載で綴ってきた幻の原稿108編と、40歳になった自身を振り返りつつ執筆した4編を一挙収録した大人気エッセイ集。文庫版では「家族」をテーマに大量書き下ろし、装画を手掛けたあだち充との対談も追加収録。「水曜どうでしょう」裏話や「大泉洋の在り方」についての独白など、「大泉洋が喋っているよう」と評された“饒舌なエッセイ”は爆笑必至、そして胸が熱くなる大泉ワールド全開の一冊。(裏表紙より)

だらだら喋ってる感じが実に大泉さんっぽいエッセイ。
やっぱりNACSについて書かれているものが一番好きだ。「最高の誕生日プレゼント」はその光景が浮かぶようで笑ってしまったし、「TEAM NACSの奇跡」はいいなあと思いました。真剣に取り組んで、かつお互いがライバルだからこそ、ぎすぎすしちゃったり、けどふっと軽くなったりする状況、なんだかわかる。
親バカな大泉さんも大変微笑ましかったです。
神様の御用人 (メディアワークス文庫)
神様にだって願いはある!
だから御用人は今日も行く!
 神様たちの御用を聞いて回る人間——“御用人”。ある日突然、狐神からその役目を命じられたフリーターの良彦は、古事記やら民話やらに登場する神々に振り回されることになり…!?
 特殊能力もない、不思議な力を放つ道具も持ってない、ごく普通の“人間”が、秘めたる願いを持った神様たちにできること。それは果たして、助っ人なのかパシリなのか。モフモフの狐神・黄金とともに、良彦の神様クエストが今幕を開ける!(裏表紙より)

神様ものの走りだったのかなあなどと発行日(2013年12月)を見ながら思う。
神様の願いを聞き届ける御用人になった、良彦。社会人になって膝を壊したことで会社に居辛くなり、辞職して現在はバイト生活。元御用人だったという祖父の伝手で選ばれることになってしまった良彦が、自分を探しながら神様と触れ合うお話。
良彦がごく普通の若者だというのがいいなあと思います。みんなが迷うことを迷っていつかきっと自分らしい答えが出せるんじゃないかな、なんて見守る気持ちで読んでました。
神様でも現代の人間社会に興味があるんだなあと微笑ましいシーンやエピソードがたくさんあって、特にネトゲをやる一言主神はちょっと笑ってしまった。そしてあの神様らしい雄々しいシーンなんですから、うまいなあ。
死にかけ花嫁と革命の鐘 (コバルト文庫)
ブルグ帝国の暴君皇帝に政略結婚で迎えられた王女ヘルミナ。生まれつき身体が弱く、長く起きれば熱を出し、緊張が高じると血を吐いて倒れるという病弱っぷりで、世話係の侯爵カエサルは日々振り回されることに。だが、実は病弱を逆手に医学や政治の知識を蓄えていたヘルミナ。国民が皇帝に不満を持つのを見抜き、カエサルに革命の同志になるよう密約を申し出て…。激動のヒストリカルラブ!
何かを為すまで、絶対に生き残ってやる。(裏表紙より)

古王国の王女ヘルミナはとある悔しさを覚えた日から、何かを為すまで生きると決め、自身の病弱体質を使って薬の研究を行ったり、様々な書物や研究者からあらゆることを学んで知識を蓄えた、思いの外したたかでしぶとい姫君として成長した。そんなヘルミナに、独裁を行う帝国の皇帝から婚姻の打診が……。
「次は死ぬかもしれない」という感じで、ちょっと移動すれば熱を出したりなんだりして死にかけるヘルミナ。戦ったことはないけれど何度も死の間際までいったことがある、と発言するだけあって非常に芯の強い姫君で、賢いヒロインでとても素敵です。
そんな彼女のお目付役兼世話係になったオルトランド侯爵カエサルは、彼女の奇行ぶりと聡明さに惹かれていくんですが、こんな女の子が目の前にいたら気になって仕方ないだろうなあと彼の気持ちになってしまった笑
ヘルミナはもしかしたら長生きできないのかもしれないけれど……二人でいい国を作っていってほしいな。
誘拐結婚 (ソーニャ文庫)
初恋の幼馴染み・ノランにひどい言葉で傷つけられて以来、人間不信になっていたシンシア。それから5年、憎むことも忘れることもできなかった恋は、シンシアをずっと苛んでいた。一方、ノランは軍部で功績をあげ、社交界の寵児となっていた。彼はシンシアと再会するやいなや、過去のことなど忘れた様子で独占欲を露にし、他の男を牽制する。さらには、半ば強引に彼女を連れ去り、無垢な身体に快楽を刻みこむと、結婚まで強要してきて……!?(裏表紙より)

すごく歪んだ愛情を持つヒーローによる、誘拐と軟禁結婚。ヒロインを自分のものにしたいからと周到に準備し、ヒロインの心に傷までつけて、彼女をものにする。いやあ歪んでるなあ! ここまで突き抜けるとすごい。
愛情をたっぷり受けたヒロイン、シンシアは甘やかされた結果、傲慢でわがままな太った女の子になっていて、ノランの一言をきっかけに深く傷つき、五年かけて美しくなったのはお見事。しかし傷ついたせいで卑屈な性格になっているというのはとてもリアルだなあ。
しかし最後に人死にが出たのにはびっくりしました。撃たれた瞬間に「ええええぇええ」って言っちゃった。家族のことを思うとなんともやるせないんですが、向こうも武器を持ってきたし仕方ないよね……。
機械じかけの竜と偽りの王子 (電撃文庫)
 奴隷のイアンは、戦場から逃げる際に、目の前に現れた“リュクサリア王家の正統な血を引く者にしか動かせない”はずの機巧鎧エリュシオンに乗り込み、そのまま操縦することに成功する。その“偶然”が、王を失い首都まで奪われたリュクサリア王国の貴族ヴィクトの目にとまり、イアンの運命は大きく動き始めた。
 一方、リュクサリア王国の王女フランシスカはイアンを腹違いの兄と信じ込み……。
 機械じかけの巨大兵士——機巧鎧が斬り合う戦闘。出生の秘密。決戦機と呼ばれる謎の存在——すべてを詰め込んで物語の幕が今、開く!(カバーより)

戦闘奴隷だったイアンが、王家の正統な血を引く者にしか動かせないロボット兵器に乗り込み、裏切りや戦争で混迷する王国を救い、世界の歴史に大きく記される物語……でいいのかな?
もうあからさまに怪しいヴィクトとか、いつか味方になってくれそうなマンフレートとメイとか、こいつ実は◯◯なんじゃないかっていうメイドのミリアムとか、いろいろ散りばめられていて、まだまだ始まりという感じで、実はものすごく壮大な戦記だというのが匂わされています。ここからどうなるんだろうなあ。
ウチの王子が可憐すぎる! (角川ビーンズ文庫)
確かに俺はレイにできるところをみせて、男として意識して欲しい。——でも、その手段が女装ってなんか間違ってないか!?
立太子の試練で、切れ者と名高い南国の王から真珠の外交権ゲットを目指す、ハウゼンランドのアドルバード王子。女好きな王の攻略のためとった手段は——絶世の美少女と名高い双子の妹姫・リノルのフリをすること!? 密かに想いを寄せる男装騎士・レイをお供に、アドルのミッションは成功する……のか!?(裏表紙より)

女装王子と男装騎士、策士美姫の妹に、敵対する話の通じない腹黒従兄弟たち。
そんな中で、王子と騎士と妹姫が南の国で立ち回るお話。
表紙だけ見るとBLかもしれませんが、きちんとヒーローとヒロインがいるよ!笑
女装王子だから猪突猛進あるいはちょっと軟弱なのかと思いきや、大変男前かつ王子としてのスキルはきちんと持っているアドル王子。しかしチビなのがとてもいいです。15歳、まだまだ伸びしろがあってとてもいい! 将来有望!
お互い相思相愛だけれど立場を理解して適切な距離を保っている、騎士のレイ。二歳年上の17歳。彼女の冷静沈着さと、揺れるけれど芯を持っているところがとても素敵。過去話や彼女の視点のときに、ああ本当に好きなんだなあというのが感じられてじんわりしました。
暗躍していた従兄弟たちのことが残っているし、続き読みたいなあ! アドルの活躍がもっと見たいなあと思った、楽しい作品でした。
壊滅騎士団と捕らわれの乙女3 (一迅社文庫アイリス)
黒十字騎士団団長ヴィンセント王子の屋敷に滞在中の田舎貴族の娘フィーリア。彼女がある朝起きると、そこはふかふかのベッドの上ではなく、走る馬車の中だった!? しかも、なぜかヴィンセントと「駆け落ち」していることになっていて——。私、ヴィンセントの恋人でもないし、まだ愛の告白もされてないのに、どうしてこんなことになってるの!?
愛の逃避行で2人の仲は急展開? 一途すぎる王子の大迷惑な溺愛ラブコメディ第3弾!(裏表紙より)

雑草根性という表現がぴったりくる強くたくましいフィーリアと、悪魔と恐れられるヴィンセント王子のラブコメの第三巻。あー笑った笑った。フィーリアが本当にいいキャラしてるなあ!
駆け落ちついでにフィーリアの故郷プロージャに帰省。でもその目的は……というものなんですが、告白していないけれどお互いに好きだし大事なんだなあというのが伝わってきて微笑ましかったです。それだけに早く素直になれよヴィンセント! ともだもだしました。ちゃんと言ってあげたら、フィーリアも笑ってくれるのに、わかってないなあ。
「上から狙って頭をバン」のくだりは緊迫しているのに笑えてしょうがなかった。そりゃ必死にもなるわ!
婚約もしたけれど結婚までいろいろありそうだなあ。
何者 (新潮文庫)
〈就活〉と〈SNS〉に"本当のこと"はあるのか?
就職活動を目前に控えた拓人は、光太郎、瑞月、理香、隆良と頻繁に集まるようになる。だが、SNSや面接で交わす言葉の奥の本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。
ラスト30ページ、物語があなたに襲いかかる——。
直木賞受賞作!(カバーより)

心臓が鷲掴みにされたみたいになって、気が遠くなりそうだった。現役就活生だったら多分心臓が止まってたと思います。身につまされて痛くて痛くてしょうがなかった……。
キーワードは「就活」「SNS」。ツイッターでアカウントを持っているといえば、わかりますね? という感じで、途中でカバーにあった内容紹介を読んでどんなどんでん返しをされるかと思ったら、ひって言っちゃった。
拓人の視点もわかるし、他のメンバーの気持ちもわかるんですよ。こういうことだろうな、こういうこと思ってるんだろうなって。人のアカウントや発言にもやっとした気持ちを抱くことも。何度読み返しても心が痛い……吐きそうになる……。
「何者にもなれない私たち」という言葉や、「何者かになりたい私」という言葉がぐるぐると浮かんで、すごい読書体験でした。面白かった……と言っていいのかはわからないけれど、刺さりました。
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Author:月子
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