忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[25]  [26]  [27]  [28]  [29]  [30]  [31]  [32]  [33]  [34]  [35
小説の神様 (講談社タイガ)
 僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!(裏表紙より)

すべての台詞がぐさぐさ胸を突き刺す。一也と詩凪の語ることは、相反しているけれどどちらも正しくて、結局は「自分は何を信じて書くか」ということしかないんだろうなあ。
この作品の願いはきっと、作家はみんな、作品を愛してくれる人のために書いてほしいということなんだろう。悪評や言いがかりに負けず、それでもあなたの書く物語が好きだと言ってくれる人の存在がどれだけ尊いかということを伝えたいってことなんだ。
言葉の強さというのも感じました。作中ではある二人が、他者からの言葉で語るための言葉を失うんですが、小説に力なんてないかもしれないけれど言葉はあっさりと胸をえぐるんですよね。シンプルだからこそ、そしてそれをまっすぐに受け止めてしまうからこそ再起不能に近いところまで陥ってしまう。
すごく考えさせられる作品だったのですが、祈りと願いと希望に満ちていて、頑張ろうと思えました。
PR
とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)
イスラとの休戦交渉の座に就いた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。イグナシオの取りなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、想いの丈を彼女にぶつける。「このまま逃げよう、クレア。ふたりで。空の果てまで——」かつての力を取り戻し、愛すべき人を救った風呼びの少女。革命によりすべてを失い、追放劇の果てにかけがえのない生を得た元皇子。ふたりの選ぶ道、未来は……。そしてイスラは「空の果て」にたどり着く。すべての謎が解き明かされる! 超弩級スカイ・オペラ「恋歌」、感動のフィナーレ!!(裏表紙より)

拍手! という冒険の終わりと新しい旅立ちの最終巻でした。シリーズの続きが読みたくなるなあ!
深く傷つき人間として未熟だった少年が、一人の飛空士として愛した人のために旅立つというのに涙が。ロマンだ……。立派になった表紙のカルエルがまたいいなあ。
イグナシオがだいぶといいやつなので、クレアを大事に守ってくれているんじゃないかと思うとにやにやします。
「歌えない恋の歌もある」というのが切なくて。カルエルもちゃんとアリエルのことを大事だと認識していて、かけがえのない人だと思ってくれているからこそ、恋愛にはならないというのが切ないし、納得できました。彼女の将来が描かれたということはカルエルの冒険に彼女は関わらないということなのだとしたらすごく寂しい。アリーがいてくれたからこそいろんなものが救われた気がするので。
ひとまず恋歌が終わったことに拍手! 胸がいっぱいになる空の物語でした。
とある飛空士への恋歌 4 (ガガガ文庫)
「大好きだから……さよなら」級友の死に苛まれていたカルエルとクレアは、想い出の湖畔で思いがけず再会する。お互いの気持ちを確かめるため、正体を明かしたカルエルだったが、クレアには別れを告げられてしまう——。一方「空の一族」との戦いで多くの仲間を失い、疲弊した飛空科生徒たちは、悩みと苦しみを抱えたまま、再び決戦の空へ向かうこととなる。仲間の思いを受け継ぎ、潰滅の危機に瀕している大好きなイスラを、大切なひとを守るために……。超弩級スカイ・オペラ「飛空士」シリーズ、驚天動地のクライマックスに突入!!(裏表紙より)

戦いに参加して仲間を失ったことで、自分たちの道を見つめ直すことになった飛空科の生徒たち。大事な人の死と向き合いながら、自分にできることを考える。戦いはますます激しさを増し、ついに撃墜されるかと思われたその時。
ああ、もう感動だ。ぶわっとなる。これだから空モノは!! ロマンに溢れてて泣いてしまった。
これまで影が薄かったイグナシオの素性も明らかになり、カルエルも覚悟を決め、クレアは風とともに恋の歌を歌う。そして現れるレヴァームの戦艦。ぞくぞくしました。
空戦の迫力もすごくて夢中で読みました。頭の中で飛行機がぐるぐる飛んでいる。
とある飛空士への恋歌3 (ガガガ文庫)
8月の強烈な日射しのもと、過酷な陸戦訓練を続けるカルエルたち。戦闘への不安と焦燥が募る中、それは若き飛空士たちの間に恋愛をも育んでゆく。そして、イスラはついに噴き上がる海「聖泉」へ到達する。これより先は「空の一族」が支配するといわれる未知の空域。カルエルたちは、イスラ後方への索敵飛行を余儀なくされるが——。「いつまでもみんなと一緒に空を飛びたい」ただそれだけを願った少年少女たちが飛ぶ空は、美しいだけでなく残酷で……。王道スカイ・オペラ「飛空士」シリーズ、驚愕と慟哭の最新刊!!(裏表紙より)

夏の訓練(=水着でわいわい)から一転、本格的な戦闘に入ったカルエルたち。後方部隊に回されるも敵と接触、そして仲間たちが次々に……。慟哭です。うああああって叫ぶ。丁寧にフラグを立てた後にいなくなるのが辛くてたまらない……。
これがただの冒険ではなく、命を賭したものであるとわかったところで次回。ファナの名前が出るとぞくぞくしますね。
とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)
――なんて自由なんだろう。クレアの胸は喜びに満ちあふれていた。青空の下、ひとりで自転車をこぎ、カドケス高等学校飛空科の入学式へ向かう。たったそれだけのことがたまらなくうれしい。そして今日は「彼」に逢える……。空の果てを目指し旅立った空飛ぶ島イスラで、カルエルたちの新生活がはじまった。各国から選抜された個性的なクラスメイトたちと、彼らとの和気藹々な寮生活。そして飛空訓練。意を決し、クレアにペアを申し出たカルエルだったが――。
希望と不安の狭間でゆれるふたつの鼓動。回り出す運命の歯車。待望の続刊!(裏表紙より)

主人公カルエルの性格がきつすぎて1巻で読むのを中断していたんですが、アニメの何話かを見てだいぶと印象を変え、読んでみようかと積んであった2巻を手に取る。それでも何年経ってるんだよ! という話なんですが。
学校生活と、カルエルとニナの交流がメインで、さほど大きな事件は起こらないのですが、ひたひたとせまる、お互いの正体がばれたらどうするんだろうというのがどきどきで切ない。本当にふたりとも楽しそうなんだもんなあ。
ここで「追憶」に関わる「神聖レヴァーム帝国」の名前が浮上。どういう風に関わってくるのか楽しみです。
(P[お]3-1)乙女の花束 (ポプラ文庫ピュアフル)
古都・鎌倉にある、選ばれた者だけが通えるといわれる全寮制「桜の宮女学院」に、なぜか入学することになった風子。時間が止まったままのような、レトロで不思議な空気が漂う世界で、浮世離れした級友たちと過ごす甘美な12ヶ月——。
そして次々とふりかかる試練を乗り越えながら、風子に隠された出生の秘密と入学の理由が明かされていく。その謎を解く鍵は、「秘密の花園」で出会った上級生・凪子が握っていた!?(裏表紙より)

みんな幸せでハッピーエンド! な乙女たちの物語。やんごとなき身分の人々やご令嬢がたが通う女学院に入学したのは、陶芸家の祖父に育てられた庶民生まれの風子。けれど風子は持ち前の素直さと明るい性格で、学校に爽やかな風を吹き込む。
主人公がここまで持ち上げられると気持ちいい笑 展開の分かりやすさと、こういう女の子のくすぐったいくらいまでの幸せな話は、子どもの頃に読んでいたらきゅんきゅんしていただろうなあと思う。
調べてみたら続きがあるのか! 上級生になった風子たちが見てみたいなあ。
調幻の氷翠師 (富士見L文庫)
 西大陸ケナージュローゼには、男性が女性に愛を捧げる証として、女性の爪に青入れ師が装飾を施すリーフィンという風習がある。
 だが21歳になる青入れ師シェネラの爪には、ひとつもリーフィンがない。理由は、彼女の下に不定期に転がり込んでくる「顔だけが取り柄のぐうたら亭主」——ルネ。
 周囲は、彼と早く別れるようシェネラに忠告するのだが、二人には誰にも明かすことが出来ない秘密があった……。
 未来も今も、過去さえも変えてしまう異能・調幻の力が導く本格ファンタジー、開幕!(裏表紙より)

すごくざっくりいうと、ファンタジックな刺青とネイルという特殊技能を持つ主人公のお話。この「氷翠」と「青入れ」や、あざを尊ぶ習慣、愛を奉じる儀式などすごくファンタジックで作り込まれているなあと思いました。設定が作り込まれている分、理解するのが追いつかなくて最終的な種明かしに「ちょっと待って」と前のページに戻ってしまったんですが、本格で面白い。
謎の男ルネの正体は想像がつくんですがどこで明かされるんだと思いながら、しかしヒロインの後ろから彼女を抱えつつ立つというシチュエーションにもえてました。もうちょっと彼が活躍してもよかったのではという気もします。このままだとあまりに変人すぎる……笑
主人公の恋模様については「私たちって付き合ってるよね?」という以前に「私たちってどういう関係?」と考えながら本人に聞けず、ずるずると一緒にいるだめ女の見本のようです。くすっと笑えて楽しかったです。
そして花嫁は恋を知る 想いは砂色の聖地に集う (コバルト文庫)
カラ・ブライ王国の後妻になることが決まっていたブラーナ皇女のリュビア。だが、王の急死により、その息子アレグとの結婚に変更されてしまう。おまけにブラーナ皇帝である兄は面倒な「持参金」を追加していた。紛争の火種となる聖地ハバト峡谷を押しつけられたのだ。ある理由から、夫となるアレグを警戒していたリュビアだったが、結婚する前から彼に頼らざるを得ない状況に陥って……!?(裏表紙より)

嫁恋シリーズ12巻、かな? 時期は1巻と2巻の間くらいだそうです(あとがきより)
ブラーナ帝国の皇女リュビアは、亡くなった姉の夫と結婚することになったが、その夫になるはずの王が急死し、その息子アレグと婚約することになる。またその持参金に、世界二大宗教ルシアン教、シャリフ教の聖地ハバトが加わったことで、リュビアとアレグの結婚はすんなりいかないものになってしまった。
リュビアがまさしく家族という世界で育った品のいい皇女様という感じで、自分の大事なものは家族だという彼女が、アレグと関わることによって少しずつ王族としての自覚を持つのがいいなあ。そのせいでどんどん色気がなくなるのがこのシリーズの醍醐味という感じなんですが、この巻はアレグが結構柔らかい上にリュビアに好意を持ってくれるので、ふたりのやりとりにもにやにやしました。
血翼王亡命譚 (3) ―ガラドの夜明け― (電撃文庫)
 女王メルトラと猫の長官ディナンの策略によって引き起こされた争いは、亡命者の運命を飲み込んでいく。
 偶然にも白三日月の国の要人警護を請け負ったユウファ達。赤燕の国の刺客が彼らを襲い、両国を巡る戦争の火ぶたは突如切って落とされた。積み上がる死体と仲間達の負傷。さらにはイルナが秘血と呼ばれる軍事機密に関わったことで、囚われの身となってしまう。
 イルナを救うため、戦争を止めるため、メルトラとの因縁に決着をつけるため。満身創痍となりながら手に赤き焔の刃を握り、ユウファは己の運命と向かい合う。
 そして赤刀に眠るアルナが目覚める時、二人の切なる想いと共にすべての因果が巡りだす――。(カバー折り返しより)

第三巻にして最終巻。いろんなことが盛り込まれている上に新規の登場人物もいて、これ後二冊か三冊くらいで書くやつじゃ? と思う畳み掛けられ方だったんですが、非常に濃い一冊でした。
アルナを殺そうとしていた女王メルトラ、猫の長官ディナンが目論んだ戦争により、要人警護の任務を受けたことで巻き込まれる形になってしまったユウファたち。新しい登場人物として、白三日月国の王ユルキドや、一巻で軽く触れられていた、同じ護舞官を目指していた同期二人、ガタリとマーナが物語に深く関わってくる。そしてシリーズを通して触れられていた、血翼王アルナリスについての真実が明らかに。
言血という物質を通して感覚を共有する、という世界観ならではの真相で面白いなあと思いました。アルナが剣に宿るのは想像がついたけれど、それがさらに血翼王と関わるなんて思っていなかった。
母と子の物語というよりは、最後は「自由」についてのお話だったなあと思いました。誰かのために生きるんじゃなく、剥き身の自分で世界とぶつかっていく。そうして感じるものをつなげていくための物語。
アルナとユウファが伝え損なった言葉を伝えるシーンが見られて本当によかった。それだけで胸がいっぱいでした。
血翼王亡命譚 (2) ―ナサンゴラの幻翼― (電撃文庫)
 王女と護舞官が失踪した――。そう記された歴史の影で、それでも二人の物語は続いていく。
「翼」と呼ばれる古代遺産を探す猫耳娘のイルナに誘われ、ユウファたちはかつて翼人が繁栄を極めたとされる秘境ナサンゴラへ向かうことに。亡命で全てを失い、言血の記憶が呼び起こす終わりなき悪夢に苛まれながらも、ユウファは様々な出会いを通し、己の宿命を見つめ直す。
 しかし旅の果てに待ち受けていたのは、街全体が湖の底へ沈むという突然の凶報。一行の運命は「親子」を巡る長大な悲劇へと呑み込まれていく。
 そしてその時、ユウファとアルナ、二人を繋ぐ大いなる因果が静かに胎動を始めていた――。(カバー折り返しより)

第二巻。大事な人たちを失ったことを悪夢に見ながら旅を続けるユウファ。イルナの旅に同行する形で、翼人の墓と呼ばれる街ナサンゴラへ。だがその街は毎年必ず水害が起きるという。その予兆が現れ、街に被害をもたらすのはよそ者であるユウファとイルナだと言われて囚われてしまう。
この世界の不思議が詰まった話で、世界観をより深く掘り下げようとしている幻想的な巻でもあったかなあと思います。言血の存在で、他人の記憶や感覚が近いというのが本当に面白いなあ。さらにこの世界では母親は『産む』ということができないようなので、なのに一巻から二巻を通して「母」と「子」のテーマを書いているのはすごく興味深い。
いやそれにしてもどんどんイルナがいい女になっていくというか……一巻では反発する部分が多かったように思うんですが、二巻は心からユウファのことを心配していていい子だなあと。イルナがいてくれてよかった。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
10 2024/11 12
S M T W T F S
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]