読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

15年前、その日から人は死ななくなり、子どもは生まれなくなった——突如として、生も死も無くなった世界で、死にながらも生き続ける者たちに、穏やかに“本当の死”を与えることができる唯一の存在“墓守”。そんな墓守の少女アイは、死に囲まれた日常の中、やさしい光を放つ小さな奇跡であった。終わりゆく世界でアイが経験する出会いと別れ、そして運命——発表後各方面から絶賛された“世界の終わりを守る少女”の感動の物語。(裏表紙より)
神様から捨てられ、人が死ななくなり、新しい命が生まれなくなった世界で、「12歳」の少女アイは、墓守だった母の仕事を受け継ぎ、ある村で、みんなに可愛がられて暮らしていた。しかしある日、来訪者によって、その平穏は終わりを告げる。
なんというか……優しいけれど、かなしい。やわらかいけれど、痛い。終末(週末?)を迎えた世界で、家族を持つということについて考えたり、生死の境目が曖昧になって苦しい気持ちになったり……読み終わったあと、不思議な気持ちになりました。
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ランベールは父王の廃位により、幽閉されること14年! そこへ“三憂士”を名乗る謎の3人組が現れ、「国を救って欲しい」とランを誘拐(彼ら曰く救出)!! 彼らは悪政を敷く女帝・レリアを廃し、ランを王に据えたいという。なぜ“亡き者”として扱われ、王位に興味もない自分を——? 疑問に思うランだが「打倒・女帝」を唱える彼らの思惑には、それぞれの“何か”があるようで——!?(裏表紙より)
三銃士ですね。見事に男ばっかりです。一癖も二癖もあって、普通の人が不在です笑
十四年間幽閉されていたために、世間のことを知らず、のほほんとした性格に育ってしまったランベール王子。救国の騎士の称号「白銀騎士」を持つ伯爵クロード、色のついた眼鏡ををかけた死神のような神父ジストン、無口で無愛想だが心優しい最強騎士アシル。そしてランベールとともに幽閉されていた(ある日牢屋に投げ込まれた)ポメラニアン・フリードリヒというメンバーで、腐敗した王国を救おうというお話。
ランベールがすごくいい子で、全体的に明るいトーンで、前向きに「自分にできることは」と考えてくれるので、すごく読みやすかったです。この子、ポテンシャルめっちゃ高いよなー。面白い王様になるかもしれない。
個人的にアシルがすごく好きだったので、その後が気になりました。とってもすっごく気になりました。

「私には保健室がある」
虐待の家で育った少女が、笑顔を取り戻した──。
貧困や虐待、いじめなどのさまざまな問題を抱えた子どもたちが、最後の拠り所として集まってくる学校の保健室。そのドアの内側で、子どもたちが発する心の悲鳴を聴き取り、彼らの支えとなるべく奮闘する養護教諭たち。「駆け込み寺」「オアシス」と称されてきたその場所で、いま大きな変化が起きていることを誰も知らない……。現代の子どもたちが強いられた困難の本質を探るルポルタージュ。(カバー折り返しより)
非常に興味深く読みました。
しょっぱなから、いまの子どもたちの中には「マスク依存」の子がいる、というそんなの初めて聞いたという話題が出ます。風邪の予防ではなく、ただマスクをする。マスクをもらいに保健室にくる子がいると。そしてそういう子は、自尊感情が低かったり、何か問題を抱えている子が多いらしい。
そうした日常的なことから、保健室登校の話や、虐待のこと、そして学校外にある「保健室」の話などが収録されており、一口に「保健室」というけれども、そこが子どもの避難所や変化の気づきの場でもあることが分かります。保健室を通して、子どもが抱えている問題をみる一冊。

夫の帰りを待ちながら作る〆鰺。風邪で寝込んだときに、友人が届けてくれた菜の花ご飯。元気を出したい人の為に、身体と心がポカポカになる野菜のポタージュ……。大切なお客さまの為ならば、八百屋を6軒はしごすることも厭わない。そんな著者の美味しくて愛おしい、もてなしの毎日。ベストセラー『食堂かたつむり』の著者が綴る日記エッセイ。(裏表紙より)
小川糸さん、実は作品は未読なんですが、このエッセイを読んで、そういう経歴の人なんだ!(結婚とかほかの活動とか)っていうのを思いました。
エッセイは一つ一つが短くて、かわいらしくて優しい言葉で溢れている。何がおいしいとか、誰と会ったとか、季節のこと、日常の小さな話題を小さく書いている。押し付けがましくもえらそうでもない、本当に日記という感じ。読んでてなんだかほっとしました。
RADWINPSの話が出ていて、「君の名は。」のヒットによるいろいろを、喜んでいたりするのかな、と思ったり。

畑仕事をして暮らす没落王女のユーラが命じられた〈流血王〉カエルムとの政略結婚。冷酷と恐れられるカエルムの不機嫌な態度におののくユーラだったが、夫に怯えてちゃ幸せになれない!と、農作業で鍛えたド根性でカエルムを観察することに。彼の強引な態度にはワケがあると気づいたユーラは、彼の極悪イメージを変える「婚前イチャラブ作戦」を開始! するとカエルムは極悪ならぬ極甘な色気を発散しだして…!? 糖度200%ラブロマンス!(裏表紙より)
あっまーーーーーーーーい!! ラブコメでした。ごちそうさまでした!
生母の一族が没落したために、辺境の領地で領民たちと畑仕事をしながら暮らす庶民派王女、ユーラ。ユーラたちを憎む正妃の娘、異母姉ピリスが嫌がったために、姉の結婚相手になるはずだった流血王カエルムとの婚姻を承諾しなければならなくなった。だが、カエルムの本質的な優しさに気付いたユーラが対話を試みたところ、〈流血王〉の態度が染み付いてしまった演技だと聞く。
ユーラが素朴ながらたいへん賢い女の子で、物言いも率直なので「あなたを好きになり始めています」とか、「私だけを見て欲しい」とか言ってしまうんですよ! そしてそれを聞いたカエルムも、自分がユーラを可愛いと思っていること、大事だと思っていると伝えてくれるんです。もーそれが甘くて甘くて甘くて! かわいいなおまえらとっとと幸せになれよ! と思いました。
いちゃらぶを楽しむ話だと思ったので、悪役の異母姉ピリスは、悪の格が低いのですが、わがままを言うなら、もうちょっとこてんぱんにやってほしかったかもなーと思いました。あと他の家族も成敗して欲しかったですね。あんまりにも、故国にいたユーラが不憫でならないので……その分、嫁ぎ先ではたいへん幸せになるんでしょうけれども!