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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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光源氏の一生 (講談社現代新書)
わたしの源氏物語——長くて複雑な源氏物語の内容を、大胆にカットしてみました。そして「光源氏の一生」という筋道に、源氏物語の内容を再編成してみました。それが本書です。あるいは、源氏物語の内容から、もっともよく書けている部分を、自由に抜き出して並べ変えてみた、ともいえるでしょう。こういう仕事は、それをする人によって、ずいぶん違った形にまとめられてくると思いますが、わたしとしては、まずこれだけの話は、ぜひ知っておいていただきたいと思った部分を、書きとめました。この本が縁となり、手引きとなって、現代訳によってなりとも、源氏物語の全体を読んでくだされば、たいへん結構です。——本書より(カバー折り返しより)

荻原規子さんの『紫の結び』を読む前に読んでおこうと思って買ってあった本なんですが、これを読むより先に『紫の結び』を読み終わってしまったというね!
『源氏物語』の中でも、光源氏の一生を抜粋したもの。なので、子ども世代の話はカットされています。前述の『紫の結び』を読んであったのも踏まえると、すごく読みやすくてわかりやすい編集でした。ただ、どこが本文で、どこが解説なのかわかりづらいんですけれども……。
『源氏物語』もまた物語というだけあって、ちゃんと対立構造があるのだということもよくわかったし、光源氏はいわゆる神様で、だから神様の死は描かないんだという解説も面白かった。
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おこぼれ姫と円卓の騎士 (ビーズログ文庫)
ソルヴェール国の第一王女・レティーツィアは、将来自分が“女王になる”ことを知っていた——。結果、優秀な兄たちの“おこぼれ”で王位が転がり込んできたレティは、王の専属騎士団を作るべく、漢の中の男と評判の騎士・デュークを強引に勧誘。けれど彼は「『おこぼれ姫』の愛人と呼ばれるのは願い下げ」と一刀両断!! ますます彼がほしくなったレティは……!? 第13回えんため大賞優秀賞作!!(裏表紙より)

面白いよーとおすすめされて読みました。面白かったー! めちゃめちゃキャラが楽しい!
兄王子たちの後継争いを憂慮した父王によって、次期国王の位が転がり込んできたレティ。だが、彼女は自分が王になることを知っていた。「知っていたって、どういうことだ!?」というところに掴まれた人は多分すごく楽しい。この『王の間』のシーン、めちゃめちゃ好きだわー。そのネタ、私大好きです。
レティは自分が美しいということも、長所も短所も理解した上での言動をするので、ちょっぴり傲慢ですが、自信に裏打ちされたその振る舞いにところどころ見え隠れする、若いところ青いところが可愛いです。振り回されるデュークは、そうかと思いきや人たらしの才能が見え隠れしているような……。それから、兄王子たちは跡目争いをしていたわりに、やっぱり賢い人たちなので自分たちの距離について正確に把握した上での、距離を取っている感じがすっごくよかった。三兄妹、なかよししてほしいなー。
すっごく面白かったので、続き読もう。
死神姫の再婚 -始まりの乙女と終わりの教師- (ビーズログ文庫)
春の日差しが降り注ぐ王宮の中庭では、華やかな式典が催されていた。「宰相による国王暗殺」という衝撃的な事実が発表されると共に、ゼオルディス王子の即位が決定したのだ。戴冠式と結婚式が同時に行われ、王宮に滞在中だったライセン一家も参列することに。興味津々のアリシアと苦々しい表情のカシュヴァーンだったが、そこに現れた予期せぬ人物の宣言により、事態は一変する——!! 緊迫した状況の中、死神姫と暴君夫、ついに念願の夜……!? 夫婦の「愛」が何よりも強い! 大注目の第10弾!!(裏表紙より)

おめでとうございました!!
と思いながら読み終えて、はて私は前の巻を読んでからどのくらい経ったんだろうと思って調べてみたら、三年経とうとしていることに戦慄しました。そりゃこのシリーズも終盤に入るわ……。
どんどん人数が多くなっていく死神姫、人物が一回ずつ喋りながら状況説明するのに時間がかかるようになってきてます。しかしおかげで私は助かった……(上記の理由で)
戴冠式と結婚式ののち、領地アズベルグが〈翼の祈り〉教団の手によって火を放たれたと聞いて、急ぎ領地へ戻るアリシアとカシュヴァーン。しかもその軍は、教団とラグラドール人の混成軍であり、その命令を放ったのは、先々代聖女ソルラスカ。彼女は海に落ちながら生還したアリシアが、聖女として崇められることを恐れたのだ。
というところから、一同はアズベルグを守るために戦うのですが、どうやらこの裏側で別の事態が発生しているらしく。ここまで読んだだけじゃ何が起こってるのかまだわからず色々ヤバいまま終わったけど、一番の目玉は夫婦の初夜です。
拉致からの部屋ぶっ壊しからの乱暴な振る舞いからの甘々初夜でたいへんごちそうさまでした。カシュヴァーンの幸せそうな様子に、「幸せになれよ!!」って石ぶつけたい。
そして花嫁は恋を知る―月の女神は黎明を導く (コバルト文庫)
ブラーナ帝国の皇妃イリアティーヌは、結婚したばかりの相手シリウスに対し、打ち明けられない悩みを抱えていた。奴隷だった彼が皇帝になるまで、どんな過去があったのか。愛しているからこそ気になるイリアティーヌだったが、昔の彼を知る女性が現れて……?一方、新興宗教であるルシアン教信者は謎の疫病に罹らないという噂が流れる。混乱の中、新たな時代の幕開けが迫っていた——!(裏表紙より)

「黄金の都を興す姫」の続き。ブラーナ帝国でおそらく有名であろう皇帝シリウスと皇妃イリアティーヌの物語。なぜ、ブラーナ帝国はルシアン教を国教としたのかが語られる。
非常に息苦しい巻でした。嫁恋シリーズは、歴史的な下地がもともとしっかりしている中で、少女小説っぽい主人公たちが動く話だったのですが、この巻はもうずーっとイリアティーヌが迷う! これでいいのかと考えて、答えを出す。それも、どうしようも流れの中で選択せざるを得ない感じで、まだ話が続くのだろうという読後感があって……。うーん、なんだか割り切れない!
実は、この本を読む前に、テレビ番組で作家の方が「小説は予言する」と話したり、漫画家の方が「週刊連載は、予言の書になった」ということをお話しされていて、ぎくっとなりながら読んでいたんです。そう、この話、宗教と信仰と、殉教と生きている者についての話なんです。結局、シリウスとイリアティーヌは国教を変えるという選択をしましたが、それでよかったのかともやもやするところもあり……。
でも、イリアティーヌが最後にエレミヤに言った言葉は、確かにそうだと思います。多分、それが全部だと思う。
「少女」の社会史 (双書ジェンダー分析)
「少女」というカテゴリーが生み出された経緯と、その変遷と、それが表すものの変化と。という内容で、これ、すっごくとっても面白かったです。児童文学史の知識と合わせるとかなり面白い。
「少年」とはどのように違うのか、というのを、少女雑誌、「少女の友」などの中身を見ながら論じています。それがすごーく面白い。少女雑誌の中身や読者交流やらってすごく独特だと思っていたので、その理由みたいなものがわかった気がした。少女をどのように教育しようとしていたかというのを掲載小説から見るとか、戦前戦中からどのように方向転換したのかというのもよく分かった。おすすめです。
「やっぱり怖くて動けない」がなくなる本
自分が我慢すればいい。戦うのは嫌だ。傷つきたくない。そういう気持ちが大きいんだね、と人様に言われたことがあって、この本を薦められたので読んでみた。
とにかく「自分を大事にしなさい」ということが書いてあります。怯えながら相手に接していると、それは相手に伝わっている。自分は悪くない、相手が悪いんだと思っているのは、向こうも同じこと。
だから、自分中心に物事を考えなければいけない。しなければならないからやるんだ、ではなく、やりたいから、やる。自己中心的とは少し違う感じで、自分が気持ちのいいやり方で自分のことを大事にする方法をとればいいのかな、と。
まあ、すべての人が同じ考え方が出来るわけではないので、最終的に「私がこんなにやってるのに!」とイライラしそうな気もするんですが、自分の人格形成は、自分が原因でないということがよくわかった。家族に「やり返せばいいのに」とか「それは無理だからやめておきなさい」というようなことを言われ続けるのはいけないらしい。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく——全読書人の魂を揺さぶる、ブッカー賞作家の新たなる代表作。解説/柴田元幸

おおおおお、面白かったー! 面白かった。面白かった……。
ネタバレになっている可能性もあるので、以下注意。

キャシーたちがいったいどういう子どもたちなのかというのは最初から大体分かるように書かれていて、その匂わせるところから、さらっと当然の事実へと移行する書き方がすごい。主人公の視点から見える、寄宿学校の生活、人間関係、子どもが大人へと抱く感情の諸々が、特殊な設定を踏まえているのにごく当然のもの、ありふれたものなのに、感傷に満ちていて、最後に「やっぱりあなたたちは特別で、普通の人間ではなかった」と否定されたときの! どうしようもない痛み!
解説にも書かれていましたが、一人称なのに感情に走るところが見られず、きっとずっと何度も、テープを繰り返すように繰り返されてきた物語なのだろう、淡々とした語りが続く。その乾いているのにもの悲しい感じが、もうすごく好き。
映画も見ようと思いました。
トラッシュバスケット・シアター (角川文庫)
サンデー洋画劇場の「ドラキュラ」に脅えて、台所のニンニクをチェックしたのも、レンタルビデオ店で借りた「ドリーム・チャイルド」を編集し直すという奇行に走らせたのも、渋谷で中年の婦人にただチケットをもらわなかったら、「トレマーズ」をこんなに人に勧めなかったのも、「キングコング」を観に行く約束の途中で、凍った路面で滑らなかったら、「ラヴレター」が生まれなかったかもしれないのも、すべては、必然だったのかもしれない。映像作家・岩井俊二の原体験的カルトムービーを絵と文で綴った、初めてのエッセイ集。(裏表紙より)

おお……面白いぞ……と思いながら読む。映画に交えて自分の子どもの頃の話をしているんですが、子どもの頃見た映画の特別感がわかる人には面白いと思う。どうしてあの頃、映画ってちょっと怖くて、ワンシーンとかが刻み込まれてずっと忘れられないのかな。「トレマーズ」観てみたい。
14歳の君へ―どう考えどう生きるか
これから君は、幸福な人生を生きなくちゃならない。どんなに不幸な時代であっても、幸福な人が不幸になることだけは決してないと、約束するよ。
『14歳からの哲学』の著者が贈る人生の教科書。(帯より)

「友愛」「個性」「性別」「意見」、「勉学」「歴史」「社会」「道徳」、「戦争」「自然」「宇宙」「宗教」、「言葉」「お金」「幸福」「人生」という16のテーマで、14歳の君へ語りかける一冊。
人が、人生が、世界が、そして自分が、こうあればいいなあ、ということが詰まっている。ブログについて書いてあるところで、誰も彼もが発信して、誰かに認められないと自分であることができないなら、いったいどこが「自分らしい」ということなのか、と書いてある最後まで読んで、真顔になりました。すみません……。
一本の茎の上に
様々なところで書かれた散文(エッセイ)をまとめたもの。
日本の、言葉を大事にしている人が書く文章だなあ。言葉の選び方も、流れるような文章も、穏やかで優しくて、心地がいい。こういう文章を書く方って、言葉と人の交流をよく書かれている印象ですが、その人のことが本当に好きだったり、いいと思った一瞬を切り取っていたりして、好きだ。好きなエピソードは、韓国の書店で女の子たちが必死になって詩を書き写しているところに遭遇したやつ。モラル的にはあれなんだけど、そんなに一生懸命になって好きな詩を書き写しているところは、なんだかいい。
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Author:月子
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