忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[35]  [36]  [37]  [38]  [39]  [40]  [41]  [42]  [43]  [44]  [45
14歳の君へ―どう考えどう生きるか
これから君は、幸福な人生を生きなくちゃならない。どんなに不幸な時代であっても、幸福な人が不幸になることだけは決してないと、約束するよ。
『14歳からの哲学』の著者が贈る人生の教科書。(帯より)

「友愛」「個性」「性別」「意見」、「勉学」「歴史」「社会」「道徳」、「戦争」「自然」「宇宙」「宗教」、「言葉」「お金」「幸福」「人生」という16のテーマで、14歳の君へ語りかける一冊。
人が、人生が、世界が、そして自分が、こうあればいいなあ、ということが詰まっている。ブログについて書いてあるところで、誰も彼もが発信して、誰かに認められないと自分であることができないなら、いったいどこが「自分らしい」ということなのか、と書いてある最後まで読んで、真顔になりました。すみません……。
PR
一本の茎の上に
様々なところで書かれた散文(エッセイ)をまとめたもの。
日本の、言葉を大事にしている人が書く文章だなあ。言葉の選び方も、流れるような文章も、穏やかで優しくて、心地がいい。こういう文章を書く方って、言葉と人の交流をよく書かれている印象ですが、その人のことが本当に好きだったり、いいと思った一瞬を切り取っていたりして、好きだ。好きなエピソードは、韓国の書店で女の子たちが必死になって詩を書き写しているところに遭遇したやつ。モラル的にはあれなんだけど、そんなに一生懸命になって好きな詩を書き写しているところは、なんだかいい。
神ノ恋ウタ 水の巫女姫 (講談社X文庫ホワイトハート)
「こらえるのよ、巫女姫なんだから。私の肩には大勢の民の命がかかっている——」水派の巫女姫・玉藻は一族を守るため、敵対する豪族・若武王に嫁ぐことに。幼い頃からたった一人の支えだった兄・岬と離れる悲しみに打ちひしがれながらも、巫女姫の使命を受け入れる。だが婚礼間近の夜、反乱が起こり、玉藻を守った岬は獣と化す邪悪な呪いを受けてしまう。誰も近寄れない岬を救うため、二人きりの逃避行が始まった!(裏表紙より)

古代日本をイメージさせる世界を舞台にした、和風ファンタジーの二作目。前巻がすごくいい雰囲気で好きだと思ったので、二巻も読みました。いやー、癒された。面白かったー。
妹が実兄に思いを寄せている状況から、定番の兄妹の恋の展開を踏むかと思ったんですが、その世界観と舞台と設定がすごく生きていて、いい意味でおっと思うところがたくさんあって楽しかったです。反乱、からの、真相、からの、話が続く感じが、おっ、おっ! と思って。最後まで楽しかった。
前巻の二人も出てくるので、すごく嬉しかったー!! 彼はいい神様になったなあ! 玉藻と岬が辛い状況にあるところに、すごく優しい言葉をかけてくれて、自然と優しくしてくれるので、もうきゅんきゅんが止まりませんでした。悲しいことを知っているひとは強いなあ。その分、伊布夜の意地悪はちょっと……と苦笑いしました。
しかし、前巻最後で思ったんですが、昼女神様は、結構ラフな人ですね!? 太陽を司る神様だから、明るいのは当然だと思うんですが、いささかびっくりしました。でも、好きです、そういう神様。もうちょっとこの方のこと見てみたいなー。
押入れのちよ (新潮文庫)
失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。(裏表紙より)

最初にくる「お母さまのロシアのスープ」がものすんごい衝撃的だったので、息を吐く。これで終わるのかと思ったら、もう一回転した。すごい。
この人の書く女の人は、ちょっと気色悪い人が多いなーというのと、男の人の悲哀を感じさせつつもちょっと滑稽な立場がうまいな、というのを感じました。
「お母さまのロシアのスープ」と「しんちゃんの自転車」が好きです。
幽霊にまつわるちょっといい話あり、妖怪じみた恐ろしい話あり、と、ぞっとしたりじわっとしたり、いい短編集でした。
メガロマニア (角川文庫)
いない。誰もいない。ここにはもう誰もいない。みんなどこかへ行ってしまった——。鬱蒼とした熱帯雨林、高度な技術で積み上げられた石門、張り巡らされた水路、動かない車輪。古代文明の壮大な足跡を辿り、メキシコ、グアテマラ、ペルーを訪れた物語作家は、遺跡に道にホテルに、“気配”を色濃く感じ取る。インカ、マヤ、失われた都市。そこに秘められた物語の種とは。人類のセンス・オブ・ワンダーに迫る、中南米紀行。(裏表紙より)

南米旅行記。八月後半のじわーっとした暑さの中で読むと、なんとなく、南米の街ってこんな感じなのかなあと思う。ちがうか。
ある夜突然扉を激しく叩かれて飛び起きた、という「深夜の訪問者」の回に、思い出したことがひとつ。
私は祖父と二人で沖縄旅行に行ったことがあるのですが、あるホテルで、なんとなく窓にカーテン(というか引き戸?)をしないでいたくて、開けたままにしていたら、その深夜突然、窓ガラスを「ばんばんばんばん!!!」と叩かれて飛び起きたことがあります。「えっなに!?」となって起きたものの、その部屋は地上十何階かで、とてもじゃないけれど人が叩けるものじゃない。ぞくっとしていると祖父は「あー、やっぱりなあ」と言って淡々と引き戸をしたのでやっぱりってなに!? と思いながら、聞くことができなかった思い出です。
その祖父はもう亡くなってしまったので、何を感じたのかは永遠に謎のままになってしまいましたが、沖縄だったら、幽霊も精霊もいそうですよね。
ミーナの行進 (中公文庫)
美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない——ミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、新たなる傑作長編小説。第四二回谷崎潤一郎賞受賞作。(裏表紙より)

少女の頃の大事な記憶。特別だった日々。不思議で、けれどあたたかな家族との出来事。そういうものに満ちあふれた、優しい物語でした。
こう、子ども心に不安に思うものが、ちょっとさわっとした影になって見え隠れしていて、天井の染みが怖い、みたいな漠然とした不安を感じさせるのは、やっぱり小川洋子さんってうまいなあと思う。
晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)
駅ビルの書店で働く杏子のもとに、長野に住む元同僚・美保から手紙が届いた。彼女の勤める地元の老舗書店に幽霊が出るようになり、おかげで店が存亡の危機にあると知らされた杏子は、アルバイトの多絵と共に信州へ赴いた。だが幽霊騒ぎだけでなく、二十七年前に老大作家が弟子に殺された事件をめぐる謎までもが二人を待っていて……。人気の本格書店ミステリ、シリーズ初長編。(裏表紙より)

成風堂シリーズ番外編。本にまつわる事件なら何でも解決する、と言われてしまい、杏子と多絵は信州へ。地元に愛される本屋さんの幽霊事件を解決してほしいと言われたが、地元作家の凄惨な殺人という過去の事件が絡んできて。
元々の短編連作だとそうは思わないんですが、長編だと多絵ちゃんの名探偵具合がすごいなあ笑 厳密に言うと、本屋さんがらみではないのですが、「だって、誰も読めないもの」でキターと思いました。ぶわっと広がって、じわっとしみました。
巻末には、コミカライズ担当だった久世番子さんのおまけ漫画も収録。面白くて、最後ににやっとしました。
神ノ恋ウタ あめ つち ほし そら (講談社X文庫―ホワイトハート)
「私は巫女です。お勤めをきちんと果たしてから死にたいのです——」思いがけなく最高神・伊布夜に気に入られ、大神殿に招喚された巫女・雪荷。その道中襲われ、落人の里で土地神の生け贄にされそうになる。
 雪荷の命を救ったのは、荒々しくも美しい炎のような若神・炬だった。雪荷は、神としてはまだ未熟でありながら純粋な炬に巫女として仕え、この里を甦らせたいと決意する。そんな雪荷を伊布夜は捜し続けて……?(裏表紙より)

面白かった! 日本神話と、和風ファンタジーならではの設定や言葉が好きな自分としてはうはうはでした。やっぱり、普通の女の子が、高貴な人に迎えにこられたり、誰かのために一生懸命になってその人に恋をしたり、というのは、ときめきだなあ!
病弱ですぐに喘息や貧血を起こしてしまう雪荷。己の力を持て余し乱暴に振る舞う炬。ぎすぎすするかもと思った組み合わせは、雪荷が大人だったおかげで、とてもうまいことおさまったなあと思いました。里で暮らすふたりの、穏やかで平和な日々に、すごく心が和みました。平和なのに、毎日のことが楽しくて、嬉しくて、温かく見守っていました。
炬の正体はなんとなく分かっていましたが、彼がどんどん成長し、感情を知り、神として立派になっていく、物語全体を見通してみる過程が、嬉しくて、悲しくて切なくて。しかし、当て馬だった伊布夜は、最後の最後でいい勝ちをさらっていったので、なんだこいつ! 好き! ってなって悔しいです。
最後はちょっとあっさり謎が解けてしまったので、ちょっと残念な気もしつつ、やっぱりすごく好きな話だなあとしみじみするのでした。面白かったです。
反逆の花嫁 (ルルル文庫)
父王の再婚で居場所をなくしたジークリンデは、神様の花嫁である〈聖剣の巫女〉となるべく聖地へ渡った。巫女仲間との日々は、王宮とは違い楽しく穏やかなものだったが、ディーハルトの登場により突然破られた。ディーハルトは、王国で謀反が起こり、ジークリンデは新しい王の息子である自分の婚約者になれと告げたのだ。強引な結婚は“悲劇の王女”の立場を利用するため? ジークリンデはディーハルトに絶対に心を許すまいと誓うが……!?(裏表紙より)

横柄巫女シリーズと同一世界観。横柄巫女の開始より約五十年くらい前の話なんだろうかと見当をつける。レグルス王国の王女ジークリンデと、彼女付きの貴族の娘カリンは、共に聖地に渡り、巫女として修行していたが、故国の革命によって呼び戻され、利用されることになる。
ジークリンデの腹黒さとディーハルトのあくどさを楽しむ話なので、横柄巫女のように宗教はがっつり絡んでこないのですが、王国内の陰謀はやっぱり込み入りつつも面白いなあと思います。鮎川はぎのさんは、そういう作中の世界情勢を楽しめる作家さんだなあ。
ジークリンデが、腹黒と言われつつも、しっかりした賢い姫君なのと、何より口調が男らしいのでとてもかっこよかった。自分の目的のために人を観察したり立ち回ったりするのは性格が悪いと感じてしまうこともあると思うのですが、彼女はそういうところが許される悪っぽさがありました。
面白かった。
そういえば、グリセルダも同一世界観なんですよね。なんとかして読んでみたい。
横柄巫女と宰相陛下 もっとふたりで (ルルル文庫)
宰相陛下に戻ったカノンと普通の女の子になったノトがいよいよ結婚。挙式を前に、二人のときめき生活が物語に! 怪しい占いに余命宣告をされたリリィがついにミー様に……!? 白の貴公子キルテが結婚を前にレノウとの愛を再認識する事件とは……!? スライとローロのラブっぷりも目が離せない! エリオとラメダの不思議な恋模様も必見! オールキャストの恋の行方がわかる、幸せ花嫁達の番外編!(裏表紙より)

最後の一冊は番外編。女子たちの恋の成就、つまりその後が描かれています。あー終わっちゃった……。でも、最後にべた甘なノトとカノンが見られてよかったー! カノンはやっぱり押せ押せな人だったか笑 はばかるところのない彼は非常にあまーいヒーローだったので、ごちそうさまでした。
一番びっくりしたのは、リリィ様ですよ! なんだかんだで勝ち組リリィ様。ミルンもすごいパワフルな奥さんをもらうことになって、運勢的には安泰でしょうか。彼ならリリィ様の起こす事件を上手く解決してくれそうです。
すごいあっさり人死にが出るし、すべての人たちが本当に幸せというわけではなく、身分や情勢の不安定さに揺らいでしまう弱い立場の人たちもいましたが、それぞれが支え合って、大事なものを見つけて、一緒に歩もうとする、いい物語だったと思います。
面白かった!
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
06 2025/07 08
S M T W T F S
9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]