読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

親も子も、どうすればいいのか、誰に相談すればいいのかわからず、気持ちばかりが焦ってしまう。ハローワークを訪ねてみても、同じ求人がグルグル回る“カラ求人”や、非現実的な“神様スペック”を求める企業が少なくない。そうこうしているうちに、時間だけが過ぎていき、やがて家族ごと地域に埋没してしまう——。ひきこもりが「長期化」「潜在化」する中で、当事者たちによる外に出るための新たな動きを探った。(帯より)
2014年10月刊行。当事者の実例よりも、より社会的な要素から話が始まります。
引きこもりの調査では、四十代以上は弾かれている場合が多いとか、初めて知りました。確かに、今は若者の引きこもりの方がよりクローズアップされている感があるけれど、一人暮らしの中年の人(特に男性)は昔からよくいるような気がする。
そういった人たちは、失業をきっかけに外への関わりを見失って、家に引き守るようになる。仕事、というのは、生活の糧を得るためのものだけれど、一度失うと居場所を失うも同然という感覚、よくわかる。
そういった失業者の問題、ハローワークにおける求人の現状も取り上げつつ、話は引きこもり支援活動、当事者、親たちの活動に至ります。
結論的には、とにかく外へつなげることが大事ということなのかな。移動費もない、生活費すらない、そういう中でどのように支援すべきかという問題の解決は難しいけれど、親がいる状況で引きこもっている人は、外との関わりを、きっかけを得るべきなのだろうなあ。家族という世界が、とても狭いものだということに気づければ、変わることもあるかもしれない。
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「だから——ルビーウルフ様もお花を飾りましょう!」
にこにこと笑いながら、キャスはルビーウルフの手をがっちりと掴む。
城中がお祭り気分に浮かれていた。
花飴選び。それは未婚の男女を結びつけるための行事だった。この日になると、独り身の女は各々の好きな花を胸元に飾り、その花を目当ての男性に取ってもらえたら、めでたく恋人成立。
「そういえば、ジェイド様のまわりにも、この日になると用もないのに近寄りたがる人が増えますね」
関係ないよと言いながら、やっぱり気になるルビーウルフ。しかも彼女が儀式のルールを知らなかったために……。
グラディウス城は今日も大騒ぎ! 狼王女の冒険譚、これが本当の大団円!(カバー折り返しより)
短編集2。ああー! 短編集の1に気づかなかったばっかりに、悔しい思いをしています。これから本屋さんに探しに行こう……。
本編ではしっかりした足取りで、自分自身の気持ちを確認し、それを伝えあった二人でしたが、この巻での二人は、そういうことを前提とした、ちょっと甘めの優しい短編が多くて、にやにやするところがたくさんありました。
いやしかし、それにしてもジェイドはなかなか理性の人だな……。
1巻だと、結構すれた感じのきつい人物かと思えたんですが、巻を重ねるごとに、しっかりとルビーを支える、穏やかで優しい、気苦労性の青年になっていましたね。懐広いわー。かつ理性の人って、おいしいわー……笑 だから「君に捧げる永遠の花」はたいへんごちそうさまでした。
シリーズ、短編集1は読めてませんが、すっごく面白かったです! ありがとうございました!

陸路を使い帰国の途についたルビーウルフたち。神具は失われたまま、見えない敵にいつ襲われるかという危険と隣り合わせの旅路であった。しかも——
「ねえ、暑いのよ。扇いでちょうだい」
温室育ちのコロナード王国の姫君・エミリエンヌは、お荷物以外のなにものでもない。イライラを募らせながらたどり着いた砂漠の国境で、一行は何者かの魔法攻撃で離れ離れになってしまったのだ。
お荷物エミリエンヌと二人きりという貧乏くじを引いたルビーウルフ。そんな彼女に、さらなる試練が降りかかる。
追い込まれた極限状態の中で、ルビーは己の奥底に眠っていた感情に気づく。
狼王女の冒険譚、最大クライマックス!(カバー折り返しより)
最終巻だとは思わずぼーっと読んでたら、本編の最後の話だとあとがきに書いてあってびっくりしました。いつまでもルビーの物語が続いていくように感じていたから。
いやあ、淡路さんの作品は、『花守の竜の叙情詩』が最初に読んだものだったので、すごくしっとりしたリリカルな話を書かれる方かと思ってたんですけど、違った。淡路さんって、すごくすごく丁寧で、無駄のない、綺麗な話を書かれる方なんだ!
ルビーウルフは、古き良き、というのか、元盗賊の女王と伝説にまつわる王道ファンタジーで、登場人物の配置、その世界観を表現するにふさわしい道具、設定がきっちり整頓されていて、とても読みやすくて入り込みやすい、美しい構造の話だと感じました。読んでいて、すっと入ってくる。ささいな台詞まで気を配られているし、決め台詞もかっこいいし。
あくまでルビーたちは自分たちの手の届く範囲で、できることをしながら、ついでに世界も守ろうという感じで、その距離感もなんだか心地よかったなあ。

奪われた牙、神具〈導きの剣〉を求め、ルビーウルフがやって来たローラティーオーと呼ばれる島。そこは二つの部族が暮らす、外界から断絶された世界だった。
二つの部族アウローラとクレプスムルクは、かつて第五の神具〈全知の書〉を所有していた。〈導きの剣〉を奪ったのは、クレプスムルクの神官イグニス。その手引きをしたのは、ジェイドの師匠・白き魔女エリカ——。
次々とルビーウルフに襲いくる厳しい現実と裏切りの中、トライアンの王女ミレリーナも神具〈裁きの天秤〉と共にイグニスに連れ去られてしまった。
神具奪還のため、クレプスムルクの村に向かうルビーだったが、ついにイグニスの魔の手が彼女にも伸び……。
盗賊王女冒険譚、最大の試練が始まる。驚愕の第5弾!
4巻からの続き。第五の神具〈全知の書〉を守る二つの部族が暮らす隔絶された島、ローラーティオーでの、最後の戦いの前段階といった感じの第5巻。
ルビーは自覚おめでとう! 次くらいでくっつくかなー。
過去の後悔を、消えない憎しみや喪失感を抱えながら、それでも許すし、私は生きていくよ、とはっきり口にして言えるルビーが本当にかっこいい! それでこそルビーウルフ。
ルビーウルフの甘い悪夢を打ち消したのは彼女自身の力もあるけれど、ヴィアンカが出てくるとは思わず、ぐっとこみ上げた。やっぱりお母さんは、そうだよね……! 彼女は慈愛の女性だったんだなあ。

〈導きの剣〉——それは、創造神ロゥヴァースのちぎれた四肢が変化したと言われる神具。グラディウス王国の王族のみが手にすることを許された、神の右腕。盗賊王女ルビーウルフの牙。
その牙が奪われた!
ルビーウルフの女王即位1年を祝う式典での出来事。突然足元の空間が裂け、そこから現れた生白い二本の手に襲われたルビー。必死に抵抗し逃れたものの、〈導きの剣〉は謎の腕と共に空間に消えてしまう。そして同じ頃、隣国トライアン王国でも——。
神具を巡る大いなる陰謀が動き出している事を悟ったルビーウルフは、ジェイドたちと旅立つ。奪われた牙を取り戻すために!
盗賊王女の冒険譚、緊迫の第4弾!(カバー折り返しより)
女王としてすべきことをやって、それなりに女王様業も慣れてきたルビーウルフ。女王即位から一年が経ったその日、事件が。
次の第5巻にもまたがる、神具と〈全治の書〉をめぐる陰謀の話のようです。
ルビーの本当の胸のうちも吐き出されたり、ジェイドの態度が変わってきていたり、特にジェイドは次巻でブッ込んでくるのか!? という期待が高まる。
裏切り者が出ましたが、気にしてません。理由があるに決まってる!

神国グラディウスに必要なのは女王ルビーウルフの血筋だ。彼女に直接それを言う者はいないけれど、誰もが急かす気持ちを抱いている。ルビーウルフにはそれが匂いでわかる。だが、ジェイドは違った。いつだってルビーウルフの意志と自由を尊重してくれている。
今になって気づいた。自分はジェイドに甘えていたんだと……。
——ジェイドが失踪した。
国の建て直しをかけた大工事の視察で、ルビーウルフ一行が訪れた西域の地。そこの領主ハリスの娘クラリッサとともに女王の魔導騎士が姿を消した。
駆け落ちかっ——!?
そんな事はない! と否定しながらも、激しく動揺するルビーウルフ。果たしてその真相は?
狼王女を襲う、愛の嵐!——の予感?(カバー折り返しより)
コルコット派が粛清されていく過程で、西域の地に追いやられたハリスのもとを訪れたことによって始まる、悲しい陰謀の話。大きな企みでなく、人一人の悲しみがこんな大それた、それでいて愚かな事件を起こしたかと思うと、やるせない。
ルビーウルフとジェイドの関係にも、かなり変化が出てきました。もともと勘のいいルビーなだけに、自身の変化はきちんと認識しているんだけど、それがどういうことなのか、というのを知らない、狼少女っぷりがかわいいなあ。

「何? この小動物」
今にも泣き出しそうな少女の顔を、不思議そうにのぞき込み、ルビーウルフは思わず口にした。
5つめの神具、〈全知の書〉が見つかった。ミレリーナからのその知らせを受け、隣国トライアルに赴いたルビーウルフとジェイド。彼らを待っていたのは、美しい銀髪を持つ少女、キアラ・フォレスターだった。自分の名前のほかは多くを語らず、常に何かに怯えたようなキアラに、違和感を感じるルビーウルフ。
キアラの持つ神具は本物なのか? そして彼女の隠す真実とは?——何もわからないまま数日が過ぎた夜、ルビーウルフの寝所を何者かが襲撃してきた!
狼王女ルビーウルフの冒険譚、第2弾が幕を開ける!(カバー折り返しより)
気っぷの良すぎる唯一のグラディウス王位継承者ルビーウルフの物語第2巻。こちらもただものではない隣国の姫ミレリーナの知らせを受けて、謎の少女と神具〈全治の書〉を確かめに来たけれど。
儚い美少女(悲しい過去持ち)と心優しい王様の交流もありつつ、ルビーが水戸黄門みたいになってるのが楽しい。

細く高く咆哮が響き、それに従って白と砂色の狼が駆ける。
声の主は——長剣を携えた一人の少女。
輝く紅玉の瞳をもち、赤い髪をなびかせて走る彼女の名は、ルビーウルフ。赤ん坊のころ森で盗賊に拾われ、狼の兄弟に囲まれて育った盗賊娘だ。
「覚悟はいいか。——国ひとつ、盗りにかかるぞ野郎ども!」
殺された仲間の仇を討つため、そして民に幸せをもたらすため、ルビーウルフの旅が今、始まる!
第17回ファンタジア長編小説大賞準入選作。狼たちを従えた美しくも逞しきヒロイン、颯爽と登場!!(カバー折り返しより)
神の子孫たる王家の末裔の赤ん坊は、王を傀儡にしようと企む者の存在を危ぶんだ宰相によって城から逃亡する。だが途中で宰相は毒矢によって殺され、赤ん坊は、たまたま通りかかった盗賊の男に託された。そして十五年。赤ん坊は、盗賊の頭を父、美しい狼を母、その子孫たちを兄弟に、赤い髪と紅玉の瞳をもつ美しい少女へと育った。名をルビーウルフ。彼女にしか扱えない不思議な剣と、狼と話すことができる能力を持っていた。
……という、実は王女様だった盗賊の少女が、汚名を着せられた宰相の息子とともに、王国に戻るお話。非常に王道で、ルビーウルフのさっぱりさが気持ちよくて、とても楽しかったー!! 懊悩する魔道騎士ジェイドとの相性もよくて、すごく爽やかなお話でした。シリーズ読もうっと!

憧れの騎士の傍にいるために、剣術を学び凛々しく成長したマリアーヌ。けれど、彼が好きになったのは、儚く可憐な乙女で!? 痛い失恋を機に、剣を捨て可愛い乙女になることを決意! 華やかな王宮で意気揚々と乙女生活をスタートさせたマリアーヌだったが、昔を知る騎士やお目付役の存在で前途は多難? さらに、男前な性格が災いし、女性との噂が絶えない第二王子から下僕認定されて!? ドキドキの乙女生活の行方は?(裏表紙より)
女性から惚れられる女性、女性ながらにして騎士の鑑だったマリアーヌが、失恋したことで可憐な乙女になろうと決意し、伝手を頼って、王女の話し相手として王宮に上がる。けれど、そこでは怪しげな宗教が流行っていて……。
すごく乙女のための話だ……と思いながら読んでしまった。
女性から熱いまなざしを受けているマリアーヌが面白い。そういうのイイよね! イラストの、頭のリボンはすっごく可愛いんだけど、やっぱり男装がかわいいよ!!
第二王子のロベルトは、そのまま女たらしの遊び人でも面白かったと思うんですが、そういう真面目さ、嫌いじゃないよ!!
てっきり王宮ものかと思いきや、ファンタジー要素が入ってきてびっくりしました。続きも読もう。