読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

民には、早く希望を見せてやりたい。
国の安寧を誰よりも願った驍宗の行方を追う泰麒は、ついに白圭宮へと至る。それは王の座を奪い取った阿選に会うためだった。しかし権力を恣にしたはずの仮王には政を治める気配がない。一方、李斎は、驍宗が襲われたはずの山を目指すも、かつて玉泉として栄えた地は荒廃していた。人々が凍てつく前に、王を捜し、国を救わなければ。——だが。(裏表紙より)
読むのを再開したらやばい面白いとなって止まらなかった。
泰麒が凄まじく賢く立ち回っているけれど、内心ではどう思っているんだろうな。驍宗のためだと思えているのかな。それとも……と作中の人たちの気持ちに沿ってしまってはらはらしている。しかも最後があれって、当時のリアルタイム勢のみなさまお疲れ様ですという気持ち。
全4巻の2巻目というだけあって、最後に至るまでの伏線を張っているという印象の巻。最後は話が一気に進んでいくと信じている。
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私たち、お試し夫婦になってみませんか?
心に傷を負い、故郷の函館に戻ってきた桃子のお見合い相手は、烏のばけものだった!? お見合いの席に現れた烏、元親に驚きつつも、桃子は互いの見極め期間として「お試し夫婦」になることを提案。結婚に夢は見ない。たとえ相手が烏でも相性がよければいい。烏姿の元親とのお付き合いを開始した桃子だったが、ある日青年姿の元親に遭遇して…!? 和紙屋の店主のばけものの青年との、ほっこり系お見合いラブ。(裏表紙より)
ばけものが当たり前に住んでいるここではない日本の函館。結婚を破談にして実家に戻ってきた桃子は叔母に不意打ちを食らってばけものの男性とお見合いをすることになってしまった……というお話。散りばめられた設定と最後に明かされるちょっとした真実がとても糸森さんらしさがあって、現代物だからか控えめにしてある加減が絶妙。上手い。
またよく考えて動く桃子と元親がぎこちないながらも距離を詰めていくところが、じわじわ照れ臭くも楽しくて、もっと見ていたいなあと思ってしまった。面白かったです。

飲食店社長を自称していた恋人の理空也に騙され、会社を“寿退社”してしまった藤本あすみ。理空也は姿を消し、残ったのは高額なカードの支払いだった。ピンチに陥ったあすみは親友の仁子に説教され、家計簿をつけることに。派遣会社に登録したものの、なかなか仕事は決まらない。シャンプー配りや工場の日雇いと必死の節約で食いつなぎ、ようやく派遣先を得たあすみ。そんな折、合コンで出会った商社マンの八城からアプローチを受けるが、理空也への思いを断ち切れずにいて…。家計簿には、生き様が表れる!?人生に迷子中のアラサー女子の節約サバイバル小説。(Amazonより)
金銭感覚が緩い女子が一人で生きていくために努力する話。
ものすごくリアルな話で、世の一人暮らしの人たちはこうやって節約しているし、実際給料はとても安くて生きるのは大変だ、という内容。身につまされるところがたくさんあるんですが、それぞれの生き方がスタンスが描かれていて面白かった。
結局理空也がクソ野郎だっていうことにきっちり落とし前をつけてほしかったんですが、まあ実際はこうなるか……。いやでもこの男滅びればいいのに、と思いました。

『空色勾玉』をはじめ、ファンタジーの名作の数々を生み出してきた荻原規子は、どのように作品を生み出してきたのでしょうか。
2018年7月、川越市立中央図書館で行われた約1時間にわたる講演をまとめたのが本書です。中学生・高校生からの質疑応答からは、創作の深奥に迫る回答も……。
荻原規子ファンのみならず、ファンタジー好きの方、作家志望の方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。(Amazonより)
電子オリジナル。講演をまとめたもので、前半はお話の内容、後半は質疑応答の回答になっています。
作品と絡めて何故それを書くに至ったか、当時の状況などもちらちらお話しされています。
講演というのは一回きりなので短く綺麗にまとまっているのですがもっと読みたい! 知りたい! と思ってしまうのはファンならしょうがないと思うんですよね!
しかしこういう電子オリジナルは嬉しいなあ。まとまりにくい本をまとめられるのは電子の強みですね。

新米巫女の貞彩蓮(ていさいれん)は、
景国の祭祀を司る貞家の一人娘なのに
霊力は未熟で、宮廷の華やかな儀式には参加させてもらえず、
言いつけられるのは街で起きた霊的な事件の調査ばかり。
その日も護衛の皇甫珪(こうほけい)と宦官殺人事件を調べていると、
美貌の第三公子・騎遼と出会う。
なぜか騎遼に気に入られた彩蓮は、
宮廷の後継者争いに巻き込まれていき……!?(Amazonより)
中華風ファンタジーかつ霊能力ものでアクション。これ受賞時のタイトルの方が作品の内容に合っていたんじゃないかなあと思うんですが、売り出すためにはこういうタイトルになるかとも思う。
序盤の読みにくさを超えれば主人公たちのやりとりが軽快で楽しく、畳み掛けるようなアクションシーンにどきどきしました。しかしもうちょっと男性陣のことが読みたかった。確かに彼はすごくいい人なんだけれど!

「小説は、好きですか?」わたしたちはなぜ物語を求めるのか。新作を書けずに苦しむ作家、作家に憧れる投稿者、物語に救われた読者、作品を産み出すために闘う編集者、それを届けてくれる書店員……わたしたちは、きっとみんなそれぞれの「小説の神様」を信じている。だから物語は、永遠だ。当代一流の作家陣が綴る、涙と感動、そして「小説への愛」に溢れた珠玉のアンソロジー。(裏表紙より)
相沢沙呼、降田天、櫻いいよ、芹沢政信、手名町紗帆、野村美月、斜線堂有紀、紅玉いづきという作家陣によるアンソロジー。
紅玉いづきさんのは実録だろうと聞いて読みたかったやつ。紅玉さんの小説について語るときの強い語り口が好きでね……。
皆さんの「小説の神様」への思い入れに溢れていて、読んでいて嬉しいようなむずがゆいような、ボディブローを食らったような苦しさを感じつつも、ため息をついて読み終わってしまう一冊でした。いやー……面白いんだけど、きつい。出版業界が辛いからこそ、葛藤する人たちの感覚にぴたりとはまってしまって、ままならないことが苦しくてたまらなくなってしまう。
いやでも、面白かった。

戴国に麒麟が還る。王は何処へ——
乍驍宗が登極から半年で消息を絶ち、泰麒も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎は慶国景王、雁国延王の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。——白雉は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!(裏表紙より)
あんなに待ち望んでいたのに怖くて積んでいた十二国記最新刊、ようやく読み始めました。
面白くてぶっ飛ぶかと思った……。
まずすごいのが、するっと十二国記の世界に入ったこと。ブランクなんて感じさせない滑らかさで完璧な「続き」になっているんですよね! 思わず『黄昏の岸 暁の天』を読み返してひえーって言いました。
そうそう、十二国記って、無辜の民の苦しみがすごく密に書かれるんだったよな……。王と麒麟の存在に縋るしかない無力さがひたすらに続く一巻目なので、多分ここから希望の道が開かれるはず! と信じて読むしかない。
成長した泰麒がめちゃくちゃいい子だよ……こうなってしまった経緯が経緯なので、手放しに喜ぶことはできないんだけれど、でも彼の慈悲と行動がいろんな人をいい方向に導いてくれることを信じたい。

アンジェリス迎賓館で働くブライダルプランナー、間宮菫子。結婚式のプロデュース業を営む彼女のもとに、どこか秘密を抱えたカップルがやってくる。五回も会場を下見する新婦、まるで他人同士のような二人……。菫子は彼らの秘密を解き明かそうとする。新郎新婦に心を開いてもらい、彼らの悩みを解決するために。そして幸せな結婚式に導くために。 でも一筋縄ではいかなくて……。 そして菫子自身にも、ある秘密があった。 サムシング・フォー ―― 花嫁に幸せを呼ぶというジンクスになぞらえた、4つの愛と秘密のかたち。(Amazonより)
お仕事もの。とある秘密を持つブライダルプランナーが、結婚式の相談に来ながらも事情を抱えたお客様に……振り回される? 事情を聞き出す? 謎解きもののように図々しく事情に突っ込むのではなく、どうしたんですかと尋ねたり、話を聞いたり、周りの人に助けられて落とし所を見つけたりするところが、読んでいてなんだか心地よかった。
菫子がずっと秘密を抱えているせいか、そちらの方が気になってしまうのもありましたが、彼女の苦悩する姿がすごく人間味があった。越えられない傷があることも、目を逸らすことも、それを少しずつ乗り越えることも、四つの話の中で少しずつ変化するのが感じ取れて、最後はほっとしました。