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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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とある地方都市でSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。九人の参加者は別れ際に、これからも創作を続け、十年後に再会する約束を交わした。しかし当日集まったのは五人で、残りが自殺などの不審死を遂げていた。生きることと詩作の両立に悩む僕は、彼らの死にまつわる謎を探り始める。創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、孤独な探偵が見た光景とは?(裏表紙より)

紅玉さんらしいテーマだなあと思いながら読んでいたんですが、最後にうえっ!? という謎解きが始まり、さらにもうひと展開あってひええーと思いながら読み終わりました。ああ、それは……それは……探らざるを得なかったんだな……ああ……。
十年後に集まった詩人たちだが、以前集まったはずの半分近くが死を遂げていた。創作者としての孤独や自尊心がぐちゃぐちゃしていて、亡くなった方にだいぶ心を傾けて読んでいたんですが、それがやがて不穏な「盗作疑惑」や「不審死」「他殺の可能性」の展開に至ると、心がどっちつかずになって、そこにあの「蓮見、敬一くん」ですよ。完全に黒子だった「僕」に一気に引き込まれてしまって、胸が引き絞られました。本当に、彼は知りたかったんだと思って。
すごかった。すごかったなあ……。
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北方領主の父を冤罪で亡くし、絶望に心が壊れた家族を人質にとられ、リディエは下級女官として王宮で働かされていた。そんなリディエのたったひとつの望みは平穏に任期を終えて故郷に帰ること。ところが「王女と王子の仲を取り持ち、世継ぎ誕生の後押しをせよ」との命令がくだる。婚姻関係が破綻している二人の仲を取り持てというのだ。「絶対に無理だわ」と思うリディエ。しかし家族とともに故郷に帰りたいという衝動には逆らえず、リディエの長い闘いがはじまる。それは、やがて国を揺るがす動乱へと繋がり、リディエ本人の運命も大きく変化させていく……。下級女官が駆け抜けた、壮大な王国年代記!(Amazonより)

内乱、流れる血の違いによるもので故郷から引き離された公女リディエ。政治における駒の一つとして命じられるままに動くリディエは、不遇の王子の立場を向上させようとしたことで、歴史に名を刻むまでの過酷な前半生を走り抜けることになる……という、女と政治を描くもの。喜咲さんの作品は歴史ものでも軽めの読み口なのが好きです。
しかし登場する男たちがだいぶ……だいぶあれで……。最終的にイアソンとウラドがいい側近になってくれましたが、ヴァシルを代表とするだいぶ問題のある男性が読んでいてきつかったなあ。情に流されなかったリディエとヴァシルの決着はかくあるべしと思いましたが、その後の彼女の心の傷を思うと、ちくしょー! という気持ち。またスキュイラも、女性だから多少穏やかに見ていられますがやっていることは男たちとそう変わらない酷いものだったりもするので、その辺りの容赦のなさにため息が出てしまう。
ただイアソンとウラドたち、彼女の味方となる男性たちが求婚して、断られてもそばにいて支えてくれたという描写はすごく嬉しかった。
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テロ集団『深淵派』を裏切り、逃亡を続ける元錬金術師カルヴァス。自らの過去を探るため、故郷である大都市《カサネ》に足を踏み入れた彼は、どこか飄然とした「騒がせ屋」の青年・オドと出会う。彼に導かれるように《カサネ》の地下に広がる迷宮へと足を踏み入れたカルヴァスの前に現れたのは、「地下迷宮の番人」と名乗る少女だった……。栗原ちひろが描き出す幻想絵巻——第2幕がここに開演。(裏表紙より)

創造と破壊と虚構と芸術とが入り混じるファンタジー。無茶苦茶で混沌としていて極彩色でなのに陰鬱で、読んでいてだいぶ酩酊しました(褒めています)。
この世界はすべて神が描いた絵である。この世に存在する画家は世界を創った者をうつしたもの。そうした場所のとある街で、一人の人間の語る虚構がすべてを変化させてしまうという危機。壮大。壮大だけれど、登場人物は軽薄で壊れているし崇高なものは何もない、それがすごくいい。
この物語の先は何も見えない、でも何かを信じていたいような終わり方がよかったなあ。こういう作品が読めるのはすごいことだな、と思いました。
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 横浜の外れに佇むWMUA・NITTOH美術館。ここで働く怠惰な学芸員・鷹栖晶のもうひとつの仕事は、悪魔を視認できる唯一の人間として、人の肉体を着た悪魔・音井を相棒に、悪魔と交渉すること。
 横浜をあげてのアートプロジェクトのための会議で、晶は植物と建築の共生を謳う建築家・新田と出会う。彼からは仄かに悪魔の気配がした。晶を気に入った新田は秘密を囁く——「僕は爆弾魔に狙われている」と。その言葉どおり、爆破事件が連続して起こっていた。爆弾の破片さえ見つからないという奇妙な事件が……。(裏表紙より)

1巻を読んだときとはまた違って、人と悪魔が絡んだ嫌な事件(褒めています)の話。読んでいてそわっと怖くなったんですが、これは人の人生が大きく変わって、その時点からどこにも行けない感じが怖かったのかも……。晶と音井の行動がやっとわずかに、本当にごくわずかに星嶋の時計の針を動かしたけれど……人間ってなんて無力なんだろうと途方に暮れてしまったんですよね。
ただ落ち着かない読後なだけあってものすごくお話は面白かった! この気持ちの理由を知りたくて、手元にあったら何度も同じところを読み返してしまう一冊になったと思います。
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“芝居”というキーワードが彼らを取り巻いていた。学園祭でヴァンツァーは舞台の主演を務め、ライジャには課外活動関連の出演依頼がきて、レティシアは大学のセミナーの仲間たちが企画した舞台で「かわいそうな孤児」の役を演じることに!?
一方、ジンジャーも全方位球形劇場のこけら落とし公演の無重力遊泳インストラクターにジャスミンとケリーを引っ張り出した。ジャスミンはルウとリィとシェラを誘い出し、演技のプロに意見を求めていたヴァンツァーとレティシア、ライジャも同行するというフルメンバーが集ったのだ。(裏表紙より)

シリーズなのにずいぶん雰囲気が違う表紙だなあと思ったら、茅田さんの指示だった模様。まあ黒髪美女の時点でヴァンツァーなんだろうなとわかってました!
中心人物はヴァンツァー。金銀黒天使と暗殺者、怪獣夫妻も登場。演劇関係なのでジンジャーがゲスト。そしてまた個性的なサブキャラが増えた……笑
学生演劇をやるだけのはずが、ヴァンツァーと相手役を務めるランディがずば抜けた演技の持ち主で……というのが今回のチート。度肝を抜かれる側の反応が少なめだったのが残念、という感想を抱くようになってきましたねこのシリーズ。毎回「!!!!?!?!??」という反応をする人たちを見るのが楽しくてさ!
あとがきに次はレティかなとあったので、次の巻も楽しみにしています。
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当事者へのインタビューをもとにした認知症を知る一冊。
字は大きく、カラー印刷、イラストつきで小難しいことは書いていない入門書という感じ。
様々な認知症の症状で「こういうことが起こる」がわかってなるほどなあと思いましたし、認知症と物忘れの違いもそうなのかと自分の中で気づきがありました。
何故そうなるのかわからない、を、もしかしたらこういう世界が広がっているんだろうか、と想像するためのきっかけになりそうだと思いました。
4049141647そこにはきっと、あなたを救う「ターン」がある。
「梶くんとは別れようと思う」学園祭の真っ最中、別れを告げようとしている橘ほたると、呼び出された梶くん。彼女と彼の視点が交差する恋の最後の15秒(「15秒のターン」)。
 ソシャゲという名の虚無にお金も時間も全てを投じた、チョコとあめめ。1LDKアパートで築いた女二人の確かな絆(「戦場にも朝が来る」)。
 大切なものを諦めて手放しそうになる時、自分史上最高の「ターン」を決める彼女達の鮮烈で切実な3編と、書き下ろし「この列車は楽園ゆき」「15年目の遠回り」2編収録。(裏表紙より)

アンソロジーや雑誌、同人誌に収録された短編の再録と書き下ろし二本を加えた一冊。
読んだときから泣きに泣いた「2Bの黒髪」を読んでまた泣くという。
そして書き下ろしの「この列車は楽園ゆき」。高校生のときに見えていた景色、感じていたもの。大人になって見えるもの。変わったように見えて変わらないものたち。「楽園」という言葉に全部詰まっている気がする。
茜子さんと高根くんの関係は大人にならなくちゃ形にできなかったものなんじゃないかとか、芽衣沙さんが当時からすごく注意深く周りを見ていて茜子さんを心配してそれを救えるのは高根くんだけなんじゃないかと行動していたこととか、そういう人の小さな思いの積み重ねでわっと泣いた。
胸をがんがんに殴られた後は、ちょっとほっこりする書き下ろしで読み終われたのもすごくよかった。
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ワケあり王太子殿下と結婚した貧乏伯爵令嬢リネット。やっと専属侍女もついた彼女が王太子妃業に慣れてきたある日、国王から観光地を作るという国家事業を夫婦で任されることに! 大きな仕事に張り切って予定地へと旅立ったのだけれど……。そこでは、はた迷惑な難問が待ち構えていて!? アイザック様のまねっこ集団が邪魔をしているって本当ですか? それでも、彼等を納得させて素敵な観光地を作ってみせます! ワケあり王太子殿下と貧乏令嬢の王宮ラブコメディ第9弾!!(裏表紙より)

にわか令嬢シリーズ完結巻。おめでとうございます! 王妃として自分らしく努力を重ねるリネットが大切な人や仲間たちとこれからも幸せになろうとしてくれるんだと思うとすごく嬉しい!
国内に観光地を作ろう! という話での全員集合、すごくお祭りっぽくて楽しかったです。王族組の仲の良さが面白かったなあ。アイザック、ソニア、ファビアン、リュカという大物が仲良くしているのを見るとほっこりするし、きっとしばらく平和なんだろうなあとも思えて安心しました。
そして最後の巻でやっぱり最高だと思ったのがレナルド。アイザックへの気持ちがわかって「お、お兄様ー!!」となってしまった。素敵な人と巡り合って幸せになってほしい……。
このシリーズは疲れているときに読んで、すごく楽しくて元気をたくさんもらえた作品だったので、最後なのは寂しいですけれどここまで読めて本当によかった。ありがとうございました!
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身分を隠して貴族家で臨時仕事をしている貧乏伯爵令嬢イリーナの元にある日、婚約話が持ち込まれた! 家のための結婚は仕方がないと諦めている彼女だが、譲れないものもある。それは、幼い頃から憧れ、「神様」と崇める次期公爵ミハエルの役に立つこと。結婚すれば彼のために動けないと思った彼女は、ミハエルの屋敷で働くために旅立った! 肝心の婚約者がミハエルだということを聞かずに……。婚約相手を知らずに婚約者の屋敷で働く少女と、婚約者として見向きもされずに四苦八苦する青年のすれ違いラブコメディ!(Amazonより)

貧乏ゆえに家族と領地のため臨時使用人の仕事をしているイリーナ。貴族の娘としての結婚に覚悟を持っている彼女は、憧れのミハエルの元で独身生活最後の自由を楽しもうと使用人になった。そんな彼女に気付いたミハエルが、何故婚約者がここにいるんだと驚愕していることを知らずに。
ヒーローを「神様」と信仰し、自らを「シスター」と称するヒロイン。神様とどうこうなんて恐れ多い、というイリーナと、いやいや普通の人間だしと困惑しながら振り回されて楽しそうなミハエルの超がつくすれ違いコメディ。
臨時使用人だからと控えめですがハイスペックなイリーナ。超絶美形だけれど人を驚かすことが好きで、幼少期に出会ったイリーナと婚約したいがために結構ストーカーをしているミハエル。無茶苦茶なんですけれど結構お似合いなのが笑っちゃう。
妹二人が兄にツッコミを入れるのもイリーナに接触するのもめちゃくちゃいい仕事をしていて楽しかった。今後はイリーナも入れて三人で話す機会も増えるんだろうなあと思うとにやにやしちゃう。女子たちがきゃっきゃしているところも楽しみです。
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伯爵令嬢でありながら王女の女官兼護衛をしているクリスティナは、ある理由から結婚する気がなかった。だが美貌の公爵アルベルトから熱烈に求婚され困惑する。断ろうとするも公爵はせめて私を知る機会をくれと縋りつき諦めない。「ただ私が君を愛することは許してほしい」嫌われたくないと言いながら彼女を欲して触れてくる熱い指。根負けし求婚を受け入れたクリスティナだが、アルベルトは結婚後も彼女を囲いこもうと必死で!?(Amazonより)

小国の姫として嫁いだ先で、歪んだ愛の果てに鳥籠の中で生き、娘を産んで亡くなった前世。今世で彼女は己の子孫である姫君の女官として、前世の後悔を取り戻すように筋力をつけ、歴史を愛でながら結婚する気もなく生きていた。けれど王もまた、現代に転生しており……。
かなり歪んでいるかと思いきや、不器用さを拗らせた転生夫は一生懸命に今世の妻を優しく愛そうとするという、微笑ましさ全開の転生もの。ただただ今回は嫌われたくないの一心で、いっそ哀れになってきた……笑
クリスティナは今世の方が生きるのが楽しそうで、読んでいてよかったなあと思います。成長する姿を見ることができなかった前世の愛娘のことを知れる展開、じんわりとよかったなあ。
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Author:月子
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