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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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四人の少女が女主人をつとめる古城ホテル『マルグリット』に、お客さまが訪れた。ひとり旅だという客の名前はランゼリカ。目もくらむほどの美少女だけど、なんだか妖しい雰囲気で……? さらに、女主人のひとり、ジゼットの祖国からも髭ヅラの軍人たちがやって来て、ホテルで秘密の会談を行うことに。そのうえ『戦争』だなんて怖い言葉も飛び出して、またまた古城ホテルは不穏な空気で包まれる……!?(裏表紙より)

この本、2012年の発行なんですが、久しぶりに読んで思ったこと。
児童文庫じゃなくて、年齢層低めのなろう小説かライトノベルだなって。
いやもうめちゃくちゃわかりやすくてちょうどいい塩梅で難しくて面白いんですよ! キャラクターの関係性はもちろん、ストーリーのテーマも。
今回は元軍人の麗人ジゼットが主人公。優秀すぎる彼女を取り巻くのは、彼女の戦友に、どうしても同じ道を行くことができず捻くれてしまった友人。そして彼女の故国との和平会談を行う小国の人々。
戦争が絡むので難しい話になるのですが、魅力的な登場人物たちが「自分で未来を決める」ことを貫いてくれる、とても気持ちのいい物語でした。
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特別な目を持つ少女×病を抱えた旦那様の明治シンデレラロマンス
 幼い頃に火事で全てを失い、劣悪な環境で働く蒼。天性の観察眼と記憶力で苦境を生き抜く彼女の心の支えは、顔も知らない支援者“栞の君”だけ――しかしある日、ついに対面できた彼・城ヶ崎宗一は、原因不明の病魔に冒されていた。宗一専属の看護係として城ヶ崎家に嫁ぐことになった蒼は、一変した生活に戸惑いながらも、夫を支えるために医学の道を志すが――?
 文明華やかな帝都・東京。「サトリの目」で様々な謎を解明しながら、愛されること、恋することを知る少女の物語。(裏表紙より)

家事により天涯孤独となり、記憶すらも失った蒼。虐げられることに慣れ、生かされていることに感謝する彼女を、強かな人々は利用し、踏み付けにする。悪辣な資産家に嫁がされそうになった蒼を助けたのは、ずっと蒼を支援し続けていた城ヶ崎宗一。看護しろと言われたのに、彼はそれを翻して蒼に妻になりなさいという。
冒頭の、めちゃめちゃに虐待されている描写、いつになく読んでいてきつかったのはやはり蒼の思考停止感とこれはだめだという葛藤がものすごく真に迫ってくるからなんだろうなあ。さすが栗原さんです。
だから宗一が助けてくれてほっとしたし、その後もちらちら見え隠れする残酷性も、危ない男感があってすごくよかった。
「サトリの目」なる、ホームズを思わせる凄まじい観察眼と、医学と知識を絡めた謎解きも面白かった。もっといちゃいちゃしているところが見たいので続巻お願いします!
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 戦前に沈んだ謎多き難破船の回収品調査のため、豪華客船に乗り込んだ鷹栖晶と相棒の音井、そして森木。調査開始早々悪魔の気配を感じ、回収品がかつて日本に存在した悪魔研究機関・ファウスト機関が密かに日本に持ちこもうとしていたものだったことを知る。
 奇しくもバチカン、WMUA、そして秘密結社が船上に集結、ファウスト機関の遺品を巡り、三つ巴の抗争が勃発した。そして明らかにされていく回収品の秘密。「晶。僕はまだ君のことが好きだ」音井を尻目に、悪魔交渉人・晶の最後の事件が幕を開ける。(裏表紙より)

人らしさを忘れた青年と、親友の姿をした悪魔のバディもの。第四巻で完結巻。最後まで彼ららしく、悩んで間違ってぐるぐる考えて、答えを見つけたと思ったら掴み損ねて、大事なものが何かを考えて守ろうと足掻いて……どこまでも人間らしいなあと思った巻でした。人間くさすぎる欲望を持った人間ややくざ者として一般的な社会から背を向けた人々よりも、強く。
音井を呼んで「違うよ?」って言われて「知ってる」って答えたところがものすごくよかった。音井じゃないって言い聞かせていたいままでがあって、ここに辿り着けたんだなあ。とても面白かった。
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 横浜の外れに佇む寂れた美術館に勤める怠惰な学芸員・鷹栖晶には、もうひとつの顔がある。それは悪魔を視認できる唯一の人間として、彼らと交渉し悪魔にまつわる事件を調停すること。
 悪魔交渉人として、ある幽霊マンションの調査を託された晶は、相棒である人間の肉体を着た悪魔・音井、晶の健康管理を担当する森木と3人で現地へ向かう。そこは、悪魔の罠が張り巡らされた違法建築マンションだった。内部で出会った哀れな配達員や五得会の霊能者と共に、悪魔が仕掛ける「脱出ゲーム」に挑む晶だが——。(裏表紙より)

歪な迷宮と悪魔と脱出ゲーム。怖くないはずがない! 普通に死んでる!
こういう状況でヒステリックな人間がいるのは騒がしくてどきどき感が増して良いですね。実際にいたら迷惑この上ないんですけれど。
迷宮の主と生贄が、実は他にも色々な形で関わっていて、謎も迷宮じみて入り組んでいて面白かったなあ。人の気持ちもまったく複雑怪奇で、なのに最後に晶の心の話が出てきて「嘘だろ!?」と爆笑してしまいました。ここにきてまっすぐ。この場でどストレート。音井も悪魔も意表をつかれて当然だわ。
しかし色々気付きがあった晶と音井の関係性。すでにお互いが結構大事にしか見えないけれど、この拗らせが続巻でどう落ち着くのか気になります。
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 未開の自然が多く残る惑星“バーミッシュ”。交通手段としては飛空船などが安全だ。女好きで傍若無人な自由人・イヴと、彼に仕える信心深い少年ヨシュアは、プロペラ機で商業自治都市・タナエルにやってきた。
 タナエルでは、惨殺事件が続いていた。原野に棲む“魔人”の仕業らしい。だが、かつて軍の特殊部隊にいたイヴは、魔人らしからぬ手口に不審を抱き、手負いの魔人ハースを捕らえ——人間の強欲が元凶なのだと知る。
 一方、市の新任の保安局長・メイは、自分のプライドと保安局の面子をかけて意気込むものの……。(カバー折り返しより)

樹川さんらしいエッセンスが感じられる、SF作品。口が悪いが真っ直ぐなイヴ。頼りないが信心深く主を深く敬愛するヨシュア。二人は魔人に手を貸すことになるんですが、ストーリーはもちろん、慈悲深い聖職者ながらがめつい神父であったり、戦士ながら非情に徹しきれずイヴやヨシュアにわずかに心を許す魔人ハースであったり、まったくの外野のせいで世界の本質を見ることのできない特権階級の女性保安局長メイであったり……キャラクター性がもう本当に、懐かしいくらいに樹川作品で読んだ人たちだという感覚があって。もう新しい物語は読めないんだよな……と寂しくなってしまった。
映画のような、映像を思わせるオープニングからエンディングまでがすごく楽しかった! 多分こういうカットなんだろうな、音楽がかかるんだろうなってたくさん想像しました。
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常に美貌を磨くことに余念がなく、周囲からも美しいと褒め称えられているスフィーナ王女。ある日、そんな彼女に兄王子の勧めで専属護衛の青年ジェニアスがつくことに。戸惑いつつ、一目ぼれした彼がいつも近くにいることを喜んでいたけれど……。ジェニアスから、顔しか美しくないと言われてしまって!? これからは外見だけではなく、内面も磨き上げて、絶対に彼に「美しい」と言わせてみせるわ!! 美貌磨きに邁進する勤勉な姫君と専属護衛のラブファンタジー。(Amazonより)

大岩の子を崇める、王家の人間にはなんらかの「才能」が与えられる王国で「美貌」の才能を持つ王女スフィーナは、才能を重じて美容に余念がない。だがこの振る舞いは、事情をよくわかっていない護衛のジェニアスの誤解を生んでしまっている。
マイナスから始まるジェニアスの気持ちが、兄や義母に貶められている状況でも王女らしさや優しい心を失わないスフィーナへの恋心に変わるのは当たり前で。ごく一部の味方を除いて孤立無援かと思いきや、証拠を揃えれば国王陛下が助けてくれたので、もっと早くなんとかしてあげてー!! と叫ばずにはいられなかった……。よく頑張ったよねえ、スフィーナは。誤解から「美しくない」と言われて、しかしちゃんと内も外も美しく、それをさらに磨き上げて強くなったスフィーナに拍手。
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殺し屋組織のボスが急逝し、遺された顧客名簿「死者のリスト」争奪戦が勃発した。ありかを知るのはボスの息子・三也(4歳)だけ。朝比と哮は三也を懐柔するため、疑似家族として暮らすことに。しかし、若くして殺し屋業界に身を置いた彼らに「普通の生活」などわかるはずもなく…。子育てあるある&ご近所トラブルなど、殺し屋二人組はこのミッションをこなせるか!?
普通の生活は暗殺よりも難しい。(裏表紙より)

色々なものが欠けてしまった暗殺者、柳生と、豪快ながらどこか影のある我藤、天涯孤独の身となって方々から狙われる四歳の三也の、擬似家族もの。いやあ可愛い! すごくほっこり。子育てとご近所問題とに振り回される暗殺者たちに笑ったししんみりしたり、三人まとめて幸せになれ! と思ったり。
そつがないけれど埋められない空白を抱えてひねくれた美形暗殺者、柳生の内心が切なくて。命の塊みたいな幼児を抱いて、手に入れられなかったものを思ったものとは少し違う形で手に入れられたんじゃないかな、なんて。
くまさんねっとわーくには笑ってしまったけれど、きっとみんな最高の未来を手に入れられたんじゃないかな!
とても楽しかったです!
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ノベルジャパンで好評連載中の「五代ゆう&榊一郎の小説指南!?」が単行本化。
人気作家ふたりが語る内容は、小説家になりたい人や小説家がどんなことを考えているか知りたい人は必見!心構えから小説を書く段階まで、ふたりが実際に行なっている手法がわかるので、非常に実践的。さらには、本編で出たアイデアにしたがって書かれた描き下ろし小説も掲載されていて、超お得!
この小説を読むためだけでも買う価値アリの1冊です!!(Amazonより)

2007年のムック本。いま読んでも十分通じる、と思ったのは「金太郎飴」の話が出たところ。
連載されていた当時、ライトノベルは学園異能力バトルものがブームで新作は大抵これだった模様。王道ストーリーと人物設定をするとして、他作品との差別化といえば名前の変更だけじゃないか? と考える人が多かったよう。「王道ものを書いた」のか「金太郎飴になっている」と考えるのか、受け取る側の印象が異なる原因はどこにあるのか、という部分。五代先生と榊先生はこれを「作者が手を抜いているかいないか」と表現している。このストーリーと設定なら流れはこうだよね、と考えるとき、作者は、登場人物という役者が役になりきれるように思考しているか。
これなんだよなあと、昨今の様々なブームを眺めながら考えたのでした。
近色々勉強する機会があって改めて創作技術系の本を読むなどしているのですが、こういう本が以前よりもいまの方がずっとずっと理解できるのが不思議で。私自身がちゃんと自分の技術について自覚的になったってことなのかなあ、だったらもっと成長したいなあと思ったのでした。
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 両親を亡くし、独りぼっちで生きていた女子大生・鈴鹿涼音。彼女は家に伝わる遺品の剣を手にしたとき、千年の眠りについていた美しき鬼神と出会い、見出された。――そう、金色の瞳と緋色の狩衣をまとった鬼神・大獄丸に。
 涼音は強大な力をもつ彼とともに怪異を封じる使命を負うことに。当初は鬼神の存在に戸惑った涼音だが、自分を守ろうとする彼の姿に次第に心の傷を癒されていく。
 しかし、実は涼音こそが、鬼神を殺した乙女の生まれ変わりだと言われて……。千年越しに廻る運命の行き着く先とは――?(裏表紙より)

天涯孤独で、お金を稼ぐことに執着する農大生と、当初は首だけだった鬼、そこに現代らしい、陰陽寮の流れを汲む特殊捜査班とあやしの者、と単なる転生ものではなくお仕事ものの気配をわずかに漂わせるお話。続編ありきのいろいろが散りばめられているなあ。
寂しいのに寂しいって言えないでいる涼音が切なくてなあ……。大嶽丸は、彼は彼で細やかだっていうのはきっと人の世界のことをよく見ていたからだろうし。
そういう、寂しさを抱えて生きなきゃって思っている涼音と、まあ付き合ってやるかという大嶽丸のコンビは結構うまくいくんじゃないかって予感がある。まあ男前で度胸のある涼音と最強の鬼の大嶽丸が戦うところが見てみたーい! っていうだけの話なんですけれどもね!
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アイデアは思いつくというよりたどりつくもの。面白くて、美しくて、不思議であるための99の思考。(帯より)

いま読むからわかるようになった。そんな読書体験をもらった気がする。
ラーメンズの一人として活動していた小林賢太郎さんが、自らの活動の上で気をつけていることをまとめたもの。
薄くて、簡潔で、わかりやすくて、読んでいてすごく背筋がしゃんとしました。私がうすぼんやりとつかみかけていたものがここに全部書かれていて、心がけなきゃいけないことが全部詰まっている。これはすごい。これは絶対に大切にしよう。
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Author:月子
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