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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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——それでも噂はひっそりと伝わった。超絶に美味しい料理を提供するが、その存在を口外できない不可思議なレストランのことだ。
三カ月の契約期間の終了が間近に迫るころには、口止めしていた「テオドール・ダナー」の評判はかなり広がっていた。しかしその名声は、料理長テオドールの誘拐(未遂か?)や、エレメンタル近代美術館収蔵品の強奪事件へと発展していく。
美味しいご飯とそれを食するに最もふさわしい空間を守るため、敢然と(余裕で?)立ち向かうルウ、リィ、シェラの三天使。連邦主席直属特殊部隊をも巻き込んで大がかりな課外活動が始まった。(裏表紙より)

金銀黒天使が比較的地味に事件を解決するエピソードでしたね!(その感想もどうなんだ)。いや本当に。この子どもたちはいったい……? と思われながら、あんまり劇的に怖がらせなかったなーなんて思いました。いつも恐ろしいくらい叩きのめすから……。
テオの料理を目的に善意の拐かしが発生したり、案の定「暁の天使」絡みの小悪党が出てきたりしましたが、万感だったのは最終日の慰労会。生産者の皆さんの反応を見て、こうした農業や畜産業や漁業といったことを生業にする人たちの誇りがどういうものか想像できたのがすごくよかった。
生き物や自然を相手に美味しいものや新鮮なものを提供する。そこに誇りや自信がないわけがないんですよね。美味しいと言ってもらえること、使いたいと申し出があること、それがきっとこの人たちの仕事のやりがいなんだなと思うと、いつもありがとうございますと言わずにはおれなかった。
最後にテオがデレたのが楽しかったなあ。こんな人でもやっぱり最初の賞賛は忘れられずに大事にしていたんだなと思うと微笑ましかったし、パラデューが嫉妬しているのも笑っちゃった。
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三カ月限定「テオドール・ダナー」シティ出張店は奇妙な店だ。すべての客に「食事したこと及び住所を公にしない」という誓約書を求め、提出しないと予約は取り消され入店を拒否されてしまう。
しかも、連邦主席直属の特殊部隊の手によって産みたて卵が他惑星から運びこまれ、人類の秘宝と呼ばれる名画『暁の天使』がエレメンタル近代美術館から極秘に運びこまれる。
このあり得ないレストランに、ルウは会話が破滅的な料理長テオの通訳兼支援としてほぼ常駐し、リィとシェラは週末に駆けつけて助手をこなしている。しかしおかしな店にふさわしく(?)、厄介な客と面倒な事件が次々と…。(裏表紙より)

6巻「テオの秘密のレストラン」の続き。
先見の明を持つ亡き妻アンナの手引きで、本店舗のレストランが改装作業中に、知人のオープン前のホテルで腕を振るうことになった料理の神様テオドール・ダナー。天才的な腕前が大物を引き寄せる。人だけでなく文化遺産までも……という黒天使のチート全開の巻です。電話一本で何でもできる人脈すごすぎる。
料理に関する感想と「暁の天使」への動揺が大袈裟で楽しい。いや決して大袈裟ではないんですけれども、結局黙らざるをえないのが、みんな懲りないなあと面白くて。
そして最後の最後でやっぱり出ました怪獣夫婦。でもなんか夫婦側の話を読んだような気がするな……と思ったら『女王と海賊の披露宴』の話だったか。読み返したくなっちゃった。
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怪異が視えるだけで祓えない半端霊能者の浅井行。芸術大学進学のため引っ越したアパートで、美しい先輩の瀬凪ほのかと出会う。だがその夜から不穏な電話が鳴り響き…。行の異変に気付いたほのかは、幽霊と共存する「怪異のやり過ごし」を提案するが? 顔が浮かぶ壁、小さな手で奏でる姿なきピアニスト、7人目の怪。行とほのかはどうやり過ごす? 青春ホラーミステリー!!(裏表紙より)

視えるけれどそれだけ、という一般人の小説家志望の芸大生と、怪異を好む風変わりな美人の先輩、同じように少々曲者たちが集う日常+ホラーもの。
芸大は、なんか、いるよね……などと思いながら面白く読んでいたんですが、最後の山の怪異はめっっっっっちゃくちゃ非日常で怖かった。このタイプの話、一昔前の少女漫画でもよく見たものすごく祟る系のやつで、懐かしさと合わせて怖くてぞくぞくした。お地蔵さんはだめだ。強すぎて怖い。同時に人間が怖い。
最後のエピソードに普通にやべーやつらが集まってきたのが楽しかったので、もっといろいろな話を見てみたいなあ。ケイ先輩がなんか好きな感じなのでもうちょっと見たい。演劇もそうだし礼儀やしきたりでスイッチを切り替えたり場に入ったりする世界の話が好きなんだなあと思ったので。
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リィとシェラのバイト先であり、ルウとシェラがその腕前に驚嘆する料理人テオの店「テオドール・ダナー」。ここが、店の誰も知らないうちにしばらく休業に入り、しかも、その休業期間中は別の場所でなぜかひっそりと営業するらしい???
最大の問題は、料理以外がすべて壊滅的に不自由な店主の存在である。テオの息子ヨハンは早々に意思疎通を諦め、あの父と会話が成立する奇跡的な人物を呼び寄せるという荒技を発揮させる。もちろん、かのリィ、シェラ、ルウがこんな楽しそうなことに参加しないわけはなく……。
かくして、期間限定の秘密のレストランが開店する!(裏表紙より)

デル戦を読んだら天使が読みたくなった。
料理以外は壊滅的な人物であるテオドールとレストラン関係者が、再び預言者のような亡き妻アンナの指示で、店の建て替えの間、別のところで腕を振るう。
料理の神様に振り回される人たちの叫びが本当に面白い。あと消えるホットドッグは笑った。ないんだけど、って食べたんでしょ爆笑。口絵、どういう意味かと思ったらそれかあ笑
一冊で終わりませんでした、前後編ですとあとがきにありましたが、その後編も前後編なんだよなあ。怪獣夫婦も出てくるかな?
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リィは再び訪れるはずのないデルフィニアの地に降り立った——『紅蓮の夢』で語られたのは王国の圧倒的危機を覆した戦女神の活躍。勝利の後、リィはコーラルに五日間だけ滞在した。戦場から帰還した大切な人を出迎える”残された人々”を中心に、その短くも濃密な日々が綴られた連作短編集。(裏表紙より)

再読。以前は版が違うもので読みました。
再びデルフィニアに降臨したリィ、シェラ、ルウと、レティシア、ヴァンツァーがかつての世界を垣間見るボーナストラック的番外編。デル戦の主要人物たちのお子様たちが大きくなっていて、当時のことを知らずに動揺したりなんだりするのが見ていて楽しい。
やっぱり好きなのはシャルロッテ王女とルウのやりとり。かわいい。素敵。
ポーラの戴冠式は何度読んでも幸せなため息。ポーラはもちろんウォルやデルフィニアの人たちが多くの人に愛される人柄だからこそ、この戴冠式になるんだよなあ。
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「俺は、多分、なんだって、視える」
「僕は、大体のものは、つくれますから」
皮肉屋の青年・叶義は幼い頃、あやかしの神隠しに遭って以来、いかなるものも"視えないものはない"という。
妖しい美貌を持つ飴細工師・牡丹はその手で"つくれないものはない"という――。
二人の青年が営むは、世にも不思議な妖怪飴屋。奇妙な縁に惹かれた彼らは、祭り囃子の響く神社で今宵も妖怪飴をつくりだす。
人と寄り添うあやかしの、形なき姿を象るために。あやしうつくし、あやかし飴屋の神隠し。(Amazonより)

妖怪飴屋を営む叶義と牡丹。謎めいた容貌の牡丹だが、彼を美しいと思える人間にはあやかしが近くにいるという不思議な特性を発揮する。そして叶義もまた、かつてあやかしとの接点を持ち、あるあやかしを探し続けていた。
少しだけ人生が壊れてしまった二人の青年の結びつきが儚くて、切なくて。面倒を見ていたはずの牡丹が、実は根っこの部分で叶義を支えているという関係性はコンビものとして最高の関係性だと思います!!!
あやかしが絡むエピソードはちょっとひりつくものがあって好きです。蜜香の話に絡めた叶義の「持つ者と持たざる者」の視点は、紅玉さんが描く作品だなあという雰囲気があって、やっぱり好きだ。
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「一生忘れられない結婚式にしよう」 貧乏伯爵令嬢のアリスは幸せで満たされていた。婚約者のアーサーがウェディングドレスや結婚式会場、公爵邸の彼女の部屋など全てにおいて最高のものを準備してくれていたのだ。「人生で一番浮かれているかも」と無邪気に笑う彼に、愛しさが溢れていく。そんな彼の良き花嫁となるために、幼馴染であるグレイとの再会や、家庭教師からの嫌がらせをひとりで乗り越えるアリス。その一方で、彼女の変化に対し、過保護なアーサーは人知れず不安を覚えていて……彼のとあるひと言をきっかけに、初めての喧嘩にまで発展して!?(裏表紙より)

通りすがりに婚約を申し出た貧乏令嬢、公爵令息と無事結婚! おめでとうございます!
留学から戻ってきたアリスがアーサーと結婚するまでの本編と、番外編を収録。驚いたのはグレイのことで、可哀想すぎてエピソード保管してあげてほしかったですね……。なんて報われないんだ。
アリスはここに至っても運の良さを発揮して、次期公爵夫人の教育を行う公爵家縁戚の女性に意地悪をされているところを、知らずに知り合った公女オフィーリアに助けられる。オフィーリアという親しい友人もできてアーサーとはすれ違うけれども、なんとなくアリスはあしらい方を覚えたかな? という感じがしました笑 束縛されっぱなしなのは変わらずだけれども。そして懐妊の話はとても微笑ましかったです。
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「フィニスさま。共に行きます。あなたを、絶対にひとりにしない」
公爵令嬢のセレーナは、現在『二度目』の人生を爆走中。
最推しの婚約者・フィニスとともに、何者かに暗殺された一度目の人生。その記憶を保ったままリスタートした『二度目』では、守られるだけのお姫様の立場を捨て、男装して帝国最強の黒狼騎士団に入り、団長であるフィニスを守り抜く――そう決めたのに。フィニスへの恋心を自覚し、さらに自分ではない婚約者の存在を知り、セレーナの心は揺れる。
そんな折、フィニスが現婚約者・フローリンデへの贈り物を選ぶのに付き添い、トラバントと三人で北部の商業都市を訪れたセレーナ。そこで遭遇したフローリンデは、前世でセレーナが知っていたキャラとは激変していて――?
トラバントの抱える秘密、束の間の休日デート……そして、舞台を帝都に移しての「婚約破棄大作戦」へ――!?
婚約者の地位も、恋も捨てた先にあったのは、あなたと手を握りあえる『今』。
両片想い×死に戻りラブコメファンタジー、絢爛&波乱の第2巻!(裏表紙より)

死に戻って二度目の人生を生きることとなった公爵令嬢セレーナ。愛したフィニスの婚約者ではなく、剣を手に戦う盟約者になったけれど、今世の彼は前世での友人であったフローリンデと婚約していることを知り、心は大きく揺れる。そして裏切り者の存在と国王暗殺、その実行犯と黒幕の影がちらつく……という、波乱の第2巻。
今回も全力で生きているセレーナが楽しくて楽しくて、たくさん笑って、胸が締め付けられました。「推し」に生きるセレーナの心に刻まれた傷って、めちゃくちゃ、それこそ地の底まで続くような深いものなんだと思うんだよなあ……。しかし「はーーーー!? くしゃみかわいいか!?」はくそほど笑いました!!!
フィニスの心情も明らかになりつつあり、読んでいる側としては頭に「※付き合ってません」が浮かんでいて……。もー早く結婚しろ!! そして幸せになれ!!
番外編が更新中ですが、早く三巻と番外編集を出していただきたい! 大団円が楽しみで仕方がありません!
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同じ名字に、同じクラス。春に進学したばかりの八木商業高校で、偶然に出逢ってしまった“佐古野”郁美と“佐古野”灯馬。すぐにクラスメイトから「夫婦」とはやしたられるようになり、憂鬱な日々を過ごしていた郁美だったが、ある日、灯馬のアイディアで、ふたりは夫婦の秘密を共有することになる——。
星海社ウェブサイト『最前線』にて“いい夫婦の日”に公開され、イラストを担当したHERO自身のコミカライズでも話題を呼んだ表題作に書き下ろしを新たに二篇加え、ついに単行本化。今、スマートフォンを通じて掌の中にある恋を描いた、紅玉いづき×HEROのタッグで贈る最新作。(裏表紙より)

公開当時に表題作は読了済み。コミカライズも。
表題作「青春離婚」に加えた書き下ろし、bot運営をすると男子ととある女子の交流を描いた「非公式恋愛」、野球部の元主将と義理の妹になる予定の女子と料理を絡めた「家族レシピ」の三本を収録。今回初めてこれらの作品の世界観が共通、というか舞台が八木商業高校であると知って嬉しい驚きでした。こういう連作大好き!
スマホ、SNS、アプリ、bot、ソシャゲと現代の高校生(2021年現在だと少し古くなりつつある?)を描いているのが身近でいて懐かしい。紅玉さんは本当に、人と繋がりたいけれど臆病でいる、かすかな結びつきに胸を震わせる人たちを描くのがお上手で、「非公式恋愛」はうるっときました。
「非公式恋愛」では「青春離婚」に登場した、郁美の心をざわつかせたパソコン部の一年女子が登場。こういうしたたかな子だろうなと思っていた想像通りで笑ってしまいつつ、その一生懸命さに応援したくもなって。また「僕」の弱さや勇気に胸が震えてしまってどうしようもなかった。
「家族レシピ」は親の再婚で義理の兄妹になる予定の二人が登場。料理をする二人のツッコミとボケ(正確にはボケではなく真剣)に爆笑。パスタが線香みたいに燃える、確かにな!
全編通して何がときめいたって、「青春離婚」では11月22日に物語が終わるのですが、「非公式恋愛」と「家族レシピ」はそれぞれ卒業式が行われる三月までのお話なので、裏で進行している郁美さんと灯馬さんが垣間見える!!! それぞれ視点が違うので、アプリを通してだったり、最後に登場したときの会話に匂わされていたりして、もうときめいてときめいて仕方がなかった。この時点で結婚する気なんじゃん! したけど!(コミカライズ収録おまけ漫画参照)。
素晴らしい連作でした。幸せな気持ちで読み終わりました。
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「結婚したからではなく、一人の男として君に愛されたいんだ」
 予知能力を持つ琥珀は政略結婚で、男なのに嫁として嫁がなければならなくなる。夫となるのは四神の血を引く白秋家の当主・高彪。帝の信頼も篤い精悍な軍人。きっとこの能力を望まれての結婚だろう――だが実は、琥珀はすでに能力を失っていた。強欲な義父から妹を守るために真実を言えず、罪悪感で苦しい琥珀。
彼の手を高彪は包むように優しく握り締める。さらに高彪は暴漢から琥珀を守るため、白虎の獣人に姿を変え…!(裏表紙より)

大正か昭和初期くらいの時代設定かな? 母と同じ予知能力を持つ琥珀は、強欲な義父の商売のために予知を強要されるも力を失っており、長らく軟禁状態で暮らしていた。その義父の命令で、義妹の安全と引き換えに白虎の一族の当主に嫁ぐことになり。
白虎と人の両方の姿を持つ高彪。異種族政略結婚ものですが、オメガバース要素はなし。けれども四神の血を引くので男性でも妊娠させられるらしく、作品の世界観では同性同士の結婚はどうやら不思議ではない様子。なかなか都合がいいというか、スパダリ要素と溺愛ハッピーエンドに御誂え向きの舞台です笑 約束された幸せですね。
優しい性格の琥珀と、たくましく思いやりの深い高彪。素晴らしい人に愛され守られる幸せをたっぷり詰め込んだ作品でした。本当にイラストが美々しいなあ。
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Author:月子
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