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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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社交界で浮名を流し、風雅と博物学を愛する有閑貴族エリオットには、もう一つの通り名があった。それは幽霊男爵――。沈黙の交霊会、ミイラの呪い、天井桟敷の天使……。オカルト事件に目がないエリオットの元に舞い込む不可解な事件。だが「謎」から闇を拭うと隠された想いと切ない事情が見えてくる。幽霊男爵が美貌の助手コニーを従え、インチキ霊能者に挑む!
怪奇に沸く19世紀ロンドンを、幽霊男爵が駆け回る!(裏表紙より)

幽霊が見える男爵と人形を自称する助手の少年、議員で警察にコネを持つ親友の貴族青年が、イギリスに溢れかえる幽霊事件に首をつっこむ話。
いやー危うい。みんなぐらぐらしている。その状況でお互いを支え合うことでなんとか均衡を保っている感じがはらはらします。けれどそれがきっと当時の英国という国の雰囲気であり、これから起こる歴史上の出来事に繋がるんじゃないか、と思うと、ああー……ああー!! と叫んでしまう。
それにこの時代に男尊女卑について描いているのはすごい。エリオットは本当に何を見たいんだと怖くなるくらい、冷静に社会的な空気やジェンダー観を観察している。死を見続けているから平等なのか。生者の社会は不平等で歪んでいるのか。それは、きついな……。
ところでこの本でめちゃくちゃロマンだなと思ったのは、幽霊に人間味があることでした。生きる延長に死があるところがいい、と思いました。はい私のフェチズムの話です。
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英国マザーグース物語1 婚約は事件の幕開け! (集英社コバルト文庫)
19世紀、大英帝国の首都——ロンドン。偉大な探検家である当主が亡くなり、長男が爵位を継ぐことになったアッシュフォード子爵家。長女セシルはといえば、子爵家の未来のため、顔も知らない相手と結婚することが決まっている。だが、好奇心旺盛な彼女は結婚までの一年間、新聞記者になるという前代未聞の行動に出た! 「子爵令嬢」という正体を隠し、少年姿で働くセシルの前に現れたのは……!?(裏表紙より)

英国を舞台に、男装の子爵令嬢と、彼女の婚約者であることを隠しながら仕事のパートナーとして接近する次期侯爵の、謎解きラブロマンス。まっすぐでちょっと脆いところのあるセシルとちょっと意地悪で飄々としたジュリアンはとてもいい雰囲気で、これは正体がばれるときがめちゃくちゃ楽しみだなあ笑 でもジュリアンはなんだか悪い男のような気もするぞ……?
風呂場女神 (レジーナ文庫)
三度の飯より風呂を愛する平凡OLの泉。今日もバスタイムを楽しんでいたら、浴室の窓がなぜか異世界に繋がってしまった!? 窓の外に現れたのは、荒野で遭難中という男。乞われるままに水を一杯あげると、男はお礼にと耳飾りを渡し、行ってしまった。今のは何?? と混乱する泉をよそに、その後もたびたび窓の外には摩訶不思議な人々が現れる。頼まれるまま物々交換を繰り返すうち、泉は彼らと深く関わることになり——? ちょっと不思議な湯けむりファンタジー。文庫だけの書き下ろし番外編も収録!(裏表紙より)

OLの泉が風呂に入っていると、窓が異世界に繋がるようになってしまった。しかし外に出て、窓が閉まると、その接続は途切れるらしい。そんなわけで、泉は異世界に関わりはするものの風呂場から出ることはない、という独特の異世界召喚ファンタジー。面白かったです!
わらしべ長者的に、というか、最初に水のお礼として受け取った耳飾りを、必要としている人に渡して、そのお礼を受け取って、次にそれを必要としているように渡して……という伝言役、メッセンジャーみたいな役割。接続先が持っているものを必要としている人という法則性があるので、物語の展開は都合がいいんですが、実はとある秘密が明らかになるラスト、なるほどなーと唸りました。
女王と海賊の披露宴-海賊と女王の航宙記 (C★NOVELS (か1-75))
「結婚式をやらないか」と突然言い出したケリーに、ジャスミンとダイアナはパニック状態。ジンジャーのためという説明に一旦騒ぎは鎮静化するも、無駄に顔の広い大型怪獣夫婦の披露宴に集まる面々が、当然のごとく普通の客であるはずもなく……。
さらに後日。ケリーは連れ添ってもうすぐ金婚式になろうかという愛妻(!)に「結婚式の後は新婚旅行だよな」と言い出した。ケリーのらしからぬ爆弾発言という事件は、さらに本当の“事件”にまで二人を導く。怪獣夫婦プラス一隻の新たなる冒険とは——。(裏表紙より)

「女王と海賊の披露宴」「女王と海賊の新婚旅行」の二本立て。
披露宴の方には金銀黒天使に元暗殺者二人組も登場しますが、あくまで脇役。ケリーとジャスミンが昔なじみと交流を温める話ですが、やっぱり見所はドレスで巨大ライフルを撃つジャスミンだと思いました。
新婚旅行は最後の最後でいつもの怪獣夫婦。指輪を「殴りやすい」 基準で着けるジャスミンがかっこかわいい。素敵。
最後の最後で天使の話題を振っていったので、次に出るとしたら天使シリーズかなあ。
シンデレラ姉と魔法使い ハッピーエンド以外は認めません! (一迅社文庫アイリス)
そうして、シンデレラは王子様と幸せになり、意地悪な義姉は罰を受けて死んでしまいました。めでたし、めでたし――。
ある日、魔法使いの青年フィンと出会った伯爵家の次女デイジーが知ったのは、物語の悪役のような一年後の未来だった。彼女の死はフィンの魔法のせいで、彼は悲惨な未来を回避しようと、同じ一年を繰り返しているというのだけれど……。原因が妹に無関心だったせいって、意味不明すぎる!? でも、妹と仲良くすることで未来が変わるなら、まずは妹の生態調査に行ってきます!
運命を覆すために奮闘する姉と魔法使いのラブファンタジー!(裏表紙より)

シンデレラに無関心だったがために、魔法の影響で死んでしまった二番目の姉デイジー。だがその魔法を使った魔法使いフィンの「逆行」の魔法により、フィンはデイジーが死なない未来のために同じ一年を繰り返していた。そして六回目、デイジーはわずかながら前回の記憶を持ち、フィンと協力して魔法から抜け出す術を模索する。
童話モチーフにループもの。ぎっしり詰まった活字にうっとりしながらも読みました。読み応えがあって面白かったです。デイジーのしっかりさと可愛らしさが突き抜けていました。その分エラと王子は若干だめな人たちでしたが……。
黒湖さんの作品、これが初読みなんですが私の感覚的な問題だろうけれど「」書きの後に()で心の声が続くの、ずっとなので読みづらかった……。
死神執事のカーテンコール 時限爆弾の少年 (小学館文庫キャラブン!)
 東京都心から少しはずれた街の一角に、時代に忘れ去られたかのような洋館がある。そこに間借りして探偵事務所を開く男の名は、猪目空我。彫りの深い顔立ちの美丈夫だ。開業して数ヶ月、なんの実績もなく依頼者は限りなく少ないが、猪目は『名探偵』という自らの運命的な職業にも、雰囲気ある屋敷に格安で住めている現在の生活にも、すこぶる満足していた。ただし彼の大家である幼いお嬢様が実は『死者』で、彼女に寄り添う美形執事の正体が『死神』だったりはするのだが……。
 ハリボテ探偵と自称エリート死神の“やりなおし”ファンタジー、カーテンコール!(裏表紙より)

最後の最後がすごくロマンだった。うわーそういう感じでファンタジーぶっこむのかおもしろー!! とぞくぞくしました。
前回と比べて今回は、死者とカーテンコールが主軸となった謎解きめいた話が多かった気がする。不気味さはあんまりなくて、おどろおどろしさがコメディに昇華されたような。どちらにしても時限爆弾を求める少年にお葬式を見せたり、この世に起こった出来事を知りながら、最後の人類と関わる、というぞくっとする怖さはあって、やっぱりすごく面白かったです。
民俗学研究室の愁いある調査 その男、怪異喰らいにつき (富士見L文庫)
 民俗学のフィールドワーク中に“呪われて”しまった大学院生・名鳥歩。彼の周囲では不可思議な研究室荒らしや、動物の亡骸が散らばる事件が続く。
 身に危険が迫った名鳥に、教授が紹介したのは“怪異喰らい”と呼ばれる謎の美青年・朽木田千影だった。
 常に不機嫌そうな朽木田と脳天気な名鳥のふたりは、福井のある農村の風習を手がかりに“呪い”の秘密に迫っていくのだが……。
 謎が明らかになる一方、「怪異喰らい」となった千影の哀しい過去を知ってしまった名鳥は——?(裏表紙より)

ポジティブかつ人の懐に入るのが上手い犬のような青年と、懐かない気位の高い猫みたいな風変わりな青年。二人で怪異に立ち向かうホラー系あやかしもの?
ホラー系っていってしまうのは完全に祟っているからです。ほっこりするのは名鳥の懐っこさや根っこにある純粋さやお人好しの部分、あと朽木田との交流で、あとはもう、人死にが出ている時点でめちゃくちゃやばい。勝負を挑むとか怖すぎる。運良く勝ったけど本当なら絶対負けていたよな……。
名鳥はいったい何者なんだろうという別の恐ろしさに触れずに終わったのでまた怖かった。面白かったです。
紅玉は終わりにして始まり (時間旅行者の系譜)
あたしが“めまい”に襲われたのは月曜日のお昼、学校のカフェテリア。それがすべての始まりだった。そもそもタイムトラベラーとして期待され、準備万端ととのえていたのは、いとこのシャーロットだったのだ。ところが実際に過去に飛んじゃったのは、何の準備もしていないあたし。相棒になったギデオンは気絶しそうなほどステキなんだけど、あたしのことなんかばかにしてる。あたしだって好きでタイムトラベルしてるんじゃないのに。
ドイツで百万部突破。大人気のタイムトラベル・ファンタジー三部作第一弾。(カバー折り返しより)

長い話が読みたいというリクエストを受けて差し出したものの、自分は積んでいたのでいまさら読みました。タイムトラベラーの遺伝子を持った家系に連なる少女と少年の、恋を絡めた時間遡行と一族の謎を巡るファンタジー。とてもいまどきで楽しい。
完璧で美しいいとこではなく、平凡で何の準備もしていなかった主人公が選ばれし者であるというのはべたべたながらもやっぱりちょっと気持ちいい笑 いまはまだ謎に振り回されている感があるけれど、これからどんな風な強さやクリティカルな行動に出てくれるのか楽しみ。
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女V」
一年ぶりにリュエルの実を採集することに成功したローゼマインは、神官長と共に薬作りに励む。これで健康な普通の女の子になれる!……はず。その喜びから、活動は今まで以上に精力的なものに。本を読める環境作りのために製紙業や口伝集めに力を入れるばかりか、神殿長としては収穫祭の直轄地を回る。おまけに初めての妹までできて――。
だが、冬支度の準備が着々と進む中、貴族の派閥争いが加速していく。彼等の陰謀は神殿内に混乱を招くばかりか、ローゼマインの未来をも大きく揺るがすことになる……。
驚愕の新展開へ! 心高まる第三部クライマックス! 第四部への2年間を描く短編集に、書き下ろしSS×2本、お馴染み椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!(裏表紙より)

ほらあああああどうしようもない展開来たじゃーーーーーん!!!
そんなわけですごい結末を迎えた第三部。第四部も冒頭から大変だろうなあ。ローゼマイン、大丈夫か……。
短編集からが本番という感じで、マインが蒔いた種が芽吹くように、たくさんの人が自分の役割や仕事を果たそうとするところはいいなあと思いました。そしてみんな有能だなあ。
最後の最後、トゥーリが行儀作法の勉強の成果がちらっと出ているのがとてもじんわりしました。みんな頑張ってて胸が熱くなる。
「ダメな私」にマルをする
つい誰かと比べて、自分はだめだ、不幸だ、なんて思ってしまう女性たちに、具体的なエピソードをところどころ持ってきつつ、自己肯定感を持っていこうと呼びかけるような一冊。2012年の本ですが、人の自己肯定感のなさっていまの方がずっと大きな問題になっている気がするなあ。
なんかもうとにかく比べちゃだめなんだと思いました。他人が羨ましく思えるのはしょうがないけれど、かといって自分がだめなわけじゃないと思う、と自分に言い聞かせている。
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Author:月子
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