読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
ポーラは魔法街を訪れた。イヴンに飲ませる惚れ薬を買いに行くという、国王や王妃が聞いたら悲鳴をあげそうな目的のために……。シェラはまだ暗いうちから朝食の準備をして、洗濯をし掃除を行ない、刺客の撃退もする。平和な日常の裏で殺伐とした事件が繰り広げられる、いつものコーラル城を描いた外伝。(裏表紙より)
途中で気づいたんですが再読でした。ノベルス版で読んだんでした。
ポーラとアランナの休日とその裏で起こったどたばたな事件を描く「ポーラの休日」
婚礼衣装で駆けつけた戦場の夜、賭け事に興じる掌編「王と王妃の新婚事情」
リィが留守した一日にシェラが遭遇した一連の事件「シェラの日常」
どれもたいへんデル戦らしくて面白かったです。相変わらずみんないろんな方向にチートだなあ。本編の大きな流れを読んでいるのも楽しかったんですが、こうして隙間に起こった事件を読むのもすごく楽しい。
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常に人でにぎわうデパートの食品フロア=「デパ地下」。老舗の伝統に最新の流行、昔ながらの定番もあれば、各デパートが知恵をしぼり工夫をこらした「ここでしか買えないもの」もある。絶えずリニューアルが繰り返され、トレンドを発信し続けるデパ地下は、人々の生活に密着しながら、ファッション化・カジュアル化してきた。時代のニーズに合わせて進化を続け、訪れた人をわくわくさせる売り場、その人気の秘密はどこにあるのか? 消費者の視点から見た「活用法」も織り交ぜながら、デパ地下の魅力に迫る。(カバー折り返しより)
デパートについて知りたくて読んだのですが、エッセイみたいな読み心地。著者紹介を見たら、もっと特定のブランド一つに絞った専門書も書かれているんですね。この本は全体的にあっさり目で、消費者から見たデパートの変遷という印象が強かった。
アメリカ在住の小説家である著者が、ニューヨーク州の郊外、ウッドストックでの緑あふれる暮らしをつづる。ハプニングも、楽しいこともたくさんある日々。軽やかな語り口でありながら、自然や周囲の人々への愛とともに、本当の豊かさとは何かを感じさせる、温かなエッセイ。解説/金原瑞人(裏表紙より)
アメリカ、ニューヨーク郊外のウッドストックで暮らす日々を綴ったエッセイ。外国の田舎暮らしって大変だなあと思わせる数々の出来事が記されているのですが、自然賛美や環境問題への提起がなされているので、自然を愛し、どのように守り、どう生きていくかを考えたいときに読みたい本だなと思いました。
森の描写や緑の描き方が素敵なんだよなあ。実際に見てみたい。
理由はわからないものの、なぜかしょっちゅう異世界トリップをしてしまう香織。今回もようやく日本に帰ってこられたと思ったのも束の間、あっという間に新しい世界にトリップしてしまった。しかも今度は、美貌の陛下(但しオカマ)の花嫁候補として召喚されたらしい。新しい世界はもうこりごり! 一ヶ所で安定した生活を送りたい! そう思った香織は、その後の生活保障と引き換えに、一年間限定で、陛下と偽装結婚をすることに。ところが後宮の女性たちに喧嘩を売られたり、食べ物に毒を盛られたりと、今回もなにやら波乱万丈で……。ベテラン異世界トリッパーが、平凡生活を目指して大奮闘!? 新感覚・中華風異世界ファンタジー!(カバー折り返しより)
久しぶりにトリップものを読んだ気がする。
中華風異世界にトリップした香織。ただ彼女にとってトリップはこれで五度目であり、大学受験をきっかけに始まったその現象のせいで精神年齢は実年齢+10歳、つまり二十八歳。ようやく大学に入学し友人たちがいるはずなのに現代日本での居場所を見失いつつあるという状況。
この現象をなんとかしたいと思う香織の願いは、はっきりとは書かれていないんですが居場所が欲しい、平和で心穏やかな日々を取り戻したいということで、前半のコメディな部分やベテラントリップゆえのチートに隠されているんですけれど、だいぶと切ないです。どんなに異世界を渡ることが上手くなっても、強制的に世界から引き剥がされてリセットされる感覚、香織は諦めている節があるけれどだいぶと辛かっただろうなあ……。
中華風異世界の後宮で、何もかもわかっているという感じで立ち振る舞うシーンがめちゃくちゃかっこよかったです。こういうのもチートなんだな。勉強になりました。
15歳の魔女・リジィが相続し、ひとり引っ越してきたのは、ローデンシュア六番地にある、荒れ果てたお屋敷。そこには、魔力と結界に囚われて出られない幽霊たちと、危険で不思議な魔導具の数々、さらには悪魔まで棲んでいて……!? 記憶を失くした少年の幽霊・フレッド、そして理想の男の子・アランとの出会いが、小さな魔女の恋と幽霊たちの運命を動かしていく——。
神尾アルミが放つ、恋愛魔法ファンタジー!(裏表紙より)
児童文学のような世界観の、魔女と幽霊のどたばた同居もの、現代風。
ちょっと世間知らずだけれど前向きで元気な魔女リジィと、多数の幽霊たち。魔女たちが残したたくさんの魔道具。そして学園と、わくわくする要素がたくさん。一つ一つの要素にロマンが感じられて素敵だなあと思って読みました。
ルイが実は父親なんだろうなとか、イクリプス派とはなんぞやとか、ウルキエルの存在が突発的でもっと秘密がありますよねとか、色々あってもう少し長く読んでいたかったなあという気持ち。
婚約式の場で大怪我をして政略の駒になれなくなったフェリシアは、王である兄の計らいにより、彼の腹心でフェリシアの初恋の人、オーウェンと結婚することになる。けれど彼の献身ぶりは夫というより従者のようで、夫婦の営みもないまま。不本意な結婚を強いてしまったと心を痛め、彼から離れようとするフェリシアだったが…。「今から貴女の夫として振る舞わせていただきます」オーウェンは箍が外れたかのようにフェリシアに欲望をぶつけてきて―!?(Amazonより)
虐待を受けて育ったゆえか生まれつきのものか、「人」の自分と「獣」の自分を持つオーウェン。優秀すぎる彼はいわゆるサイコパス的な人物で、高い能力を持ちながらも一種の狂気を備えた性格。王太子殿下のご学友として選抜された先で、運命の人、王女フェリシアと出会う。
愛されて育った無垢なお姫様が、獣のような思考を潜ませた男性と恋をするっていうのは、やっぱりすごくいい。オーウェンを丸ごと受け入れる彼女はまさしく「お姫様」だなあ。
お兄様が想像以上にいい人で有能……というのか思い切りがいいというのか、まあオーウェンの本質を見抜いてそばに置くくらいだから普通の人のはずがなく。
汚れたものと清らかなものの対比がすごくよくて、狂おしくもピュアなTL小説だと思いました。こういう仄暗い作品、最近の少女小説ではなかなか読めないように思うんですが、TLだと読めるのかー。面白かったです。
第二王女は、女神の使徒である。その真実を隠すため、全く表に出られなかったリーウェは、使徒としての使命を果たすべく身分を隠して騎士団に入団していた。ところが、十六歳の誕生日目前、第二王女を捜し出せたら、王女に求婚できるという、おかしな舞踏会が開かれることに!! 騎士のままでいたいリーウェは、唯一正体を知っている同じ騎士団員のギデオンとともに騎士姿で会場にいることにしたけれど……。なぜか大国の王子様が迫って来て!?
身分を隠した王女様の、騎士団ラブファンタジー(裏表紙より)
女神の使徒として生まれたメリーウェイス王女ことリーウェは、魔導騎士として潜伏中。幼なじみのギデオンに子ども扱いされながらも、戦うことを使命として見出していたけれど、とんでもない舞踏会が催されることをきっかけに、女神と相対する滅びと虚ろの王の侵攻を受けることに。
壮大な物語の始まりのお話のようでありながら、幼馴染への思いを自覚するじれじれなファンタジー。戦いがこの規模でよかったし、虚ろの王の正体が彼でよかったけれど、今後も戦っていかなきゃならないんだろうなあと思うと、リーウェとギデオンの道のりは大変だ……。
冒険者の母に鍛えられた村娘ウィルラの夢は、ごく普通の男性とごくごく普通に結婚すること。なのに、強くなりすぎたせいで村の男達から、全く結婚相手として見てもらえない!! 焦った彼女は、村に来た冒険者アンフィル達に頼み込み、素敵な旦那様探しに旅立つことにしたけれど……。危険と隣り合わせで連絡もつかない冒険者は理想とは正反対なのに、なんで意地悪なアンフィルにドキドキしちゃってるの!?
最強乙女の冒険ラブコメディ!(裏表紙より)
冒険者ギルドに所属している冒険者の両親の元に生まれたウィルラは、身体の中から武器を取り出すことができる「武人」と呼ばれる特殊能力者。しかも出せる武器は大剣と細剣の二種類という変り種だ。手から武器を出現させる武人は、時折薄気味悪がられて差別されたり手を触れてもらえないこともある。寂しいウィルラは、自分の力で花婿を見つけるために旅立つことに。
普通の娘さん(でも戦闘スキルが高レベル)が頑張るお話。ウィルラが能力以外は本当に普通の女の子なので、いじらしいところも、ちょっと意地はってるところも可愛らしい。
顔がいいけれど辛辣なことが多いアンフィルは、そんな彼女にほだされていくのですが、どっぷりウィルラにはまり込んだときの甘さが、もうきゃー! って顔を覆うほどの恥ずかしさでもんどりうちました。甘すぎないですかかね!?
アンフィルの同行者ボルッツがいい男で、こういうくまさんみたいで、腹黒いところもあるおおらかな人大好きです。
楽しいお話でした。
【電子版限定書き下ろしつき!】自殺を思いとどめた16歳の少年が魔術師の館を訪ねてきた。きけば、世にも珍しい<天使時計>を壊した代償に主人から預かった大事な金貨を取られたらしい。少年の手に残ったのはどうみても最初から壊れていた様子のガラクタ時計。魔術師のひとりは、詐欺師からだましとられた金貨九枚に上乗せして返してみせるというのだが…。(天使のふりこ)珠玉の短編計4作&電子版限定書き下ろし「それはまるで水晶のような」収録!(Amazonより)
電子化に際して、書き下ろしがついた電子版。
久しぶりに楽魔女を読みましたが、感じ方が変わったなあと実感しました。そしてやっぱりこのシリーズの面々がすごく好き。
最終巻まで読んでいると、ごくちゃんについての諸々が「もうここでちょっと伏線張ってたのか!」とわかるところがあって面白いですね。ごくちゃん視点の短編が入ってますけれど、これがああで、こうなんでしょ……っていうのが面白い。
書き下ろしはエイザードとナハトールが語らう話「それはまるで水晶のような」。エイザードの喋り方の理由と、ナハトールが楽園にやってきた理由、互いの過去が少しだけ垣間見える掌編です。やっぱり最後まで読んでいたせいか、エイザードについて読んでいるとなんかもう、ものすごく切なくなってしまう。苦しんでたのかなあとか、四人娘の存在が救いになったのかなあとか。そういうことを思って。