読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまうが……。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、切ない青春小説。(裏表紙より)
すごかった……。脳みそが揺れた。ピンクとグレー、色は違うけれどどちらも中間色。曖昧になる相手と自分、かあ……。
小学生のときの出会いから青年期の別れまで、印象深いエピソードとともに、大貴の視点から真吾を追っていく。そしてその事件をきっかけに、大貴はさらに真吾=白木蓮吾の思考をトレースする。あのとき彼は何を考えていたのか? ということを演技以上の同化で描くので、後半はとにかくぞくぞくしっぱなしでした。最後はやっぱりああなるよなあ……。
中盤からラストまで一気に読んでしまった。すごかった。
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都心に広大な敷地を誇る代々木公園。3月の最終日曜日、まだどこにも咲いていないはずの桜が舞う今日、公園にいる人間を標的とした、ある伝説が現実のものとなる——。ロカビリーグループ、高校演劇部、殺陣役者、ネットアイドルオタク、お笑いコンビ、イケメン俳優など、何の繋がりもなさそうな人間たちの事情が巧妙に絡まりあい、思いも寄らぬ化学反応を引き起こす。その果てに、伝説の主人公となるのは一体誰なのか? リアルな現実を照射するなかに、人間の愚かさや愛おしさを浮かびあがらせた群像劇。(裏表紙より)
三月最後の日曜日、代々木公園に現れる都市伝説〈チェッコさん〉。公園内にいる人々のグループのいずれかにいつの間にか入り込み、代わりにグループの中の一人が存在を忘れられ新たな〈チェッコさん〉になるという。
そんな日曜日に偶然集まってしまった人々が、それぞれの事情を抱えながらとても長い一日を過ごす群像劇。
チェッコさんの登場はすごく自然にとても違和感がある感じで入り込んできたので、一瞬あれ読み飛ばしたかなと思いました笑
だいぶと後味の悪い人が何人かいて、救われたのは限られた人たちだけなんですが、たくさんの人の視点がぐるぐると入れ替わって、この出来事はAさんにはこう見えていたけれどBさんにはこう見えていた、というのが好きなので楽しかったです。
失くしたものは、何か。
心を穿つ青春ミステリ。
11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎……。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。(裏表紙より)
ファンタジー要素ありの現代ミステリ。
一人称って読みながら語り手のことを感じたり考えたりするんですが、この作品の語り手の七草少年、最初から「なんか信用できないなあ……」という感じが漂っていて。階段島の性質から自分のことを語れない人かと思ったんですが、ラストに向かうにつれて、なるほどそういうことかと。
「真辺由宇がここにいる」ことが犯人の怒りであり、犯行の動機だった。ファンタジックな設定ならではのロジックで面白いなあと思いました。
しかしその真辺さんのまっすぐな性格がちょっと読んでいて辛い。振り回されているわけではなく、七草は自分で彼女についていくかどうか選んでいるんだよという台詞がありましたが、それにしても真辺が考えなしに突き進んでいくのを七草がなんとかしてあげているように感じられて。
続巻で今後この二人の関係も変わっていくのかなあ。
最愛の家族を失い、修道士ジョスランとともにスカルディアの蛮族に売られたフェードル。だが、鍛えた洞察力と生来の才能、そして故国への忠誠心によって二人は死地を乗り越え、辛くもテールダンジュに帰還した。しかし、王国はすでに分裂の途にあった。スカルディア来襲の報を告げられた女王の密命により、フェードルは国を救うため、幼なじみのヒアシンスを伴い新たな旅に出る……華麗なる叙事詩、激動の第1部完結篇!(裏表紙より)
テールダンジュに戻ったフェードルたちは、国を守るために同盟者となるドラスタンに助けを求めに旅に出る。ドラスタンをクルアハの王位につけ、一族をまとめあげた彼とともにテールダンジュに舞い戻り、ついに決戦。
第1部完ということでメリザンドがついに……と思いきや、追いかけっこは第2部に持ち越しかあ。ヒアシンスのこともあるし、彼を早く助けてあげてほしい。ああなるとは思わずに「えー!」って言っちゃったので……。
最後にデローネイのフェードルとアルクィンに対する愛情が感じられて、ほろっとしました。家族だって思ってくれてたんだろうなあ。
テールダンジュを司る高貴な人々の秘密を探るべく、謎多き貴族デローネイのもとで神娼として奉仕するフェードル。彼女は、力を増す諸外国に囲まれ、野心に満ちた地方領主たちを抱えて揺れる国家のさまざまな闇を目の当たりにする。老いた王とその孫娘を待つ罠とは、そしてデローネイが忠誠を誓う相手とは? 予言によればそれを知った日、フェードルは絶望するだろうという……ローカス賞、ロマンティック・タイムズ賞受賞の歴史絵巻、怒涛の新展開!(裏表紙より)
陰謀渦巻く国内で情報を集めるフェードルたち。しかし大いなる企みが動き出した結果、デローネイとアルクィンは殺害されてしまう。真犯人によってフェードルとジョスランは他国に奴隷として売り飛ばされ、そこで国家転覆を目論む者たちのことを知り、なんとしてもテールダンジュへ戻ろうとする。
大事な人たちが亡くなってしまった……。そこからなんとか自分を守り、国に戻ろうとするフェードルの賢さと気高さは見事。ヒアシンスに再会できたときは力が抜けました。
ここから反撃開始かな? フェードルがどのようにメリザンドに立ち向かうのかどきどきします。
人と獣の姿を持つ不思議な存在、花犬。そしてその花犬を相棒に狩猟をする花操師。花操師見習いのコトナは、過去にあった花犬との辛い別れが原因で、現在の相棒セキとの関係がぎくしゃくしていた。近く行われることになっている、花操師への昇格試験の合格も危ぶまれる中、凶悪な花犬が出没し、多くの犠牲が出たという。それは、かつてのコトナの相棒である花犬ハルシを殺した相手で——!?
きみのおtなりに、ふさわしい自分でいたい——。(裏表紙より)
独特な世界観の民族風ファンタジー。とても可愛らしいお話で、花犬たちが可愛いこと!
犬を使うということと、犬の好物である植物や薬学が詰め込まれた作品で、花を食べる犬って可愛くてロマンチックだなあと思いました。
お話としても、パートナーであること、どういう風に相棒になっていくかにはらはらさせられて、素直な気持ちを伝えて本当にパートナーとなった二人に心からほっとしました。喪失を乗り越えた登場人物って健やかで伸びやかでとても眩しい。
シャリジとスールがまたいい感じで、意地悪なシャリジはともかく笑 スールの人懐っこさにはずいぶん癒されました。
とても可愛らしいロマンあふれるファンタジーでした。
気象台に勤務する美晴は、息子の楓大と二人暮し。ある日、自分たちが天気を「よむ」能力を持つ一族の末裔であることを知る。美晴にも天気を予知する不思議な能力が出現し、特別研究チームへの参加を任命される。それは、代々“空の一族”が担ってきた「外番」の仕事をすることを意味していた。「外番」とは、そして一族の「役割」とは一体何なのか? かつてない気象エンタメ小説、ここに開幕!(裏表紙より)
とあるプロジェクトに参加させられることになり、自分が、天気を見る・感じることができる能力者であることを知った美晴。導かれるように一族の人々と出会い、不思議な出来事や気象に遭遇する。
もっとがっつりファンタジーかと思っていたんですが、かなり現実寄りだった。もうちょっと不思議な力をばりばり使ってもらってもよかったのよ。膨らませたら上下巻の分厚い作品になってたんだろうなあという設定の散りばめられ具合だったので、もうちょっとしっかり読んでみたかったです。
天使の血をひく人々の国、テールダンジュ。ここでは、愛の営みは神への捧げ物である。少女フェードルは“クシエルの矢”と呼ばれる印をもって生まれ、それゆえに数奇な運命をたどる。謎めいた貴族デローネイに引きとられ、陰謀渦巻く貴族社会で暗躍するためにあらゆる知識と技術を授けられたのだ……一国の存亡を賭けた裏切りと忠誠が交錯する中、しなやかに生きぬく主人公を描くローカス賞受賞の華麗な歴史絵巻、開幕!(裏表紙より)
交わることが神の捧げ物とされるテールダンジュ。春を売る神娼の娘として生まれながらも、瞳に赤い血のような染みを持って生まれたフェードルは忌み子だった。しかしそれは「アングィセット」と呼ばれる特殊体質を示すものであり、それを知った謎の貴族デローネイに引き取られ、彼の諜報員として仕込まれることになる。
諜報と陰謀とエロスと。たくましくしなやかなヒロインであるフェードルが、少しずつその才能を見せ始めるところがどきどきするなあ。一人称なので淡々と話が進むんですが、彼女がとんでもなく激する瞬間とかあるんだろうか。
20世紀初頭、フランス——。百貨店を経営する裕福な一族の娘・ミシェルは、社交界デビューを目前に控えていた。両親を亡くしているミシェルにとって、後見人は冷酷な伯母夫婦。厄介払いのための結婚をさせられる日も近いと知ったミシェルは、ずっと手紙を交わしていた「三日月伯爵」に会うため、パリに行く決意をする。顔も知らない彼を捜しだせるのか…!? 黒猫と手紙が導く奇跡の恋物語。
『きみが大人になったら、パリでまた会おう』(裏表紙より)
足長おじさん的なお話。財産目当ての伯母一家に厄介払いされ、修道院に入るもののひどい折檻を受けて辛い日々。ある日それが匿名の告発によって女学院に生まれ変わるも、ミシェルはそのまま学校に入れられる。学校生活は楽しく無事に卒業を迎えたけれど、今度は社交界にデビューして、遺産を狙う人々の前に立たなければならない……。ここまでくると将来に絶望しそうなものなんですが、ミシェルを支えるのは「三日月伯爵」。ああもう甘酸っぱい! いつかあなたに会いたいと願い、行動する女の子は素敵だ。
エリオットの帽子職人という仕事も、実に少女小説的できゅんきゅんします。手先の器用な男のひとっていいよね!
三日月伯爵の秘密はちょっと凝っていたなあと思いました。面白かったんですが、そこはやっぱりストレートにいってほしかった気持ちもあり。
可愛らしいお話でした。
ワケあり王太子殿下アイザックと相思相愛になった貧乏伯爵家の令嬢リネット。婚約式の準備も着々と進められ、後はリネットの父からの婚約承諾書が届けばすぐにでも婚約できるはずだったのだけれど……。父から「人違いではありませんか」という返信が届いただけではなく、王都へ来た兄からも反対されて!? 何で女装姿の兄さんに殿下との婚約を全面否定されなきゃいけないの! 兄さんより私の方が淑女だって見せつけて、殿下との婚約を勝ち取ってみせます!! ワケあり王太子殿下と貧乏令嬢の王宮ラブコメディ第3弾(裏表紙より)
兄、来訪す。リネットの成長。アディンセル伯爵家の秘密。というお話。
兄がいいキャラしてるなあ!笑 ちょっと野生児が強い感じながらも女よりも女らしいところのギャップが素敵です。妹大好きでちょっと照れが入っているところもかわいい。
リネットは淑女として少しずつ成長していて、それが見られたのもよかったなあ。彼女らしさを失わない淑女になっていってほしい。
リネットの特殊能力に続いてグレアムも特殊能力(?)持ちでしたが、お父さんも何かあるのかなあと思ったり。一族の特殊能力感がすごいので、絶世の美女だったという祖母君とか、まだまだ秘密がありそう。
ちょっと抜けたところのあるアイザックも見られ、婚約決定もあってとても微笑ましい第三巻でした。楽しかったです。