読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

最愛の家族を失い、修道士ジョスランとともにスカルディアの蛮族に売られたフェードル。だが、鍛えた洞察力と生来の才能、そして故国への忠誠心によって二人は死地を乗り越え、辛くもテールダンジュに帰還した。しかし、王国はすでに分裂の途にあった。スカルディア来襲の報を告げられた女王の密命により、フェードルは国を救うため、幼なじみのヒアシンスを伴い新たな旅に出る……華麗なる叙事詩、激動の第1部完結篇!(裏表紙より)
テールダンジュに戻ったフェードルたちは、国を守るために同盟者となるドラスタンに助けを求めに旅に出る。ドラスタンをクルアハの王位につけ、一族をまとめあげた彼とともにテールダンジュに舞い戻り、ついに決戦。
第1部完ということでメリザンドがついに……と思いきや、追いかけっこは第2部に持ち越しかあ。ヒアシンスのこともあるし、彼を早く助けてあげてほしい。ああなるとは思わずに「えー!」って言っちゃったので……。
最後にデローネイのフェードルとアルクィンに対する愛情が感じられて、ほろっとしました。家族だって思ってくれてたんだろうなあ。
PR

テールダンジュを司る高貴な人々の秘密を探るべく、謎多き貴族デローネイのもとで神娼として奉仕するフェードル。彼女は、力を増す諸外国に囲まれ、野心に満ちた地方領主たちを抱えて揺れる国家のさまざまな闇を目の当たりにする。老いた王とその孫娘を待つ罠とは、そしてデローネイが忠誠を誓う相手とは? 予言によればそれを知った日、フェードルは絶望するだろうという……ローカス賞、ロマンティック・タイムズ賞受賞の歴史絵巻、怒涛の新展開!(裏表紙より)
陰謀渦巻く国内で情報を集めるフェードルたち。しかし大いなる企みが動き出した結果、デローネイとアルクィンは殺害されてしまう。真犯人によってフェードルとジョスランは他国に奴隷として売り飛ばされ、そこで国家転覆を目論む者たちのことを知り、なんとしてもテールダンジュへ戻ろうとする。
大事な人たちが亡くなってしまった……。そこからなんとか自分を守り、国に戻ろうとするフェードルの賢さと気高さは見事。ヒアシンスに再会できたときは力が抜けました。
ここから反撃開始かな? フェードルがどのようにメリザンドに立ち向かうのかどきどきします。

人と獣の姿を持つ不思議な存在、花犬。そしてその花犬を相棒に狩猟をする花操師。花操師見習いのコトナは、過去にあった花犬との辛い別れが原因で、現在の相棒セキとの関係がぎくしゃくしていた。近く行われることになっている、花操師への昇格試験の合格も危ぶまれる中、凶悪な花犬が出没し、多くの犠牲が出たという。それは、かつてのコトナの相棒である花犬ハルシを殺した相手で——!?
きみのおtなりに、ふさわしい自分でいたい——。(裏表紙より)
独特な世界観の民族風ファンタジー。とても可愛らしいお話で、花犬たちが可愛いこと!
犬を使うということと、犬の好物である植物や薬学が詰め込まれた作品で、花を食べる犬って可愛くてロマンチックだなあと思いました。
お話としても、パートナーであること、どういう風に相棒になっていくかにはらはらさせられて、素直な気持ちを伝えて本当にパートナーとなった二人に心からほっとしました。喪失を乗り越えた登場人物って健やかで伸びやかでとても眩しい。
シャリジとスールがまたいい感じで、意地悪なシャリジはともかく笑 スールの人懐っこさにはずいぶん癒されました。
とても可愛らしいロマンあふれるファンタジーでした。

気象台に勤務する美晴は、息子の楓大と二人暮し。ある日、自分たちが天気を「よむ」能力を持つ一族の末裔であることを知る。美晴にも天気を予知する不思議な能力が出現し、特別研究チームへの参加を任命される。それは、代々“空の一族”が担ってきた「外番」の仕事をすることを意味していた。「外番」とは、そして一族の「役割」とは一体何なのか? かつてない気象エンタメ小説、ここに開幕!(裏表紙より)
とあるプロジェクトに参加させられることになり、自分が、天気を見る・感じることができる能力者であることを知った美晴。導かれるように一族の人々と出会い、不思議な出来事や気象に遭遇する。
もっとがっつりファンタジーかと思っていたんですが、かなり現実寄りだった。もうちょっと不思議な力をばりばり使ってもらってもよかったのよ。膨らませたら上下巻の分厚い作品になってたんだろうなあという設定の散りばめられ具合だったので、もうちょっとしっかり読んでみたかったです。

天使の血をひく人々の国、テールダンジュ。ここでは、愛の営みは神への捧げ物である。少女フェードルは“クシエルの矢”と呼ばれる印をもって生まれ、それゆえに数奇な運命をたどる。謎めいた貴族デローネイに引きとられ、陰謀渦巻く貴族社会で暗躍するためにあらゆる知識と技術を授けられたのだ……一国の存亡を賭けた裏切りと忠誠が交錯する中、しなやかに生きぬく主人公を描くローカス賞受賞の華麗な歴史絵巻、開幕!(裏表紙より)
交わることが神の捧げ物とされるテールダンジュ。春を売る神娼の娘として生まれながらも、瞳に赤い血のような染みを持って生まれたフェードルは忌み子だった。しかしそれは「アングィセット」と呼ばれる特殊体質を示すものであり、それを知った謎の貴族デローネイに引き取られ、彼の諜報員として仕込まれることになる。
諜報と陰謀とエロスと。たくましくしなやかなヒロインであるフェードルが、少しずつその才能を見せ始めるところがどきどきするなあ。一人称なので淡々と話が進むんですが、彼女がとんでもなく激する瞬間とかあるんだろうか。

20世紀初頭、フランス——。百貨店を経営する裕福な一族の娘・ミシェルは、社交界デビューを目前に控えていた。両親を亡くしているミシェルにとって、後見人は冷酷な伯母夫婦。厄介払いのための結婚をさせられる日も近いと知ったミシェルは、ずっと手紙を交わしていた「三日月伯爵」に会うため、パリに行く決意をする。顔も知らない彼を捜しだせるのか…!? 黒猫と手紙が導く奇跡の恋物語。
『きみが大人になったら、パリでまた会おう』(裏表紙より)
足長おじさん的なお話。財産目当ての伯母一家に厄介払いされ、修道院に入るもののひどい折檻を受けて辛い日々。ある日それが匿名の告発によって女学院に生まれ変わるも、ミシェルはそのまま学校に入れられる。学校生活は楽しく無事に卒業を迎えたけれど、今度は社交界にデビューして、遺産を狙う人々の前に立たなければならない……。ここまでくると将来に絶望しそうなものなんですが、ミシェルを支えるのは「三日月伯爵」。ああもう甘酸っぱい! いつかあなたに会いたいと願い、行動する女の子は素敵だ。
エリオットの帽子職人という仕事も、実に少女小説的できゅんきゅんします。手先の器用な男のひとっていいよね!
三日月伯爵の秘密はちょっと凝っていたなあと思いました。面白かったんですが、そこはやっぱりストレートにいってほしかった気持ちもあり。
可愛らしいお話でした。

ワケあり王太子殿下アイザックと相思相愛になった貧乏伯爵家の令嬢リネット。婚約式の準備も着々と進められ、後はリネットの父からの婚約承諾書が届けばすぐにでも婚約できるはずだったのだけれど……。父から「人違いではありませんか」という返信が届いただけではなく、王都へ来た兄からも反対されて!? 何で女装姿の兄さんに殿下との婚約を全面否定されなきゃいけないの! 兄さんより私の方が淑女だって見せつけて、殿下との婚約を勝ち取ってみせます!! ワケあり王太子殿下と貧乏令嬢の王宮ラブコメディ第3弾(裏表紙より)
兄、来訪す。リネットの成長。アディンセル伯爵家の秘密。というお話。
兄がいいキャラしてるなあ!笑 ちょっと野生児が強い感じながらも女よりも女らしいところのギャップが素敵です。妹大好きでちょっと照れが入っているところもかわいい。
リネットは淑女として少しずつ成長していて、それが見られたのもよかったなあ。彼女らしさを失わない淑女になっていってほしい。
リネットの特殊能力に続いてグレアムも特殊能力(?)持ちでしたが、お父さんも何かあるのかなあと思ったり。一族の特殊能力感がすごいので、絶世の美女だったという祖母君とか、まだまだ秘密がありそう。
ちょっと抜けたところのあるアイザックも見られ、婚約決定もあってとても微笑ましい第三巻でした。楽しかったです。

とある事情で王太子殿下アイザックの婚約者として雇われていた貧乏伯爵家の令嬢リネット。契約を終えた彼女は、これで王宮のお掃除女中に戻れると思っていたのだけれど……。魔術大国から来た第四王子をとっさに助けたせいで、なぜか彼から追いかけ回されることになってしまって!? 助けただけで連日会いにくるなんて、大迷惑です! 彼から逃げるためなら、喜んで男装して殿下のじゅうしゃになります!! ワケあり王太子殿下と貧乏令嬢の王宮ラブコメディ第2弾!(裏表紙より)
生誕祭も無事終わり、雇われ婚約者業もおしまい。と思いきや、公爵家に庇護されることになったリネットに告げられたのは、魔術大国からやってきた第四王子の調査隊に殿下の体質が害を及ぼさないようにそばにいてほしい、というものだった。しかもアイザックの側近であるレナルドから、リネット自身がこれからアイザックとどうなりたいのか考えなさいと言われてしまう。
王子というのはこうも振り切れた人ばかりなのかという笑 ファビアン王子もだいぶとアレだなあと思いつつも、多少は俯瞰的な視点を持つ落ち着いた人なのかな? すごく苦労しているような雰囲気も感じるけれど、きっとのらくらと面倒ごとを回避してるんだろうなあ。
今回はアイザックの溺愛体質がリネットをかなり悩ませる巻で、それはだめだよ王太子殿下! と思わず叫んでしまい。初々しい恋をする二人だからこそ、愛し方や愛され方に悩むのかなあと、うまいこと進展してほしいと思いながら読んでました。
次は家族の登場かな? リネット兄の存在がちらちら出ているのが気になるんですが、きっと強烈な人なんだろうなあ。

行儀見習いとして王宮へあがったのに、気づけばお掃除女中になっていた貧乏伯爵家の令嬢リネット。彼女は、女を寄せ付けないと評判の王太子殿下アイザックが通りがかった朝も、いつものように掃除をしていたのだけれど……。彼が落とした書類を届けたことで、大変なことに巻き込まれてしまって!? 殿下に近付く女性はもれなく倒れちゃうって、どういうことですか! それに、触れても平気だったからってだけで、婚約者として雇うなんて本気なの!? ワケあり王太子殿下と貧乏令嬢の王宮ラブコメディ!(裏表紙より)
貧乏伯爵家出身、働くことが当たり前、自分のことは自分でやってしまう、図太くたくましい令嬢リネット。何故か女性と同じ空間にいたり近付いたりすると、彼女たちに体調不良を起こしたり昏倒させたりしてしまう謎の体質の王太子アイザック。リネットが例外だと知ったアイザックは、諸国の賓客がやってくる生誕祭で自らの噂を払拭するため、リネットを婚約者として雇う。
ツッコミ体質ながらも理性的で、素直なリネットがすごくかわいい! 対してアイザックはすごく甘くて、側近のレナルドがかわいそうなくらい。リネットたちに対するレナルドのツッコミが冴え渡ってすごく楽しかったです。
最後の方にちょっとどきどきするシーンも入っていて、とてもロマンスでした。

「あなたを愛するために、ここまで来たんだもの」
黒い海を越え、呪われた島にやってきた美しい少女、シュガーリア。今は滅びた死霊術師の忘れ形見である彼女が出会ったのは、大罪人の男、ヨクサルだった。彼は無数の罪をその身に刻み、背負う悪魔は、『孤独を力にかえる』という──。
「あんた、何様のつもりだ」
「わたしはシュガーリア。この世界で最後の……死霊術師の孫娘よ」
愛など知らない男と、愛しか知らない少女が出会った時、末路を迎えたはずの物語が動きはじめる。
水銀糖の少女の、命をかけた最後の恋は、滅びの運命に抗うことが出来るのか。(裏表紙より)
紅玉いづきさんのファンタジーだなあ、と感じる美しく悲しくて愛おしい作品でした。
死霊術師たちに愛されて育ったシュガーリアは、ある目的のために外界から隔絶されている呪われた島に乗り込む。そこには死した人々と、悪魔背負いの男ヨクサルがいた。シュガーリアは自らの目的のためにヨクサルに協力を請うが……。
すべてを失って孤独である少女と、常に孤独を背負って生き続ける男。この二人のやり取りが、愛しいと思うくらいに優しい。二人の心がゆるゆると解けていくのが見える。最後に悪魔にも一緒に行こうと声をかけるのは、すごくいいなあと思いました。異形のものたちが連れ立って一緒に、果てのない旅に出るというのは、なんだかほっとするし、幸せであってほしいと思う。