忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[13]  [14]  [15]  [16]  [17]  [18]  [19]  [20]  [21]  [22]  [23
(P[き]1-5)悦楽の園<上> (ポプラ文庫ピュアフル)
革命家だったとも言われる父と、当時15歳の母とが「妥協」せずに生まれた娘・相原真琴、13歳。妥協に背を向け、クラス内で特殊な立ち位置の優等生へと育った彼女は、ある日、迫害されている同級生・南一に出逢う。彼の描く絵は、周囲には理解できない特殊なものだった——。孤高の青春を生きる少年少女たちが出逢い、時に傷つけ合い、時に惹かれ合う様を軽妙な筆致で綴った、圧倒的な青春小説・前編。〈解説・宇野常寛〉(裏表紙より)

普通でない両親の元に生まれ、普通でない家で育つ、真琴。凄まじいバランスの元に彼女は優等生ながら孤高を保ち、問題児扱いされている南や染谷と適切な距離の元に関わっていく。
はっきりと書かれていますが、発達障害を持つ人たちが登場して、その人(子ども)たちの生きづらさは立ち位置などがわかる。これ、真琴の視点がなかったら読めなかったかもしれない。理性的に距離を取ってしまうか、思考をストップさせて読んでしまっていたかも。真琴がいて「どうしてそうなるのか」を考えて言葉にしてくれるから、読めるんだと思う。
何故タイトルが「悦楽の園」なのか下巻でわかるのかなあ。
PR
名作マンガの間取り
漫画作品に登場する家の間取りをまとめたもの。
厳密に作ってるんだろうなあというものもあれば、作品が進むにつれて前と違うな? っていうカットもあるので、描くの大変だっただろうなあ。
面白いなあと思いながら気になったことが……。
作品はひととおりチェックしているんでしょうが、多分読んでいるものは読んでいるんだろうけれど、実は内容をちゃんと読んでいないものもあるのでは……と気がしたんですよね。というのはその作品のキャラクターになりきって? 一言が書いてあるんですが、そのキャラクターの一人称が違うというのがあったんですよね。その作品が好きな人も多いと思うので、気をつけてほしかった部分でした。
14歳限定症候群 (角川文庫)
生島ちほ14歳、今日づけで男子になってしまいました——。同じ中学に通う仲良し女子6人組を襲った、不思議なヤマイ。関節痛のような痛みを伴うそれは、驚きの現象を引き起こすものだったち 親友男子に告白されたあと、男になってしまったちほ、オトナになってしまった咲、そして……犬にまで!? 一方、市内では女子中学生を狙った猟奇殺人事件が起きていて……。この非常事態に、少女たちは!? 予測不能な変身系青春エンタメ!(裏表紙より)

単行本で『14f症候群』として出されたものが、文庫判になる際に加筆修正、改題したもの。女子中学生の非日常で、わーっと突き進む話かと思いきや、想像以上に黒々していておおっ……と圧倒されてしまいました。
男になってしまう「性」大人になってしまう「欲情」犬になってしまう「従順」友人になってしまう「独占」異形が身体に宿ってしまった「死命」。改めて見てみると、各タイトルからして全部不穏だったわ……。
サスペンスでホラーだった「従順」が面白かったです。猟奇殺人事件に関わることになってしまった、志乃の心理状況と話の展開が、ひいーってなる感じで。
タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)
商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟の料理は、気取らない、本当のフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。常連の西田さんが体調を崩したわけは? フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか? 絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!(裏表紙より)

お腹が空きましたー!! フレンチなんて数えるほど食べたことないけれど、ビストロのこういう料理は絶対美味しいんだよねえええ。
そんな美味しそうな料理と、お客さんたちが持ち込み日常の謎を解くお話。やっぱりご飯にまつわる謎が多い……かな?
「タルト・タタンの夢」「ロニョン・ド・ヴォーの決意」「ガレット・デ・ロワの秘密」「オッソ・イラティをめぐる不和」「理不尽な酔っぱらい」「ぬけがらのカスレ」「割り切れないチョコレート」を収録。
いちばん好きだったのが「割り切れないチョコレート」で、ああ、すごくいいな、って思いました。
悪魔交渉人(1) ファウスト機関 (富士見L文庫)
 横浜の外れに佇む寂れた建物、WMUA・NITTOH美術館。ここに勤める怠惰な学芸員・鷹栖晶には、もうひとつの顔があった。
 それは、存在証明不可能生命体——通称・悪魔を視認できる唯一の人間であること。そのため晶は、エジプトで事故死した親友・音井遊江の肉体に憑依した謎の悪魔と不本意ながらコンビを組み、他の悪魔と交渉して彼らにまつわる事件を解決する任務を負っていた。
 ある日、美術館に持ち込まれた謎の壺の調査を続けるうち、晶と遊江は、『F機関』を巡る陰謀に巻き込まれる——。(裏表紙より)

悪魔研究組織と異能集団と、謎の美術、芸術品と、建築物と。妖しいものをめいっぱい詰め込んだ、オカルトもの。
キャラクターみんなのどうしようもない感が栗原さんだなあ、と嬉しくなる。晶と音井(悪魔)の関係とか、晶の善人なんだけど壊れてるようなところとか。晶、音井、森木の複雑な関係性とか。
この世ならざるものが登場するシーンや、異能がぶつかるシーンがとても恐ろしくてぞくぞくして楽しかったです。
Friends (集英社オレンジ文庫)
カスミには高校からの親友、中岡碧がいる。碧がカスミの髪型や持ち物を真似することからはじまった友情だけれど、同じ美大に進んで、今でも仲良くやっている。だがある日、高校時代の友人から「碧とばかりつるんでいるから恋人もできないんだ」と言われ、カスミだけ合コンに誘われてしまう。それ以来、カスミは碧との“友情”についてもやもやと考え続けていて……?
私たち、無理して変わろうとするのやめない?(裏表紙より)

『雨のティアラ』に登場した三姉妹の、長女カスミのお話。メグムが白墨邸で家族の秘密と出会っているとき、カスミは親友の碧のことを考えていた。
種明かしにえっそれずるくない? と思ったものの、ううんしかし実際こういう子もいるよなあ、とちょっと考えてしまいました。そう考えてみれば作中でちらほらジェンダーレスな会話や設定が見られたのはこういう意味かと腑に落ちる。マイノリティを描いてたんだなあ、これ。軽い読み心地の話だけれど、「自分らしく」の難しさと、そうあろうと決めた自分たち、そして周囲の理解のありかを描いていて、優しい話だなあと思いました。
青狼王のくちづけ―ソーントーン・サイクル (新潮文庫)
秘めたる魔法の力をもつ石は、もつれた運命の糸をゆっくりと巻き取り始めた。邪悪な闇の瞳を持つ見習い魔女ジリオン。青狼の毛皮を纏う王子ユルスュール。魔王。黄泉の国。伝説の湖。来るべき恋人を待ち続ける水売り娘——愛と憎しみ、光と影が交わる刹那、世界はめぐり、すべてはあるべき場所へ……。果てしない冒険と限りない夢を壮大なスケールで描く書下ろし本格ファンタジー。(裏表紙より)

完全に乗っ取られたジリオン。ユーリは導かれるままに塩の湖へ。物語はふたりから離れて、湖の水を守る水売り娘とその家族の物語に移る。
前二巻のふたりが霞むくらい、水売り娘ヴァリとその弟マシモの物語が面白くて、いやいやでもジリオンとユーリはどうなるんだ、と思ったところでようやくお話が結末に至る。ばらばらだったものが水の流れによって繋がれたように思われたのは、なるほどファンタジーという感じがしました。
最後の短いエピローグに、喜びと光がぎゅっと詰まっているようで、どきどきしながら読み終わりました。
舞いおりた翼 (新潮文庫―ソーントーン・サイクル)
ソーントーンの見習い魔女ジリオンは、瞳を封印され、山の館に戻れなくなっていた。青狼の毛皮をまとった王子と大海原をさまよううちに、二人は竜の部族の女戦士たちに囚われてしまう。その日からジリオンは、部族を救う巫女姫になることを求められるのだった。しかし、閉ざされた瞳は邪悪な石の瞳、いま、廃墟の城でその封印が解かれてしまった! 好評の本格異世界冒険ファンタジー。(裏表紙より)

なんとか世界が闇に飲まれるのを阻止したものの、ジリオンは未だソーントーンには戻れない。だがその目をしばらく封じることで禊を行えばそれも可能になるという。彼女の後見人になることを承諾したユルスュールとともに海に漕ぎ出たジリオンは、竜の部族にとらわれてしまう。そしてジリオンの魔女の力が、再びこの世ならざるものを呼び寄せてしまい……。
闇落ち! な二巻。ジリオンがすっかり乗っ取られてしまい、ユーリは別行動。しかしここで不思議な力を持っていそうな新キャラも登場し、もつれあう糸はどこでほどけるのか、という引きでした。
石の剣(つるぎ) (新潮文庫―ソーントーン・サイクル)
ジリオンは14歳の魔女見習い。山深いソーントーンの館から、はじめて下界に下りてきた旅の途中、剣の形をした貴重な魔法石サイトシリンを、青狼の毛皮をまとった男に奪われてしまう。石の行方を追って、ジリオンの孤独な旅がはじまった——。白馬の王子、青い狼、ねじれた城、邪悪な魔王etc.を配してみずみずしいタッチで贈る、著者初の本格異世界冒険ファンタジー・シリーズ第一弾。(裏表紙より)

ソーントーンの魔女は雪の季節には山に帰る。下界に残っている魔女は災いを呼ぶものとして忌避される。そんな中、魔女の石であるサイトシリンを奪われてしまったジリアンは、石を取り戻す旅に出る。
一方、石を奪った男はとある王国の王子ユルスュール。滅んだ国の王女グウェンドリンと彼女にまつわる因縁を断ち切るため、旅に出ていた。
そんなふたりの物語が交差する、その始まりのお話。
とてもしっかりした印象のファンタジーで、本来ならユーリのお話がメインであるところを、ジリアンの物語がかぶさっているのがとても面白いなあ。本格ファンタジーならユーリで、少女向けならジリアンが主人公なんだろうけれど、このふたりがどこにたどり着くのか楽しみだ。
翠玉姫演義 ―宝珠の海の花嫁― (富士見L文庫)
 豪商の家に生まれ、天性の商才を持ちながらも、側室の娘ということで疎まれていた香月。
 取引先の当主(80歳)に売られたも同然の政略結婚を決められた彼女だったが、その輿入れの道中、悪党集団に攫われてしまう!
 頭目である烈英の前に連れられ、すっかり人生を諦めつつあった香月だが、目の前で繰り広げられる悪党どものどんぶり会計に、つい口出しをしてしまったことから、事態は思わぬ方向に進み……。
 ソロバン片手に悪党を更生!? 実家に見捨てられた令嬢の逆転劇はここから始まる——!

冒頭3ページ目に誤字があってずっこける。「神」じゃなく「袖」ですよね多分……。
トントン拍子に進んでさっくり読める、中華風ファンタジー。上記の内容紹介はだいぶと盛っているなあという感じがします。というのは、一文が短くて話がさくさく進んでいくからで、香月以外のキャラクターを味わう暇があんまりないんですよね……。
しかし恋なんてお呼びじゃないという感じで、生きるために稼ぐわよ、というたくましい香月はとても賢くて素敵な主人公。結局極南公に封じられたのは香月なのか列英なのか。謎がちょっぴり残っているのも味わいでした。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
04 2025/05 06
S M T W T F S
7 8 9 10
11 12
24
25 26 27 28 29 30 31
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]