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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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オペラ・ラビリント―光と滅びの迷宮 (角川ビーンズ文庫 56-5)
カナギが、ソラは『何』だったか、とバシュラールに聞かれて、「あんな奴、ただの他人だ!!」と言い切るのが良い。仲間とか、家族とか、そういう風に言うよりもずっと信じていられる。他人の為に命懸けになるって言い切るカナギが格好良かった。ちょっと自棄になってるっぽかったけど。
光魔法教会で着替える時の挿絵のカナギにうっかりときめいた。なんだあの美形は……。そしてミリアン可愛い。
ミリアンが「何の力もない」って泣くところはきゅうんとした。そしてカナギ。「寒いのか?」って、カナギーーー!!!!! みたいな。
ウーチェレットとの戦いも良かった。バシュラールとシュナルも良い感じだった。そしてソラがえらいことになってしまった。

「俺は神じゃない。言葉ですべての片がつくとも思わない。ただし、ときにひとはひとを救うことがある。祈れ、ウーチェレット。きっと今だけは、お前にも真実が見える」
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オペラ・エリーゾ 暗き楽園の設計者 (ビーンズ文庫)
口移しからこれはやばいと思っていたんだけれど、ラストの自覚した思いに悶えた。それぞれみんな臆病で、必死に手探りしながら生きようと前に進もうとする姿が感動する。カナギが、もう一度誰かを深く愛するって、じんわりくる。
詩人が好きなんだ、と思い込んでいるカナギにこいつは! と思った。なんか誰かに似ている。誰かの作品で読んだ位置関係だなと思ったけれどこの時点で思い出せない。
リュリュが良いキャラだ。前巻から登場のラングレーは意外と悪い人っぽい。
バシュラールとシュナルの関係も良い感じになってきて転がった。髪に口づけとか、遊びっぽいのにどこか本気が漂っているとか、ときめきがすごい。ぐーんって上がったぐーんって。
オペラ・フィオーレ 花よ荒野に咲け (角川ビーンズ文庫)
カナギが魔法を力業で突破しようとするのが気持ち良いなあと思うようになった。
女の子らしい服を着たミリアンがカナギと会ったシーン。二人の葛藤が面白すぎる。なにこの可愛い子たち。「服を装備」とか言っちゃうミリアン、可愛い。と思ったのだけれど、「装備」って言葉は標準なんだろうか。
何気にカナギ、ミリアンからバングルを預かった詩人に嫉妬している。にやにや。
オペラ・カンタンテ 静寂の歌い手 (角川ビーンズ文庫)
「生きる」ことが強く描かれて、感動する……。
三人がすでに家族の相を表し始めているので、なんかほのぼのする。それぞれが良い感じにもたれあっているのっていいなあ。
「ミリアン。君はわたしにはならない」
「けれど、わたしはそのことを喜ぶ。君もカナギも、わたしの行けない場所に行く。だからわたしは、君たちを見ていたいと思うんです」

それって無償の愛って言うんじゃないかな……。
戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

重いSF。読んだ感想は「深い」だった。戦争物らしい戦闘はあるものの、焦点が「人間とは」に当てられているからか、存在関係(人間関係ではない)を深く書いた作品のように思った。
零が冷たいように思われながらも、とても人間らしいと感じた。言語がFAF語という形で変化するほどの戦場で、彼という人間、FAFに所属する、地球では屑という烙印を押され他者を顧みなくなる人々は、「戦場の中の人類」という新しい人類だと思う。そもそも、「人間は必要か」という自分の存在意義を問いかける生き物は人類くらいしかいないように思う。
戦闘は、零が見続けるだけという任務にある為か、素っ気ない。ただ彼自身が戦いの中に飛び込むと、あっというほどの力強さで文章が進んだと思う。ただ戦闘機の構造が分からないので、セントラル・エアデータ・コンピュータなんて言われても分からないのです……。
「フェアリィ・冬」が一番恐ろしく面白かった。コンピューターに向かってブッカー少佐が問いかけるシーンがぞくぞくした。人間と機械のどうしても何があっても相容れないような対立と攻防というのがこわ面白い。
対岸の彼女

人と交わる事を怖れる小夜子は働きに行こうと思うと夫に告げた。小夜子を雇った社長の葵には過去があった。どこに行けるのか、どこに行こうとしているのか。迷えるそれぞれの過去と現在と未来。

じんわりするなあ。小夜子の主婦としての悩みはいつも抱えている人としての悩みのように思えるし、特に葵の過去は藻掻いている様子が痛々しくてでも同調して切なかった。
これだけ痛み苦しみに同調するのは久しぶりかも。葵とナナコの話は切なかった。どこかに行きたくて、どこに行こうとしているのか分からなくて、でもきっとその意識には別の何かになりたいという思いがあるんじゃないかなとか。葵の母親が「何が気に入らないのよっ!」と叫ぶシーンは、私にも同じ事が起こりうるのかもしれないと思うと胸がざわざわぐるぐるする。
小夜子の立場にはまだまだなれないのですが、いつか来るかもしれないという感じがある。
時の竜と水の指環〈前編〉 (コバルト文庫)時の竜と水の指環〈後編〉 (コバルト文庫)
ノーマ・カーに住む薬師ローグの称号を負うために男と偽り暮らす少女アイリは、ある夜モースの若き領主ク・オルティスに従者キサルの傷の手当てのために無理矢理連れてこられた。滞在は延びに延び、武芸大会に同行させられることに。実直で不器用に優しいク・オルティスと過ごす内に、アイリは次第に『自分』に戻りたいと願うようになって……。

大好き! な小説。再読で5回目くらい。
イメージとしては北欧なんだろうか。森が針葉樹林? 鬱蒼とした深緑の森をイメージする。
少女が男と偽っているというのもすごくて、元気な女の子が多い樹川作品の中でこんなに内気な子はときめきポイントに大きく貢献していると思う。青年がまた脳みそ筋肉の唐変木で、これまたときめきポイント。伝説、神話に物語が絡むのも大好きだ。好みが満載なんだ! 一番好きなのは、騎士仲間がアイリとク・オルティスを見て驚くシーン。男同士の仲良しとか、女同士の仲良しとか、この人の書くそれらは無茶苦茶かわいくて面白くてだいすきなんだ。
自分がその場で体験しているような文章が、読むのにテンポを感じられるのかな。
ちょっと盛り込み過ぎな感じもするけれど、綺麗に終わってくれてよし。でも初読の時はもうちょっと見たいー! と思った。でも今はこれでいい……と思うのです。
オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う (角川ビーンズ文庫)
剣士であり薬師の青年カナギ・サンスイ。白い美貌の詩人ソラ。暗殺集団の少女ミリアン。一度滅んだ後再生された世界で、不死を巡る出会いと旅が始まった。
カナギは「命の花」を求め、前世界の生き残りである不死者に会いにやって来たが。

面白かった! 少女小説なのにそんな軽くはなくて、じっくり読めて楽しかった。会話に笑った。『呪いの書』辺り。
前世界、世界の再生、詩人、剣士、魔術師、帝国とか、好みの要素が散りばめられていて涎が出る。ソラの謎やらカナギの身体の事、ミリアンの今後とか、続きが楽しみで仕方がない。けどこの巻、女子成分が低くてミリアンもっと出てくれーと思いました(おにゃのこスキー)
世慣れているくせに不器用なカナギと浮世離れしたソラと、ミリアン。この三人の旅はとても楽しそうだ。
よし、揃えよう。全巻揃えよう。
「MAMA」紅玉いづき
MAMA (電撃文庫 こ 10-2)
誉れ高き魔術師一族サルバドールに生まれながら〈サルバドールの落ちこぼれ〉である少女トトは、神殿に封じられた魔物に出会う。その魔物は数百年前に封じられた〈人喰いの魔物〉。求める声に答えたトトは、その時から魔物と二人で生きようとする。強くなろうと。「あなただけだ」と囁いて。

あらすじの『儚くも愛しい歪んだ愛の物語』の、『愛しい』は『かなしい』と読むのじゃなかろうか。
「MAMA」はちょっと少女小説チック。読み終わった後、ゴシックという言葉が思い浮かんだ。「AND」はライトノベルだなという感じ。
二人きりだった、二人しかいなかったのだ、と思い込んでいたトトが悲しくて愛おしい。そしてホーイチはその疑いすら抱かないほどトトしかいなかった。ない耳のように歪で、でもそれだけに二人が愛おしいと思った。名前が縛めである魔物のホーイチにとって、「この名をひとつ。そしてこれからの未来を全て」「キミに、あげる」という言葉は、とても大きな願いだったはず。
聖騎士はやっぱりあの人だよなとによによ。
書き下ろしの「AND」、ミレイニアに全部持ってかれた気がした。美少女! 暗い過去! 強さ!
シュバルツ・ヘルツ―黒い心臓
シュバルツ・ヘルツ


嘉手納奏は心臓移植の為にドイツを訪れていたが、気付いた時にはそれまでの記憶を失い、湖畔で倒れていた。彼を助けたのはウルテアという女性だが、夢のような戦いの果てに別れてしまう。再び奏を保護したのはアイザックという男。記憶を取り戻し日本に戻った奏のあとを追って、奏の家に居候する事になった。そして謎の転校生が現れ、奏の周りで不穏な事が起こり始める。

まだ導入という感じで、特に面白いとかまだ言えないです。でもさくさく読めるなと。
単語から「北欧神話?」と思ったけれど、どうやら色々と入り交じっているようで、オーパーツと聞くと「九龍?」とそれしか知らないので単純に思ってしまうんですが、先のバトルが楽しそうだなと気になります。
奏のフィギュアオタクという設定はこの後ちゃんと書かれるんだろうか。突っ走ってほしいと思ってしまう(笑)
ただ、もっとおにゃのこ成分をくれー、と思いました。

アンケートからのオススメでした。ありがとうございました!
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Author:月子
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