忍者ブログ
読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7
4838731973
夢と希望。情熱とプライド。愛と敬意――何度でも心震える『ハケンアニメ!』のサイドストーリーを完全収録。(帯より)

本編中の主要以外の登場人物のエピソードであったり、本編後の話であったり。ハケンアニメとは別のところでアニメに対する思いを持って仕事に関わる人たちの話。
彼女たちはあのとき、まだその日がくることを知らない。「九年前のクリスマス」
若かりし頃の王子と『リデルライト』の音響監督の五条の出会いを描く「声と音の冒険」
アニメも漫画も禁止されていた太陽。塾通いで友達ができた彼は、捨て猫の飼い主を探して瞳の部屋にたどり着く。この世界は繊細さがないと言われて、初めて見たアニメは。「夜の底の太陽」
フィギュアやガチャガチャを作るブルト社員の逢里は、仕事で大失敗したその日憧れの原型師に出会う。「執事とかぐや姫」
シーズンごとに新作が発表されるアニメがある一方、子どもたちに愛され続けて何十年と続く長寿作品もある。そんな長く愛される作品を作る人々の物語。「ハケンじゃないアニメ」
本編の後、また次の仕事に挑む彼ら彼女ら。いつかあの人と、いつかあの人を、という思いを胸に。「次の現場へ」
「声と音の冒険」の、尖ってばかりでプロであることが難しかった王子と成長した姿に泣く。みんなで作るってそういうこと。
「ハケンじゃないアニメ」は忍たまっぽいなあ。長く愛され続ける長寿アニメの苦悩と喜びに感動し、長く続けることのすごさに納得。
そして本編後「次の現場へ」は、チヨダ・コーキの『V.T.R』の話が出てそうそうそうだったと思っただけだったので、環が出てきたことに「出るんかい!」って笑っちゃった。まあこれほどチヨダコーキ作品に救われた彼女が彼にまつわる仕事に妥協を許すはずがなく。
物づくりというのは苦しみも悲しみも怒りも含めて本当に良いものだ。最後まで本当に楽しかった。
PR
4040746422
【国民的人気を誇るガールズグループ『coc9tail』年内解散を発表】
 さて、ここで国民のほとんどがある人物の動きに注目した。
 ──〈国民の王子〉柊美聖は、大丈夫か、と。
 超絶美形の人気俳優、柊美聖(26)は『coc9tail』のトップアイドル、黛息吹(24)を激推しする、ファンも認める全力オタクなのだ。
 息吹の芸能界引退宣言に案の定ダメージを受けていた美聖。更に息吹には結婚の噂も囁かれていて……?
 超人気俳優は推しを射止められるのか!? 胸キュン必至の尊すぎる推し活ピュアラブコメ登場!(Amazonより)

推している側と推されている側、二人のラブストーリー。ちょっと変わっているのはこれが芸能界もので、推しているのは「国民の王子」こと俳優の柊美聖、推されているのは国民的ガールズグループのトップ、アイドルの黛息吹だということ。
SNSが当たり前の現代で、大抵の芸能系オタは美聖の重度のオタっぷりを知っているし、SNSアカウントが自分の仕事ではなく息吹のことばかり書いているのも把握している。二人の恋が進行する一方で、ファンはそれをどのように受け取るのか、というのを描いているのはこの時代ならではだなあと感じて、とても楽しかった。
もちろん二人のラブストーリーもじれじれもだもだ、はらはらどきどきで、とても甘くて楽しかった! 最後のいちゃいちゃまでありがとうございました!
B0BLGHXCXL
家出をして海沿いの駅に降り立った私は、花束が手向けられた夜の広場で、突然、不思議な女の子から声をかけられた。「ねえ、ひとり?」(Amazonより)

YOASOBIの楽曲を元にしたいろいろな作家の短編集、その一作の電子版。
学校生活で周囲をぎくしゃくし、もう死んでしまってもいいかと電車に飛び乗った少女。夜の海に心惹かれて途中下車し、そこで不思議な女の子に声をかけられる、一夜の物語。
辻村さんの描く生徒や学生たちは生きづらさを抱えているけれど、作品はいつも彼ら彼女らを大丈夫だよと励ましてくれる。学校でのあれこれが生死につながってしまうほどの辛さ、けれど離れてみるとその世界がいかに狭くてつまらないものだったかわかる感じ、そしてそれを「しょうもない」とか「馬鹿みたい」と言えるいまがある。幽霊の正体が最後にくるっと明かされる感じも辻村さんらしくてよかったな。
4334767605
城に帰還した父王アンドラゴラスの命により、事実上追放の身となったアルスラーン。五万の兵を集めるまでは帰れぬ運命となった。つき従うのは、ダリューン、ナルサスをはじめとしたわずか七人の側近のみ。一行はパルス随一の港町ギランへ——。そこで待ち受けていたのは、海上商人を脅かす海賊たちとの戦いだった。新たな冒険の始まりに胸躍るシリーズ第六弾!(裏表紙より)

そういえばこの辺りはアニメで見たな? という第六巻。久しぶりに続きを読んでも魅力的な登場人物が息づいているのですぐに誰か思い出せるのが素晴らしい。
アンドラゴラスにより事実上追放されたアルスラーンは再び側近たちと旅に出る。港町に落ち着き、ここから再び決起するときをわくわくしながら読み進める。けれど真の黒幕の動きもちらちらしていてだいぶ気になるな……。
そういえばアニメを見たときはなんとも思っていなかったんですが、ファランギースの過去に何かあるのかな? みんなが何故神官になったか気を使って尋ねないでいたという描写があったのが妙に気になる。
4591169723
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”は、部屋の鏡をくぐり抜けた先にある城に通うようになる。そこで出会ったのは、境遇の似た仲間たち。7人それぞれの事情が少しずつ明らかになるなか、城の終わりの日が刻々と近づいてくる。鍵は見つかるのか、果たしてこの中の誰の願いが叶うのか——。
ラストには驚きと大きな感動が待つ。本屋大賞受賞作。(裏表紙より)

3学期の初日に学校に来て、みんな会おう。そう約束したはずなのに誰一人として会えなかったこころ。それどころか、約束した日は3学期の初日の日付ではない。これはいったいどういうことなのか?
リオンの時差から始まり、今度は日付、そして、と散りばめられていた辻村作品らしい設定が少しずつ集まってくるラストは見事としか言いようがない。最後の最後に、思いがけない感動があることも。今回はさらに、こころたちと同じような境遇にいる子たちに贈るみたいな奇跡もあって。
映画ではわからなかった個々の事情がはっきりと読めてよかったなあ。特にフウカとスバルの家庭環境は、映画で見て感じ取ったものとは違っていたので原作を読んだ方が絶対いい。
スバルはグレて人生がめちゃくちゃにならなくてよかった……。他にもっと楽しいものがあるってこと、それを作る人生があるってことを選ぶことができて本当によかった。あなたのそれは将来たくさんの人たちを繋ぐツールになるんだよって思った。
最後、映画で何故だろうと思った、喜多嶋先生の描写。原作ではこうなのね。こういうことなのねということがわかってよかった。やはり原作を読まないとだなー。
4591169715
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはオオカミの面をつけた少女が待ち受け、こころを含め、似た境遇の7人が集められていた。城に隠された鍵を探すことで願いが叶えられるという。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。本屋大賞受賞作。(裏表紙より)

公開された映画を先に見てしまいましたので、この度ちゃんと原作を読みました(積んであった)。アニメがいかにデフォルメされていたのかわかりましたし、映画の表現の描写の理由もわかりました。わかりましたが、削られた細部が、辻村作品で好きなところなんだよなあ……。
とにかく。
学校に行けなくなった中学二年生のこころ。家族からの理解は薄く、こうなった理由が理由なだけに説明することも躊躇われ、毎日不安を押し殺している。ある日自室の鏡の向こうの世界で、同じような年頃の少年少女と巡り合うことで、お互いに未来への道を見つけ始める。
上巻は3学期が始まる直前まで。それぞれが抱えている問題、性格だったり言動だったり、家庭環境だったりがうっすらわかる上巻。ゲームでちょっとだけ距離が近くなるのがいいな。面と向かって喋らなくてもちょっとだけ、たとえば初めて話しかけるときの最初の一歩になってくれる感じ。知らない子同士も一緒に遊べる現代っ子ツール。
434442669X
仕事も恋も上手くいかないつき子は、ある晩、ガラクタばかりの骨董品屋に迷い込む。そこは古道具に秘められた”物語”を売る店だった。未亡人を未来へと導いた時刻表、母と娘の拗れた関係を解いたレース、居場所のない少女に特等席を与えた椅子……。人生の落し物を探して、今日も訳ありのお客が訪れる。つき子もまた、ある指輪を探していた。(Amazonより)

ガラクタばかりの骨董品店、ブロカントと呼ばれるものを売りながら品物に秘められた物語を語る店主。それはつき子とその周囲にとって、悩みや変化を解消しより良い道へと導くようなものとなっていく。
とはいえそれが大きく人や人生を変えるわけではないという塩梅がいいなと思います。つき子も天地も、新しい一歩を進めるようになっただけ、でもそれが本当に長らく待ち望んだ一歩だというのがいい。
作中で結構あるあるなのかな? と思ったのが、子どもの頃に友達に合わせて好きな人を作ったという一文。もしかしてみんな周りに合わせて好きな人? あの子かなみたいなこと言うの? と思って覚えがある身だけにちょっと嬉しかったのでした。
4163913807
かつてカルト集団として批判された団体の敷地から子どもの白骨が発見された。
弁護士の法子は、遺体は自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎを覚える。
三十年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と隠された罪があふれだす——。(帯より)

独自の理念を抱いて集団生活を送る団体「ミライの学校」。それに関わった人々と、隠された事件。教育学部で学んでいていまお子さんのいる辻村さんだから書ける作品だったように思います。
『クローバーナイト』が保育園問題、すなわち子どもの教育の光と影を描いたもので、この『琥珀の夏』は同じ問題を取り扱いながら当事者、子どもの視点に立つ内容。学校や集団に放り込まれた子どもたち自身が何を見て、感じて、心を揺らしているか。人と人とが関わる上での嫌な雰囲気を描き出すと本当に辻村さんはお上手で、思い出して心臓がぎゅっとしました。
大人になった子どもたちがいま、自分が親になって何が思うか。その葛藤と、「正解なんてない」というのは、『クローバーナイト』のときも思いましたが、辻村さんが描きたいものなんだろうなと思います。子育ても教育も、何がよくて悪いかなんて本当に誰にもわからないからなあ……。
最後の最後に最初のエピソードが活きてくるのが上手い。上手すぎる。うっかり涙が込み上げてしまった。上手く思いを言い表せない子ども同士だったからこそ、このときの触れ合いは三十年後になってもずっと強く心にあって、彼女を支え続けていたんだろうな……。
正直さと誠実さ、大人たちがミカに行った仕打ちについて考えだすと止まらなくなる。心に響くものを読んだなあ。
4829669616
降嫁して自由な生活がしたい王女フレイは、恋愛に興味のなさそうな冷徹宰相ハイネと都合良く結婚し、仮面夫婦となった……はずだったけれど!? 「あなただけは特別です。ずっと愛していました」溺愛されすぎて身動きがとれない新婚生活に♡ 夜ごと抱かれ、思考がトロトロになりながらも、想いを伝えてくるハイネへの愛情が湧いてくる。気づけばオシドリ夫婦になっていて……!(裏表紙より)

ヒロインのきっぱりさっぱりした性格が魅力的なTL作品。結婚によって自分の時間がなくなるのは嫌だ、と考えた王女フレイが自分を溺愛してくれている兄に、それらしい提案を理由にお願いに行ったら、まったく接点がなかった冷徹宰相が最適だということになり、という、ちょっと考え無しなところのある王女が色々企ててみたら、うっかり自分がすっ転ばされました、という溺愛もの。
あくまで自国内、お城と結婚後の自宅と狭い範囲でのお話に終始するので、フレイとハイネの関係性の変化や思いの進展がじっくり描かれていてときめきましたし、やっぱりフレイの性格がすごくよくって。愛されてどうしよう、ではなく、興味なかったのに困った……となりながら、溺愛ぶりに流されたり、呆れたり、ときには諌めたり、というやり取りがフレイのさっぱりした性格を表していてとても素敵だなあと思いました。
大きな障害となるエピソードも二人の関係性や人柄についてだったのも、この作品が描こうとしているものが感じられて面白かったです。だって原因がヒーローの性格や振る舞いって! 溺愛もこういう弊害があるよなあと苦笑い。
4866692944
騎士団最強の女騎士ユディト。そんな彼女に女王から世継ぎをもうけるため「王子の子供を産め」と命令が下される。忠義一筋のユディトはこれも職務だ! と受け入れるが、気難しくて人間不信なアルヴィン王子は断固拒否。「私は陛下を信じる! 私と子をお作りになれ!」「俺は絶対嫌だからな!」相性最悪で決闘まで挑む二人だったが、王家の圧力であっという間に外堀埋められて婚約披露パーティーまで一直線。そんな時、王女の誘拐事件が勃発し!?(裏表紙より)

あらすじから想像する内容よりもずっとシリアスで真面目な話。女性騎士の、この世界での在り方、生き方、自分らしさを考えるお話で、とても面白く読みました。
ばりばりの騎士であるユディト。口調は勇ましく、剣の腕もなかなかのもの。そんな自分を誇る一方、規格外の自覚もあって、結婚を喜ぶ両親に胸がちくちくする感覚には共感を覚えずにはいられない。そう、自分はいいと思っていても周りを見るとやっぱりな、と悲しくなることはしょっちゅうある。
そんな感じで結婚を強制されたユディトとアルヴィンですが、二人がぎこちないながらも二人らしく距離を縮めていく展開にはきゅんきゅんしました。なんというか、やっぱり犬が好きなんだなって(身も蓋もない)。
面白く読みはしたものの、一つだけどうしても納得できないところが。「キリスト教」の表記や設定、変えた方がよかったと思うんですよ。あの辺りの時代のあの国くらいの話なんだろうなーとぼんやりわかるんですが、多分実在の宗教が出てくるとはっと冷めてしまうので……。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
Search
Calender
03 2024/04 05
S M T W T F S
3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16
27
28 29 30
Archive
Shopping
Analyzer
Counter
忍者ブログ [PR]