読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
凰朔国一の豪商鴻家の令嬢・蓮華には秘密がある。それは日本という国の大阪で生まれ大阪で育ち大阪で死んだアラサー女子、という前世の記憶があること。蓮華は前世の知恵で商売に成功し、娘の手腕を見込んだ父親によって後宮に送り込まれる。成り上がりの娘と蔑まれたり、うっかり大阪弁が出てしまったりしながらも、後宮で過ごしていたある日、蓮華の前に一人の男が現れる。不遜な態度の彼は、まさかの皇帝! 困惑する蓮華に、皇帝・天明はある計画を告げるが——。
コテコテ大阪女子な蓮華が、たこ焼きで周囲の心を掴みつつ力業で後宮を変えていく!?(裏表紙より)
これ関西出身の人ちゃんとわかる?? と思う大阪ネタが散りばめられた、コテコテ大阪人のアラサー女子が中華風異世界に転生して後宮妃になる物語。
どろどろな後宮や関係者を、大阪人独特のパワーで巻き込んで振り回して、みんな楽しく生きようと励ますようなお話で、読んでいて楽しくてものすごく元気が出た笑
大阪の人間としての諸々はちょっと古かったり誇張されていたりするんですが、根っこにあるのは「お節介」「行きすぎた親切心」「知り合いは友達」みたいな近すぎる距離感で、相手の言葉の裏を読んだり家柄だったりが重んじられる世界では、蓮華の行動は意味不明で、だからこそ疲弊した皇帝や皇太后、御令嬢方に効くんだろうなあ。
最後の最後に殺されそうになった件、蓮華と犯人(と思しき人)がどんな顔でやり取りするか気になるから続きも読みたい。
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あの結婚式から二年経ち、ついに亜潟家でお正月を過ごすまもり。旅支度のためにひっぱり出したトランクをきっかけに、葉二と二人、シンガポールへの新婚旅行を思い出していた。
そうそう、懐かしいですね葉二さん。ーーって、懐かしくても、鶏丸ごと一羽の海南ライスを作ったら食べきれないですよ!?
食卓を囲んで、悩みも喜びにも向き合ってきた亜潟家の数年後。親友の湊、弟ユウキの恋模様など、気になる彼らの選択も描かれた書き下ろし4編と、書籍初収録となるショートショート13点を収録。(裏表紙より)
本編後の幸せな番外編集。最終巻でちょっとだけ話に出ていた新婚旅行を交えた食べ物の話と、義実家へ帰省した二人と小さな恋の物語、湊と周のだらだら付き合っちゃうカップルのあるあるな話、進学先で一人暮らしをしているユウキと葉二の二人飲みの話と、特典のショートショートまとめ。盛り沢山!
小さい子が絡む話は楽しいなあ! 慣れちゃっているけれど亜潟家の皆さんは本当に顔が良いのね笑
結婚後の番外編だからおめでたい話もあるんじゃないかなあと思ったら! 本人の視点なのではっきり書いてないけれど、めっちゃくちゃ嬉しかったんだろうなあと思うと微笑ましかった。
最後まで美味しく幸せな物語でした。ありがとうございました!
15歳の夜、ライラのすべてを奪った蒼竜王・ルガー――種族を超えて慕う初恋の人。
唯一の復讐方法は、竜人にだけ効く毒を100日間口づけで与えることだった。
ライラは竜人の花嫁「番い」と偽り彼のもとへ向かうが――「手を取り合うことができれば、蒼竜の一族も、人間ももっと豊かになる」
仲間を思い人と共存を目指す姿に、戸惑いは復讐への迷いに変わり……?
第18回角川ビーンズ小説大賞〈奨励賞〉〈読者賞〉W受賞作!(Amazonより)
異種族恋愛、運命のつがいものに上品に喧嘩を売るがごとく挑戦している作品でとても面白く読みました。
少女の頃に出会った竜人との優しい思い出を胸に成長したライラ。しかしその竜人によって村を焼き尽くされ、たった一人の家族である兄まで失ったことで、同じく竜人を恨む薬師の元に身を寄せながら復讐のときを待つ。ライラに与えられたのは運命のつがいの香りを発する薬と、いずれ死に至るそれを解毒しつつ竜人の毒でも当たるもう一つの薬を口付けによって百日間含ませる使命。
運命のつがいだからと本能的にライラを愛するルガー。運命でないと真実を知りながらルガーに惹かれていくライラ。「運命って何?」「本当に愛するって何?」と問いかける終盤はどきどきしました。
つがいについての真相も面白かった。血の運命に抗っても恋をするお話、楽しかったです。
騎士団にある付属のカフェテリア。多くの騎士たちが日々利用している。ロビンは、そこの料理長。ある晩、居残っていたところ、空腹の騎士団団長・サラがやってきた。残業帰りで空腹のサラに、ロビンは料理を振る舞う。やがて毎夜毎夜の習慣となり、いつしかふたりの距離は縮まるが――。(Amazonより)
孤児からの叩き上げで騎士団長にまで上り詰めたサラと、そんな彼女を偶然餌付けすることになってしまった心優しい料理人ロビンを中心とした、ご飯と生活の物語。
導入部分は吹っ飛ばしているのでサラがどうやって団長になったのかとか、仕事ぶり、過去の話などはなくちょっとした描写以外になく、この毎日を当たり前に生きていくだけのエピソードが続くのでのんびりと読みました。短い話が続くのが細切れに読むのにちょうどよかったかも。
サラとロビンがお互いに過去に会ったことを思い出すのか気になるなあ。
通勤途中で事故に遭った市ノ瀬桜。目覚めると、魂だけが女子高生の体に乗り移っていた。そのまま女子高生・円城咲良として生活する羽目になった桜は、担任の鹿山守に事情を打ち明け、咲良の魂を探すことに。実は鹿山は、桜の高校時代の同級生だった。クラスで孤立していたらしい咲良の内面を探るうちに、鹿山と過ごした高校三年の夏の記憶が蘇り…。青春ミステリー!
あの夏、私たちの犯したあやまち。(裏表紙より)
深刻そうな内容紹介なんですが、読んでみると、軽やかでいてビターな、大人が「やり直す」ためのお話で、とてもよかった。
事故に遭って亡くなった桜は、同じ名前の女子高生・咲良となる。いつか彼女に身体を返すため、協力者の社会科教師・鹿山とともに状況を探りつつ生活するものの、ついに我慢ができず……。
そうね、そうなんだよね。大人になると「ああしておけばよかった」と思うことがあって、桜がやったことは私たちが過去に戻ったらやっておきたかったことNo. 1だと思いました。校則とか孤立とか陰口とかから真正面からやり合ったの、本当にスカッとしました。
桜の過去についてはかなり早い段階で気付きましたが、一番可哀想だったのは咲良かなあ。いつか起こる出来事をずっと夢で見ていて男性不信になって、最期がこれ。幸せだったって、もっと幸せになれただろうに。桜が泣くのもわかる。
桜はどうか新しい人生を、今度は幸せな大人になって生きられるようにと祈らずにはいられない。
月面探査機が捉えた白い影が話題となり、みんなが正体を予想するなか、のび太はそれを「月のウサギだ」と主張して笑われてしまった。ドラえもんを頼ったのび太は「異説クラブメンバーズバッジ」の力で月にはウサギがいるものとしてウサギの国を作り、ジャイアンたちを驚かせようとする。そんなある日、謎めいた転校生がやってきたが……。
辻村深月さんによる映画ドラえもんの小説。
物語が壮大で、中心人物と友情を築いて、主要人物たちの格好いいシーンがあり、ラスボスはちょっとグロテスクて怖い、という私たちの知るドラえもんの映画だ! という内容で楽しかったです。
最後の最後の仕掛け、異説があべこべで……という展開はちょっと難しいようにも思えるんですが、これを読んで「面白い!」と思った人がSFを好きになったら嬉しいな、などと思いました。
酔っ払いに絡まれる美貌の外国人・リチャード氏を助けた正義。彼が国内外に顧客をもつ敏腕宝石商と知り、誰にも言えない曰くつきのピンク・サファイアの鑑定を依頼する。祖母が死ぬまで守っていたその宝石が秘めた切ない“謎”がリチャード氏により解かれるとき、正義の心に甦るのは……? 美しく輝く宝石に宿る人の心の謎を鮮やかに解き明かすジュエル・ミステリー!!(Amazonより)
ごく普通の大学生・正義が助けたのは絶世の美貌の宝石商リチャード。彼の信頼を何故か得てしまった正義はアルバイトをすることになったが、店にやってくるお客と宝石には様々な事情があって……。
謎解き、というより宝石と人のお話という印象。石がどのようにして人の手にあるのか。それを求める心や、大事に仕舞い込む理由など、宝石って人生なんだなと思わせるエピソードばかりでとても面白かった。
宝石に対する疑問を正義がリチャードや谷本さんにぶつけて、それぞれの答えをもらうところも違いがあって面白いと思いました。「それ」を好きな理由、自分にとっての価値がこんなにも明らかなのが宝石の面白さとわかりやすさだなあ。
世界初のインスタントラーメンである「チキンラーメン」。
もちろん言わずと知れた人気商品ですが、2018年に放送されたNHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』でさらにその人気が高まります。
そして「チキンラーメン」 ブランドは、発売60 周年目にあたる2018年度に史上最高売上を達成しました!
今回は、今最前線で活躍する料理家が集まりそんなチキンラーメンの魅力を活かした、さまざまなアレンジレシピに挑戦しました。
ずぼらさんでもできる簡単レシピから、おしゃれなおもてなしレシピまで、“すぐおいしい、すごくおいしい。”+ “すごく楽しい”、ものだけを100個厳選しています。
「試してみたい」が満載の1冊です(Amazonより)
必ずといっていいほど家に常備されている食材、チキンラーメン。
これをアレンジするレシピがあるなら困ったときめちゃくちゃ助かるんじゃない? という興味本位で読みましたが、まあお腹が空くこと!
スープのアレンジから、別の食べ物に混ぜ込んだり、焼いてみたり、まぶしてみたり。二日連続で同じものを食べるときに味変してみたり、ちょっと味を変えたいなと思ったときにやってみるとよさそうだなー。
「私たちはね…異世界に、トリップしたんだよ」。実家のパン屋ごと異世界にトリップしたサトコ、18歳。「大きな地震のたびに先祖代々トリップしてる」と母に聞かされ、大混乱!戸惑うサトコをよそに、15年ぶりの営業にお店は満員御礼の大賑わいだった。ある日、配達先のお城でサトコは一人の美しい姫君・コズサ姫と出会う。“王の中の王”への輿入れをひかえたコズサ姫は、悪い魔法で子どもの姿に変えられてしまっていた。天下泰平のためのこの縁組、実現させないわけにいかない。相手は悪の大魔法使い、このままでは姫の身が危ないと遠方に避難することになるが―。「一緒に来てほしいのじゃサトコどの!旅先でもそなたの焼いたパンが食べたい!」(Amazonより)
代々異世界にトリップする伝統(?)があるパン屋さん。困惑する娘のサトコに、母親は異世界にいてもやることは同じ、とみんなパンを焼いてきたと言って、ここに異世界のパン屋さんが開店する。
という出だしからほっこりした話を想像していたんですが、お姫様が子どもの姿になっていたり、異世界と思いきやお城はエード城で、地図を描いてもらったら日本列島で、江戸の姫様が京都の宮様に嫁ぐという歴史大河的な側面もあり。姫様の呪いを解くために旅に同行するところなんて活劇ものっぽくもあり、子どもやご年配の方々はお好きそうなわちゃわちゃ感。
1巻では終わっていないので、姫様の今後とサトコの恋がうまくいくのかがめちゃくちゃ気になります。
無事に大学を卒業し、神戸で葉二との新婚生活をはじめたまもり。
遠距離から、一緒に食卓を囲んで手料理を食べられるようになり、幸せいっぱい……と思っていたのに、結婚式にむけたダイエットという名の強敵が襲う!?
さらに、希望通りの仕事に配属されたはいいものの、まもりは同期の急な無断欠勤やパワハラ疑惑の対応でてんやわんや。葉二さん、市民農園を借りられるかもって浮かれている場合じゃないですっ!
ベランダ菜園からはじまった関係は、形を変えて続いていく——。大人気シリーズ本編、堂々の完結!(裏表紙より)
シリーズ本編完結! ご結婚おめでとうございます!
結婚式、社会人と新婚の新生活、会社のことなどめまぐるしくも、二人でいるから頑張れるというのを体現したような最終巻だったと思います。いや本当に、慣れない関西の地で頑張っていると思うよまもりは……(思い出して遠い目をする)。上司に恵まれて会社の居心地も良さそうで本当によかった。病んでしまったらどうしようかと思った。
最後まで明るく楽しく前向きに、ごはんがおいしい毎日を送っていってほしいです。
本当におめでとうございました! そしてありがとうございました!
ココナッツ汁粉は絶対やろうと思いました。あまりにも美味しそう。
番外編集が出そうな感じなので楽しみに待っています!