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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国 (ビーズログ文庫)
少年が開いた扉は、何故だかアクセサリー店へと繋がっていた。来た道を思い出せない少年の前に現れたのは、無神経で無愛想、おまけに生活能力ゼロの店主。その傍らには、喋る狼が!? 訪れる客も、風変りな者ばかり。店主に店の所在地を訊ねても、飄飄とした的外れな答えしか得られない。「迷子、おまえがどこから来たのか当ててやろう」……すべてが不合理な中、奇妙なゲームが始まった!(裏表紙より)

おそらく現代日本から来たと思われる少年が、複数の異世界の国から訪問者を受け入れる謎めいたアクセサリー店で自らの帰る場所を探す話。なんですが全然話が終わっていないので、いろんな世界のいろんな人の事情を楽しむ一冊となっています。
巨人の国からやってきた人物の依頼、追われているという人物の依頼、機械の国からやってきた依頼、物作りを生業とする少女の依頼、などなど、文化や仕事が全然異なる世界からの訪問者たちが「アクセサリーを作ってほしい」と依頼し、それに不思議な店主シオンが答える。ページ数が多ければライト文芸にカテゴライズされそうな作品。
話が始まっているようで始まっていないし終わってもいないので、少々消化不良です。メイは帰ることができたのかなあ。
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噛みあわない会話と、ある過去について
優しい同級生として有名だったナベちゃんが結婚するが、その嫁がヤバイらしいという噂が流れてくる「ナベちゃんと嫁」。国民的アイドルグループの一人となった教え子が母校を訪ねてくるという。かつて彼の弟の担任だった佐藤は……「パッとしない子」。成人式の写真に写っている彼女の着物にまつわる不思議と、完璧な子育てと母と子どもの話「ママ・はは」。時の人となったかつての同級生に取材を申し込んだ早穂だが……「早穂とゆかり」。四つの短編集。

あわよくば誰かと恋人関係になりたかったかつての同級生の男子、その彼が結婚するという。その嫁は少々普通ではない。連絡手段を限定しようとしたり女友達を排除しようとしたりする嫁だというのだ。
国民的アイドルになった教え子のことを「パッとしない子だった」と周囲に話していた教師。
いじめではないと言いながら相手のことを面白おかしくいじっていたライターの早穂。
彼女たちは当事者にはどのように思われていたのか。胸がきりきりするような「噛み合わない」人たちの四つのお話。もう痛くて痛くて……。
「自分の側からは見えない」という噛み合わなさを描いた作品群ばかりで、視点人物のほとんどが「私は正しい」と主張してくる痛々しさもそうだし、子どもの頃のあやまちをあやまちとも思っていない現在と、時が経ても癒えない当事者の傷のこととか、読んでいて辛かった。
猫の伝説116話―家を出ていった猫は、なぜ二度と帰ってはこないのだろうか?
全国各地の民間伝承などから猫の話を集積した一冊。
物凄く面白かった! 他のお伽話によくある類型の話が見られるし、猫という生き物がどのように受け止められていたのかがわかって、すごく興味を惹かれた。
妖怪めいたおどろおどろしい猫もいれば、飼ってくれる人のために行動しようとする猫(+犬もいるのが面白い)もいたり、欲深い人には報復する猫もいたりするんですが、人のように踊っているのを目撃されるとどの猫も出ていくか追い出されるっていうパターンを初めて知りました。そうかあ、出ていかされるのか……そいつはちょっと悲しいな……。
高山なおみのはなべろ読書記 (ダ・ヴィンチBOOKS)
「鼻さぐり、ベロさぐり」夫が置いていったのは、私の文は嗅覚と味覚を頼りしたものであるという褒め言葉が書かれたメモ。そんなわけでタイトルがこうなった。本の話を交えながら料理のレシピを掲載するエッセイ。

とても心地いい本。大きさといい、紙の触り心地といい、写真やレシピの配置といい。柔らかい光が差し込む午後にのんびりと読みたくなるような、あるいは布団の中でゆったりと読みたくなるような。いい本だなあ。
ささやかな日常に当たり前のように本がある光景が、読んでいてなんとなく幸せな感じがして、ちょっと羨ましい。味わうようにじっくり読むってこういうことなんだなあと思う。
ダンナ様はFBI (幻冬舎文庫)
仕事一筋だった私が結婚したのは元FBI捜査官。「日本一腕のいい錠前屋を探せ」「デパートでも居酒屋でも、トイレに入る前はFBI式にドア点検せよ」「仕事靴はハイヒールのみ。スカートをはいて自転車に乗るな」。それは彼のトンデモ指令に奔走する、ジェットコースター人生の始まりだった。愛と成長とドタバタの日々を描く国際結婚エッセイ。(裏表紙より)

国際結婚の難しさと、結婚した相手と自分の文化や価値観の違いがわかるなあと思いました。危機管理もすごいですが、プロファイリングがすごい! 人を見る目ってこういうことなのかあと勉強になりました。旦那さんの変わった(って言ってもきちんと裏付けがある)言動がクローズアップされているけれど、自分と家族の身を守るための適切な行動だったというのが後にわかるのが切ない。そういう時代だったし、いまはこんな時代になってしまった。
2012年の文庫版刊行に合わせてのあとがきで、ダーリンとの別れが語られていて、なんだかもう泣き笑いになってしまった。そうかあ、最期までダーリンはダーリンだったんだなあ。
捕まえて、食べる
エイを釣ったので発酵させたり、ホタルイカを獲りに行ったり、野草を摘んで料理してみたり。とにかく捕まえて食べる、を繰り返した記録。

「ホンオフェ」「ホタルイカ」「アナジャコ」「マテガイ」「ギンポ」「ヒラツメガニ」「タコ」「野草」「ザザムシ」「スッポン」を食べています。
日本国内で捕まえたものを食べるので、食べているものは想像しうる範囲のもの(だと思う)のですが、捕まえてそれを食べるという行為は面白いなあと気付かされる本でした。
見た目がグロいな……と思わせるものもありますが、こういうものを食べてきた人たちがいるので、面白いなあと思います。かといって食べたいかと言われると、あんまり、としか答えられないのですが。
作家的覚書 (岩波新書)
「図書」誌上での好評連載を中心に編む時評集。一生活者の視点から、ものを言い、日々の雑感を綴る。今というこの時代、日本というこの国に生きることへの本能的な危機意識が、生来の観察者を発言者に変える。二〇一四年から一六年まで、日本がルビコンを渡った決定的時期の覚書として、特別な意味をもつ一冊。(カバー折り返しより)

世相の覚書という感じ。政治など社会の話ばかりですが、その当時のニュースを思い返しながら、こうやって一つ一つ立ち止まって考えたこと自分はあったかなあ、と思うなどしました。読みながらそこはかとない不安や怒りや、どうしてそうなったのだろうという疑いが感じられる気がして、日本はどこに向かうのかなあと不安になった。
ガーデン・オブ・フェアリーテイル: 造園家と緑を枯らす少女 (集英社オレンジ文庫)
花や草木を枯らす呪われた手を持つ撫子。父の死後、知らぬ間に自分が結婚していたことを知る。夫だという花織を訪ねると「――庭と妖精のこと、承ります」という怪しげな看板を掲げ、人里離れた土地に暮らしていた。本業は造園家だが、昔から妖精の呪いに纏わる厄介事を解決しているという……。謎が謎を呼ぶ美しき庭園で、撫子を待っていた衝撃の真実とは――!?
呪いと恋、そして"想い"が紡ぐ——幻想ミステリー(裏表紙より)

内容紹介から日常の謎ものを想像していたら全然そんなことはなく、現代が舞台のばりばりのファンタジーだったのでびっくりしました。東堂さんらしい主人公やヒーローの造形だったなあと思います。少し残酷でひりついた心を持った人たち。
妖精と関わった家系ゆえに、緑を枯らす呪われた手を持つ撫子。同じくとある呪いを受けている花織。戸籍上は夫婦となっているけれど、花織は撫子を拒絶する。緑を枯らしてしまうがゆえに緑や庭を愛する撫子は、それらを愛し愛される花織と関係を築こうとする。
蓮之助周りの事情はちょっとひどいような気もするんですが、これも辻家の血かなあ……と思ってしまった。だからこそ妖精に愛されたし彼らを愛するんだろうと思うと、血や因果は巡るんだろうと思う。
腐男子先生!!!!!2 (ビーズログ文庫アリス)
イベント会場で残念な出会いを果たした腐女子JK・朱葉(神絵師)と腐男子先生・桐生(信者)。イケメン生物教師としてのオンの顔と、残念なオタクのオフの顔を使い分けながら朱葉とオタ活に勤しんでいた桐生だったが、世はまさに新学期。図らずも桐生は進級した朱葉の担任になってしまい……!?
「早乙女くんの人生からブロックされたら、すごく、困る!」
朱葉の熱烈なフォロワーも学校に入学し大波乱のオタクラブコメ第2巻!!!!!(裏表紙より)

二巻が出た! 嬉しい!
腐女子で神絵師なJKの朱葉。信者のふだせんと微妙な距離を保ちつつオタクライフを楽しんでいるけれど、生徒と教師という関係性はちくりと胸を刺す。そこにさらに絵師と信者という距離も相まって、ああーもうー! じれじれするー!!!!!
作中ではついに三年生になり、新学期早々チャラ男に目をつけられた朱葉ですが、ふだせん隠れられてないよ! 大丈夫かなあ。
続きが読みたい。ぜひ完結まで出てほしい。
メサイア    警備局特別公安五係 (角川文庫)
超軍縮時代に突入し、水面下で熾烈な情報戦が繰り広げられる世界。軍隊化する警察組織の中で、戸籍を奪われ死者と同じ扱いを受けながら最前線の戦いを強いられる者たちが、日本にはいた。対スパイ殺人権を持つ特公五係、通称“サクラ”と呼ばれる精鋭集団——その候補生である海棠鋭利は、唯一無二の相棒・御津見珀と共に総理大臣の息子の護衛を命じられる。それは“サクラ”になるための卒業試験であり、同時に国を守る特務でもあった。(裏表紙より)

冒頭の感じから、かつての相棒が助けに来た。お前は俺のメサイアだ、という感じの話を想像していたのですが、本編は二人が相棒になり卒業試験となる任務を受けたものがメイン。お互いのことを相棒だと感じている様子なのはわかったけれど、どちらかというと鋭利の過去の清算についての話なので、二人の離れがたい感じをもっと読みたかった。
重くならず、けれど世界と国と家族について自問自答を繰り返す若者たちのお話で、最後の演説はエンタメらしくて気持ちよかったです。
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Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
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