読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
名料理屋「一柳」の主・柳吾から求婚された芳。悲しい出来事が続いた「つる家」にとってそれは、漸く訪れた幸せの兆しだった。しかし芳は、なかなか承諾の返事を出来ずにいた。どうやら一人息子の佐兵衛の許しを得てからと、気持ちを固めているらしい——。一方で澪も、幼馴染みのあさひ太夫こと野江の身請けについて、また料理人としての自らの行く末について、懊悩する日々を送っていた……。いよいよ佳境を迎える「みをつくし料理帖」シリーズ。幸せの種を蒔く、第九弾。(裏表紙より)
ご寮さんの再婚と、あさひ太夫の身請に向けて動きだす第九巻。思い悩みはするけれども、少しずつ、手探りで前に進む澪に、がんばれ、と言ってあげたくなる。
みんなで家族みたいになっていたつる家も、そろそろ澪の旅立ちのときを感じますね。
自分が何をしたいのか、考えることはいつも難しい。夢の続きというのか、これからどういう風に生きていきたいのかを、はっきりいうことができる人は幸せなのだと思います。
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華やかなその世界も、死と隣り合わせていた——。音楽学校に学ぶ乙女たちの青春とは。舞台を奪われ、緑の袴がモンペに替わったタカラジェンヌたちの心を支えたものは。「歌劇」「宝塚歌劇脚本集」「宝塚年鑑」には何が記されていたか。熱烈なファンがその目で見たものとは。宝塚大劇場はなぜ閉鎖され、いかにして再開されたのか。貴重な証言と資料から浮かび上がる「もう一つの昭和史」。(カバーより)
宝塚歌劇団と昭和史を重ねてまとめたもの。2004年の発行なので、今ではもう100周年を迎えた宝塚歌劇団。この本では、熱量はだいぶと抑えられているので、もっとたぎるような「あの時代はこうだった」というのを読んでみたいなと思いました。
劇場を閉鎖しなければならないというとき、そこにいた人たちのことを思うと、なんともいえない気持ちが込み上げてくるんですよね。舞台を作っていた人たち、演じていた人たち、見ていた人たち、いろんな人たちの思いがあったんだろうと想像すると、積み重ねってすごいと思う。語彙がなくてたいへんアレなんですが。
2002年の本。今これを書こうと思って奥付見てびっくりした。古い本だった……。禁煙外来を受診するような子どもはどんな問題を抱えているのか、ちょっと気になって読んでみたんですが、内容としてはそこまで突っ込んだものではなく、子どもと禁煙についてと、喫煙の危険性を記した本でした。
ニコチンパッチって子どもにそんなに効くのかあ、と思ったのと、両親ともに喫煙する家庭の子どもは喫煙することに抵抗ないというのにちょっとびっくりする。うち、吸ってましたけど、煙が臭いし身体に悪いから絶対吸わない大人になろう……と思って成長しましたから、教育の問題のような気もする。この辺り、喫煙する親はどういう風に子どもに教えるんでしょうか、というのが気になりました。
独自の意味を背景や小物として絵画に書き込む手法、図像。英国で図像学を学んだ千景は、祖父の死を機に日本に戻ってきた。祖母が経営する画廊には一風変わった仲間たちが集っており人付き合いの苦手な千景は戸惑うばかり。そこで千景はある盗難絵画の鑑定を依頼されるが、仲介者が昔から気の合わない幼馴染みの透磨だと知って……!?
呪いの絵画をめぐる美術ミステリ!! 文庫書き下ろし。(裏表紙より)
現代ものでちょっと異能力っぽいものもあり? な感じの美術ミステリー。
主人公のつんけんした感じや、透麿の言動なんかがちょっととっつきづらかったんですが、異人館画廊という場所に集う仲間たちがわちゃわちゃしながら、伝手やこねを使って事件を解決する感じが、懐かしい雰囲気もあって、楽しかったです。
わたしたちはいったい何を愛しているのか。ソクラテスがつきつけたこの問題は、わたしたちを思わぬ世界に引きずり込みます。その世界には落とし穴や地雷がいっぱい。迷路もあれば抜け道もあります。実際に歩いて体験する哲学実習。(カバーより)
ゼミ内で行われた討論をまとめたもの。
「もし「わたしはあなたの顔も性格も嫌いですが、あなた自身を愛しています」と言われたら、うれしいだろうか。うれしくないなら、なぜだろうか。」というところを考えるのがこの本です。ソクラテスが、アルギビアデスを口説く時に使ったやり取りをテキストに、「身体」と「魂」と「わたし」について、学生とやりとりするのですが……これがまあ、どんな発問、答えを口にしても、ぐるぐる回るだけでほとんど答えが出ない。発言していた学生たちが、いらいらしているのが文面から伝わってくるような気がしました……。
最終的に、ことば、の問題であるという話に行き着きます。哲学むずかしい……というのをひしひしと感じた一冊でした。
高貴な生まれにもかかわらず、意地わるな継母に縫い物ばかりさせられている貴族の姫君。落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らす彼女は、邸の者からも「おちくぼ」と呼ばれていた……。そんなある日、都でも評判の貴公子が姫君の噂を聞きつけて求婚を! 熱心な貴公子に姫君の心も動かされるものの、さまざまな問題が立ちはだかる。はたして二人の恋の行方は……? 若い読者のために現代訳された、田辺流「王朝版シンデレラ」!(裏表紙より)
何か古典にまつわるものを読んでみようと思って。あとカバーが可愛らしかったのもあって。
宮様の血筋だけれどその実母が亡くなり、継母からいじめられて、邸の落ちくぼんだ部屋にひっそりと住まう姫君。縫い物が巧みなので、針仕事を押し付けられている。乳兄弟として彼女にお使えする女房・阿漕は、それが悔しくてならない。夫を持ったものの、姫様の幸せを見届けるまでは、と思っていたところ、夫である帯刀の乳兄弟、いまをときめく右近の少将が姫君に興味を抱いたらしく……。
という状況で、阿漕や姫は、相手に、一生私ひとりと添い遂げてほしい、という。いじらしくって純粋で、でも多分この時代では難しかったのだろうなあ、というところを、帯刀や少将は叶えてくれるんですが、いやーとってもロマンチック! 部屋に忍んでいるところを見つかるか否かはどきどきしました。
最後に復讐するところも面白かった……。姫の心優しさがちょっといい子すぎるとも思ったのですが、まさに「ざまあ」でした。
吉原の大火、「つる家」の助っ人料理人・又次の死。辛く悲しかった時は過ぎ、澪と「つる家」の面々は新たな日々を迎えていた。そんなある日、吉原の大火の折、又次に命を助けられた摂津屋が「つる家」を訪れた。あさひ太夫と澪の関係、そして又次が今際の際に遺した言葉の真意を知りたいという。澪の幼馴染み、あさひ太夫こと野江のその後とは――(第一話「残月」)。その他、若旦那・佐平衛との再会は叶うのか? 料理屋「登龍楼」に呼び出された澪の新たなる試練とは……。雲外蒼天を胸に、料理に生きる澪と「つる家」の新たなる決意。希望溢れるシリーズ第八弾。(裏表紙より)
読むのが止まっていたシリーズですが、最終巻まで揃えたので読書再開。
「つる家」に関わる人たちも、少しずつ新しい道が見え始めた様子で、変化の巻だなあと思いました。澪とあさひ太夫の、隔てられていた距離が、周囲の人の力もあって少しずつ縮まっている中、どうやら登龍楼が大きな陰謀を持っている様子。ラスボスは登龍楼ですかね。
ご寮さんは、よかったなあ……。もしかしたらまた佐兵衛さんが何かに巻き込まれるんじゃないかとひやひやしているんですが、幸せになってくれ……。
進学を機に一人暮らしを始めた大学生の栗坂まもりは、お隣住まいのスーツの似合うイケメンデザイナー亜潟葉二に憧れていた。ある時ひょんな事からまもりは葉二に危機を救ってもらうのだが、それは憧れとはほど遠い、彼の真の姿を知る始まりで……!?
普段着は黒縁眼鏡にジャージ。ベランダは鉢植えとプランターにあふれ、あげくに草をむしって食いながら「会社辞めてきた」って大丈夫このヒト!?
ベランダ菜園男子&野菜クッキングで繋がる、園芸ライフラブストーリー、スタート!(裏表紙より)
なんかこういう感じの本、むかし読んだことあるんだけどどこだったろう……って思いながら、これめっちゃ好きなやつだー!! と大歓喜で読みました。めちゃくちゃ面白かったです。
お隣さんと、ベランダ菜園で繋がって、野菜育てたり料理したりしながら、大学生活を楽しみつつ恋なんかしちゃったりする、それこそ、いきいきとした緑みたいな話。自分で育てた野菜はおいしいし、とれたては美味しし、料理も簡単だけど美味しくてサイコー! って感じ。読んでいて楽しくてちょっと元気になりました。
面白かったです!