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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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王都炎上―アルスラーン戦記〈1〉 (光文社文庫)
猛勇なる騎士軍団を誇り、不敗の国王が君臨するパルス王国。蛮族ルシタニアとの戦いでも、その勝利を疑う者はなかった。だが、味方の裏切りから、軍団は一日にして崩壊。王国は滅亡してしまう。からくも生き残った王太子アルスラーンは、勇者ダリューンや軍師ナルサスらとともに故国奪還を目指すが……。壮大な歴史ファンタジー・シリーズ第一弾! 解説:上橋菜穂子

「アルスラーン戦記」はアニメと漫画を履修。原作を読むのは初めてなんですが、読んでみてそのわかりやすさもさることながら、アニメと漫画はすごくうまく作ってあるんだなあと感じました。アニメは、視点が散り散りになっている群像劇をアルスラーンにまとめる感じとか、あとこの一巻ではあまり性格や雰囲気が掴みにくい彼の印象を描いているところとか。
ともかく原作は、「これから始まるぞ!」という感じ。ここからアルスラーンの戦いが始まっていくんだなあ、きっと最終巻まで読み終わったらずいぶん遠くまで来たなあなんて思うんだろうなあ……という、波乱の運命の幕開けでした。
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カーリー <3.孵化する恋と帝国の終焉> (講談社文庫)
第二次世界大戦によりオルガ女学院が閉鎖されてから4年。大学進学したシャーロットは英国からインドへ想いを募らせていた。行方不明のカーリーとの再会を求める彼女に、美しき王子ル・パオンは驚くべき提案をする。「インドに行きたいなら僕と婚約すればいい」。少女小説の最高峰、待望のシリーズ第三弾。(裏表紙より)

学園という箱庭から出て飛び立つ時を待つ少女が、再び運命の地に赴く。彼に再び会うために。ほんっともう大好き! なシリーズ三巻。テーブルを囲んでみんなでクッキーを食べる、ただその幸せなシーンをもう一度取り戻したいとシャーロットが望んでいるところに、世界情勢が重なって涙が出そうになります。少女時代という取り戻せないものと、個人の力ではどうにもならない世界というもの、けれどどうしても譲れない願いというものがあって。
カーリーは登場しないのかなあと思ったら、そこかー!!! シャーロットがちゃんと台詞にしてましたが、お約束を守ってくれてありがとう! という気持ちです。
続刊楽しみに待っています。
水底フェスタ (文春文庫)
湖畔の村に彼女が帰ってきた。東京に出て芸能界で成功した由貴美。ロックフェスの夜に彼女と出会った高校生・広海はその謎めいた魅力に囚われ、恋に落ちた。だが、ある夜、彼女は言う、自分はこの村に復讐するために帰ってきたのだと。村の秘密と美しい女の嘘が引き起こす悲劇。あまりに脆く切ない、恋の物語。解説・千街晶之

ミステリーかと思ったらとんだホラー&サスペンスだったよ! 新年一冊目がこれか!(※読書記録の記事は予約投稿しています) と思った一冊。閉鎖的な集落に戻ってきた女が、村長の息子である広海と出会う。彼女が告げるのはこの村への復讐。村ぐるみで隠されていたとある不正を暴こうというのだ。
男と女の話かと思いきや、後半になるにつれて『ムラ』という巨大なものがふたりを飲み込んでいくのにぐらぐらしました。由貴美と広海に対して「一緒になったらどうかな」は怖すぎた。ひいってなった。そうして広海の選択は、というラストまで息を詰めて読みました。
おいしいベランダ。 午後4時の留守番フルーツティー (富士見L文庫)
 栗坂まもりは、イケメンだけれどベランダ菜園オタクの亜潟葉二の恋人でお隣さん。
 夏を前にベランダ菜園の失敗から散財したまもりは、バイト先の閉店も重なって金欠の大ピンチ。運良く古書店のバイトに採用された! と喜んでいたら、同僚は昨年まもりを好きだと告白していた佐倉井くん……!?
 さらには葉二が偶然、二人が一緒に働いている姿を目にしてしまう。「佐倉井も一緒に働いてるのな。なんで隠すわけ」と言い出した葉二と、まもりはケンカになってしまい――?(裏表紙より)

シリーズ第4巻。親の襲来を経て順調にお付き合いを続けるふたり。夏はふたりで遊びに行こう! というところから、亜潟さんの仕事に大きな動き?
和やかに、ちょっと言い合いしたりすれ違ったりしつつも、楽しそうに一緒にいるので終盤の展開にははらはらしたんですが、よかったあ。そういう考え方めっちゃ好きです。そういう風に私も言える大人になりたいなと思いました。
あとがきの感じだと、佐倉井くんのスピンオフが出そう? 年上彼女と年下彼氏の話ってどんなのかなあ。ぜひ読みたい。
オリヴィアと薔薇狩りの剣 (角川ビーンズ文庫)
火事から父を助けようとした瞬間、異世界の島・ログレスにトリップしてしまった女子高生の織葉。人食い薔薇に襲われたのを救ってくれたのは、氷のように冷たい美貌の騎士・ギンレイ。元の世界に戻るため、人食い薔薇を退治する薔薇騎士団に入った織葉だが、ギンレイは冷たい言葉ばかり投げかけてきて――。「強くなるわ。守るって、決めたの」強がりな少女と孤高の騎士が世界を救う――異世界トリップファンタジー、開幕!(裏表紙より)

とても懐かしい気配に満ちた、「現実を変えたい」と願う少女が異世界に召喚され、薔薇を狩る者の一人として、頼り甲斐のある仲間たちと戦いながら、自分を助けてくれた訳ありの最強の騎士への思いをほのかに育てつつ、世界の秘密に触れようとするファンタジー。1巻目で、話がまったく終わっていませんが、この一人称の感じとかキャラクター、設定、世界観が本当に自分の中二心をびんびんに揺らしてくれて、悔しい……好き……! って思いました。またイラストが綺麗なんだなあ。
世界観がアーサー王伝説を下敷きにしていることもあって(キャメロットとかマーリンとか……)楽しかったんですが、ギンレイの正体にはおおっと思いました。
鍵のない夢を見る
小学校の頃やってきた転校生、その母親の秘密「仁志野町の泥棒」。年齢と立場、恋愛と結婚に言いようのない苛立ちを覚えていたある日、不審火が起こる「石蕗南地区の放火」。かつて付き合った男との思い出を回想しながら旅をしている「美弥谷団地の逃亡者」。恩師が殺されたことを聞いた彼女の元にかつて付き合っていた男から電話がかかってくる「芹葉大学の夢と殺人」。やっと欲しかった子どもを授かったものの育児に疲弊していく「君本家の誘拐」。五つの短編集。

まさに「鍵のない夢」というか、答えが見つからないまま、行き場を失ったり、自分の立っているところがわからなくなったり、どうにもならなくなってしまっている人たちの話だったなと思いました。どの話もいたたまれない読了感なんですけど、辛かったのは「芹葉大学の夢と殺人」でした。
口ばかりで、社会を知らないまま、「嘘がつけない」という言葉を武器に夢を見ている大学生が出てくるのですが、この男がもう……もう……。その言動のいちいちがもぞっとしていたたまれない。
同時に「石蕗南地区の放火」ももぞもぞもぞーっとしました。結婚の気配もないまま三十六歳になった女性が主人公。なんとなくデートらしきものに出かけた年上の男性がいるものの……という話で、このふたり、それぞれのこじらせ感が胸を掻きむしってしまうくらいしんどい。これ「マウントとりたい」って話なんですよね。ああー。
後味がとても悪いんですが、この身をよじってしまう居心地の悪さがたまらないなあとも思いました。
朝が来る
「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、だが、確かに息子の産みの母の名だった……。(帯より)

「家族って、なんだ」を問いかける作品でした。
不妊治療をした後、養子を迎えることにした栗原夫妻。一方子どもの母親である片倉ひかりは未成年にして身ごもった少女。子どもを作ることを当たり前だと考えられて苦しむ夫婦と、親が望む子どもでなくなった少女が、「家族ってなに」を考えている。何がその子どもの(その人の)人生を分けるんだろうと考えてしまいました。ひかりだって最初は可愛い娘だったはずなのに、親が望むものではなくなった瞬間に拠り所を失って、そのまま二十歳になってしまったところが苦しくてぐうっとなりました。家族という拠り所から弾かれてしまった瞬間、人は何者でもなくなるんだろうか……と不安にも駆られて。家族という共同体に守られていなければ何者にもなれないなら、血の繋がりは、家族とはって考えてしまうんですが……最後にひかりがつなぎとめられたようでほっとしました。
「朝が来る」けれどまだまだこれからなんですよね。佐都子たちもひかりの両親のようになってしまうかもしれないんだから。
盟約の花嫁 (角川ビーンズ文庫)
大陸を統治する代償として、竜王は人間の花嫁を得る——それがこの世界の盟約。村人たちから虐げられ、辛い日々を送る少女フィリス。ある日彼女は、花嫁候補の少女オリヴィアを迎えに来た青年ジルと知り合い、オリヴィアの侍女として登城することになる。だがそれが、フィリスの苛烈な運命と恋の幕開けだった! 竜王が花嫁を選ばなければ世界が終わる。盟約からはじまる少女の物語を描いた大人気WEB小説、待望の書籍化!!(裏表紙より)

異種族恋愛譚。虐げられて育った孤児の少女が、竜王に見出される物語の1巻目です。
フィリスの境遇がもう本当にかわいそうで、ジルに会えてよかった。マーサも優しいし、これでやっと幸せになれる、かと思いきや何か起こる予感という引き。しかしオリヴィアがテンプレ通りの意地悪な女の子で、この子やっつけたいなあ、なんて思ってしまった。
政略結婚
不思議な縁でつながる、三つの時代を生き抜いた女性たち。聡明さとしなやかさを兼ね備え、自然体で激動の時代を生き抜く彼女らをドラマチックに描き出した、壮大な大河ロマン!(帯より)

加賀藩大聖寺藩主前田利之の次男と結婚した勇。加賀藩の分家小松藩の子孫である万里子。瀟洒な洋館で生まれ育った花音子。江戸時代末期、明治半ば、そして昭和。三つの時代に生きた三人の女性たちの物語が一人称で語られる。
形は違うけれど三代の女の物語として先ごろ桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』を読んだところだったので、語り口などの違いがまた面白かったです。
タイトルは『政略結婚』だけれども、『結婚』にまつわる家の話でもあり、最初の「てんさいの君」は顔も知らないまま嫁ぎ、義母や養母がいて、大人も子どもも簡単に死んでしまう時代に養子縁組も普通に行われている、という、女性が家である時代の話。続く「プリンセス・クタニ」は家というものから飛び出し、新しい世界で新しい自分の形を作る時代の話。そして「華族女優」は血縁というもの家族というものが一つ終わりを迎え、女性が一人の人間として歩き始める時代の話。このお話の中で脈々と受け継がれる一族の血なのですが、「てんさいの絵が描かれた九谷焼の皿」もまた時代を経て登場する。これが最後焼け落ちた家の中から見つけ出されるっていうのが象徴的。
時代や状況によって女性のあり方っていうのは本当に違っていて、自分にふさわしい生き方を見つけたなら、誰がなんと言おうとそれを貫けばいい、と教えてくれたような作品だったと思います。それを押し付けてはいけないというのも含まれている。家を守る女もいれば、仕事に生きる女もいて、新しい世界へ自由に羽ばたく者もあれば、これまで連綿と続いた血よりも自分を選んで生きる者もある。
とても面白かったです。
夜の果てへの旅―ブローデル国物語 (コバルト文庫)
成金貴族となって浮かれるノガレ男爵家の中で、長男のテオだけは、貴族の身分に不満を抱いていた。ある夜、家を抜け出して遊びに行ったテオは、世間を騒がす盗賊団・ボワザン一味の若者に出会う。追われる身の彼を救ったテオは、その帰り道、近道のためにしのびこんだ女子修道院で、自分と同じ年ごろの少女・フェリシアに見つかってしまう。彼女は訳あって一生を修道院で過ごす身だった。(カバー折り返しより)

ブローデル国物語の三冊目。シャロンとラウールが出会うよりも前、ノガレ家が男爵になったすぐ後くらいの話。ちょっとだけマルセルも登場。
シャロンとラウールがお互いを知らずに出会っていたってときめきだー! この後結婚するんだからにやにやします。シャロンはまったく淑女の教養が身についていないようでしたが、この後完璧な猫かぶりになるんだよなーと思うとそれもにやにやでした。
お話はシャロンのしたたかな弟、テオと、女子修道院に入っている侯爵の娘フェリシアのお話。十三歳と十歳の恋がいじらしくって切ない話でした。
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Author:月子
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