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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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わるい食べもの
自由こそ至高の美味である
「いい食べもの」はもうたくさん。気高き毒気が冴えわたる、異色の食エッセイ。(帯より)

ホーム社文芸図書WEBサイト「HB」に連載されたエッセイをまとめたもの。テーマは「食」。
本当に食べることが好きなんだなあというか、いきるちからがつよい……って思いました。食べ物系のことを書く方で生命力が強い人が多い気がするんですが、アフリカで育ったという経歴からなのか元々の性質なのか心身ともに強い印象を受けました。
子どもの頃の話が印象的でした。やっぱり食べることについて一番考えるのが幼少期なのかもしれない。そういう時期、食べ物に関する強烈な思い出ってあるよなーと思いました。
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珍獣の医学
田園調布動物病院の院長である著者の、ペット医療の現場を綴った一冊。

実際の写真も載っているので、だめな人は注意。
アリクイ、トカゲ、ヘビ、カメなどなど、ちょっと難しいペットを扱ったり、犬猫ももちろん診たりしているんですが、あんまり書かれていないんだけれど動物の治療っていろんな発想と試行錯誤の結果なんだなあと思いました。人間の医療のように進化しているんだろうけれど改めてその歩みと苦難を思ったというか。
獣医学のいろいろや動物を診ることについて勉強になる本でした。
おいしいベランダ。 スミレと6粒のチョコレート (富士見L文庫)
 栗坂まもりは、イケメンだけどベランダ菜園マニアの亜潟葉二とお隣さんで恋人どうし。
 マンション改装も終わった冬。張り切って新たにスミレをベランダ菜園にお迎えしたまもり。バレンタインにこの花を活躍させる計画でわくわくする一方、友人の湊と周の間には不協和音が!
 ……湊ちゃん、わたしに何かできることはないかな? 友人のために心を砕くまもり。
 一方で、見守る葉二には仕事の転機が訪れ——?
 ベランダ菜園に2つの恋の嵐が巻き起こる、大人気シリーズ6巻!(裏表紙より)

友人や周囲の環境が少しずつ変わる第6巻。まもりの成人式と、友人の湊ちゃんが破局の危機です。最後の最後で亜潟さんも新しい道を選んでしまう……? という内容もあり、続きが気になりすぎる。
少しずつ外に向かい始めたまもりは、再び迎えた亜潟さんとの進路を上手く決めていくことができる……気がする! 待つよとか行くよとか言える大人になっていってると思う!
キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~ (バンブーエッセイセレクション)
『母がしんどい』で知られる著者のコミックエッセイ。
毒母によって受けた心の傷は、やっぱり大人になってから影響が出るもので。うーん、わかる。抑圧され続けた結果、こうやって心がちょっと壊れるんだよな……。多分こうした心の状況にある人はたくさんいるんだろうけれど、具体的な解決方法ってまだ誰もわかっていないのか、内に秘めている人がたくさんいる気がする。
人間・始皇帝 (岩波新書)
苛烈な暴君か、有能な君主か。中国最初の皇帝の生涯は謎に満ちている。出生の秘密、即位の背景、暗殺の経緯、帝国統一の実像、焚書坑儒の実態、遺言の真相──。七〇年代以降に発見された驚くべき新史料群に拠り、『史記』が描く従来の像を離れ、可能な限り同時代の視点から人間・始皇帝の足跡をたどる画期的な一書。(カバー折り返しより)

始皇帝研究をまとめたもの、でいいのかな。中国の歴史にあまり詳しくないので、もうちょっと入門的なものを読んでからこれを手にした方がよかったかもしれない。
読んでいて思ったのは、記述が様々で、まだまだ明らかになっていないことが多いのだなあということ。統治者の威光を表現する、あるいは貶めるために、文書が大きな役割を果たしているという印象が強い国だなあということでした。
神殺しの救世主
これは、世界を拓く物語——。
長年に亘る戦で荒廃した世界。そこでは語り継がれる終末神話があった。「この世の命数が尽きる時、『邪神』が現れ、世界は終焉の時を迎える。しかし、創造神は一人娘をこの地に遣わし、その『救世主』は五人の『守護者』と共に人々を新世界に導く——」と。終末の到来を予感した少女・ノト。かつて『守護者』の責務から逃げた彼女は、王と、国と、神と、そして運命と斬り結ぶことを決断する!!(カバー折り返しより)

滅亡と再生の異世界ファンタジー、だけではなくてSF要素も含む。情動を持たない娘、ノトは、終末神話に語られる五人の守護者の一人『真実』であった義兄ホリディが死んだことで、彼の預言を知り、彼の意思を継いで守護者を集めて邪神と戦うことを決意する。
ノトは果たして救世主、それとも邪神? 預言の通りになれば仲間の守護者たちがみんな死んでしまうのは本当なのか? 笑うことも怒ることも泣くこともないノトがひたすらに自分のすべきことをやりながら、仲間たちを失いたくない、一緒にいたいという思いを育て、運命に立ち向かう。
ノトの淡々とした語り口と立ち回りの上手さで、ストーリーは王道、問題ごとも基本的にはすんなり片付く軽い読み心地なのですが、最後に登場する「生きていることは素晴らしいのか?」という問いやテーマはとても多崎さんらしいなあと思いました。途端にノトが不器用で、本当は弱いただ人でしかなかったことがわかってぶわっときました。いいファンタジーでした。
迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国 (ビーズログ文庫)
少年が開いた扉は、何故だかアクセサリー店へと繋がっていた。来た道を思い出せない少年の前に現れたのは、無神経で無愛想、おまけに生活能力ゼロの店主。その傍らには、喋る狼が!? 訪れる客も、風変りな者ばかり。店主に店の所在地を訊ねても、飄飄とした的外れな答えしか得られない。「迷子、おまえがどこから来たのか当ててやろう」……すべてが不合理な中、奇妙なゲームが始まった!(裏表紙より)

おそらく現代日本から来たと思われる少年が、複数の異世界の国から訪問者を受け入れる謎めいたアクセサリー店で自らの帰る場所を探す話。なんですが全然話が終わっていないので、いろんな世界のいろんな人の事情を楽しむ一冊となっています。
巨人の国からやってきた人物の依頼、追われているという人物の依頼、機械の国からやってきた依頼、物作りを生業とする少女の依頼、などなど、文化や仕事が全然異なる世界からの訪問者たちが「アクセサリーを作ってほしい」と依頼し、それに不思議な店主シオンが答える。ページ数が多ければライト文芸にカテゴライズされそうな作品。
話が始まっているようで始まっていないし終わってもいないので、少々消化不良です。メイは帰ることができたのかなあ。
噛みあわない会話と、ある過去について
優しい同級生として有名だったナベちゃんが結婚するが、その嫁がヤバイらしいという噂が流れてくる「ナベちゃんと嫁」。国民的アイドルグループの一人となった教え子が母校を訪ねてくるという。かつて彼の弟の担任だった佐藤は……「パッとしない子」。成人式の写真に写っている彼女の着物にまつわる不思議と、完璧な子育てと母と子どもの話「ママ・はは」。時の人となったかつての同級生に取材を申し込んだ早穂だが……「早穂とゆかり」。四つの短編集。

あわよくば誰かと恋人関係になりたかったかつての同級生の男子、その彼が結婚するという。その嫁は少々普通ではない。連絡手段を限定しようとしたり女友達を排除しようとしたりする嫁だというのだ。
国民的アイドルになった教え子のことを「パッとしない子だった」と周囲に話していた教師。
いじめではないと言いながら相手のことを面白おかしくいじっていたライターの早穂。
彼女たちは当事者にはどのように思われていたのか。胸がきりきりするような「噛み合わない」人たちの四つのお話。もう痛くて痛くて……。
「自分の側からは見えない」という噛み合わなさを描いた作品群ばかりで、視点人物のほとんどが「私は正しい」と主張してくる痛々しさもそうだし、子どもの頃のあやまちをあやまちとも思っていない現在と、時が経ても癒えない当事者の傷のこととか、読んでいて辛かった。
猫の伝説116話―家を出ていった猫は、なぜ二度と帰ってはこないのだろうか?
全国各地の民間伝承などから猫の話を集積した一冊。
物凄く面白かった! 他のお伽話によくある類型の話が見られるし、猫という生き物がどのように受け止められていたのかがわかって、すごく興味を惹かれた。
妖怪めいたおどろおどろしい猫もいれば、飼ってくれる人のために行動しようとする猫(+犬もいるのが面白い)もいたり、欲深い人には報復する猫もいたりするんですが、人のように踊っているのを目撃されるとどの猫も出ていくか追い出されるっていうパターンを初めて知りました。そうかあ、出ていかされるのか……そいつはちょっと悲しいな……。
高山なおみのはなべろ読書記 (ダ・ヴィンチBOOKS)
「鼻さぐり、ベロさぐり」夫が置いていったのは、私の文は嗅覚と味覚を頼りしたものであるという褒め言葉が書かれたメモ。そんなわけでタイトルがこうなった。本の話を交えながら料理のレシピを掲載するエッセイ。

とても心地いい本。大きさといい、紙の触り心地といい、写真やレシピの配置といい。柔らかい光が差し込む午後にのんびりと読みたくなるような、あるいは布団の中でゆったりと読みたくなるような。いい本だなあ。
ささやかな日常に当たり前のように本がある光景が、読んでいてなんとなく幸せな感じがして、ちょっと羨ましい。味わうようにじっくり読むってこういうことなんだなあと思う。
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Author:月子
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