読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
かつて漫画家になろうと志した頃、漠然と「脚本とは何か、それを知らずには済まないだろう」という思いを抱きました。しかし追求せぬまま漫画家になってしまい、以後、暴れ馬のような自分の物語制御に、どれほどウンザリしたかわかりません。物語制御を理解するまでに、なんと10年以上(漫画家生活の4分の1)かかったのですから。そんな無駄をしないために、私が後輩たちに教えられることがあるなら。そう思ってこの本を作りました。(本書より)
漫画という言語はどのように組み立てられ、どのような表現に気をつけるべきかという基礎が詰まった本。漫画は描かないしコマ割りもできないけれど、すごく勉強になりました。世の漫画家さんたちはこうやって意図するものを読み取ってもらおうとしているわけか。
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有名な進学塾に入学した17歳の都。彼女はこれまで『特別』な存在として、学校に通わず、閉鎖された環境で過ごしてきた——。生まれて初めてできた友人・璃花との話の中で、都は塾に『特別な生徒』がいるという噂を耳にする!自分の情報がすでにもれていることに危機感を覚えた都。そんなとき、塾の生徒の今日子と初音が言い争う現場にでくわして…!? 四人の少女を取り巻く陰謀が動き出す!(カバー折り返しより)
『白い花の舞い散る時間』の過去に当たる話。白い花〜を読んだのが何年前だって感じなので全然内容を覚えていないんですが、この話はこの話として、特別な少女が平凡を偽りつつ、普通ではない生徒たちに混ざって、『塾』で過ごしているところがすごく少女的でよかった。同じ年頃の閉鎖空間にいる少年少女たちの話っていいよなー!
日本が誇る名門、烏丸家の27代目当主となった花穎は、まだ18歳。突然の引退声明とともに旅に出てしまった父親・真一郎の奔放な行動に困惑しつつも、誰より信頼する老執事・鳳と過ごす日々への期待に胸を膨らませ、留学先のイギリスから急ぎ帰国した花穎だったが、そこにいたのは大好きな鳳ではなく、衣更月という名の見知らぬ青年で……。若き当主と新執事、息の合わない《不本意コンビ》が織りなす上流階級ミステリー!(裏表紙より)
当主と執事、主従でありながらもしっくりきていない関係が発展途上の二人が主人公のミステリー連作。キャラクターが面白いんですが、赤目がなんだかわけがわからない感じでもやもやしました。この人にまつわる話を含んで一冊にしてほしかったなあ。この本、文庫で220ページしかないんですよね。ちょっと物足りない。
わがままに見える花穎は、根は純粋で傷つきやすく、優しくて賢い若者なのがいいな。衣更月はどんな風にして彼を認めていくんだろう。
まもりとお隣に住む恋人・葉二のベランダ菜園には、華やかなパッションフルーツも加わって、夏が楽しみな季節。
同時に、まもりは就職にむけて心が騒ぐ大学3年目に。教職を目指す湊ちゃんと違って、何をすべきか悩んでしまうけれど……!
就職活動の手がかりに、企業インターンシップに参加したまもりは、自分がどう働きたいかを掴みはじめる。着々と将来を考える彼女の横で、葉二は「神戸に引っ越す」と言い出せないまま焦りばかりつのって——。二人とベランダの転換点がやってくる第7巻!(裏表紙より)
転換点というので、前回の規模くらいのものを想像していたら、想像以上に転換点だった。人生の大事な選択の一つじゃないですかやだー。
亜潟さんは思っていた以上にまもりにベタ惚れで、読みながら照れてしまいました。失いたくなかったから言い出せなかったんだなー。それにしてもヘタレすぎだけど! 可愛いから許す!
就活の話はやっぱり何を読んでもきついなあと思いつつ、まもりの選択がどうなるか、続きも楽しみ。
生まれた時から自分に宿る星の力を使う“星導士”が頂点に立つ世界、星の原。星をもたない少女・アステラを傍で守ってくれていたのは、謎の男・ロキ。でも彼の本当の目的も正体も、アステラには分からないまま。守られるだけなのは嫌――独り立ちを決意し、星導士の集う“学院”に足を踏み入れたとき、アステラの世界は変わり始めた……。「この子さえいれば、俺はもう何も要らない」星に導かれて、運命の恋が始まる――!(裏表紙より)
星座を扱ったファンタジーで、凝った設定が面白いなあと思いました。ファンタジックな世界を構築しているので世界観をつかむのにちょっと時間がかかるのですが、大事な言葉が詰め込まれた一冊だったと思います。
ただ主人公格の人たち以外の暮らしぶりがほとんど見えないのが気になったかなあ。闇市を開くだけ困っているという描写の根拠らしいものがあまりなかったように思うので、生活レベルがどんなものか掴みにくかった。
大学卒業後あえて就職しない道を選び、自分の理想の図書館を開いた。利用者の声を謙虚に、丁寧にすくい取りながら「私設圖書館」の歩みはつづく。平成最後の年、新たな時代を前に、著者が自らにあらためて問う、「型にはまらない生き方」。(カバー折り返しより)
「私設圖書館」という有料の図書館についての本。有料の図書館(という名前だけど多分正確には図書館じゃない……?)をどのように作ろうと思い立ったのか、どういうものを目指したのかということが語られているのですが、すごく興味深かったのでどうやって運営しているのかをもうちょっと突っ込んで読んでみたかったです。
しかし儲からないというか、続けていくには難しいものなんだなということは伝わってきた。好きじゃないとできないよなあ。