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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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瓶子貴宣は、月収10万円の私大非常勤講師。博士号を持ち実力も抜群なのに、指導教官の不祥事で出世の道を閉ざされた。しかも姉が育児放棄した甥、誉を養ってもいる。貧乏でも正規雇用を諦めない貴宣の前に、千載一遇のチャンスが。だが誉を引き取りに姉が現れ、家庭問題まで勃発——。奮闘するポスドクの未来はどうなる! ? 痛快かつ心温まる、極上のエンタテインメント。『マル合の下僕』改題。(裏表紙より)

就活ものはメンタルにくるのできついとは気付いていたんですが、そこそこの年齢の社会人の非正規雇用の現状を描いたものも心にクると気付かされた作品。現実辛い。
しかもこれ瓶子先生は理系で情報関係だから、文系の講師陣はどれだけきついかと想像するともっとメンタルにくる。そしてまた学生たちとは違って、家族を養うってこんなに大変なのかと。誉がとてもいい子だからなんとかなっているけれど反抗期真っ盛りだったりやんちゃでぐれていたりするときっともうちゃんと生活できてないよ……。
ただ物語は、たとえお金にならなくても、努力したことや、身につけた知識、技術といったものは未来への選択肢を広げるから決して諦めるんじゃない、という内容。「どうして勉強するの?」という問いに対するアンサーだったように思います。そして人を踏みつけにして得られるものはないということも。
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ドラマ「コウノドリ」の医療監修を手掛けた医師が、小中高生にNICUのことや妊娠、出産、新生児について伝える授業を一冊の本にまとめたもの。

本そのものはそれほど分厚くなく、文章も平易で優しく、中高生なら教養として読むのにいいんじゃないかな、と思える本でした。
ただ成人してそこそこ経っている私が読むと、医療現場の忙しなさや、障害を抱えたお子さんを持つ親御さんたちの辛さをだいぶと薄めているなという印象で。家族として過ごせて幸せでした、だけじゃないと思うんですよね。誰もがそう思えるわけじゃないだろうって。医療従事者の皆さんも本当に毎日大変だろうし。
ただ、小さな命を守りたい、生かしたいという気持ちで医療に取り組んでくださる方々には本当に頭が下がります。こういう人たちがいるから私たちは望む人生を生きられるんだな。
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 まもりと葉二は婚約者となった。同時に葉二は仕事のため神戸に、まもりは大学卒業まで関東で暮らす遠距離恋愛に!
 これまでみたいに一緒にご飯を食べられない分、食べたものを報告しあったりしましょうね……って、さっそくトラブル発生ですか!?
 両家の顔合わせをきっかけに、急ピッチで結婚式準備や卒論、就職準備をするまもりは大わらわ。けれど、神戸で過ごす葉二にはその焦りや悩みが上手く伝わらない。
 さらには、葉二の自宅とつながっているはずのビデオ通話に、見知らぬ女性が映り込み——!?(裏表紙より)

ご結婚おめでとうございます!
婚約して遠距離中の二人が入籍するまでの話。両家の顔合わせ、やるつもりのなかった結婚式の準備とすれ違い、卒業式と入籍。いやあ一巻からを思うと感慨深い。
周りの言い分に合わせて自らを削ってしまうまもりと、大人ゆえにそうした諸々をスルーしつつ仕事のように片付けてしまえる葉二と。っていうか亜潟さんの場合、絶対にブラックに勤めた経験からか他人の言うことをほどほどにしか受け取らないようになってますよね……? まあそれが処世術なんでしょうけれど。だからまもりの辛さを察して、ちゃんと駆けつけて、不器用ながらも泣かせてくれたのは、彼の変化も感じられて嬉しかったです。
次は最終巻。社会人一年目、夫婦一年目のまもりがどうなるか、楽しみにしています!
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魔導結界により国交を断絶する島国・ローランシア。アルメリアは弟と二人、盗賊として隠れ生きてきた。だが忍び込んだ屋敷の主・イーディスに捕まってしまう。弟を人質に「第一王子を盗み出せ」と命じられ、王宮へ潜入するアルメリア。それは、五年前に殺された両親の事件と国を巡る陰謀に繋がっていて!? 「今は殺されてやらねえよ」運命の船出へ誘う男・イーディス。彼は敵か、それとも……? 第16回小説大賞奨励賞・受賞作!!(裏表紙より)

閉ざされた島国。両親を暗殺され、盗賊をやりながら逃げる双子。限られた人間が持つ〈まじない〉の力。
盗賊に身をやつしながらも誇り高く、芯を持ったアルメリアがとってもいいヒロイン。悪ぶっているイーディスは、もっと優しくしてよ! と思いながらも、アルメリアの能力や信念を認めて甘やかさないところが実に大人という感じ。
設定や舞台がこの物語ならではの装置となっていて、ストーリーの面ではちょっと都合のいい〈まじない〉の力が発言するようにも思ったんですが、なるほどなあ、と面白く読みました。
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年子でよく似ている「真面目な子」の姉に複雑な感情を抱く妹。弟のアイドルオタクを馬鹿にするバンギャの姉。賢い優等生な娘とそりが合わないでいる母親。教師になるという息子の夢を守ろうとする父親。周囲から浮いている妹に苛立つ姉。帰国子女の孫の学校生活を見守る祖父。赤ん坊という命を中心にした風景。家族の物語を綴る短編集。

「「妹」という祝福」「サイリウム」「私のディアマンテ」「タイムカプセルの八年」「1992年の秋空」「孫と誕生会」「タマシイム・マシンの永遠」を収録。
語り手みんなの感情に共感してしまって、まるで自分に起こった出来事のようだった。そして多分この世界のどこかで同じようなことをしている家族がいるんだろうなと思わせる、リアリティがある短編の数々。とても面白かった。
ぐっときたのが「私のディアマンテ」。娘に馬鹿にされる学のない母親だけれど、大事なことは絶対に間違わなかった、その展開にすごく救われました。それから「孫と誕生会」。こちらも現代の価値観とは違うかもしれないけれど、大事なものの根っこは変わらないというのを教えてくれるもので、とてもよかった。
「タマシイム・マシンの永遠」はすごくタイムリーだったかも。タマシイム・マシンはどうやら『ドラえもん』のひみつ道具のようなのですが、話している内容に、2020年11月時点で上映中の「STAND BY ME ドラえもん 2」の下敷きになった話、のび太とおばあちゃんのエピソードのことが出るんですよね。それだけでなんだかちょっと、読みどきだったのかなと嬉しくなったのでした。
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ノースポール合衆国自治州『キヴィタス』は1億6千万の人口を収容する人工都市だ。アンドロイド管理局に勤める若きエリート、エルガー・オルトンは、帰り道で登録情報のない「野良アンドロイド」の少年を拾う。ワンと名乗った少年型アンドロイドとエルは不思議な共同生活を始めるが、ワンは記憶を失っていた。彼の過去を探るうち、エルは都市の闇に触れてしまい?(Amazonより)

見事なSFだった。女性向けSFという感じで、世界観が硬質的で、エルとワンにやりとりがとても面白くて軽妙。オレンジ文庫でこういうSFが出るんだなー! と嬉しくなりました。
人間としてどこか欠けているエル。機械にしては人臭すぎるワン。この二人が出会い、欠片がはまるようにお互いを必要とするまでの過程が、キヴィタスの闇を覗き込む事件とともに描かれていて、ちょっとずつ二人が歩み寄り、成長していくところがとてもいい。なんというか、とても「生(なま)」を感じた。
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 身分に関係なく有能な人材を登用し、庚国を発展させた前女帝。その反面、血の粛清は親族にまで及び、それは彼女自身の息子にも向けられた……。
 生き残った現皇帝・明宗は傀儡と囁かれ、国は前女帝派と明宗の姉・西安公主派に分かれて権力闘争に明け暮れている。しかし明宗は、国を思う熱い心を秘めていた。
 そんな彼の前に現れた、没落した地方官吏の娘・紅琳。彼女もある野望を胸に、女でありながら身を立てようともがいていた。
 二人が出逢い偽りを共有した時、国は変革への産声をあげる——!(裏表紙より)

女性でありながら宦官に扮し、傀儡皇帝とさげすまされている現皇帝とともに仲間を集め、困難に立ち向かう中華風ファンタジー。
賢く有能な紅琳に対して、皇帝の明宗は優しく真面目なのだけれどちょっとずれた感覚の持ち主。大丈夫かなあこの人……というのを紅琳が個性豊かな仲間たちとともに支えるんですが、この仲間集めの感覚が楽しいですね。中華風王宮だとものすごく難しいけれどこの本の世界観だからなんとかぎりぎり可能になったみたいな感じがします。阿賀とかね、ばれたら本当にやばいと思うんだよね。
仲間が揃ってさあここから! と思ったんですがいかんせんページが足りなかった……もっと敵側をぎゃふんと言わせてほしかったなあ。
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AKB48のグループ総監督だった高橋みなみの、十年間の活動の一部、リーダーであったことをまとめた本。
女子ばかりのグループの中で、自分の立ち位置を見極め、やれることを考えて実行し、周りをよく見て一つの方向に導く。なんてよくできた人なんだろう……と思いました。感情的にならないようにしつつ、周りをちゃんと頼って、自分ができるのはこれだという強い意志がなければ、大勢の人間を引っ張っていくことなんてできないよなあ。すごく興味深く読みました。
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タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。だが、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂実星近が、彼女の人生を一変させる。茂実との恋愛に溺れる蘭花だったが、やがて彼の裏切りを知る。五年間の激しい恋の衝撃的な終焉。蘭花の友人・留利絵の目からその歳月を見つめたとき、また別の真実が——。男女の、そして女友達の妄執を描き切る長編。(裏表紙より)

登場するいろんな人がどこかの部分で鈍感で、盲目的で、無自覚である、ということを突き詰めるような小説だった。恋は友情よりも重いのか? という命題もそうなんですが、それぞれの都合のいい解釈が読んでいてきつかった。美波の台詞にものすごくどきりとさせられて、どうしてなんだろうと思っていたんですが、蘭花は彼女の言葉に対して鈍感で、留利絵は鋭敏すぎるんだな。完全スルーで都合のいいときにしか聞いていない蘭花に比べて留利絵は都合よく解釈する自分やコンプレックスをすぐに見抜かれるから、とことん美波が嫌いなのか……などと「育ちがいい」=「狭い世界しか知らない」女性たちのアンバランスさがよくわかって、後味が悪いのにやっぱり面白かった。
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ヴィクトリア&アルバート博物館の指輪コレクションから、西欧の指輪史を解説する。
解説といってもかなり図録に近いかと思います。翻訳の文体が固すぎるところと、行揃えというか文字と行の感覚とフォントが読みづらいところが、すごく……。
しかし指輪の写真はすばらしく、古いものは歴史を感じさせたし、あとすごく魔力が宿っているように見えた。こんなん呪術的な意味でつけてたやつやん、みたいな、おどろおどろしさが秘められているように思えました。すごくロマンだった。
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Author:月子
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