読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

書物が溢れんばかりに出版されている現在、本当に面白い作品とはどのようなものか。狩人となった筒井康隆が、本の森に分け入り獲物を渉猟して歩く。実験小説あり、古典あり、SFあり、ミステリーあり…。作家の鋭い眼力に照らしだされた豊饒な作品群を、多彩な人物を登場させ、様ざまの文体を駆使して描く書評は文学の新たな悦楽である。(カバー折り返しより)
筒井康隆は「富豪刑事」と「パプリカ」しか読んだことがない……ので、書評の語る人が作品登場人物でもいまいちピンと来ず、書評なのだろうか……? という内容でもあったので、筒井康隆の本ではあるけれど、読書案内にはならない本だと思いました。自分ではちょっと読まない方法で読んでる感じだなーと思いながら読んでました。「これ面白い!」じゃなくて、なんだか別の視点から紹介しているような……。
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『ルシードはアジェンセン大公の血を引いていない』その秘密を知ってなお、支持すると言ったはずのリドリスの裏切りに、意気消沈するルシード。一方ジルは、ジョングー=ガーグと共にテジムに捕らえられてしまっていた……。王座奪取へ邁進するルシードに贈られる、リドリスの、メリルローズの、……そしてジルの贈り物。全ての謎が明かされる中、ふたりの運命は!? 王宮ロマン、グランド・フィナーレ!(裏表紙より)
最後までときめきとロマンと歴史が詰まった、とても素晴らしい物語でした!
リドリスの贈り物は……もう分かりきっていたことだけれど、つらい……。大いなる傷と愛、か……。精霊の声を聞こうとしながら、最後に好きなものを食す彼は、一方で存在し続けたかったのだろうな……。生まれついたものが、未来永劫ルシードを脅かし続けるから、退場すると決めたリドリスは、きっと”未来”をあげた。
メリルローズの贈り物は、ルシードの生そのものだったのかもしれない。彼の輝かしい王への道、生きることへの望み、心。”いま”というものを紡いで振り返ったものが過去なのだから、メリルローズは心をあげたのかもしれない。それは多分”過去”なんだろう。
そして、ジルは”いま”をあげたんだろうなあ。一瞬一瞬、色鮮やかに、生きているって実感するもの。幸せだと感じるもの。
初夜の明けた朝は、笑いすぎておなか痛かった。リュリュカの叫びが全読者の心を代表していたと思います。
エピローグのいろいろは、そこもうちょっと詳しく! ってなりながら、その距離感がグランド・フィナーレという感じで心地よく、最後の最後でハッピーエンドなのがさいっこうだと思いました! ここに来て、それが伏線だったかーーーーー!!!!!(ばくしょう)
最高の物語でした。ありがとうございました!

全ての謎を解くために、【墓場】へ向かうジル。一方、シングレオ騎士団でマシアスと再会したルシードは、騎士団と星教会の後ろ盾を手に入れ、一路、パルメニアの主都ローランドを目指していた。パルメニアの王座奪取に向けて、なにもかもが順調に見えたその時——あるまぎれもない真実——が、離れ離れのジルとルシードに明かされる。二人の運命ははたして……? 身代わり王女の王宮ロマン、怒涛のクライマックスへ!(裏表紙より)
あああああそこでその真実かーーー!!! という、思ってもみないところからの攻撃が。いやしかしこの時代の人たちややこしすぎじゃね?
実は最終巻まで読み終わった後、この感想を書いているんですけれども、ジルと旅をしているとき、彼女からルシードの話を聞いて、ジギーはどう思ったんでしょうね……ばくしょう。「ムラムラしますー!」って言われて、動揺しない(ネタバレ)はいないと思うな!
最後のリドリスのあれは、ああ、彼は望み通りに死んでいくんだな……と思いました。

パルメニア王冠を目前についにシングレオ騎士団攻略へ歩を進めたルシード。世界会議の舞台で自分の正体を知る他国王たちに挑むジル。“あの夜”の約束を胸に、それぞれの戦いに乗り出した二人だが、大公夫婦のいないアジェンセンにはオズマニアの脅威が迫り……!? さらに姿を消していたマシアスも再登場! ジルとルシードに協力していた理由もついに明らかに……! 王宮ラブロマン、いよいよ怒涛の最終章へ突入!(裏表紙より)
紹介文に書かれちゃってますけれど、マシアス再登場です。協力していた理由っていうのが、えー? っていうちょっと肩すかしなあれだった(と個人的に感じました)のですが、これもう一回転するんだろうか。
気になるのはシングレオ騎士団のエヴァリオットで、登場した時は「うおおお」と興奮しました。まあその展開にはならないことは、別シリーズで確認済みではあるんですけれども、それでも騎士団を従えてしまうルシードは、本当にカリスマというか人たらしというか……。
オズマニアの父王と王子との戦いもひと段落ついて、いよいよラスボス、メリルローズとの対決が近づいてきたという感じ。双子、という関係性の因縁がすごく浮かんできているので、どういう種明かしになるのかすごく気になる。楽しみです。

アジェンセンを囲む国々の政略が錯綜する中、ついにパルメニアの王冠がルシードの目前に……!? それぞれヴィスタンシア、パルメニア行きの準備に追われるジルとルシードは、野望の達成が同時にふたりの別れを意味するという事実に気づく。もう二度と会えないかもしれない。夫婦でいられる時間は、今宵が最後かもしれない——ようやくお互いへの気持ちに気づいたふたりは……? 恋と野望が渦巻く王宮ロマン、急展開!(裏表紙より)
ご自覚おめでとうございましたごちそうさまでしたー!! 冒頭から結構振りかぶって「自覚」の準備がされていたので、どうなるかと思いましたが、無事に思いを伝え合うことができてよかったよかった。まあ、その後の展開は物語として美味しい……いや、一筋縄ではいかない波乱の予感ですね。そろそろ最終決戦間近ってところでしょうか。
リドリスがすごーくいい人、というか毒舌でありながらすごくルシードに優しいのが、嬉しい反面怖い。彼は最後に何か大掛かりなものを仕掛けてくるんじゃなかろうか。例えば、ジルの出自に関するものと同じような理由とか……。ちょっとずつジル周りの事情も明らかになってきたところで、次。

いま明かされるミゼリコルドの秘密……!(「私の願いを叶える者よ」)メリルローズの誕生日、戸惑うジルにルシードは?(「月色賛歌」)——他、ケイカとオースの過去編、リュリュカの恋人探し騒動など、5つの短編を収録した豪華短編集! コメディあり、シリアスあり、登場人物勢ぞろいの見逃せない一冊。プリハワールドがディープにわかるガイドページ、ドラマCDもついた特別編!(裏表紙より)
マシアスがいなくなって、さあどうする! というところで、短編集挟んでくるのにくい。先が気になるのに短編なのじれじれする。しかし短編も面白い……。
リュリュカの話が、コメディなのにじんわりいい話で切ないなあ。マシアス、ちゃんと帰ってくるかな……。リュリュカの恋の展開に期待。
それから、誕生日の話「月色賛歌」はとってもよかった。なんだもう二人とも好き合ってるんじゃーんと女子高生みたいなことを思いながら読みました。ルシードは本当にたらしだよ。しかし「くんかくんか」はもうにやにやしながら読みました。電車の中で噴き出しそうでやばかった。

身代わり大公妃ジルの言った『わたしをもっと可愛がりなさい』の真意を悩み続ける大公ルシード。そんなある日、ルシードの腹心マシアスが消えた!? マシアスの秘められた過去が明らかになっていくなか、ジルとルシードは互いを思い遣るあまりに心が思わぬ方向へすれ違ってしまい……!? そしてルシードの手によって地下に幽閉されていた弟リドリスがついに……!! 仮面夫婦が織りなす恋と野望の王宮ロマン!!(裏表紙より)
マシアスの過去話と、それに関わってくる本編。教会がえぐい感じなのは、他シリーズでもそうでしたが、マシアス辛い。時計の音が心臓に似ているとか、涙腺に訴えてくるのでやめてほしい……。
リドリスがついに本格的に関わってきていて、彼の真意はどのあたりにあるのかなあと考える。ルシードに対しては、彼より精神年齢が上になっていて、依存される形だけど、リドリスのほうが依存している可能性もあり。これは最後まで読まないと分からない感じかな。
キキとハクラン王の話も入っていて、この二人の変な世界がなんかちょっと面白い。ちょっといい感じに進展してほしい。

「ブラックホール」「ビッグバン」「ニュートリノ」……
誰でも一度は聞いたことがある、宇宙の話によく出てくる名前。
だけど……それってものすごく遠くで起こっていることの話でしょ?
“それを知ったからっていったい何になるの?”
そんなあなたの日常に、今、宇宙が舞い降りる!(カバー折り返しより)
宇宙というものを身近に感じさせられるよう、日常のことに例えながら宇宙のいろいろな現象などについて解説した一冊。
宇宙を体感してみる前半、宇宙の◯◯を言い換えるならという後半に分かれています。「超新星爆発を体感してみよう」→「ストレスを発散せずにずーっと溜め込んでみよう」っておかしいわ! でもなんかすごくよくわかる!! 星が爆発するくらいってことね!!! みたいな。そういう振り切り方が面白く、すごく上手いこと言ってる一冊でした。「新婚旅行中に喧嘩してしまったら?」→「それがビッグバンだ! 爆発が終わったあと新たなものを生み出していくのです」ってやかましいわ! でもよくわかるわ! の連続でした。

教室内ヒエラルキー上位の「リア充」(=現実の生活が充実している)女子グループに属する小林アン。中学二年生の四月、突然友人たちから無視されるが、同級生の「昆虫系」(=イケてないキャラモノ男子)、徳川勝利の言葉をきっかけに仲直りする。しかし、家や教室に絶望感を抱くアンは、自分と共通する美意識を感じる徳川に「私を殺して」と衝動的に依頼する。ふたりが作る事件の結末とは——!(裏表紙より)
割と死にたい気持ちでいるところにこれを読んで、腹の奥にぐうっとねじ込まれるような重みを感じて、ちょっと生きてる時間を得た、そんな読書でありました。
バスケ部所属リア充女子と、キモ系男子の、誰にも知られることのない秘密のやりとり。それは恋愛ではなく「私を殺して」というオーダーメイド。中学二年生という微妙な年頃の、ダークなものに惹かれるとか、死や殺人やグロテスクなものに興味を抱くとか、そういう言葉でくくりたくないんだけど、自分に秘密の場所を持つ感じ。それを荒らされることの瞬間的な怒りや絶望。すごく、実感する。
私の精神状態があれだったせいで、結末にはちょっと不満も抱いたりしたんですけど、でもきっと後からこれでよかったと思うんだろう。ほんの一時の、でも確かな絶望で死にたいと思ったことを、忘れないでいられることは幸せなことだ。その傷を話せるようになることは、大事なことだ。