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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記
再読。無性に直木賞受賞の辺りが読みたくなったので。面白かったー。
再読まで二年の間が空いているんだけれど、いつの間にか知っている本が多くなっていたのでおおーと思う。
対談の「文学少女はもういない?」が今回面白かった。
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身代わり伯爵の潜入 (角川ビーンズ文庫)
リヒャルトに会いたいと願い、自らヒースに攫われたミレーユ。しかし目を覚ました場所は、敵国の騎士団駐屯地だった! 不本意な特技(!?)の男装を活かし、見習いとして志願したミレーユは、女の子とばれないようにしつつ、合格目指して大奮闘。しかし相手は、アルテマリス王宮にも勝る美形の曲者揃いで!?
かくして、『身代わり伯爵』の大胆なスパイ大作戦がはじまる!
ミレーユとリヒャルトの仲も大進展! シアラン編本格始動!!(裏表紙より)

様々な伏線が提示されつつ、ミレーユの心境に変化が、という巻だったのかな。相変わらずミレーユかっこかわいいです。筋肉系に好かれるミレーユアニキ。シアラン編は背景が複雑で把握しづらいのですが、随所で噴くところがあるので腹筋的に辛いです。今回は冒頭からフレッドの黒さ全開でフレッド好きだ。
「リヒャルトが好きなのか」と言われて、今までは否定、考え込むという態度を取っていたミレーユが、「それを確かめにいく」と言ったところにたぎりました。うおおおお、これを待っていた!
しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
俺は今昔亭三つ葉。三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、目下前座よりちょい上の二ツ目。自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短く、女の気持ちにゃとんと疎い。そんな俺に話し方指南を頼む物好きが現われた。でもどいつも困ったもんばかりで……歯切れのいい語り口で、言葉にできないもどかしさと不器用な恋を描き、「本の雑誌が選ぶ年間ベストテン」第一位に輝いた名作。(裏表紙より)

面白かった! 文章のひとつひとつが小気味よくて、読んでいてすごく気持ちがいい。ヒロインの十河を描写するとき「猫」とか「黒猫」とか「黒猫の凍死体」などと表現が幅広くて面白いなあと思う。
みんな何かしら自信がなく、傷を持っていて、けれど寄り添いあうのではなく、集まって自分でひたすらに何かを掴もうとする姿勢がいい。気が短い主人公の三つ葉が、情に厚くていい。劇的なことはなかなか起こらないし、みんな悩んでばかりだけれど、最後まで読むとほっと息がつける物語でした。
そばかすのフィギュア (ハヤカワ文庫 JA ス 1-4)
新作アニメ「ダグリアンサーガ」のキャラコンテストで最優秀賞を受賞した靖子。彼女のもとに送られてきた村娘アーダのフィギュアは、最新テクノロジーで自在に動き、設定に応じた感情まで持っていたが……。少女とフィギュアの優しく切ない交流を描き星雲賞を受賞した表題作、高校在学中に発表されたデビュー作「ブルー・フライト」、文庫初収録のファンタジイ「月かげの古謡」など、初期傑作8篇を収録した待望の作品集(裏表紙より)

短編集です。どの作品も素晴らしいお話で大好きになった!
共通しているのはSFが絡んでいるということ。宇宙だったり機械だったり遺伝子操作や試験管ベビーだったり。一番最初に収録されている「雨の檻」からしてもう悲劇的な予感がしてならなかったのですが、オチにびっくりして、やられた! と思いました。多分そうなんだろうと思っていたんだけれど、そこに容赦なく時間の流れを示してみせるか!
表題作の「そばかすのフィギュア」は心温まるお話で、優しくて。フィギュアと生活する日々がとてもいいなあと羨ましく思う。靖子がフィギュアの村娘アーダと自分と重ねあわせていても悲観的なところはあまり感じられなくて、小さな子どもと母親を見ているような気もする。暖かいまなざし。文庫版の表紙が温かで、読んでから眺めてみるとすごくいい。
大好きな作品集になりました。おすすめです。
身代わり伯爵の脱走 (角川ビーンズ文庫)
リヒャルトとの急接近に戸惑い、小麦粉をぶっ叩き続けるミレーユは、自らの存在が国内外に漏れた事を知る。ジークは「政略結婚をするか、後宮に入るか」という究極に最悪な二者択一をミレーユに持ちかけ、暴れるミレーユを拉致してしまう!! さらにリヒャルトの正体が判明し、彼はある決意を固めるが!? かくして『身代わり伯爵』の大波乱の脱走劇がはじまる!! ついにミレーユが初キッス!? 怒涛の新章スタート!(裏表紙より)

新章シアラン編第一巻。シアランで起こった過去の陰謀劇のため、リヒャルトが動き、ミレーユが巻き込まれ、フレッドたちもまた動き出す。すごくシリアスな巻のはずなのに、読んでいてすごく楽しいのは、みんながみんな、大事なものを守ろうとしているせいなのかな。
男前ミレーユの悶々がかわいい。「好きになんてならない」にごろごろした。つまりそれは「好きになっちゃいけない」ってセーブをかけていることだよね!!! フレッドのリヒャルトとミレーユラブにもにやにやする。リヒャルトの肝心なところで何も言わないところにも悶えた。すごく嬉しいくせに、自分をセーブするんだから、もうじれったくて!
佐々木丸美コレクション15 沙霧秘話
沙霧という少女がいる。彼女はあるとき突然性格を変え、右利きが左利きになったりと不思議な現象をその身に起こす。しかしある日沙霧そっくりな少女が突如現れ、煙のように消えた。時期も変わらぬ頃、文芸雑誌に沙霧をうたう詩が掲載される。沙霧は双子なのか? もう一人の沙霧とは何者なのか。

隠れ里云々は、また別の話があるようだ。沙霧という少女を巡る不思議と愛の物語。佐々木丸美作品は愛が強調されるなあ。この本にも美文は健在。『崖の館』『雪の断章』のように登場人物がさほど多くなく事情も複雑でないので、ずいぶん読みやすかった。
二人の沙霧の物語を、町の沙霧は看護婦の女性の目から、もう一人は沙霧本人からの目で描き、いつ会うのだろう、この二人はどうなってしまうのだろうとどきどきする。少女たちが出会ったときに起こる色々がなんだか楽しい。喧嘩したり、笑いあったり。双子のようで、アンバランスな同一人物で。父親が名前を呼んだときのシーンがとてもいい。それぞれにふさわしい、象徴的な返事と、父親の眼差し。
おすすめされた本でした。とてもいい少女!
サミア (CITRUS NOVELS)
「好きだよ、私の特別な人……」
ごく普通の高校生・友則が出会った謎の美形外国人は、なんと宇宙からやってきたエイリアン。
しかも、友則に「殺してくれ」と頼んできて……。
困惑しつつも彼に “サミア”と名付けて一緒に暮らすうち、サミアを好きになってしまう友則だが——。
『サミア』『いつか地球が海になる日』『ミルク』ほか、書き下ろし『ミルクの後で』を収録。(裏表紙より)

実は初BL小説なのである。新しい扉に手を掛けてしまいました。ある四コマ同人誌を読んでいてどうしても気になったので読んでみたら、「サミア」のあまりの切なさにきゅんとしてしまい、(負けた……)と思いました……。
「サミア」は宇宙からやってきたエイリアンで、主人公・友則だけが唯一彼を殺せる存在である、という設定なのですが、このエイリアンの孤独や、緑豊かな田舎風景、そして一夏の物語というのがあまりに胸を揺さぶるお話で! あれなシーンに言葉を多く割いていないところも、しんみりとした繊細なお話を作り出しているように思います。シーンひとつひとつとっても美しいのだ……。
「いつか地球が海になる日」や「ミルク」も、明るさの中にどことなく優しさが流れているようで好きなお話でした。
赤々煉恋 (創元推理文庫)
妹の百合香が死んだ。姉の早苗は、美しい姿で死者の写真を残す葬儀社を知る「死体写真家」。出会い系サイトで知り合った女と寝ては別れを繰り返す佐原の過去にいたのは、夜ごと客を取っていたというかつての同級生「レイニー・エレーン」。新興住宅街でアタシはこの世ならざる者を見る。神様、お願い。「アタシの、いちばん、ほしいもの」。ある宗教を信仰する家に生まれ、盗癖を持ち、暴行の末に妊娠して家を追われた私は、ある特殊な性癖のMさんと出会う「私はフランセス」。父親のネグレクトを受けている私は、ある日、曾根という男と彼と一緒に暮らす「お姫様」と知り合う「いつか、静かの海に」。五つの愛の形を描く短編集。

読んだのは単行本なんですが、表紙が好きなので文庫版を貼っておく。
愛って言ってもものすごく変質的、変態的でもある。どの話も結構悪趣味なんだけれど、すごく面白い、というか、残酷な童話でつい真剣に聞いてしまう、というようなイメージがあるなあ。
最初の「死体写真家」からテッテレ王子(@サンホラ)が走っていく。しかしイケメン度はない。「いつか、静かの海に」は突然ファンタジーでこれだけ異色だと思いました。同じファンタジーでも、「アタシの、いちばん、ほしいもの」はこれもひとつの少女の形、と思う一人称語りで、結末はやるせないとはいえ、すごく好きだなあと思いました。
本棚に置いておくには、ちょっと不謹慎な気もしつつ、好きな一冊でした。
グリム童話―メルヘンの深層 (講談社現代新書)
グリム童話の新しい面白さ——たとえば、「いつの日か、白馬にまたがったハンサムな王子さまが迎えにくる」という夢を抱いている若い女性は多い。若い女性が理想の男性を夢みるのは当然だとしても、その男性が「白馬にまたがった王子」としてイメージされるのは、メルヘンの影響を抜きにしては考えられない。さらに、そうした理想の男性を自分のほうから探しにゆくのだとは考えず、王子さまが迎えにくることを夢みるのは、やはりメルヘンの影響だろう。問題は、白馬の王子が迎えにくるというイメージが、大古の昔から伝えられた、人間の本質を象徴するイメージなのか、それとも、ほんの二百年前にメルヘンに盛り込まれたメッセージなのかということである。ヴィルヘルムがなぜ、どんなふうにメルヘンを書き換えたのかを細かく見ていくことによって、右のような疑問に対する答えを見つけることができるだろう。——本書より(カバー折り返しより)

グリム童話について調べようと思って買っておいたもの。1991年1月の刊行なので、もう古いだろうとは思うけれど、なかなか面白かった。
グリム兄弟の略歴、グリム童話の加筆について、また採集した人物について。歴史学、神話学、心理学のフロイト派、ユング派それぞれから見たグリム童話など、様々なところからグリム童話を見る、まさに大人のために入門書だなと思う。
海馬が耳から駆けてゆく〈3〉 (ウィングス文庫)
「交際許可届け」を知っていますか?
菅野 彰のペンネームの由来は……?

「あなたが胸だと思っているこれ……、これは」
————「本当は天使なの」。

菅野 彰の秘密がいっぱい……?
そしてやって来た1999年、運命の年……。
でも、恐怖の大王はやって来ませんでした——。

笑いと笑いに満ち溢れる菅野 彰の愛すべき日常!!(裏表紙より)

学校の話がすごく面白い。菅野さんって結構不真面目なんだな……。クリエイターって基本的にこういう感じなんだろうか(自分を棚に上げて我が妹を見る)。「交際許可届け」に噴く。時代錯誤だ。
全体的に家族の話と旅行の話が多かっただろうか。体育会系の家族ってすごい。親戚が集まってわーわーしている感じが好きだなと思う。
Profile
Author:月子
読んだものやら見たものやらの記録
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