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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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海馬が耳から駆けてゆく〈4〉 (新書館ウィングス文庫 114)
あるときは日本の南端、波照間島へ。
ある時は、常に様々な話題を提供する月夜野 亮とともにフランスへ。
またある時は、ひそかに韓国・釜山へ……(文庫版あとがき参照)。
しかし、旅好きの著者の旅は、なぜかいつも波乱に満ちあふれ……!?

爆笑必至!!
待望、人気エッセイ第四弾!!!(裏表紙より)

海馬シリーズ四巻目。単行本は2002年に出たものでこれは文庫。今回は旅の話が多かった。
一人旅はいいんだけれど、フランス旅行。ああいうツアー旅行もあるのか……不思議なことがこの世にはまだまだいっぱいあるんだな……。
旅行の話も多かったけれど、怪我、病気の話も多かった。大丈夫なんだろうか。
ワープロ、パソコンの話もあったけれど、ちゃんとサポートセンターに電話するところがえらい、と思いました。私は無理そうならあきらめてしまうよ……。
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子ども漫画の世界 (1979年) (子どもの文化叢書)
1979年の本。なのでちょっと古いかもしれない。
SF漫画論、野球漫画論、学校漫画論、子ども漫画の倫理学、ファンタジー漫画論、戦争漫画論、性に関する少女漫画論、漫画の中の親像、ギャグ漫画論などの章に別れています。
私が少女マンガ論ばかり読んでいるせいだと思いますが、特に野球漫画、学校漫画、戦争漫画、ギャグ漫画の章がめずらしくて面白かったです。触れている作品は古いものですが、今まで読んだことのない作品論だったので興味深かった。
セイジャの式日 (メディアワークス文庫)
不格好だけど素敵な恋と旅立ちの物語。

 絵を一枚仕上げるたびに、絵にサインを入れるたびに、もうやめよう、これで最後にしようって、考える——
 それでも私は、あなたのために絵を描こう。

 かつて彼女と過ごした美術室に、彼は一人で戻ってきた。そこでは、長い髪の女生徒の幽霊が出るという噂が語られていた。
 これは、不器用な人たちの、不恰好な恋と旅立ちの物語。(裏表紙より)

由良三部作の三巻目。二巻登場のハルは今回、夏休みの彫刻家のアトリエでのボランティアに由良を誘う。そこで起こる事件。そして、最終エピソードとなる、由良があの場所に戻ってくるお話。この二つが収録。
最初のエピソードは、ぞわぞわとする。そうなんだよ、創ることに対して身を削れてしまう、何かを削ってしまう人っていうのは必ず存在するんだよ。犀のことは、責めるべきなんだけれど、一概にそうとは言えない何かがあって。でも「ちがうんだよ」と泣きながら言えたハルは、すごくいい。
Aのその後がちらっと語られていたけれど、彼女は手に入れたのかな、と思う。
『プシュケの涙』ほどの衝撃はなかったけれど、最後の話がよかったなあ。いつでも、ああいう青春を送った人たちはいるのかもしれないな、と思わせて。地上から絹川さんを見上げた由良は、きっとすごく心から嬉しかっただろうな。そう思うと、長く高校生の頃の傷を抱えてきた由良がようやくその時代から抜け出すことのできたというのがこのお話の結末なのかもしれない。
ああ、いい話だったな。
オススメされた本でした。三部作楽しかったです。ありがとうございました!
先生×小説―掘りだしものカタログ〈1〉 (掘りだしものカタログ 1)
「先生」という働きを果たしている人物や出来事、そういった人が登場する話を紹介する読書案内本。薄いものですが、テーマ別にシリーズがあるようで、これは先生が登場する本を紹介したものです。芥川や三島、花袋といった文豪から、池波、司馬といった時代小説作品、小川洋子や芦原すなおといった今も作品を発表している作家、外国作品の紹介もあり、非常に幅広いです。
でもざっとみた感じ、社会性のあるものが多いのかな? なんとなく印象ですが、先生という職業が社会と関係するものだからかもしれません。
巻末に文学館、作家記念館のリストあり。デザインも好きな本です。
ハイドラの告白 (メディアワークス文庫)
 絶望的な恋をしているのかもしれない。私がやっていること、全部、無駄な足掻きなのかもしれない。——それでも私は、あなたが欲しい。

 美大生の春川は、気鋭のアーティスト・布施正道を追って、寂れた海辺の町を訪れた。しかし、そこにいたのは同じ美大に通う“噂の”由良だった。彼もまた布施正道に会いに来たというが…。
『プシュケの涙』に続く、不器用な人たちの不恰好な恋の物語。(裏表紙より)

何シリーズと呼ぶべきか分からなかったので調べてみたら、由良三部作というんですね。その二巻目です。
美術系アーティスト・布施正道を追ってきた春川が由良に出会い……という、やっぱり由良が語り手振り回すのかという話なのですけれども、それがやっぱり心地いいというか、お約束で楽しいです。
語られる内容は少しシリアスでえぐいところもあるけれど、この、ひたひたと陰が感じられるのがこの一連のシリーズが好きなところかなと思います。
二編目のグラビアアイドル・Aの話は、好きだなー。女の子の本音好きだなー(笑)という、刺々しく生々しく生意気でありつつかわいらしい、歪んだ女の子の視点から語られる話で、こういうしたたかなのがいいのよ! と思いました。

 女の子ってーのはゴボゴボと血を流しながらニッコリ笑って仕事するのだ。


狙ってるよね。狙ってるよこの一文!

オススメされた本でした。ありがとうございました!
おかえり。5ねんぶりの生協の白石さん
大学生協の「ひとことカード」での白石さんと学生とのやり取りから始まったらしい。名前は存じ上げていたのですが、今回初めて読みました。
白石さんのくすっと笑える回答が楽しく、読んでいてふわっと幸せな気持ちになりました。こういう余裕が大切だよなあ。特にこの本は働くこと、新入社員といった人からの質問が多くて、こういう風に考えていけばいいのか、とちょっと気持ちが楽になる部分もあり、息抜きになりました。
身代わり伯爵と伝説の勇者 (角川ビーンズ文庫)
ミレーユの双子の兄・フレッド(将来の夢:勇者)のドラマチックな冒険を描く表題作「身代わり伯爵と伝説の勇者」、“運命の恋人が見える”鏡をめぐって恋する乙女が暴走する「身代わり伯爵と運命の鏡」、美形着ぐるみ王子ヴィルフリートと、ミレーユの勘違いだらけな逢い引き「身代わり伯爵と秘密のデート」他、ジークの仰天花嫁選びを描いた書き下ろしを収録。爆笑&ラブ満載なファン待望(初心者歓迎)の豪華短編集!!(裏表紙より)

楽しかった! 求婚まで読んでいて、本編がちょっとそわそわした感じなので、明るく楽しく読める話は嬉しいな。フレッドがいっぱい出てて楽しいですが、フレッドとセシリアが好きなのでもっと出て! という感じです。
一番好きなのはやっぱり「身代わり伯爵と薔薇園の迷い子」! ジークとリディエンヌの話は、べったべたなだけに、会話が面白くて、しかししっかりツボを押さえてくれて、大変ときめきました。求婚はいい。とてもいい。
神々の夢は迷宮 (講談社X文庫―ホワイトハート)
 少年ワツレンは、海の上で生涯を送るという海人の一族に育った。左半身にほどこされた銀色の美しい刺青が、その証。だが、大嵐に襲われ両親と仲間たちを失ったワツレンは、海軍将校のルーザ=ルーザに命を助けられ、王都の迷宮管理庁で暮らすことになる。王国の至宝を守るために造られた迷宮の謎は、誰にも解けないはずだったが、ワツレンは……!?
 迷宮ファンタジーに新たな傑作登場!(裏表紙より)

心に傷を持つ若者たちが、『世界』へと歩き出していく話、という感じで、爽やかで、元気がよくて、しんみりして、とてもいいファンタジーだった! このしっとり感というか清涼感というか、すごく好きだなあ、西東さんのお話。
主人公ワツレンの性格がとてもいい。まっすぐで、明るくて、自分に出来ることをやれる真っすぐな男の子。弱音を吐くときもしっかりしているし、芯が通った男の子でかっこいいなあ! 嫌みがない感じがすごく好き。だからこそエトには眩しかったのだろうし、ぶつかりあってすれ違うこともあったけれど、二人が歩んでいく道はきっとたくさんの光が待っているだろうな。
ぼくのうた (幻狼ファンタジアノベルス)
蘇った名もなき魔王の軍勢により、滅亡の危機に瀕するマルー王国。
かつて魔王を倒したという神剣デアンハークを手にできるのは、
十八歳以下の若者だけだった。かくして国中の若者が集められ、
魔王討伐のための「王国献身隊」が結成される。
苦難に満ちた旅に挑む少年少女たちの運命は——!?
鬼才・十文字青が渾身の力で描き上げる、ファンタジーの神髄!!(裏表紙より)

復活した魔王の討伐のため、集められた少年少女たち。その困難な旅が描かれる。ストーリーはRPGっぽくて、すごくシンプル。文章が硬質で、固い岩のような印象で面白かった! 旅の仲間の関係の険悪さとか、少しずつの変化(いい方向も悪い方向も)が描かれていて、リアルだなあと思ったり。みんながどこかしらすり減っていく中で、トアとササが癒しでした。
神話とか、神様の話も作り込まれているようで、これももっと見たかったなあ。少女神にときめきました。もっと超長編で読んでみたかったかも!
面白かったです。
プシュケの涙 (メディアワークス文庫)
 夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。彼女はなぜそんなことをしたのか? その謎を探るため、二人の少年が動き始めた。一人は、飛び降りるまさにその瞬間を目撃した榎戸川。うまくいかないことばかりで鬱々としている受験生。もう一人は“変人”由良。何を考えているかよく分からない……。そんな二人が導き出した真実は、残酷なまでに切なく、身を滅ぼすほどに愛しい。(裏表紙より)

いたいいたいいたい。刺さって痛い。辛い。悲しい。切ない。苦しい。ある夏の、青少年たちの残酷さと現実による悲劇。
うまく回らない人生のある部分にいるのが高校生だと思うのですが、まさにその受験生という榎戸川。読んでいくうちにもうこれは関係者だなと思わずにはいられないほど不安定に感じられて、彼の優柔不断さや、それを優しさと勘違いしているところが、もうこれでもかと刺さってくる。榎戸川や旭の存在は愚かしくて、それゆえに怒りにも似た愛おしさが、彼ら高校生に感じられてしまう。
第2部の話は、結末が分かっているから辛い。誰からも相手をされない、陰口を叩かれる、一人の世界にいて誰とも関われないでいる、吉野彼方という人物にも人生があって、困難と喜びに満ちた青春があって、考えていないわけじゃない、一人だけでいたわけじゃない、というのが、もうこれでもかと胸を締め付けてくる。どうしてみんな、そんな当たり前のことに気付かないのだろう、と私たちの現実に照らし合わせて思う。こういう気持ちを忘れていたなあ。
おすすめされた本でした。面白かったです、ありがとうございました。シリーズのほかも読みたいと思います。
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Author:月子
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