読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

奴隷として砂漠の国エティカヤに連れてこられたカリエ。ひととおりの教育を受けた後、バルアン王子への献上品として、後宮にあがることになる。そこでは、王子の「妃妾」になるために多くの女たちが激しい火花を散らしており、カリエもライバルのサジェに負けたくない一心で「妃妾」の座をめざすのだが…。一方、同じ奴隷としてカリエと離れ離れになったエディアルドの安否は!?(カバー折り返しより)
面白いよう、面白いよう! カリエに降り掛かる様々なこと。しかしカリエは一人きりで泣き、負けるもんかと歯を食いしばる。その瞳の中に宿った光は、いつも誰かを惹き付ける。異国の後宮という不慣れな場所であっても、カリエがカリエらしくていいな! 敬語を使っているところに、なんだかもぞもぞしてしまうくらい。
ギュイハムの暗殺未遂が起こったところで、引き。続き、続き!
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カリエがエディアルドとともにカデーレの森から脱出して半月が経った。薄暮のなか、その日の目的地の途中にある村に辿り着いた頃、エディアルドの高熱に気がついたカリエ。二人は、宿をその村で求めようとしたが、訪ねる家々で冷たく断られてしまう。途方に暮れるカリエ。そこに一人の男が現れ、自分の家に来てもいいと言う。しかし一夜を過ごすことになったその家には、恐ろしい罠があった。(カバー折り返しより)
『帝国の娘』が新装版になったということで、コバルト版を読んでから長々と積んであった砂の覇王を読んでいこうと思って読む。
帝国の娘では、このやろう! と爛々と目を輝かせて立ち上がるカリエはまだまだ少女という感じでしたが、この巻からしっかりとした芯がもうすでに出来上がっている様子。自身の自制や強い自我に、とてもかっこいいと感じました。この巻はまだ序章という感じなので、二巻からどう走っていくのかが楽しみです。

吉原にある男の遊郭『花降楼』に売られた椿は、やがて十八になり、いよいよ水揚げ(初めて客をとる)の日を迎える。大勢の男たちが争う中、大金を積んでその権利を競り落としたのは、広域暴力団組長・御門春仁だった。御門はその後、椿の許に通ってくるようになる。財力を背景に、鷹揚に椿の贅沢を許し、我が儘を楽しむかのような御門に、椿は…。大人気! 花降楼シリーズ第四弾!!(裏表紙より)
面白かったです! 男の遊郭もの。裏の紹介文を読んでいなかったので、シリーズものだと気付いていませんでしたが、このままでも読めます。ぱらぱらと登場人物が出るのでシリーズなのかなと思うくらいです。これ全シリーズ読みたいんですけど!(遊郭好きなんだなあ、多分)
ツンツンツンデレな美少年と、鷹揚なやくざの組長のカップリングです。遊郭内でお話が進むので、ヒーロー役の御門が通ってこないと話が始まらなくて、御門の背景で何が起こっているのかがあんまりよく分からなかったのが残念! 御門にもっと男前を見せてほしかった!
しかしツンな美少年受けはかわいかったです。手練手管を知っている娼妓のくせに、御門の前ではぐだぐだに崩れてしまうところがいい。くそーなんでこれが女の子じゃないんだ! イラストも相まって女の子にしか見えないのに!

「知的に美しく優雅であること」、それが”お嬢様ルール”です——本書は、フランス・ローゼル城のサヴォア・ヴィーヴルで上流マナーを身につけた著者が、おしゃれ、食事からデート、贈り物まで、誰でもお嬢様になりきれるノーブルな作法をお教えします。朝食メニューや御用達ブランドなど、とっておきの美学と共に、憧れの”お嬢様の世界”を大公開! 『センスアップ・マナー講座』を改題。(裏表紙より)
菅原さんが考えるお嬢様のマナー入門の一冊。一例としては面白いのですが、西洋びいきなところが感じられたのが残念。しかし、上流階級の生活がかいま見れるところが面白いです。菅原さんは非常にお金持ちなお嬢様なんだなあ。仕事は何をしているんだろう。マナー講座というよりも、エッセイで読んでみたいと思う本でした。

「四十になったら、振り袖を着ましょうとも!」
友人・月夜野亮のその一言を、著者は忘れはしなかった……。
周囲も総ざらいに巻き込んで、阿鼻叫喚の宴の準備。
果たしてどうなりますか——!?
ニャン太との、切ない最後の日々を綴った「文庫版後書き」も収録!!
日本を抱腹させた爆笑エッセイ、とりあえずの最終巻!!(裏表紙より)
これを読むとちょっと間を置いて「……大丈夫か」と真顔で聞いてしまいたくなる。非日常に思えるけど日常なんだよな……。
親戚の小学生の女の子になんとも言えない気持ちになった。おかしいんだけど、恥ずかしいよな世界が狭いって!(自分を思い出して悶える)
この巻で一番すごかったのは、やはり月夜野さんの誕生日パーティだ。初出は03年からの「Wings」なのでもうすぐしたら十年ですが! 本当にウェディングドレスを着るんでしょうか!
ニャン太との別れは悲しかった。でも文庫で海馬をずっと読んできたから、最後を知れてよかったという気もする。

あるときは日本の南端、波照間島へ。
ある時は、常に様々な話題を提供する月夜野 亮とともにフランスへ。
またある時は、ひそかに韓国・釜山へ……(文庫版あとがき参照)。
しかし、旅好きの著者の旅は、なぜかいつも波乱に満ちあふれ……!?
爆笑必至!!
待望、人気エッセイ第四弾!!!(裏表紙より)
海馬シリーズ四巻目。単行本は2002年に出たものでこれは文庫。今回は旅の話が多かった。
一人旅はいいんだけれど、フランス旅行。ああいうツアー旅行もあるのか……不思議なことがこの世にはまだまだいっぱいあるんだな……。
旅行の話も多かったけれど、怪我、病気の話も多かった。大丈夫なんだろうか。
ワープロ、パソコンの話もあったけれど、ちゃんとサポートセンターに電話するところがえらい、と思いました。私は無理そうならあきらめてしまうよ……。

不格好だけど素敵な恋と旅立ちの物語。
絵を一枚仕上げるたびに、絵にサインを入れるたびに、もうやめよう、これで最後にしようって、考える——
それでも私は、あなたのために絵を描こう。
かつて彼女と過ごした美術室に、彼は一人で戻ってきた。そこでは、長い髪の女生徒の幽霊が出るという噂が語られていた。
これは、不器用な人たちの、不恰好な恋と旅立ちの物語。(裏表紙より)
由良三部作の三巻目。二巻登場のハルは今回、夏休みの彫刻家のアトリエでのボランティアに由良を誘う。そこで起こる事件。そして、最終エピソードとなる、由良があの場所に戻ってくるお話。この二つが収録。
最初のエピソードは、ぞわぞわとする。そうなんだよ、創ることに対して身を削れてしまう、何かを削ってしまう人っていうのは必ず存在するんだよ。犀のことは、責めるべきなんだけれど、一概にそうとは言えない何かがあって。でも「ちがうんだよ」と泣きながら言えたハルは、すごくいい。
Aのその後がちらっと語られていたけれど、彼女は手に入れたのかな、と思う。
『プシュケの涙』ほどの衝撃はなかったけれど、最後の話がよかったなあ。いつでも、ああいう青春を送った人たちはいるのかもしれないな、と思わせて。地上から絹川さんを見上げた由良は、きっとすごく心から嬉しかっただろうな。そう思うと、長く高校生の頃の傷を抱えてきた由良がようやくその時代から抜け出すことのできたというのがこのお話の結末なのかもしれない。
ああ、いい話だったな。
オススメされた本でした。三部作楽しかったです。ありがとうございました!

絶望的な恋をしているのかもしれない。私がやっていること、全部、無駄な足掻きなのかもしれない。——それでも私は、あなたが欲しい。
美大生の春川は、気鋭のアーティスト・布施正道を追って、寂れた海辺の町を訪れた。しかし、そこにいたのは同じ美大に通う“噂の”由良だった。彼もまた布施正道に会いに来たというが…。
『プシュケの涙』に続く、不器用な人たちの不恰好な恋の物語。(裏表紙より)
何シリーズと呼ぶべきか分からなかったので調べてみたら、由良三部作というんですね。その二巻目です。
美術系アーティスト・布施正道を追ってきた春川が由良に出会い……という、やっぱり由良が語り手振り回すのかという話なのですけれども、それがやっぱり心地いいというか、お約束で楽しいです。
語られる内容は少しシリアスでえぐいところもあるけれど、この、ひたひたと陰が感じられるのがこの一連のシリーズが好きなところかなと思います。
二編目のグラビアアイドル・Aの話は、好きだなー。女の子の本音好きだなー(笑)という、刺々しく生々しく生意気でありつつかわいらしい、歪んだ女の子の視点から語られる話で、こういうしたたかなのがいいのよ! と思いました。
女の子ってーのはゴボゴボと血を流しながらニッコリ笑って仕事するのだ。
狙ってるよね。狙ってるよこの一文!
オススメされた本でした。ありがとうございました!