読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々

14歳の女子たちの学校生活における処世術を、実際の学生にインタビューやアンケートしながらまとめてみた読み物。この前『くすぶれ! モテない系』(能町みね子)という本を読んだのですが、この本は女子学生(あるいは女子)におけるヒエラルキーとかカテゴライズとかの話をしています。本気なのか冗談なのかちょっと分からないところもあったけれど笑 面白く読みました。
女子高生のあるある感がぱねえっす。そう、何故かヒエラルキー上位の女子はディズニーグッズが好きなのだ……。私の地元が大阪なので109系の文房具を持っている子は私の知っている人にはいなかったように思うのですが、制服の着こなし方とか、あるある……。女子校と公立で多少の違いがあるというのを初めて知りました。
日本の学校はこんな感じ、という話が主でしたが、中にアメリカとドイツの学校の話がちょっとだけあって興味深かったです。面白かった。


翠の国の鳳穐と旺廈、二つの氏族は長らく恨みと憎しみと復讐によって覇権を争ってきた。国を統べる鳳穐一族、その頭領・穭。裏切られ囚われの身となった旺廈一族の頭領・薫衣。宿命づけられたようにお互いを殺したいという思いを抱いてきた二人はしかし、国のために手を取り合うことになる。
私が読んだのは単行本版。
すっごく政治的な話がずーっと続くんですが、最後まで読むと一気飲みしたみたいに「ぷっはー!」となるような、息が詰まって詰まって苦しくて、どうしてうまくいかないのだろう、二人の思いはここで潰えてしまうのだろうかとはらはらのし通しでした。最後は悲しいような、けれど確かに大地を踏みしめている気もして、泣き笑いの顔になってしまう。
鳳穐と旺廈の宿命づけられた憎しみの鎖を断ち切るには、あまりの多くのことが難しく、それをやってのけた穭の政治的手腕が物凄いのと、それに応じながら自分らしさを失わなかった薫衣に、もうひたすら感嘆のため息。基本的にはうまいこといくのに、人々の思惑が絡み合って、ただではいかない感じや、穭の君主としての容赦のなさがすごい。優しい話を書くならきっと薫衣の視点で選ばれた者としての話が書けただろうになあ……すごいなあ……。

ひとつしか瞳をもたない鷹のアキと暮らす少女・ムメは、都から来たばかりの少年・春名丸と出会った。それが縁で春名丸の父親・小野春風にさまざまなことを教わるムメ。やがて見違えるような娘へと育ったムメは、春名丸との友情をはぐくんでいく。だがそのころ、羽州では都に対する戦いが起きようとしていて——!! それが、東北の地、羽州で起きた〈元慶の乱〉のはじまりだった。(カバー折り返しより)
東北を舞台にした、歴史の流れの裏にある人々の物語、という感じでしょうか。なんとなく上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』みたいな話だと思い込んでいたみたいで、ムメは賢く健やかな子だし、春名丸はちょっとまっすぐすぎるけれど気のつくいい子だし、カラスは迷いながらも大事なものを失わない子でした。それから上記の紹介文ではムメにロマンス的な香りがするんですが、実はそんなことはあんまりなかった。最後まで、主人公は地に足の着いた娘さんでした。ムメの物の見方や考え方がはっきりしていて、彼女が大事なことを発言すると目が覚める思いがしました。なので、ジオがどう変わるのかをちゃんと見たかったなあ。
最後の「記録は、もとよりないが」という一文がすごく響いてくる。でも、ここにこうして物語があるように生きた人たちがいたんだな。

リヒャルトが即位するために必要な宝剣の鍵を手に入れるため、結婚契約書にサインをしてしまったミレーユ。大公との挙式まであと三日と迫る中、リヒャルトはミレーユと王位奪還のため単身宮殿へと向かった。しかし再会したミレーユは、花嫁衣裳を身に纏い、リヒャルトの記憶をなくしてしまっていて——!? かくして身代わり伯爵の一途で感動的な奇跡が巻き起こる!! 恋愛指数最高潮!! シアラン編感動の完結巻!!(裏表紙より)
シアラン編完結! 両思いおめでとうー! とてもとてもロマンチックな活劇でした。
再会からの記憶取り戻し、王宮逃走辺りは、どきどきもしたし、にやにやもして楽しかった。そして何より聖堂でのシーン! これこそロマンス! ミレーユの啖呵はかっこよかった!!
でも誰がおいしいかというとフレッドがおいしかったです。一番じゃなくなる兄、というのが切ない。妹が大好きで、妹のためになら何でもできる。フレッドは自分のことを歪んでいると言うけれど、誰よりもミレーユの幸せのことを考えて行動できる人だな。ウォルター伯爵とは違う、と分かるところがやっぱり聖堂でのシーンで、フレッドスキーにもとてもとてもおいしい巻でした!
ミレーユとリヒャルトはこれかららぶらぶするんだろ! と思わずにはいられないラストでしたが、次巻から新章でまた一波乱ある気配ですね。二人ともがんばれ!

双子の兄・フレッドが行方不明になり、ミレーユはフレッドの『身代わり』として、『ミレーユ姫』のフリをする事に!! はじめは奇天烈なお姫様を演じていたが、大公の卑劣な行為にブチ切れ、ついに地を出し、大公の下に殴り込みをかける。だが待ちかまえていた大公に結婚契約を持ちかけられてしまい!? かくして身代わり伯爵の婚姻を賭けた駆け引きが始まる!! 第五師団にミレーユの正体もばれて——!? 急展開の第九弾!!(裏表紙より)
面白かったー! ミレーユの本領発揮! 前の巻の感想で、フレッドのおかしい設定が、伯爵令嬢としてミレーユがシアラン宮廷にいることになったら困らないかと思ったけれど、それがこの巻でちゃんとミレーユを守る設定になっていてよかった。
ミレーユが地を出すところがやっぱり好きだな。体当たりでいく女の子は大好きです。でもその一生懸命さを利用する大公が! 腹立つ! でも少女小説的にはおいしいよー!
第五師団に正体バレ、大変楽しくてありがとうございました。「男らしい」「雄々しい」とさんざん言われるのに爆笑した。にやにやしたー。
いろんなところが動き出す話で、「嘘をついているのは誰だ?」状態だったのでちょっと読むのがしんどかったけど楽しかった。登場人物も多くなってきたな。ちゃんと追っていけるだろうか。

第五師団が捕縛され絶体絶命の中、ミレーユはリヒャルトの即位に必要な宝剣を手に入れ、公女エルミアーナを救うため、炎上する離宮に飛び込んだ! それを知ったリヒャルトもミレーユの後を追い離宮へ飛び込むが、ミレーユは怪我で意識不明になってしまい!?「帰らないで。ここにいてください。俺のそばに」かくして『身代わり伯爵』の切なく命懸けの試みがはじまる!全員失恋!? 待ったなしのハイテンション・王道ファンタジー!(裏表紙より)
相変わらずにやにやにやにやしました。シアラン編がそろそろ終わりそうな気配だ。
ともかく。両思いおめでとう! おめでとう! 端から見てるとじれったくてたまりませんでしたが、ちゃんと好き合ってる二人が見られて嬉しかった。でもどこか決定的なところですれ違ってる感がーと苦笑い。でもきっと思いが通じるって信じてる!
ヴィルフリートがちょっと成長しているみたいなのがいいなあ。彼も彼でミレーユのことをちゃんと思っているのが分かって、本当にいいなあと思いました。ただ好きだー好きだーと言っているだけではだめだよな。
フレッドは、女装して好き勝手してるようですが、これって後からミレーユが困らないか? と思うなど。リヒャルトの婚約者になってシアランに住むときに困るのでは……と思いながらもわくわくする。
ウォルター伯爵の真意が、大体分かるような気がするけれどちょっと不気味なのが怖い。次巻が楽しみだー。

わたしは、シャイハンを殺すためにここヨギナに来たのだ。——それは、バルアンの妻として何をすべきかと考えた末、出した結論だった。バルアンの野望を叶えるということは、シャイハンの死を望むということ。だが、思いがけずに優しく紳士的なシャイハンの人柄に惹かれ、カリエの心は揺れ動く。しかし、バルアンとシャイハンの対決の時は刻々と迫っている。はたして、エティカヤの運命は!?(カバー折り返しより)
砂の覇王編最終巻。カリエ、運命の入り口に一歩踏み込むのがラスト一ページ。あまりに爆弾過ぎてぶっ飛んだわ! 続きー!!!(絶叫)
この巻が最後近くになってもカリエがまだ戸惑っている感じなのに最後にとんでもない決断を下した、その後がさらっと書かれているので、悲鳴をあげるしかなかった。やっぱりすげーおもしれー……。カリエが運命に飛び込んでいくなら、去っていく者もあり……。オラエン・ヤム登頂の辺りは総毛立った。これこそ信仰。これこそ思い、という感じで。

最後に話した男性は、よく行く焼き肉屋さんの店員……というダメ生活を脱却すべく、「結婚」を目標に始めた怒涛のトライアル。だけど、どの占い師からも「仕事を頑張れ」と言われ、ボクササイズで死にかけ、断食道場を終えてからは短気になり、しかも合間に焼き肉&ビールのコンボでは、そりゃ「結婚」の文字も遠のく!? 著者のダメ女っぷりに爆笑、そして勇気がわいてくる脱力系体験エッセイ、待望の文庫化!(裏表紙より)
単行本版を抜粋、再構成した文庫版。
電車で読んでいたんですが噴き出しそうになって咳き込んだ。「結婚への道」が面白い。私は、他人の占い結果を読むのがすごく好きなのだ……。弟さんの出番は今回はほとんどなし。家族の話もなし。女性向けの恋愛と占いの雑誌に掲載されたものだからか、占いとか健康とか美容の話が多めです。
ところで、『海馬が〜』より後、菅野さんは新しい猫を迎えられたことがあとがきに書かれてあって、なんとなくほっとしました。

冬至と新月が重なる十九年に一度の特別な夜をむかえるフィリグラーナ王国では、その「冬の大祭」の話題ばかり。祭の火神役に国王直々に指名された軍人ルーザ=ルーザも、舞の練習にはげむ日々を送っていた。
一方、迷宮管理庁で暮らすようになった海人の少年ワツレンは、地底湖の調査中に奇妙な剣を発見する。それは、国の運命を左右する和睦の剣だった……。
神聖な祭のさなか、ワツレンは魔物に立ち向かう!(裏表紙より)
『神々の夢は迷宮』から続くお話。孤児になった海人の少年ワツレンと、迷宮と人々のファンタジーで、この世界観がすっごくすっごく好きなのである。今回はパズルネタは少なく、神々と世界の秘密にちょっと踏み込む話でした。
ワツレンが、素直で本当にいい子! きっと大人になったらいい人タラシになるよ!
ルーザ=ルーザとオレクタンテがいい感じのケンカップル(?)でとてもいい。女心の分からないルーザ=ルーザと、仮面を被りすぎて頑なになってしまったオレクタンテ(ちょっと妄想入り)とか!! なんだそれもっと見たい!
続きはもう出ないそうなのですが、西東さんのサイトで続きが連載されているので、また読みたいと思っています。

ドミトリアスの皇妃となるか、はたまたミューカレウスに輿入れか——。カリエの結婚問題がロゴナにおける最大の関心事となる中、ある日、突然彼女はロゴナ宮を離れ、先帝の住まうコーフィリア宮に連れていかされた。その夜、カリエのもとに訪れた一人の客人。なんとそれは、『炎の貴妃』ビアンだった!! そして、告げられた衝撃の事実に、カリエが自らの進むべき道として下した決断とは!?(カバー折り返しより)
カリエの本領発揮! カリエの激動の運命の秘密が明かされ、次第に彼女は台風の目と化す。髪が長くなって、挿絵の彼女もとても綺麗になった!
いやしかし、でもあれはないわー。ないわー。ヒロインがあれって。しかしそういう展開に持っていった須賀さんに憧れるぅ。悪い予感しかしないんですが、大丈夫か本当に。あちこちで嫌な予感がするんですが、うおおおおお。願わくば、カリエが絶対に負けることがないように!
抽象的すぎる感想で申し訳ない。