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読んだ本とか、漫画とか、映画とか、色々
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花咲けるエリアルフォース (ガガガ文庫)
戦争で街を焼かれ、家も学校もみんな失ったぼく。東京の中学校に転校する当日、ぼくを迎えに来たのは、桜色に輝く不思議な飛行兵器とそのパイロットの少女、桜子だった。「乗れ、おまえの翼だ」——桜とリンクした戦闘機の適合者として選ばれたぼくは、桜子とともにその超兵器《桜花》のパイロットとなり、色気過多の先輩や凶暴な空母艦長に囲まれ、新しい仲間と災難続きの訓練、そして激化する戦争に否応なく巻き込まれていく。時を止め、永縁に舞い散る桜とともに、戦空を生きる少年少女の、美しくもせつない物語。(裏表紙より)

気付いた時には人と深く交流を持つことができなくなっていたぼく、仁川裕樹。国を分断した戦争(動乱と呼ばれている)によって両親を失い、戦線の移動とともに施設を転々としていた。次の行き先は九段下中学校。迎えが来るというその日、迎えにきたのは花弁のような機体の飛行兵器。そのパイロット、桜子。主要な登場人物が主人公を除いて女子ばっかりなので、ハーレム要素が感じ取れるのですが、それにしても悲しくて美しい物語でした……。
桜の木との適合者のみが、飛行兵器《桜花》のパイロットになることができる。今のところ全員が揃っていないので続きが読みたいと思うのですが、それにしても少年少女の眩さと切なさが胸にきて……。国やら大人の事情で振り回され、戦うことについて自問しながらも、大事なものと手を取り合っていこうとする彼らが本当に……眩くて……。
ヒロイン周りの設定も好きです。少女がそんな重苦しいものを背負って、強くあるのはとてもよいです。いい少年少女の物語でした。
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トオチカ
とある事情で鎌倉に移り住み、友人の比奈と雑貨店トオチカを営む、西風里葎子。比奈にちょっかいをかけるフリーのバイヤー敷地千正を苦手としている。ここは私の防衛陣地。店名に由来となったトーチカという言葉をかけて、自身を守っている里葎子だったけれど……。

面白かった! ずるくて優しい男が好きな人は、ぜったい好きだと思うんだよなー。
崎谷さんはBL作家さんで、これは普通のノマカプ恋愛小説ですが、優しくて、突っ張ってて、しんみり悲しくて、じわっと温かい、いい恋愛小説だったと思います。読む前はもしかしたらライトすぎるかもなーと思っていたんですが、文章も雰囲気もとても好みでした。
人と距離を作ってしまう里葎子の、子どもじみた防御姿勢とか、それを好意という名目でずかずか入り込んでくる千正のもどかしさとか、見ていてはらはらどきどき。大人の女性として、自分の気持ちの在処をきちんと確認している里葎子への好感度が高くなってしまい、過去のトラウマのせいで動けなくなった時に、そこで! 折れるんだよ! と何度叫んだことか。
また、ヒーローである敷地千正という男が、強引なくせに大事なところですごくすごく優しくて、ずるいなーと思いました。お姫様のように大事にしてくれる、というのを優しく甘く書いているところが好きで好きでたまらなくて。
また、ブックデザインがとてもいいです。なんたって、佐原ミズさん装画で、名久井直子さん装丁だもんずるいずるい素敵! 箔の使い方とか、白くて甘い表紙とか、素敵すぎて!
面白かったです。おすすめです。
終わる世界のアルバム (メディアワークス文庫)
杉井光が贈る切ない恋の物語。
 前触れなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。人々は普段通りの生活を続けながらゆるやかに訪れる世界の終わりを待っている。
 そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そしてぼくは気がつく。人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの少女がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに——。
 ゆるやかに終わっていく世界での、切ない恋を描く感動の物語。(裏表紙より)

人間が消滅し、記憶からも消えてしまう世界。人が死んで悲しい、という感情が失われて、人々はあまり悲しい顔をしなくなったけれど、確実に世界は終わりに近付いている。そんな終末的な世界なのに、現像しなくてはならない銀塩カメラや、ビートルズなどの名曲、ラジオ、今では時代遅れのCDプレイヤーといった小物が、古いものへの懐かしさと相まって、じわっと広がる切なさになっている。
世界が終わる物語の、主人公たちの本当の「世界の終わり」は、大事なものが失われる瞬間なのかもしれないなあ。世界が終わるなんて実感はないけれど、大事なものが失われた時の方がずっと痛いし苦しい、という。じわじわと一人になっていく、自分だけ覚えているという状況が、首を絞めるみたいに息苦しくなってくる感覚が、怖くて切なくてすごくよかったです。
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ (下) (リヴィエラ)
グレイの豪邸を初めて訪れたアナに差し出された二通の契約書。それには秘密保持義務と、彼と付き合う女性が守るべき様々なルールがそれぞれ定められていた。食事、服装、エクササイズの方法から、愛の行為の信じられないような詳細まで。普通の恋人同士になることを夢見ていたアナは大きなショックを受け、悩む。それでもグレイを拒むことはできなくて……。世界的ベストセラー三部作、第一弾(裏表紙より)

下巻です。読んでいて、メールのやりとりがかわいいな! と思いました。結構ハードなので、他愛ないメールのやりとりでにやにやしてしまう。
お互いを思いながら、何かがずれている二人。恋を知らなかったアナの恋愛無知なところがそうさせるのだろうし、クリスチャンの複雑な過去と嗜好がすれ違いを起こさせる、という下巻でした。続きを引っ張る形で終わったので続きを読まなければ……。
しかし、お金持ちってすごいよなー。何でも可能にしてしまう。メール読んでたらそこにいないと知り得ない情報が書いてあって「彼が来てる!」とびくーんとするところはにやっとしてしまいましたよ……。そういう展開好き好き!
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ (上) (RiViERA)
女子大生のアナは、親友の代わりに、巨大企業の若き創業者兼CEOのクリスチャン・グレイをインタビューすることになった。これまで恋の経験のなかったアナだが、ハンサムで謎めいたグレイに会ったとたん、強く惹かれる。彼が運命の人? グレイもアナに好意を持っているのか、彼女の行く先々に姿を見せた。ふたりは急激に近づいていくが、やがて、グレイの倒錯した秘密の顔が明らかに……。(裏表紙より)

ロマンスポルノとして有名な作品と聞いて読むことにしました。ハーレクインみたいなのだけど、多分もうちょっと若い感じなのかと思ったら、ガチでエロでSMだったのでぎょえーっと叫んでしまった。ハーレクインはもうちょっとソフトな描写だよ……(今まで読んできたのがたまたまそうだっただけかもしれませんが!)
例えてはいけないかもしれませんが、日本のTL、BL作品によくある定番の設定から、思いっきりエロくして大人向けの作品に仕上げた印象です。ヒロインはただ流されるだけじゃなくて、ちょっと抵抗してみたり、怒ったり、ぶつかり合いには怯えるところがあるけれど引かない強さもあるので、そこが物語を引っ張っていく面白みになっているなと思いました。
元々「トワイライト」の二次創作だったと聞いたんですが、調べても情報が出てこないので、この話のどの部分がトワイライトを敷いているのか知りたい。母親が恋愛脳なところとか、父親と微妙な関係とか、おんぼろ車を大事に乗っているとか、親友がすごく出来る子なところとか、それとも逆ハーレム風味にいろんな男性から矢印を出されるとかなのかな?
オリンポスの咎人〈1〉マドックス (MIRA文庫)
パンドラの箱を開け、神に罰を与えられた暗黒の戦士たちの物語。
全米で話題沸騰〈オリンポスの咎人〉シリーズ、ついに幕開け!
アシュリンはその場所で過去に交わされた声が聞こえるという制御できない力に悩まされ、幼い頃から喧騒の中で孤独に生きてきた。そんなあるとき、訪れたブダペストで不思議な噂を耳にする——森の奥深くに人知を超えた力を持つ男たちが住んでいる、と。忌まわしい力から逃れるため、藁にもすがる思いで夜の森に入ると、紫色の瞳の屈強な男が目の前に現れ、今すぐ立ち去れと脅してきた。だが無慈悲なまなざしのその男といると、声なき声が静まり返っている。アシュリンは喜びに我を忘れ、謎の男に懇願して自ら囚われの身となった。(裏表紙より)

ネサフしてるとよく広告を目にする、ハーレクイン系の「オリンポスの咎人」をこの度読んでみました。こういうのもパラノーマル・ロマンスというのかー。
神から箱を与えられ守護せよと命じられた女戦士パンドラ。一人だけ選ばれた彼女に嫉妬を抱いた戦士たちは、パンドラを殺し、箱を開け放ってしまった。箱からは悪魔が飛び出し、多くのものを殺した。怒った神は戦士たちに悪魔を封じ込め、それぞれに呪い苦しむよう罰を与えた。戦士たちは不老不死の身であるため、永劫その苦しみから解き放たれない。
さて、その戦士のひとり、パンドラを六度刺し殺した苦しみを毎夜味わい続け、暴力衝動に取り憑かれる〈暴力〉の番人マドックスは解き放たれるのか、という巻です。
読み進めながら突っ込みまくったのが、お前たち発情し過ぎじゃね? 何事にも欲情。ちょっと即物的すぎるよ! その表現が出てくる度に笑ってしまってすみませんでした。
不老不死の戦士たちですが、ブタペストの丘の古城に暮らして街の人々から天使と呼ばれています。というのは、一人、トレーダーがいて、彼が生活費をがっぽがっぽ稼いでおり、その一部(多額)を街に寄付をしているから。
男ばっかり暮らしており、怒らせると一番怖い死の番人、ワイルドな戦闘家、自傷しなければならない呪いを受けた男、淫欲に支配されて毎日誰かと関係を持たないといけない絶世の美形、触れるだけで死に至る病を蔓延させる(しかもかつて愛した女に触れて殺している)男、という、これでもか! と盛りだくさんなヒーローたちです。そうですこれひとりひとりロマンスやるシリーズなんだぜ……。
そんな風にして男ばっかり濃いので、この「マドックス」の巻でヒロインであるはずのアシュリンは、どうも受け身。ヒロインヒロインした言動がちょっとあれで。うーん、側にいたいのと言ったり、最終的な選択が定番の展開だったりと、読者を投影しやすいヒロインではあると思うんですが、ちょっと未熟。ヒロインそのものにも魅力が欲しいと思ってしまいました。
しかし戦士たちの中で、お気に入りが一人いるとそれを追ってしまいたくなるシリーズであります。私は! リーダーの! ルシアンが好きだー!! 死の番人ルシアン、いつもマドックスを冥界に連れて行かなければならない彼の苦悩が読みたい。一番怒らせると怖い彼の可愛いところを知りたい。
叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)
砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇……ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第五回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理誕生。大型新人の鮮烈なデビュー作!(カバー折り返しより)

読んだのはソフトカバー版。
面白かった!
文化、文明、民族。世界各国の様々な考え方を持つ人々ならではの謎と推理だったなあ! こういう考え方は日本では絶対に出来ない、というものの話で、そのせいでちょっとファンタジーっぽく感じられてすごく素敵だった。「砂漠を走る船の道」はやっぱり一番すごかった。ラストまでぞくぞくしたわ……。後半になるにつれて、人の話になっていくところもあり、解き明かせないものもある雰囲気が好きです。
チャーメインと魔法の家 (ハウルの動く城3)
王室づき魔法使いが病気で不在のあいだ、留守番をすることになった本好きの少女チャーメインは、魔法の本のまじないを試してみたせいで、危険な山の魔物と遭遇してしまう。危なく難を逃れたけれど、魔法使いの家でも次々困ったことが起きる。魔法使いの弟子を名乗る少年がころがりこんできたり、かわいい小犬が巨大化したり、怒った青い小人の群れが押しかけてきたり……。魔法の家のドアは、王宮や小人の洞窟、謎の馬屋やプール、果ては過去にまでつながっているらしい。やがて、王宮の図書室で王様の手伝いをはじめたチャーメインは、王国の危機を救うために呼ばれた遠国インガリーの魔女ソフィーと、火の悪魔カルシファーに出会う。意外な姿に変身した魔法使いハウルもあらわれて……?
物語の名手ジョーンズが贈る、読み出したらやめられない奇想天外なファンタジー。「ハウルの動く城」シリーズ待望の完結編!(カバー折り返しより)

ハウルの動く城の三巻にして完結巻。著者のジョーンズさんが亡くなられて、すっごくへこんだことを思い出します。とにかく、亡くなられてからも翻訳された本が発行されて、嬉しいけれど、寂しい。
今回はハイノーランドという高地の国。両親から家事など生活に必要な力を一切身につけさせられずに育った、怒りっぽい少女チャーメインが、転がり込んできた魔法使いの弟子志望の少年(どんな魔法も最終的に失敗する才能の持ち主)とともに生活し、王国の、行方不明になっているお金の流れと、〈エルフの宝〉という財宝を探す物語。相変わらず、家のごちゃごちゃーっとした感じや、魔法の描き方が素敵! 魔法がある世界の魔法って、こういう風に動くんだなと思う。
ハウル、ソフィー、カルシファー、モーガンの家族もどたばたと騒がしくて楽しく、ハウルが出てきた時、はじめの言葉にあったように「イラッ」とさせられたのが悔しい。その後、しっかりちゃんとしたハウルがかっこいいのもくやしい!
ロマンスが薄かったのが残念ではあったけれど、それにもまして女の子の小さくて大きな冒険の物語という感じで、ハッピーエンドなのも楽しかった。
誰に見しょとて (Jコレクション)
東京湾に新設された超巨大フロート建造物〈プリン〉のメインテナント〈サロン・ド・ノーベル〉には、美容に関するすべてが収められていた。理想の化粧品や美容法を求めて彷徨う“コスメ・ジプシー”たる岡村天音は、大学の先輩が生まれ変わったような肌をしていることに驚く。彼女は“美容+医療”を謳う革新的な企業コスメディック・ビッキーの〈素肌改善プログラム〉を受けたというのだが……。やがて〈ビッキー〉は、アンチエイジング、身体変工などの新商品を次々に発表し、人々の美意識、そして生の在り方までを変えていく——『永遠の森博物館惑星』に続く、著者5年ぶりの最新連作集。(裏表紙より)

まだ文字がないような古代の頃と、近未来的な世界、二つを繋ぐ化粧と美容の物語。めちゃくちゃSF! という感じでないと思ったら、急速に進化していく美容技術にあっという間に世界が飲み込まれていくのが恐い。化粧していたかと思ったら、年齢が不詳になるアンチエイジング技術とか……恐すぎる……。
お化粧だから女性の怨念めいたものがあるのかと思ったら、男性も描いたり、その中間もあったりと、変わっていく世界の話なのが面白いし、やっぱり恐い。自分をデザインする、という時代が本当に訪れるなら、きっと受け入れられるときがくるんだと思うけれど、抵抗を感じてしまうのは、指標となる人がいないからか。この物語ではそれは山田リルという人であり、その存在が、古代パートで語られる「姫巫女」たちによって強調されているので、現実感があってぞくぞくしました。
侵略する少女と嘘の庭(MF文庫ダ・ヴィンチ)
お姫様は内緒で戦士募集中。
早川牧生はK中学の2年生。ある日牧生は、幼なじみである唯と琴美に「運命の相手」を見つけるという占いをさせられる。その占いで細工をした牧生は、いるはずのない「運命の相手」を探しに学校の裏庭へ向かうことに。そこにいたのは、校内でも有名な美少女だが暮らすに馴染まない不思議な少女・中山りあだった。切なくも優しいファンタジックストーリー。(裏表紙より)

MF文庫Jから出たものの新装版。清水さんはだいぶ前に『ネペンテス』しか読んだことがなかったので、久しぶりに読んだら爽やかさと痛い感じと薄暗い感じがほどよい感じに混ざってて、もぞもぞする感じがよかったです。
悪魔的な言動の美少女りあに振り回される、牧生。悪魔的な女の子ってこういうことを言うのね、という絶妙なところで同い年の子たちの辛いところを抉るりあが、かっこいいと感じるくらいすごい。異分子として幼馴染み四人組の中にやってきたりあは、関係性の変化のきっかけだったんだな。
若干不思議要素もありつつ、大人になるべく一つ階段を登る少年少女の物語でした。嘘三部作、機会があったら読んでみたい。
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Author:月子
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